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小坂正則の個人ブログ

エリート大学生による集団レイプ事件の裏に潜んだ歪んだ動機

女性や弱者をものとしか見ない男たちの犯罪
小坂正則
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5月の東京大学、10月の慶應大学に続いて、またも高偏差値のエリート大学生による集団レイプ事件が発生しました。今回の事件は9月20日夜にコンパに参加した女子学生を3人が集団でレイプして、その後犯人の1人のアパートまで移動して朝までレイプしたという卑劣な事件です。彼ら千葉大学医学部(6年制)の5年生3名は11月21日に集団強姦致傷の容疑で逮捕されました。12月5日には彼らの実名が公表され、さらに3人を指導する立場であった研修医も共犯として準強制わいせつの容疑で逮捕。医学部に学ぶ医師の卵らによる卑劣な犯罪が起こったのです。しかし、当初千葉県警は犯人が事件を自白しているにも関わらず氏名を公表しませんでした。その理由として被害者の名前が特定される可能性があるとか、共犯者の割り出し中だからと、言っていたのですが、週刊誌記者などの調査で逮捕された学生が誰だか特定されて、その犯人の中に高名な法曹界の重要人物がいるために氏名を公表しないのではないかという記事が出回ったのです。週刊誌などが本人の名前が分かってしまうギリギリの記事を掲載し続けたために、千葉県警は隠し通せなくなり、公表に踏み切ったのです。何と千葉県警も不様な真似をしたことでしょうか。法曹界の名誉を傷つけないつもりで取った行動が、そのために一層大きく傷口を広げることになったのですから。

なぜこのような卑劣な集団レイプ事件が続くのか

これまでも痴漢行為やレイプ事件は起こっています。普通行われる性犯罪は感情を抑えることができなくて理性的な判断機能が失われて衝動的性犯罪を起こす事件が大半でした。しかし、このような計画的な集団レイプ事件が、しかも高学歴の大学生による犯罪が立て続けに起こることなどあまり考えられませんでした。なぜなら最高学府に通うかれらには、集団レイプ事件がどれだけの罪になるかなど知らないわけはないからです。
今回の千葉大学医学部学生によるレイプ事件の動機はなぜなのかを考えるに、「被害女性をモノとして見る」ことしかできなかったのではないかと考えられるのです。
週刊現代の記事によると「今年5月に発生した東大生集団わいせつ事件で、起訴された被告3人が、公判で異口同音に語っていたのは、『自分たちの行為は許されると思っていた』ということでした。東大生である自分に女性は下心があって近づいてくると考えており、そういう女性を軽蔑する気持ちもあったとも語っています。
つまり、彼らには誤った「選民意識」が自然に植え付けられていたのでしょう。このような考えは慶応大学の集団レイプ事件の被告たちにも共通しているようです。
彼らは犯罪を認めていますので、被害女性と示談が成立すれば、執行猶予がつくだけで終わるかもしれないと言われています。示談が成立しない場合は最高7年の実刑判決が出るそうです。レイプ事件だけなら親告罪ですから示談が成立したら不起訴処分もあり得るのですが、傷害罪も含まれているので不起訴処分はあり得ないそうです。彼らは退学処分を受けるでしょうから、医者にはなれず一生を棒に振ることでしょう。でも、それだけの重い犯罪を犯したのだということを自らの人生の中で反省しながら生きていく必要はあります。なぜなら被害女性にとって傷害被害だけなら傷が直れば事件を忘れることもできるかもしれませんが、性犯罪は一生心の傷が被害女性の心の中に残ってしまうのです。彼女はその傷を背負ってこれからの長い人生を生きていかなければならないのです。これから彼女が恋愛や結婚をするときにも、レイプされた記憶が蘇って来るかもしれないのです。何の罪もない1人の女性がそれだけの深い傷を背負って生きていかなければならないのです。ですから、彼女が受けた心と身体の傷に比べたら彼らが一生重い十字架を背負って生きていくことは当たり前です。そして、こんなクソみたいな男子学生が医者にならなかっただけは救いかもしれません。彼らは少なくとも、人の生命を救う医者という職業には不向きだったのですから。

選民意識のエリート官僚と集団レイプ犯罪者の思考回路は同じ

このような性犯罪事件は氷山の一角と言われています。なぜなら性犯罪は親告罪ですから、このような事件は大なり小なりは別として、発覚した事件の10倍はあると言われているのです。大半の事件は被害者の泣き寝入りによって闇に葬られているのです。ですからこのような被害者を出さないためにも、このような「選民意識」の学生がなぜ繰り返し生み出されていくのかという社会的な背景をしっかり考察する必要があるでしょう。
東大出のエリート官僚はたまたま学生時代にレイプ事件を起こさなかっただけかもしれませんが、基本的に「女性を人間として見ない」ことや「弱者は人間として劣るもの」という思考回路の持ち主が多いように思われます。そんな官僚が、この国にはびこっているから、今日のようにエリート官僚が省益や課益しか考えることができない人間を大量に排出してしまうようになったのではないかと、私は思います。
そう言った意味では今回事件を起こした彼らは、犯罪者という看板を一生背負って生きなければなりませんから、私たち国民には分かりやすいのですが、犯罪を起こさなかった「選民意識」のエリート官僚は日本国憲法を守り、国民の幸福と安全と平和のために、「国民の奉仕者」として働くことの意味を理解できないまま官僚生活を過ごし、その後は天下って甘い汁をすうことが当たり前という人生を送るのです。私にはそっちの方がもっと不安です。
原発再稼働が唯一の日本のエネルギー政策だと考えている経産省官僚や集団的自衛権の行使が日本の平和と安全のための唯一の方法だと考えている外務省や防衛省の官僚と、千葉大学の性犯罪を起こした学生とは彼らの思考回路のどこが違うのだろうかと思います。私は彼らの思考回路はほとんど同じなのではないかと思ってしまうのです。
そんな集団レイプ事件の犯罪者のようなエリート官僚に私たち国民はこれからも翻弄され続けなければならないのでしょうか。



【千葉大医学部レイプ事件】23歳犯人たちの「華麗すぎる家柄」
その歪んだ選民意識

週刊現代 講談社 2016年12月19日号

高祖父は中央大学を設立した「法曹界の父」で、曾祖父は岸信介の学友の最高裁判事本人は神奈川の超名門・聖光学院高校出身……。
銀のスプーンをくわえて生まれ、名門医学部に進んだ容疑者は、二十歳そこそこにして「全能感」に満ちていたのか。女性に対する傲慢かつ卑劣な接し方から、その歪んだ選民意識が滲み出ている。

祖父も父も東大法卒の弁護士

5月の東京大学、10月の慶應大学に続いて、またも高偏差値のエリート大学生による集団レイプ事件が発生した。
千葉大学医学部(6年制)の5年生3名が11月21日に集団強姦致傷の容疑で逮捕された。12月5日には彼らの実名が公表され、さらに3人を指導する立場であった研修医も共犯として準強制わいせつの容疑で逮捕。医学部に学ぶ医師の卵らによる卑劣な犯罪が名門大学を激震させている。
千葉大学医学部は、国立大学医学部の偏差値ランキングではTOP10に入り、関東では東京大学、東京医科歯科大学に次ぐ存在である。
「千葉大の他の学部は県内および隣県の出身者が中心ですが、医学部には全国の名門高校出身者が集まっています。慶應大学医学部を蹴って、千葉大を選ぶ人も少なくありません」(千葉大生)
逮捕された3人の千葉大生のなかでも、とくに山田兼輔容疑者(23歳)が世間の注目を集めている。
山田は神奈川県の超名門私立・聖光学院高校出身。同校は、'16年度の大学入試で東京大学合格者数71名という全国トップクラスの進学校である。
そして、そうした学歴に加え、山田が日本屈指のエリート法曹一家に生まれ育っていることが、さらなる波紋を呼んでいる。
高祖父の山田喜之助は、明治時代の傑物。東京大学法学部を卒業し、法律家として活動する傍ら、大隈重信率いる立憲改進党の結党に参加。東京専門学校(現・早稲田大学)の創設に関わり、同校の教壇に立った。
同校の職を辞した後は、英吉利法律学校(現・中央大学)の創立者18人に名を連ね、授業も担当。法科の名門の礎を築いた。法律書や英国の法律に関する翻訳書も数多く刊行し、まさに日本法曹界の父だった。それだけでなく大審院(現在の最高裁)の判事や、衆議院議員として衆議院書記官長、大隈内閣の司法次官など公職も歴任している。
曾祖父・作之助も東京帝国大学法学部出身で、元首相の岸信介とは学友だった。神戸地裁の判事から弁護士に転身し、神戸弁護士会会長を経て、最高裁判事を務めた。
「山田の祖父も東大出身で、上智大学法学部助教授や第一東京弁護士会副会長を務めた大物弁護士。父親も東大卒の弁護士です。企業法務が専門で、いくつもの一流企業で監査役を務めるヤリ手ですよ」(法曹界関係者)
東大卒の弁護士が4代も続いた家系で、しかも実兄も一橋大学卒の弁護士。さらに言えば祖母や伯母も弁護士で、伯父は公認会計士である。
「千葉県警は3人を逮捕した当初は実名を発表しませんでした。表向きの理由は共犯者の捜査を継続中であることと、被害者女性の特定につながるからとしています。しかし、山田容疑者が大物弁護士一家の次男であるため、慎重にならざるをえなかったというのが、大きな理由の一つでしょう」(全国紙社会部記者)
都内の閑静な高級住宅地の一角にある山田の実家は、ロマネスク風の瀟洒な一軒家。本誌は山田宅を訪ねたが、人気はなく、終日インターフォンに応じることもなかった。
「マスコミが来るようになってから、ずっと不在が続いています。兼輔君はどこにでもいる普通の学生という印象しかありません」(近隣住民)
山田は千葉大医学部のキャンパスから徒歩10分ほどのマンションで一人暮らしをしている。
「今年2月に新築されたばかりで、もちろんオートロック。周辺の単身者向けのマンションの中では一番家賃が高いですね」(地元の不動産業者)
本誌は山田の父親が代表パートナーを務める法律事務所にも取材を申し込んだが、受付担当者が「コメントできない」と回答するのみだった。

男3人で朝まで性的暴行

逮捕された他の医学部生2人も、山田に劣らない偏差値エリートだ。
増田峰登容疑者(23歳)は筑波大学附属高校出身。
「お父さんは埼玉県内の特定郵便局局長で、地元の名士です。お母さんも学校の先生で、峰登君は3人兄弟の長男。みんな小学校の頃から勉強ができて、近所でも秀才一家と評判でした」(近隣住民)
吉元将也容疑者(23歳)は鹿児島県出身で、中学時代に長野県に転校した。
「県内屈指の名門公立校・長野高校卒です。成績は校内でもトップクラスで、昔から医者になると公言していました。でも、ただのガリ勉ではなく、中学時代から彼女もいましたし、運動神経もバツグンで陸上部に所属していました」(知人)
大学で山田と増田は医学部内のラグビー部、吉元はスキー部に所属していた。だがスポーツマンであるはずの彼らの犯行は卑劣そのものだ。
9月20日夜、千葉市中央区内の居酒屋で、実習の打ち上げという名目で、同大の学生ら十数人が参加して飲み会が行われた。
「飲み会は5時間続き、泥酔してしまった参加者の女子学生を山田らはトイレに連れ込んだんです。4人は時間差でトイレに入り、集団でわいせつ行為におよびました。犯行現場になった可能性が高い男女兼用のトイレは二畳程度の広さ。
ただし、この居酒屋はわりと高級なチェーン店で照明は明るく店員も多い。トイレは店内の中央付近にあって、頻繁に人の出入りがあった。女子学生を介抱するフリをしていたとはいえ、かなり大胆な犯行です」(前出・全国紙記者)
もともと、この飲み会は逮捕された千葉大学附属病院の研修医、藤坂悠司容疑者(30歳)が企画したもの。藤坂は容疑者の学生に「先生もどうですか?」と誘われて、犯行に加わったというから、呆れるほかない。
しかもレイプは居酒屋だけで終わらなかった。
「彼女が酒に酔ったので、家まで送る」
他の参加者にはそう告げて、藤坂を除いた3人は被害者女性をタクシーに乗せて、増田の自宅マンションに連れ込んだ。

「そこで3人で早朝まで被害者に性的暴行を加えたあげく、軽傷を負わせたんです。女性は3人が寝たところで、ようやく逃げ出して病院に駆け込み、関係者が警察に通報しました」(前出・記者)
逮捕された3人は取り調べで容疑を認めながら、動機については、
「酒に酔った勢い」と供述しているという。
あまりに愚かである。なぜ彼らは知人だったはずの女子学生を集団でレイプしたのだろうか。
同大医学部の6年生はこう語る。
「医学部は5年生から実習が始まります。実習期間中は各病院と自宅を往復する毎日で、朝早くから夜遅い時間まで課題は山積み、自宅でもレポートを書かなければならない。彼らは実習が終わって緊張感から解放されて、酒を飲んでハメを外し過ぎたんでしょうね。学内はいまピリピリしていて、学生は皆、自主的に飲み会を中止していますよ」
別の医学部の2年生が語る。
「彼らが逮捕される1ヵ月くらい前から、僕たちの周りでは『ラグビー部が女性を襲ったらしい』という噂は流れていました。実際に逮捕されても、意外性はなかったですね。というのも、医学部のラグビー部は、飲み会で過激な下ネタが飛び交うような雰囲気なんです。
もともと千葉大の医学部生はエリートで遊び慣れていない男子学生が多いのですが、入学してしばらくすると大学デビューというのか、看護学部や近隣にある女子大の学生から急にそこそこモテるようになるので、勘違いしやすいんですよ。
また、千葉大は『東医体』という東日本の大学医学部の体育会による連合組織に参加しています。そこの大会で慶應や東京医科歯科大と対戦すると、その後の飲み会で仲良くなるんですが、やっぱり都心のキャンパスで遊んでいる彼らが羨ましくなるんですかね。
高校時代の偏差値で言えば同じレベルの奴らに『俺たちも負けられない』と邪な対抗意識を持ってしまう。今回、逮捕された学生の3人はその傾向が強かったようです」
彼らの歪んだ自尊心と性欲が、今回の事件を引き起こしたのか。

「女性をモノとして見る」

数多くの性犯罪の裁判を傍聴してきたライターの高橋ユキ氏が語る。
「今年5月に発生した東大生集団わいせつ事件で、起訴された被告3人が、公判で異口同音に語っていたのは、『自分たちの行為は許されると思っていた』ということでした。東大生である自分に女性は下心があって近づいてくると考えており、そういう女性を軽蔑する気持ちもあったとも語っています。
そうした東大生の思い上がった意識が引き起こした事件でした。今回の千葉大学医学部生にも同じような背景があったのではないでしょうか」
高橋氏によれば、東大生集団わいせつ事件の河本泰知被告は裁判でこう証言したという。
「仲間の間で女性をモノ、性の対象として見て人格を蔑んでいる考え方が根本的にあったと思う。大学に入学してサークルなどで他大学の子と接して、彼女らはアタマが悪いからとか、バカにして、いやらしい目でばっか見るようになり……という、男たちの中でそういう考え方が形成されてきたように思います」
山田ら3人にはどんな罰が待っているのか。刑事事件に詳しい弁護士法人・響の徳原聖雨弁護士が説明する。
「集団強姦致傷は親告罪ではありませんが、示談が成立するかどうかがポイントになる。20日間程度の勾留期間中に示談がまとまれば釈放ということもありえます。また、被害者の協力が得られずに裁判を維持するのが難しいとなれば、検察側は不起訴の判断をせざるをえない。
逆に起訴されて有罪となれば、懲役7年前後の重い実刑になると思われます。ただし示談では、金銭だけでなく、『大学の自主退学』といった厳しい条件になることも考えられます」
一方、千葉大学側は司法判断を待ったうえで、彼らの処分を検討するとしている。
「起訴の有無にかかわらず、学生3人はもっとも重い退学処分、研修医は解雇というのが妥当でしょう」(全国紙社会部記者)
華麗すぎる家柄に生まれた山田ら3人の学生は、本来ならばあと1年数ヵ月後には医学部を卒業し、輝かしいキャリアを歩むはずだった。だが、彼らは医師になるべき人間ではなかった。
# by nonukes | 2016-12-20 22:41 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

福島原発事故費用21.5兆円増額は終わりの始まり

福島原発事故費用21.5兆円増額は終わりの始まり
小坂正則
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どこまで増えるか誰にも分からない廃炉費用

東電福島原発事故から来年の春で6年目を迎えようとしています。そして毎日7千人の作業者が廃炉作業に従事していますが、福島原発の汚染水対策も核燃料の取り出し作業計画も全く何も進んでいません。しかし、事故処理費用だけは着実に増え続けています。これまで合計で11兆円と見積もられていた事故処理費用が21.5兆円かかると2月9日に経産省は試算を公表しました。
その内訳は廃炉費用が2兆円が8兆円、除染費用2.5兆円が4兆円、賠償が5.4兆円が7.9兆円、そのほか除染土壌の中間貯蔵費が1.6兆円で、計21.5兆円だそうです。ただ、この見積もりは現在想定される経費であって、今後増える可能性もあると世耕経産相は話しているのですが、いったいどこまで増えるのかは誰にも分からないのです。

青天井の廃炉費用を国民に求める前にやることがある

経産省は新電力の送電線使用料金に、賠償費用の7.9兆円を負担してもらおうというのが今回の大きな目的なのです。新電力利用者の平均家庭で月額18円程度ですと説明していますが、何と30年間です。この経産省案には様々な問題が隠されています。第一にはいったいいくらの事故処理費がかかるか誰にも分からないことだと言うことです。考えて見てください。最初から巨額の事故処理費がかかると官僚が言うはずはありません。小出しに次々と見積額を上げていくのです。福島原発事故のロードマップによると40年かけて廃炉処理を行うというのですが、その費用が僅か2兆円のはずはありません。最初から50兆円とも100兆円とも言われていたのですが、そこで初めて2兆円から8兆円へと見積額が上げられたのです。あと数年すると次には20兆円と言って来るでしょう。
確かに除染費用と賠償費は一定程度予想がつきますが、これまで人類が経験したことのない核燃料デブリを回収するという廃炉費用は想定が不可能なのです。
このような国民負担を強いる経費捻出案を作るなら、少なくとも「原発は安くはありませんでした」と国民に謝罪することが計画を発表する前に行うべきことではないでしょうか。
誰も謝りもせず、「それでも原発は安いです」と、言う裏で「広く国民負担にお願いしたい」というのは、余りのも虫のいい話ですし、道理の通らないことではないでしょうか。

電力自由化をなし崩しにさせる「託送料金への負担案」

経産省の案には2つ目に次のような問題があります。それは今年の4月から始まった「電力全面自由化」により、曲がりなりにも一般家庭でも自由に電力会社を選べるようになったのですが、「原発がいやだから新電力へ変えた」消費者にも原発のツケを払わさせるなら、この先第二、第三の福島原発事故が起きても電力会社は心配いらないと思って、安易に原発の再稼働を繰り返していくことになるからです。事故が起きたらその費用は国と消費者が見てくれるという安易な考えで原発を推進することは、原発企業のモラル崩壊が生じているのです。そして、「託送料」に原発事故費用を紛れ込ませる方法が当たり前になったら、次は必ず廃炉費用の見直し額もここに入れ込むようになることは間違いないでしょう。だって、送電線使用料は競争のない一番紛れ込ませやすい所だからです。今は新電力の顧客は3%から4%ですが、これがどんどん増えていったら原発企業の発電コストは新電力の消費者がこれまで負担してくれた原発事故費用も残った顧客へ負担してもらわなくてはならなくなって、電力会社は「ますます原発の発電コストが跳ね上がる」という恐怖に震え上がっているのでしょう。しかし原発企業は「原発が一番安い」と、いまだに言うのですから「原発の発電コスト」に廃炉費用や核のゴミ処理費用など積み上げるべきなのです。
実は本心はこうです。「今ある原発は最後まで使って元を取りたい」というだけなのです。「作ってしまった原発は動かせば儲かる」というだけの論理なのです。この考えは後先何も考えないで、「今だけ、金だけ、自分だけ」という無法・無責任な企業論理なのです。
しかも、今回は発表されていませんが、各電力会社の廃炉費用もこの託送料金へ紛れ込ませようという案が検討されていたのです。それはどういうことかというと、全国の30年以上の原発17基の内14基が廃炉積立金が不足しているというのです。(東京新聞2012年6月29日号)そこで、その積立金不足分や、これから廃炉に取りかかる5原発の廃炉費用が見積もりよりも多額になる可能性が高いので、その費用も託送料に紛れ込ませようということがまことしやかに議論されていたのです。さすがに「一気にあれもこれもと託送料に紛れ込ませれば国民の反発を招きかかねない」ことを恐れて今回はやめたのかもしれませんが、またぞろ出てくることでしょう。

なぜいまだに原発の発電コストは一番安いと言うのか

資源エネ庁が2012年以後に出した試算ではなぜか原発は10.1円という試算ですが、これには大きなウソが隠されています。この発電コストは、試算ですから、前提があるのです40年間事故がなくて稼働率80%運転の場合の試算なのです。しかし、現実は大事故を起こしていますし、電源開発促進税という税金を毎年3千億円以上もつぎ込んで、核のゴミ処理費など見えないコストは隠された中で、10.1円は1つのモデルケースの発電単価なのです。
ですから立命館大学の大島教授によると今回の21.5兆円を上乗せした原発のコストは13.1円で、最も高い発電単価だったのです。ですから資源エネ庁の発電コストは隠されたコストを引き剥がした「モデルケース」という国家官僚による「騙しのテクニック」なのです。

脱原発実現のために新電力へ乗り換えよう

今年の4月から始まった「電力全面自由化」によって、一般家庭でも新電力などに乗り換え可能になりました。九州ではグリーンコープ生協も来年から新電力事業に参入します。福岡県みやま市はみやまスマートエネルギーという電力会社を立ち上げました。大分県民も購入可能です。大分県内には「大分新電力」という地場企業もできました。電力自由化のためには問題は山積みですが、何はさておき、まずは「新電力への乗り換え」が大切です。九州管内では2%そこそこしか乗り換えが進んでいません。もうすぐ自由化から1年が経とうとしているのに、大分県内の一般家庭40万軒の2%は8千軒しかありません。これでは九電に取っては痛くもかゆくもないでしょう。せめて2割、3割と新電力へ乗り換えが進んで来ると、ジワジワと電力会社の経営にも堪えてくることでしょう。今回の託送料への紛れ込ませ案などによって電力会社がどれほど不当であるかが白日の下にさらけ出させて、このような企業倫理の崩壊した企業へお灸をすえるためにも、一軒でも多くの方が新電力へ乗り換えることを提案します。
私たち一般家庭の電力消費者は、このような不当な経産省案を潰すために「新電力への乗り換え」という手段が最も効果的な抵抗の方法なのです。



【声明】事故処理・賠償費用の託送料金への上乗せに反対
東電の責任をあいまいにした国民負担増加は許されない

FoE Japan2016年12月09日


FoE Japanは、東京電力福島第一発電所事故の賠償・事故処理費用と、老朽原発の廃炉費用を、あらたに広く国民負担とするための制度改革は、福島第一原発事故の責任をあいまいにし、原発事業者を不当に保護するものとして、強く反対します。
福島第一原発事故からまもなく6年、原発事故の被害は収束するどころか、長期化によりますます深刻化しています。長期にわたって続く汚染への対処は、数十年、百年単位の問題であり、生活を奪われた被災者の苦悩は今も続いています。
そのような状況がありながら、3か月にも満たない、経済産業省の審議会での議論で、原発の事故処理、廃炉を実質的に国民(電力利用者)が支援するしくみを導入することはゆるされません。FoE Japanは、下記の視点から今回の制度改正に強く抗議します。

1.東京電力の経営陣、株主、債権者の責任が問われていない
東電救済のために、すでに「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」が設立され、交付金などの形で多くの国税等が東京電力に流し込まれています。今回の制度改革で、託送料金を通じて、賠償費用を 広く電力利用者に担わせることが可能になります。
福島第一原発事故の賠償・事故処理は、東京電力が一義的に責任を負うべきであり、その結果、債務超過に陥るのであれば、破たん処理を行うのが順当です。いままで株主・債権者が利益のみを享受し、経済的な責任から免れるのは、資本主義のルールに反するばかりか、事故を引き起こした東電の責任を国民が広く肩代わりすることは、「汚染者負担の法則」にも反します。東電の法的処理の上で、はじめて不足分を税金等から補てんするべきでしょう。

2.「原発の事故処理・廃炉費用が莫大」が明らかになったいま、まずは政策変更をすべき
今回の議論は、原発の事故処理・廃炉費用が莫大であることを、国も認めざるを得ないくなった事態であると言うことができます。「原子力はコストが低廉」とし、原発を保護し温存していく政策の撤回・変更なくして制度改革のみを議論することは許されません。

3.今後の大事故についても、同様に国民負担にすることができてしまう
今回、原発事故の賠償費用として、「過去にさかのぼって積み立てておくべきだった」という、通常考えられない論理により、「過去分負担金(3.8兆円)」の回収が提案されました。さらに、そのうちの一部(2.4兆円)について、2020年から40年にわたり、託送料金で回収することとされています。
このような論理が認められるならば、今回の制度変更を「前例」として、今後事故が起こった際にも同様に託送料金での回収が提案されることが十分に考えられます。

4.電力自由化の趣旨に反する
そもそも電力自由化のなかで、原子力事業者が負うべきコストを、託送料金を通じてすべての電力利用者が広く負担するしくみを作ることは、原子力を不当に保護することになり、電力自由化の趣旨に反しています。発電事業者が費用を負担しきれないような発電方法は、当然排除されるべきです。

5.国会での議論もない拙速で限定されたプロセスであり、民主主義に反する
東京電力の事故に対する責任、賠償、そして今後のエネルギー政策の根幹にもかかわる重大な議論にもかかわらず、国会での議論もなく、わずか3か月の経済産業省の審議会の議論で原子力事業者救済の制度だけ先につくってしまうという進め方そのものが、民主的であるとは考えられません。広く、国民的議論を行うべきです。

*FoE Japanも参加するパワーシフト・キャンペーンでは、9月21日に声明「『原発コスト安』は嘘だった―国民への8.3兆円負担転嫁ではなく、原発政策の転換を」を発表し、幅広い賛同を募っています。(12月14日提出予定、12日締切)
http://power-shift.org/info/160921/

*11月24日、「託送料金での回収」の是非を問う新電力アンケートの結果を発表しました。
http://power-shift.org/info/activity_161124/

# by nonukes | 2016-12-10 12:34 | 福島原発事故 | Comments(0)

「結婚支援対策」を国が行うことは新たなジェンダー差別を作り出すだけ

「結婚支援対策」を国が行うことは新たなジェンダー差別を作り出すだけ
小坂正則
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恋人のいない若者が増えているそうです。20~30代の独身男性の75%、同独身女性の65%が「交際相手がいない」。そんな衝撃的な数字(オーネット調査)があります。これは2011年の数字ですが、調査以来15年間で、いずれも過去最高を記録したそうです。コンビニなどの普及で単身でも何も生活に困らないという都会での生活様式の変化や非正規の若者は食うことに追われて、異性と付き合う時間もないし、そんな心の余裕がないとか、恋人がほしいという気持ちになれないという若者が増えているのかもしれません。
そんな若者を取り巻く恋愛状況は決していいことではないでしょう。ただ、人の幸福感など価値観や人生観は、おいそれと他人が口出しすべきことでもありません。このようなデリケートな問題は慎重にサポートする必要があるでしょう。
そこで政府が「婚活支援」を行うという話が持ち上がっているそうなのです。(詳しくは一番下の内閣府のHPをご覧ください)政府が「婚活」などを税金で行うことには大きな問題を孕んでいます。民間団体が行うなら自由ですが、政府が「婚活」を行うことで傷つくひとがたくさんいるからです。政府はもっとやるべきことをちゃんとやってください。「改憲」や「集団的自衛権」や「駆けつけ警護」に「カジノ法案」などなど、安倍政権はやるべきことは何もしなくて、やらなくていいことだけは一生懸命にやっているようでなりません。
ところで、結婚など、昔はお節介なおばさんやおじさんがいました。私の若い頃は、周りの友人や知人が恋人を紹介してくれるお節介友人もたくさんいました。今の若者は付き合いもクールで深入りしない表面的な付き合いが多いのでしょうか。昔の男の若者は女性にしか目がありませんでした。だから男友達が集まると女性の話題が中心だったような気がします。確かに若者の中に価値観が少しずつ変化しているのだろうと思います。「草食系男子」とか「ジェンダーフリー」の若者が増えたと言われるように、性のとらえ方が自由になって来た結果、「異性と結婚して子どもを作る」ことだけが人生のゴールではなくなったのです。
もう少し正確に言うと、私のような普通と思っている男の価値観の男性が多い社会の中で、「性同一障害」と言われる身体と心が異なる人たちは、社会的に無視されて来て、そんな人たちがいることさえも否定され、私が彼らの存在を知らなかっただけなのです。いえ、私が知ろうとしなかったのです。当時から既に心と身体が異なる人はたくさんいましたから。

普通に結婚しないことは悪いことなどではない

欧米ではLGBTの人びとが自由に生活できて同性婚が認められる社会へ大きく変化しています。2015年6月26日、アメリカの連邦最高裁判所は、同性婚を認める判断を示した。これにより事実上、全米で同性婚が合法化されるたのです。
しかし、日本では同性婚どころか、あからさまな性差別が横行している中で、政府による「婚活サポート」が行われるようになれば、ますます子どもを作らない人びとやLGBTの人びとが肩身の狭い思いをすることになるのです。
もし、婚活を進めるのなら、まずは同性婚やLGBTの人びとの権利を認めて、彼らへのサポートと同時並行に婚活サポートもやるべきです。
もともと少子化になった原因は、一朝一夕に解決できるような単純な問題ではありません。価値観の多様な社会では「結婚と子どもを作ること」だけが人生のゴールなどではなくなったのです。先進国と言われている欧米ではどこも特殊出生率が2を大きく切ってます。フランスが2.01で、イギリスが1.9という輝かし出生率を達成できている理由は、血の滲むような社会保障をやって来た努力の結果なのです。例えば結婚しない女性の子どもも等しく社会保障を受けることができて、子どもは親が育てるのではなく社会が育てるという考えの下で、子育て費用や親の生活費も保障する制度が確立しているからなのです。
日本のように教育費も先進国で米国と並んで最低で、社会保障も貧しい国で、女性が安心して子どもを産もうと思うわけがありません。政府の取るべき対策が真逆です。
母子家庭の母子や性的少数者が普通に暮らせる社会制度を作って、そこから初めて少子化対策が始まるのです。保育所を増やすことも必要でしょうが、それだけで少子化対策が効果を生むわけではありません。しかも、少子化対策は20年も30年もの長い対策の結果なのです。ひとり一人が自由にいきいきと暮らせる社会を実現して、子どもを作ることも作らないことも自由に選択できる社会が実現できて初めて、子どもを作ろうかと思うかもしれないのです。しかし、それでも子どもを作りたくない自由が女性にはあります。仕事や自分の生活をエンジョイしたいと思う女性が増えても、それはそれで仕方ないことです。私たちひとり一人の生き方は私たちひとり一人が自分の意思で決めればいいのですから。

どんなにもがいても日本の少子化は止められない

実は日本の少子化は止めようがないと総務省も諦めています。安倍政権も「希望出生率1.8」とか言っていますが、これって何のことなのでしょう。1.8を目指すと言うわけでもないようです。上のグラフのように総務省によると、2050年には9500万人になり、2100年には4千万人しか人口がいないというのです。人口減少のどこが問題かと言えば、急激な人口減少は社会的な様々な矛盾を生み出すから問題なのですが、ソフトランディングできればさほど大きな問題は生じないのです。
今のような急激な人口減少は消滅都市を生み出したり、社会保障財源が生み出せないなどの大きな問題があります。でも団塊の世代が皆さん亡くなってしまう20~30年後には少子高齢化問題も随分片付いて来るでしょう。
今が一番問題なのです。社会保障だけではありません。インフラ整備の財源もなくなります。そのような社会が来ることを予測して今手を打つべきは「将来への備え」を行うべきなのです。それは「この橋はもう使わない」とか、「この道路は廃止しよう」というインフラ撤去の議論を進めるべきなのです。そんな将来設計を行う必要があります。そんな中でリニア新幹線をこれから作るなど愚の骨頂です。それに移民問題の議論も必要です。私は少なくとも難民の受け入れは積極的に行うべきだと思います。中東の難民の人びとを受け入れて国際貢献と難民支援を私たちも行って、世界中の人びとが平等に幸せになる世界をみんなで作るべきでしょう。それこそがこの国の取るべき国貢献だと私は思います。
そのためにも、まずは私たちひとり一人が自由意思でこの国の社会制度を決めることができることが何よりも大切なことです。そして願わくば、親しい友人に囲まれて、人生を共にする伴侶と一緒に助け合って生きて行けたら幸せだろなと思います。


女性と人権 全国ネットワークより


かつて、女性は職場の華でした。男性正社員のお嫁さん候補として採用されました。
「クリスマスケーキ」と呼ばれ、女性は25歳を過ぎたら売れ残りだと言われました。

男性は、結婚しないと出世に響きました。結婚していない人間は、半人前だと言われました。「あいつはホモだ」と差別的な扱いを受けました。

女性は男性に「もらわれるもの」「売られるもの」ではありません。
男性の仕事ぶりや人間性に、結婚しているかどうかはまったくの無関係です。

女性でも男性でも、職場では職業人として評価する。
そんな当たり前のことを当たり前にするために、男女雇用機会均等法ができました。
そして、職場でのこうした差別的な扱いは「セクハラ」として認められました。

しかし今「ニッポン一億総活躍プラン」の名のもとに、「結婚の希望を叶える環境整備に向けた企業・団体等の取組に関する検討会」が行われています。
ここでは、国・自治体として「結婚の希望を叶える」ための支援をするという話し合いがなされています。
そして、なぜ「結婚の希望を叶える」のかというと、それは少子化対策であるとはっきりと述べられています。

「結婚の希望を叶える」ためには、その人が結婚しているかどうかを把握する必要があります。そして結婚していない人に対して結婚を勧めるならば、それはセクハラに当たります。

また、結婚をしていない人が「結婚を望む異性愛者」であるかどうかはわかりません。
個人のセクシュアリティを詮索するのならば、非異性愛者に対する差別がある現状では
大変な苦痛を伴います。

そして、これが少子化対策として行われるならば、この結婚奨励の取り組みには年齢制限がつくだろうと予測されます。いったい何才までの人には結婚を勧めて、何才からの人には勧めないんでしょうか。年齢差別をも容認するのでしょうか。
子どもを増やすためなら、セクハラに目をつぶる、セクハラをセクハラと認めないようにしようという、この国の動きに対して私たちは強く抗議します。

子産みを奨励する前に、すでに生まれている子どもを大切にしてください。子どもの6人に1人が相対的貧困である現状を変えてください。
子どもを増やしたいのなら、結婚を勧めるのではなく非嫡出子差別、非婚シングルマザーへの差別的税制を是正してください。(一度結婚したシングルマザーは寡婦控除が受けられるが、一度も結婚していないシングルマザーは受けられない等)
プライベートに介入するのではなく、恒常的な長時間労働等を是正することによってワークライフバランスを実現できるようにしてください。
セクシュアルマイノリティを含む結婚・出産を希望しない人に対する結婚・出産の奨励はセクシャルハラスメントに当たることを再確認してください。

(参考)
内閣府ホームページ
結婚の希望を叶える環境整備に向けた企業・団体等の取組に関する検討会

# by nonukes | 2016-12-08 13:07 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

立憲主義を守るために安倍政権とたたかう明仁天皇を見殺しにしてはならない

立憲主義を守るために安倍政権とたたかう明仁天皇を見殺しにしてはならない
小坂正則

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8月8日のビデオメッセージを伝える明仁天皇

前書き

私の以前から親しい方々は、私の世界観を「左翼思想」や「革新」だと思っている方が多いようです。確かに学生のころはマルクスやエンゲルスの書籍をよく読んだものです。マルクスの「ドイツイデオロギー」や「経済学哲学草稿」には感動しました。選挙では社会党や共産党に投票することが多かったように思います。でも参院選全国区や比例区では「二院クラブ」や「原発いらない人びと」などのミニ政党へ投票していましたが、自民党に投票したことは確かになかったような気がします。
そんな私にとっても「天皇制」は、実にやっかいなものなのでした。「天皇制に反対か賛成か」と、聞かれたら、私は「反対」と答えていました。「民主主義社会に於いては人はみな平等であるべき」だし、「貴い人が居れば卑しい人も存在する」という論理から「天皇制は部落差別と表裏一体」と考えていたからです。でも、それ以上に「天皇制」を自らに突き詰めて考えたことはありませんでした。
しかし、ここに来て、安倍政権と激しくぶつかっている明仁天皇のやむぬやまれぬ発言に対して「知らぬふりをしていいのか」と考えるようになり、「私の中のタブーへ一歩踏む込むべきだ」と思ったのです。私の文章に「小坂は変質してしまった」と思う方がいるかもしれませんが、これは何ものにもとらわれることなく、私自身が考えた私の論考です。ただ私は「緑の党」の会員ですから、「保守」でも「革新」でもありません。多様性を認め合う自由主義論者です。

8月8日天皇発言は宮内庁によるクーデター

2014年7月31日の安倍政権による「集団的自衛権は合憲」と閣議決定してから、安保関連法案の成立や駆けつけ警護ができるようにした安倍政権によるこの間の解釈改憲の動きに対して、明仁天皇は「憲法9条をないがしろにするな」と立憲主義を訴え続けてきました。昨年の70年談話で安倍首相が「いったいいつまで子孫に反省させ続けなければならないのか」と言って、「反省」の言葉を省略したのに対して、明仁天皇はしっかり「反省」の言葉を伝え続けてきました。
また、小泉政権時代に「女系天皇制」の導入を明仁天皇が提起したときは、男の孫が生まれたことで女系天皇制導入の議論は途切れてしまいました。また、明仁天皇は2015年の元旦に「本年は終戦から70年という節目の年に当たります。 多くの人々が亡くなった戦争でした。 各戦場で亡くなった人々、広島、長崎の原爆、東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています」と語り、安倍内閣の歴史歪曲主義を牽制する発言を行ったのです。
そして今年8月8日の「生前退位」発言へとつながったのです。これまで「生前退位」の意向を天皇は何度と官邸には要望してきたそうです。しかし、ことごとく無視されたそうです。そこで、天皇は宮内庁長官に「是が非にも国民へ発言をさせろ」と要求してクーデターは決行されたのです。これを聞いた安倍首相は激怒して宮内庁長官は即刻クビにしました。
サンデー毎日によると、安倍首相が生前退位に反対した理由は「生前退位になれば、退位と新天皇の即位で来年1年間をそれに使われてしまうので憲法改正議論ができなくなる」という理由からだそうです。ひょっとすると、天皇は安倍による憲法9条改正を阻止するために生前退位発言をしたのかもしれません。少なくとも天皇は直接国民に訴えることで官邸との勝負に出たのです。

生前退位を潰そうとする「官邸=日本会議」

集団的自衛権は拡大解釈して導入するけど、自分たちに都合の悪いことや気に入らないことは憲法解釈を縮めて「憲法上生前退位は無理」と言うのです。しかも国民の9割以上が「生前退位」に賛成するという中で、官邸は国民的な幅広い意見を反映するといいながら、大半の人間を「日本会議」の学者で固めた有識者会議でこの議論を潰そうとしているのです。
「日本会議」なるものが何なのかは紙面の都合上多くは書けませんが、安倍政権の閣僚の8割以上が日本会議の会員です。そして安倍晋三の思想は日本会議と一体です。生前退位は「皇室の伝統、国体を破壊する」とか、東大名誉教授で日本会議副会長の小堀桂一郎氏は産経新聞(7月16日付)で「天皇の生前御退位を可とする如き前例を今敢えて作る事は、事実上の国体の破壊に繋がるのではないかとの危惧は深刻である。全てを考慮した結果、この事態は摂政の冊立(さくりつ)を以て切り抜けるのが最善だ、との結論になる」と反論するのです。
また、櫻井よしこなど日本会議のメンバーは言葉は柔らかですが中身は「天皇に好き勝手な真似をさせてどうする。生前退位などさせてたまるか」というような内容の発言を続けているのです。戦前のような「天皇絶対君主国家」をめざすという連中が天皇を崇拝するのではなく、天皇に対して思いやりのない冷酷な発言を繰り返しているのです。
その理由はなぜなのでしょうか。安倍晋三など日本会議なる連中は戦前のような軍事独裁国家を作るために天皇を利用しようとしているだけなのでしょう。それは「明治維新」の名の下に薩摩と長州が独裁政権を樹立するために天皇を利用したことと同じです。明治政府は天皇を利用して独裁国家を作って、日本を破滅へと陥れたのです。このような愚かな歴史を二度と繰り返させてはなりません。歴史を学ぶことのできないものは輝く未来など作ることはできないのです。歴史に学ぶことのできない安倍政権だから一度決めた原発にいつまでも固執するのかもしれません。

どのような天皇制を作ればいいか

昭和天皇裕仁氏には戦争責任がありました。そのため彼は敗戦と同時に少なくとも「生前退位」を行うべきでした。そして明仁氏が象徴天皇に即位すべきだったのです。しかし、GHQは混乱を招く恐れを避けるために昭和天皇の戦争責任を問いませんでした。非常に分かりにくい敗戦処理だったのです。しかし、平成の現明仁天皇には戦争責任はありません。
しかし、どう考えても80歳の後期高齢者に公務を強いることは無理があります。しかも江戸時代までは生前退位は当たり前に行われていたのですから、伝統的にできない理由はあり得ません。日本会議が危惧するように、天皇を拒否する権利も与えるべきですし、女系天皇制も取り入れるべきです。そして、最も問題なのは天皇に人権が与えられていないことです。天皇も人間ですから人権が少し制約はされたとしても基本的人権は付与されなければなりません。選挙権も与えるべきです。被選挙権は無理でも天皇が投票に行くことは投票率を上げるためにも好都合です。もちろん誰に投票したかなど政治活動はできませんが。
そして英国のように宮内庁も民営化すべきです。
今回の発言を取って「天皇の政治発言」と批判する日本会議の連中がいますが、元々天皇が何を喋ったとしても「政治性のない発言」などあり得ません。全ての発言には一定の政治性は孕んでいるのです。だから直接政治に絡むことは発言できないが一般的なことは発言できないというのはおかしいのです。英国の王室は自由に政治的な発言をしていますし、マスコミも王室批判をしています。日本は皇室への発言は「はれものを触るよう」に改まって丁寧語を使うのはおかしいのです。自由に皇室批判をしてもいいのです。もっと皇室にも発言の自由などを与えるべきです。それが21世紀の天皇制の進むべき方向だと思います。

明仁天皇は「原発再稼働に反対」

この発言が事実かどうかは私には調べる術はありませんが、小泉純一郎氏の著書「黙って寝てはいられない」の中(151P)で城南信用金庫の元頭取の吉原毅氏は「天皇陛下も2016年の新年の挨拶で『日本は地震が多い国です。危険なことがないように』と仰っています。『原発は再稼働すべきではない』とか直接言えなくても、お言葉の端々からそう感じます。現に皇室関係者からも、天皇陛下は『原発再稼働はすべきではない』という考えです、ということを聞いています。日本国のことを考えたら『原発ゼロ』というのは、日本国を思う人の結論なのです」と書いています。
明仁天皇を英雄視するのは問題ですが、一人の人間として「誠実に生きている」と私には思えます。明仁天皇を過大に神格化することなく、日本の1つの伝統として天皇家が続くことは許されるのではないでしょうか。しかし皇室を自分の都合のいいように利用しようとする安倍政権と「日本会議」の企みには断固として反対しなければなりません。そして天皇にももっと自由に喋らせるべきです。もちろんマスコミや国民も天皇制がどうあるべきかを自由に議論すべきです。そのような社会が本当に自由で民主主義のある国家のあり方だと、私は思います。
# by nonukes | 2016-12-01 19:16 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

伊方原発運転差し止め訴訟の第1回口頭弁論がおこなわれました

伊方原発運転差し止め訴訟の第1回口頭弁論がおこなわれました
小坂正則
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昨日の10時20分から大分地裁で「伊方原発運転差し止め裁判」の第1回口頭弁論が行われました。私たちが伊方裁判をやろうと決めてから半年、裁判の会を立ち上げた7月から4ヵ月でやっと裁判が始まりました。これから4,5年と息の長い歳月がかかると思いますが、無理をせずに気長に裁判を楽しむつもりで関わっていきたいと考えます。
第1回の口頭弁論は松本文六原告団代表と徳田弁護団代表弁護士のお二人が意見陳述を行いました。お二人の意見陳述はどちらも気品があり、しかも説得力のある本音で語っています。特に徳田弁護士の話には感銘しました。田中正造翁の「真の文明とは山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」という引用には感動しました。田中正造の精神は今でも生き続けているのです。詳しくは意見陳述書を添付していますのでぜひ読んでください。

意 見 陳 述 書
平成28年11月17日
原告 松 本  文 六

1 原告団の共同代表をしております松本文六です。私は46年間医師として働いてまいりました。現在74歳で,専門はどんな病気でも診る総合診療医です。
若いころには,日常の診療活動以外に,子どもの大腿四筋短縮症や未熟児網膜症の原因究明と被害児の救済活動に力を尽くしてきました。
この運動に積極的に関わる中で,私は何のため誰のために医者になったのか,何のため誰のための医療なのか,ということを常に念頭に置きながら,これまでの医師人生を続けてまいりました。
私がこの伊方原発運転差止請求事件の原告となりました理由を述べさせていただきます。
2 医学生だった25歳の頃,放射線医学の講義で放射線が胸のレントゲン写真などに応用され,病気の早期発見に非常に有用だと教わりました。しかし,放射線の人体への有害作用については,教わった記憶が全くありません。
44歳の1986年4月26日,チェルノブイリ原子力発電所の大事故が発生しました。
50歳台前半の1990年代前半に,チェルノブイリで放射能・放射線によって子どもたちに甲状腺がんが多発したばかりでなく,様々な健康障害が発生し,環境破壊も進行していることを知り,原発事故の恐さを改めて考えさせられました。
69歳の2011年3月11日,東北地方で巨大津波大地震が発生し,未曽有の複合大災害がもたらされました。この時の福島原発の大事故を契機に,私はチェルノブイリの事故に関する様々な書籍や映像を通して,これは何とかしなければいけないという想いにかられました。
福島原発事故は,チェルノブイリ事故とともに放射能と放射線の恐るべき健康破壊と環境破壊問題を全世界に問いかけました。
3 18歳未満の子ども約38万人を対象とした福島県民健康調査で,甲状腺がん及びその疑いの子どもが,本年6月30日現在175名に達し,136名がすでに手術を受けました。136名のうち,1人は良性でがんではありませんでしたが,135名の中に,肺や他の臓器に転移している例が多数あると報告されています。甲状腺がんの発生率は医学書によれば,100万人に1人ないし3人です。ところが,福島の子どもの甲状腺がんは,100万人に換算しますとなんと300人以上に相当します。
福島原発事故直後に着任した元福島県立医大副学長で放射線医学の専門家山下俊一氏は,これに関し,2013年12月に「福島の子どもたち全員を検査したのでたくさん見つかった。したがって,甲状腺がんの子どもが多いのはスクリーニング効果というもので,放射能や放射線によるものではありません。」との発言をしています。福島県立医大はスクリーニング効果という表現を今なお撤回していません。
ところが,山下氏は18年前の1998年にベラルーシに出かけていって,放射性ヨウ素を吸い込み内部被曝した子どもたちと,チェルノブイリ事故からしばらくしてから生まれたヨウ素を吸い込まなかった子どもたちとの間に甲状腺がんの発症に差があるかどうかを比較する調査をしています。調査の対象者は,合計約2万人に及びます。山下氏は,その調査結果として,放射性ヨウ素を吸い込んでいない子ども9472人の中には甲状腺がんは1人も発見されなかったが,事故前に誕生したベラルーシの子ども9720人のうち甲状腺がんが見つかったのは31人で,その発症率はなんと100万人当り3000人以上にのぼっていると報告しています。
山下氏のスクリーニング効果という発言は,1998年の彼の国際的に評価されている調査研究を自ら完全に否定していることを意味します。
福島県の子どもの甲状腺がんは,スクリーニング効果では決してありません。福島の甲状腺がんはこの原発事故による多発以外の何物でもありません。
福島では,原発事故以来,甲状腺がん以外の健康破壊がいろいろな形で起きています。他県に比べて死産・流産・乳児死亡と周産期死亡が明らかに増加しています。他方で,原発事故処理に従事していた2名の方が白血病の労災認定を受けていますし,さらに,原発事故処理労働者の中では白内障の初期病変が激増していることが,日本眼科学会で報告されています。数年後には,日本でも恐らくチェルノブイリ事故で明らかになっている様々な健康障害が報告されることでしょう。
原発事故に伴う健康問題は,山下氏の矛盾した言動に見られるように,どこからかの圧力で,いつの間にか歪められ葬り去られようとしています。このことに私は一人の人間として,また,医師として深い憤りを覚えます。
4 南海トラフ地震が到来すれば,中央構造線断層帯上にある伊方原発が大変な事故を起こすことが想定できます。私が住む大分市中戸次は,伊方原発から80km程の所にあります。伊方原発との間には,ほとんど海しかなく,放射性プルームを遮るものはありません。伊方原発で大変な事故が起きれば,風向き次第では大分県に放射性プルームが襲ってきます。
伊方原発で想定される事故は,対岸の火事ではなく,大分県民の生活に現実的・実質的に大きな影響を及ぼしかねない深刻な問題です。
福島原発事故から5年半すぎた10月28日現在でも,自主的・強制的に避難し避難させられた福島県の人々の数は,なんと13万8000人に及んでいます。伊方原発で福島のような過酷な事故によって,大分にもこのような人々が生み出される可能性は十分にあります。
子どもたちの未来と,彼らの生活基盤を根こそぎ奪いかねない原発は一刻も早く止める必要があります。
5 原発は一体何のため誰のために作られたのでしょうか? 福島で起きたような過酷な事故を二度と起こさせるべきではありません。
自然災害を止めることはできません。しかし人間の作った原発は人間の手によって止めることはできます。
私どもは人間として,そして私は医師として,“No More Fukushima”の旗を高く掲げ,原発のない社会へ向けて行動することを表明し,この伊方原発を止める運動に関わりました。私どもは,私を含め周囲の多くの人々のいのちと暮らしと人権を守るために,伊方原発の稼働を止めたいのです。
伊方原発を稼動させないことが,私どもの決意であり生きる希望なのです。
いのちが一番です。
以上,原告としての意見を述べさせていただきました。
以 上


平成28年(ワ)第468号
原 告  小 坂 正 則 外263名
被 告  四国電力株式会社
平成28年11月17日
大分地方裁判所
   民事第1部合議B係 御中
原告ら訴訟代理人
弁護士  德 田 靖 之


意 見 陳 述 書

 本件訴訟の開始にあたり、原告ら代理人を代表して、以下のとおり意見を申し述べます。

1 はじめに

(1)私は先ず、私自身が今回の訴訟に代理人として関与するに至った経緯を、自省を込めてお話したいと思います。
この点を明らかにすることが、264名もの大分県民が、本件訴訟に原告として参加するに至った理由と本件訴訟の意義を明らかにすることにつながると思うからです。
私は、原発問題に決して無関心であった訳ではありません。スリーマイル島の事故も、チェルノブイリの大事故も関心を持って、その事故報告書等を読んできました。そして、5年前の福島第一原子力発電所の事故についても、その詳細を知るにつれ、二度とこのような事故を許してはならないとの思いを深くしたのです。
しかしながら、この福島の事故を受けて、九州で、玄海原発と川内原発の差止めを求める訴訟が提起され、弁護団への参加を誘われた時、私は、手を上げるということはいたしませんでした。
もちろん、名前だけの参加はしないという私自身の考え方もありはしたのですが、手を上げられなかった理由としては、私の手に余るという思いとともに、自らに被害が及びうる問題なのだという把え方が出来なかったという点があったのだと思います。
去る4月16日、震度6弱の地震に襲われ、自宅の棚が落ち、食器類の割れていく中で立往生するという経験をした私が、最初に感じたのは、これ以上の地震が発生したら、伊方原発はどうなるのかということでした。
私の事務所は、伊方原発から70km、自宅は80kmの距離にあります。伊方原発に、福島第一原発と同程度の「レベル7」以上の事故が発生すれば、自宅と事務所も放射性物質により直接的に汚染されることは明らかです。
文字通り、他人事ではない!
原発問題に及び腰だった私がまさに鞭打たれたのでした。
本件訴訟の264名もの原告らは、まさしく、私と同じく、自らとその家族そして子孫の健康と故郷の大地を守りぬくために、この訴訟に参加したのだということを、裁判所にも、被告にも、是非とも胸に刻み込んでおいていただきたいのです。
(2)日本の近現代史において、私が最も尊敬する田中正造翁は、足尾銅山とこれを擁護する明治政府とのたたかいに生命をかけた偉人ですが、その晩年の日記に、「真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」と書き付けています。
私は、この言葉にこそ、今回の原発問題を考えるうえで、私たちが等しく、立ち帰るべき原点があるのではないかと思います。

2 本件訴訟の中心的争点と審理のあり方について

(1)本件訴訟には、多数の争点がありますが、私は、その中核は、訴状の36頁以下に「本件における司法判断のあり方について」と題して論述したところにあるのではないかと考えています。
要約すれば、①原発に求められる安全性の程度は、福島第一原発事故のような過酷事故を二度と起こさないという意味での「限定的」絶対的安全性(深刻な事故が万が一にも起こらない程度の安全性)であり、②その安全性の判断基準は、必ずしも高度の専門的技術的な知識・知見を要するものではなく、一般の経験則あるいは基本的な科学技術的知識・知見に照らして、判断すれば足りるのであり、③深刻な「災害を二度と起こさない」という観点から、被告が原告らの指摘する科学的、合理的な疑問に対して、当該原発が過酷事故を起こす可能性がないことを被告において主張・立証されない限り、運転(操業)を許さないという判断のあり方こそが求められるということです。
(2)福島第一原発事故以前、原発問題に関するわが国の司法判断に欠落していたのは、まさしく、こうした視点でした。
言わば、日本の司法が、原発問題は高度の専門技術的な判断を前提とする政策的判断事項であるという隠れ蓑に逃げ込み続けたことが、福島第一原発事故のような過酷事故を防ぎえなかった一因であるということです。
その意味で、本件訴訟において裁判所に問われているのは、従来のような姑息な司法判断の枠組みに拘泥して、司法が果たすべき責任を放棄するのか、あるいは、福島第一原発事故以後の司法における本流となりつつある、大飯原発3、4号機に関する福井地裁平成26年5月21日判決、高浜原発3、4号機に関す福井地裁平成27年4月14日決定、同原発に関する大津地裁平成28年3月9日決定の立場の正当性を認めて、これを司法判断として定着させるのかという点にあるのだと思うのです。
(3)本件訴訟においては、このような視点の下で、伊方原発が、南海トラフ巨大地震の震源域上に位置するだけでなく、中央構造線断層帯と別府-万年山断層帯という長大な活断層の極近傍に位置しており、大地震の発生が具体的に懸念されるという私たち原告らの主張に対し、被告が、そのような過酷事故が生じる可能性はないことを立証しえたと言えるのかどうかが判断されるべきだと私は考えます。

3 結びに代えて

前述の田中正造翁は、また、「人権に合するは法律にあらずして天則にあり」とも述べています。私たちは、あの「法律」によって人権が侵害され続けた明治の時代にではなく、法治主義を大原則とし、人権の尊重を中核的な基本原理とする日本国憲法下に生きています。
「人権に合するは法律にあり」と公言できるような歴史を私たち法律家は歩んできたと果して言えるでしょう。
確かに、戦後、日本の司法は、四大公害訴訟、数々の薬害訴訟、ハンセン病訴訟等々において、画期的な解決をもたらしてはきました。
しかしながら、これらは、まさに、発生した深刻な被害に対して、過去の基準点を定めて、損害賠償を命じたにとどまっています。
生命や健康そして環境の破壊が、金銭によっては回復しがたいことを、誰もが熟知していながら、この限度でしか被害回復を図れなかったというのが、戦後の司法の限界でした。
けれども、原発訴訟は、こうした限界を超えて、深刻な被害の発生を未然に防ぐという課題を担っています。
「原発訴訟が社会を変える」とは、本件訴訟弁護団の共同代表である河合弁護士の名言ですが、私は、原発訴訟は司法を変えるのだと思っています。
裁判官の皆さん、私たちとともに、司法を変えていこうではありませんか。
以上
 
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# by nonukes | 2016-11-18 17:02 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

いい加減にしろ『連合』!安倍と一緒に日本をぶっ壊す気か

いい加減にしろ『連合』!
  安倍と一緒に日本をぶっ壊す気か

小坂正則
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再来年用と来年用の薪を割っています。これはカシです
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40センチに玉切りしていた丸太を割って1年以上かけて乾燥させます
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ヤギのララも薪割作りのお手伝いです?


泉田県知事が突如立候補を取りやめて、自公推薦で連合が支持した森候補が圧倒的に有利と言われていた新潟県知事選でしたが、10月16日の投開票結果、脱原発を訴えて共産・社民・自由に市民が推した米山候補が6万票差の大差で勝ったのです。それも告示の6日前に立候補表明して、ポスターが選挙前日出来上がるという急ごしらえの選挙だったのです。ところで連合は一貫して「脱原発」を掲げる米山候補は応援できないという態度でした。「連合の原発推進」の姿勢に引きつられるようにして、民進党は自主投票だったのです。ですから新潟では参院選で成功した野党統一候補という図式ができなかったのです。
ところが投票2日前に「米山候補優勢」と聞きつけた民進党の蓮舫代表は個人的な行動といい新潟入りをして米山候補を応援しました。しかし、それに「神津連合会長がえらいオカンムリだった」そうです。翌週の23日の東京10区と福岡6区の衆院補選では野党共闘は実現せず、共産党が自ら候補を下ろすという消極的な連携で選挙戦を戦った結果、自民党候補にダブルスコアーで負けました。

岡田代表だったら野党統一が実現できていた

民進党の参院選敗北の責任を取って岡田代表が辞任して、結果的には野田派の蓮舫代表が誕生したのですが、野田幹事長が実質的に実権を握った結果、野田・蓮舫体制は連合の言いなりになって、野党統一ではなく民進党単独選を貫く方針を立てて衆院補選に臨んだのです。今後も野党調整は共闘ではなく、実質的に他の野党が自主的に下りる選挙をたたかいたいという虫のいい考えなのです。

連合とはどんな組織なのか

「ニワトリからアヒルへ」や「昔陸軍、いま総評」という言葉を知っていますか。『つゆくさ通信』読者は高齢の方が多いので知っている方はいると思います。敗戦後、日本の労働運動は共産党の影響力が強い中で、1947年2月1日に「2.1ゼネスト」を計画していた官公労などの組合が占領軍マッカーサー長官の「スト中止命令」でゼネストを中止します。その後、1950年にはレッドパージが行なわれ、共産党員が公職から追放されました。そしてGHQマッカーサーの指導の元で総評が結成されたのです。しかし、反共労働運動を意図したナショナルセンター総評は三池炭鉱争議など先鋭化した労働運動をたたかって、「ニワトリからアヒルへ」や「昔陸軍、いま総評」とマスコミに揶揄されるほどの闘う組合への変身したのです。しかし、1954年に総評から分裂したのが「同盟」です。この労働センターは反共と労使協調路線を貫いていました。「労組は会社(資本)に協力することでパイを分け合う」という思想です。そして多くの組合の中に第2組合(御用組合ともいう)が作られて組合は分裂させられてきました。
私は元郵便局員ですたが、私の職場でも40年ほど前に激しい当局の介入で第2組合がどんどん作られていきました。何せ彼らは仲間を裏切り、「自分たちだけが出世したい」と考える自分勝手な労働者が中心でした。今は国民から総スカンの電力会社の組合ですが、戦後の電力産業労組といえば昔は闘う労組でした。しかし、分割民営化後は経営側から激しい攻撃を受けて少数組合となり最後は解散してしまいました。第1組合は資本による攻撃に血と涙のたたかいをして来たのです。そんな分裂組合が主導権を握って1989年に総評と同盟など民間労組が一緒できたナショナルセンターが「連合」です。
ですから、「会社が原発を進めるなら我々はそれを支える」という考えの「連合」本体は一貫して企業寄りで「原発推進派」です。総体が企業寄りで安倍政権さえも支えることにも何の矛盾も感じない「連合」ですが、その中にも自治労や教組や民間組合などまともな組合もあります。
以前同盟系の三菱重工の組合長がこんなことまで言ってました。「どこかで戦争が起これば戦争特需で私たちの給料が上がるんだが」とか公然と言い放つほどの労組なのです。
1980年代に中曽根康弘とNTT労組出身の山岸章の密談で「総評左派の国労を潰すために連合を作る」と話合ったと言われています。1988年に鉄の女、英国サッチャー首相は国有企業の電力労組解体のために電力自由化を行ったのですから、政府が労組へ介入するのはどこでも行われてきたことです。

神津連合会長と自民党二階幹事長との会談

時事通信よると、「10月26日に自民党の二階幹事長と連合の神津里季生会長が会談し、政策面で意見交換していくことで一致した。会談は、先の新潟県知事選などで連合との関係がぎくしゃくしている民進党をけん制する狙いがあるとみられる。同党の蓮舫代表が新潟県知事選で連合支援候補と対立する候補を応援したことから亀裂が生じた。連合は第2次安倍政権発足後の2013年3月、自民党と定期協議開催で一致したことがある。」とあります。これまでも連合は安倍政権とは二人三脚でやって来たのです。
ですから、連合が福島原発事故の反省もなく、2011年当時は「原発のことは話題にはしないでおとなしくしておこう」とう方針だったのでしょうが、ここに来て「もうほとぼりも冷めたことだから原発推進を積極的に掲げよう」とか「TPP」とか「アベノミクス」も何でも受け入れると密談で確認し合ったのかもしれません。彼らは生まれたときから「お金のためなら何でもします」というDNAによって行動しているだけなのでしょう。

目を覚ませ民進党!誰のための政治家か

民進党が連合の方針に従わなくて恥をかかされた神津連合会長が怒っているそうですが、「それくらいでくじけていてどうする民進党。自民党を見よ。TPPで農民を切り捨てても、したたかにフォローするリップサービスも忘れずやってるではないか」と。民進党の肝っ玉が小さいからから連合ごときに振り回されるのです。
「連合の中の僅か20万人の電力総連という不心得者がいたからといって、それに振り回されて、国民の圧倒的多数の『脱原発』を望む有権者にそっぽを向いてどうするんだ。ここは電力総連労組の気持ちも分かるが、未来の日本のために私は動きます」と、正々堂々となぜ言えないのでしょうか。

民進党の中にも反原発派の政治家はいます。辻元清美さんや阿部知子さんなどは個人後援会があるから連合の応援はそんなに必要なのでしょうが、それでも連合とはうまくやっています。連合のいいなりでいて市民にそっぽを向かれるよりも、正々堂々と自分の政策を掲げて、連合批判で減った票の何倍も無党派の市民票を稼ぐような肝っ玉の大きな政治家を育てようではありませんか。
新潟知事選で民進党は自主投票だったのですが、民進党の支持者の85%が米山候補に投票しています。驚いたことに自民党支持者の30%が米山候補に投票しているのです。しかも無党派の有権者の2/3が米山候補へ投票しているのです。要は政策本意で有権者は投票するのです。今回の新潟県知事選で勝った要因を米山知事は「原発再稼働が大きな争点になったことは事実ですが、『いのちと暮らしを守る』という私の政策が支持されたのだと思います。共産党が支持しているなどは関係ないと思います。」と話しています。まさにその通りでしょう。

総選挙で野党共闘を実現させよう

安倍政権は11月の始めにはTPPを衆院で可決させようと企んでいます。民進党は参院選では岡田代表の英断で野党共闘が実現しました。ところがここに来て、実質的には野田元首相が実権を握っている蓮舫執行部の民進党は「共産党が自主的に全各選挙区で候補を下りてほしい」という何と虫のいい話を持ち出しているのですが、それでは野党共闘ではありません。民進党と共産党などによる政策協定が必要です。民進党は野党分裂なら与党2/3の壁を破ることなどできっこないのです。野党共闘しなくてボロ負けするか、共産党と共闘して安倍政権の暴走を食い止めるのか、国民有権者の圧倒的多数の支持がどっちなのかを考えれば自ずと答えは出るでしょう。建前だけ「速やかな脱原発」を掲げて二枚舌で国民を瞞す安倍政権の真似をするのではなく、中身のある「脱原発」政策を掲げれば野党共闘は明日にでも実現するのです。
さすがに小沢一郎氏を天敵のように憎んでいた野田幹事長も小沢さんと会談したと11月1日の朝日新聞は伝えています。連合を作って労働運動を分裂させたのは日本の支配者です。野党共闘を分裂させようとして画策しているのもきっと同じでしょう。橋下維新を使って安倍政権の別働隊を作ったり、民進党にくさびを打ち込んだりすることは支配者にとってはたやすいことなのです。そんな策動を防ぐ有効な手立ては残念ながらありませんが、オープンな政策議論を深めて、この国の将来のために今何が最も必要な政策なのかを国民的な議論を巻き起こして野党共闘を実現させましょう。そして最後には有権者が審判を下すのです。それが新潟県知事選から私たちが学んだ真実です。それにしても大阪市民はこの国にとって最良の審判を1日も早く下してほしいものです。
# by nonukes | 2016-11-04 20:17 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(1)

「伊予灘沖の中央構造線を再検証する」小松正幸先生の講演会動画をアップしました

「伊予灘沖の中央構造線を再検証する」小松正幸先生の講演会動画をアップしました
小坂正則
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熊本地震から鳥取中部地震へ。いつ大分・伊予灘が動いてもおかしくない

熊本・大分地震から半年余り経った、10月21日に鳥取中部地震M6.6震度6弱が起こりました。そこは活断層のない場所だったのです。まだ余震が続いていますし、多くの方が避難している最中ですが、日本列島は本当に地震列島なんだと、つくづくと感じる今日この頃です。そして翌日22日の深夜3時33分には日向灘で震度4の地震が起きました。大分や伊予灘沖で本当に熊本地震並の地震が襲ってくるのではないかと、私は心配でなりません。ただ、地下の動きは100年や1000年単位の動きですから、半年後に動くとか1年後に動くなどとは言えません。ただ、この間の日本列島の地震を振り返って見ると決して100年などという長期の動きなどではなく、5年や半年の動きのように思えてなりません。
なぜならこれまでの20年ほどの間に起こった大きな地震を並べてみれば分かります。
1995年1月17日兵庫県南部地震M7.3(818ガル)
2004年10月23日新潟県中越地震M6.8(2515ガル)
2007年7月16日新潟県中越沖地震M6.8- 柏崎刈羽原子力発電所敷地内にある地震計1基における観測データから、震度7相当(993ガル)
2008年6月14日岩手・宮城内陸地震 M7.2(4022ガル日本国内観測史上最大値)
2011年3月11日東北地方太平洋沖地震M9.0
2014年11月22日長野県神城断層地震M6.7
2016年4月14日熊本・大分地震M6.5(1580ガル)
2016年4月16日熊本・大分地震M7.3
2016年10月21日鳥取中部地震M6.6 震度6弱

これだけ多くの地震がこの間わずか20年そこそこの間に起こっているのです。確かに熊本地震が起こったから大分でも今すぐ巨大地震が襲ってくるとは言えません。しかし、逆に言うと、もう当面熊本では巨大地震は起きないのではないかと言えます。地震エネルギーが解放されたからです。つまり、日本列島の中で、まだ巨大地震が起こっていない場所の方がこれから大きな地震が起きるのではないかと言えると思います。上のような巨大地震が次にどこで起きるかを予測はできませんが、十分気をつける必要があるのは,この間巨大地震が起こっていない場所ではないかと言えると思います。
オオカミ少年ではありませんが、いつ巨大地震が起きてもいいように事前の対策を立てておくべきでしょう。

そこで、9月28日に開催した「伊予灘沖の中央構造線を再検証する」という小松正幸先生の講演会の報告をいたします。この講演会に参加出来なかった方々のために動画をアップしていますので興味のある方は動画を見てください。

https://www.youtube.com/watch?v=rJ3oqTleN6U&feature=youtu.be



小松先生は地質学者ですので、「やはり専門的な言葉が随所に出てきてきっと難しい講演なんだろうなあ」と、感じてましたが、素人の私たちにも精一杯分かりやすく話してくれました。分からないところは少しありましたが、何とかついて行けたような気がします。
お話しの要旨を言うと、「これまで四国電力や国が中央構造線」と言ってきたものは、本当は中央構造線ではなく、あれは中央構造線が動いてできた断層帯なんだ」というお話しです。「断層帯とは中央構造線が動いたことによって起きた地震による活断層で、それ自体はたいして心配する必要はないそうです。問題は異なった地質がぶつかってできた中央構造線自体がどこにあるのかが一番問題なのだ」そうです。
そして、先生の説では様々な調査で分かったことだが、これまでの説である中央構造線が8キロから5キロ沖合にあるのではなく、三崎半島のすれすれの海岸線から1.5キロから0.6キロの場所に中央構造線は走っているのだ」というのが小松先生の説です。
この説はまだ調査を行って証拠を集めなければ今の段階では仮説だとご本人も話しています。
ただその証拠を丁寧に小松先生は説明してくれました。黒い線が三崎半島沿いに走っている写真にあるのは重力調査の写真です。重力は重たいものでは大きく、軽いものでは小さくなる性質を使って調べたものだそうです。すると、三崎半島沿いに重力が少ない場所が黒い線の所なのです。ここは重たい岩石が少なくて上部は軽い堆積物で覆われているそうなのです。これこそが中央構造線のわれめ(われめと言ったかどうかはさだけではありません)なのだと。伊方原発周辺の海底調査を行えばハッキリするが、伊方原発周辺だけは国は調査をしていないそうです。小松先生によると、調査はしていないのではなく、していても発表していないだけではないかと話していました。四国電力は調査していないだろうと言うことです。

中央構造線はいつ動くのか

私は小松先生に「南海トラフ地震は30年までに70%の確率で起きると言われていますし、慶長豊後地震や伊予地震や伏見地震は420年前に3連動で起きました。ところで中央構造線が動くのはいつ頃なのでしょうか。先生はどうお思いですか」と、聞きました。すると、先生は「それは私にも分からない」とお答えになりました。「地震は予知できないんだよ。明日起こるかもしれないし100年後かもしれない。ただ地震が起きるリスクは間違いなくあるんだから、あんな場所に原発など建ててはならないんだよ」だそうです。小松先生によると「科学者は地震がいつころ起きる」などと分かりもしないことを言ってはならないそうです。私たちは「もうすぐ起こる可能性が高い」と、言ってほしいものですが、それは科学ではありません。科学者は科学的に証明できることしか言えないのです。科学者が言える唯一の本当のことは「地震は予知できない」ということだけなのでしょうか。だから無闇に恐れて「今すぐ地震が起きる」と恐怖を煽るのも悪いし、能天気に「地震など起きるものか」と思うのもよくないのでしょう。私たちは「正しく恐れる」ことが必要なのでしょう。地震を防ぐことはできません。しかし、地震による被害を最小に押さえることは可能です。現在の科学ではそれしかできないのです。小松先生の説のように中央構造線が伊方原発のすぐ直近を走っているのか、それとも国や電力会社が言うように8キロから6キロ沖合を走っているのかは別として、地震への安全対策を取って原子炉を動かすことが安全なのか、それとも運転をやめて核燃料を抜いて別の場所に保管することが安全なのか、安全の度合いが高いのはどう考えても後者の方です。だから私たちは伊予灘沖の地震が起きる前に一刻も早く伊方原発を止めたいと思っているのです。
# by nonukes | 2016-10-24 12:57 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

「原発ムラ」退治へ勝利の方程式が見えてきた

「原発ムラ」退治へ勝利の方程式が見えてきた
小坂正則
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写真は一昨日私の家の窓越しに遊びに来た高崎山の小猿さん


ブラック企業「電通」女性社員の自殺から発覚した事実とは

昨年の12月25日クリスマスの夜に電通社員の『高橋まつり』さん24歳はネオン輝く東京の夜に社宅から飛び降り自殺を図り、冷たいコンクリートの上で24歳の人生を閉じた。この死亡事件は新聞記事にはならなかったことだろう。なぜなら電通関連の事件をマスコミは取り上げたがらないからだ。そして今年の9月に彼女の自殺が労災認定されたことを10月7日に母親が記者会見で明かして初めてマスコミは一斉にこの自殺を報じた。
東大を卒業して、これからやっと親孝行ができると思っていた母子二人の『高橋まつり』さんは希望に燃えてあこがれの「電通」へ入社したのだろうに。しかし、彼女を待っていたのは月に100時間を超える残業と上司によるパワハラやセクハラの繰り返しだった。
彼女のツイーターへの書き込みによると、土日出勤は当たり前で、深夜まで残業して早朝4時過ぎに帰宅し、朝8時に出勤するなどという勤務が続いたという。労働基準監督署は「過労自殺」と、判断したそうだ。そしてマスコミは「月に100時間の残業が原因の過労による自殺」と報じているが、自殺の本当の原因はそんな「過労自殺」などではない。自殺に追いやった本当の原因は不当なパワハラとセクハラであり、過労がそれに追い打ちをかけたのだろう。ツイーターへの書き込みによると「お前は女子力がない」とか「お前の20時間の残業は無駄だ」等々、上司の陰湿ないじめが繰り返されていた。ところでこの会社は2年前にも若い男性社員が自殺しているというのに、何の改善策も取られていなかった。それどころか、「過労自殺」が認定されたというのに社長は記者会見を行うこともなく、謝罪もしていない。そこまでこのブラック企業は腐っているのだ。
これだけのセクハラやパワハラ証拠があるんだから、残された遺族は「労災認定」で終わらせるのではなく、電通社長を「監督義務違反」や「殺人罪」で告訴するか損害賠償訴訟を行うべきだと私は思う。ところで、これまでこの電通というブラック企業の内実が、ほとんど表に出てこなかったのは電力会社の「広告」を一手に引き受けている会社だからマスコミは電通を記事にはできなかった。「電通」を批判する書籍は間違いなく大手出版社から出すことはできなかった。今年の4月に出た、岩波新書の「原発プロパガンダ」は例外中の例外だろう。
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年間1千億円以上の金が電力会社からマスコミへ

「電通」という会社は本社の社員は7261人だが、系列を合わせると47000人の社員を抱える大企業。年商1兆6786億円(2011年度)という巨額の取引を行っていて単体では売り上げが世界最大の広告会社でありながら、その名前はほとんど表に出ることはない。なぜなら、一般市民が「電通」から何か直接ものを買うことがないからだ。「電通」は政府や自民党などと大企業相手に広告宣伝を行ったり、電力会社の「原発安全プロパガンダ」などを仕組んで来た黒子なのだ。しかし彼らが表に出ることはないから、国民はその存在をほとんど認識することはない。知ってるのはマスコミ関係者など特定の人間に限られる。
電力会社はこれまで地域独占で競争相手などいないにも関わらず2010年度には東電が269億円。電事連各社10社で866億円。合計1,135億円の「マスコミ買収広告」が垂れ流されて来たのだ。2011年から最近まではCMは自粛されていたので、金の切れ目が縁の切れ目のように、2011年後半からマスコミも電力会社への批判記事を書くようになった。しかし、ほかのCMをくれる「電通」のことは相変わらず何も書けなかった。
そして2011年以前までは、新聞社やテレビ局の最大の取引先の「電通」にはマスコミ各社の営業部は頭が上がらないからマスコミが「電通」に忖度したり、マスコミの営業畑が報道へ「原発報道はやめてくれ」と社内でブレーキをかけたりしていた。電通社員が電力会社などの手先としてテレビや新聞の内容をチェックして、クライアントに代わってマスコミの営業部へ「そんなことテレビでいうと困るんだよね。あまりやり過ぎるとクライアントが下りてしまうよ」と、暗に報道内容に電通社員が直接口出しすることもあったという。
本間龍氏著書の「電通と原発報道」によると、2012年5月現在、原発推進のための組織である「一般社団法人日本原子力産業協会」の参加企業には電力会社や三菱、東芝などは当然入っているが、東奧日報社、福島民放社、福井新聞社に三重テレビ放送などの報道機関が入っている。しかも広告会社では唯一電通がこれに入っている、という。
だからかは知らないが、昨年から新潟県知事選を前に新潟日報という新潟県の地方新聞には東電の「柏崎刈羽原発」の広告が復活した。そして新潟日報による泉田知事批判が執拗に繰り返されて泉田知事は立候補を取りやめたことは有名な話だ。「読売」「日経」「産経」は別として新潟日報ほど露骨に電力会社の手先になる地方新聞社も珍しいが、新潟日報をみれば、どれほどCMでマスコミを黙らせらることができるかが分かるだろう。
そして、これらのCM費用は全て、私たちが支払った電気料金から出ているんだということを忘れてはならない。

「原発ムラ」がまたぞろ復活しつつあるのか

ところで東電は昨年から新潟日報を使って「原発安全神話」のCMを復活させているし、九電は今年になって「オール電化」のキャンペーンを再開させるという。その理由が,川内原発の再稼働と来年には玄海原発の再稼働も視野に入ったそうだから、電力供給がだぶつくのでオール電化でガス会社の顧客を奪い取ろうという作戦なのだろう。おまけに再稼働に前のめりの安倍政権の元で「福島原発事故」などなかったかのように、原発利権を復活させようと電力会社だけではなく、新日鉄やJRなども「原発を動かさなければ経済がもたない」と、一斉にうそぶき始めた。
安倍政権は「福島復興」も「避難者」のことも忘れ去って「東京オリンピック」一色だが、実は「東京オリンピック」の利権を一手に牛耳っているのも何を隠そう「電通」なのだ。
安倍政権は「東京オリンピック」の次に「大阪万博」を持ち出そうとしているという。「リニヤ」を東京大阪間に作ったり「オリンピック」や「大阪万博」と無駄な公共投資をバンバンやってその費用は次世代の人びとに全て支払わさせるという無責任きわまりない政治をまだまだ続けようとしているのだ。

「原発ムラ」退治へ勝利の方程式とは

インチキ「アベノミクス」のかけ声の元に安倍政権が中央から経済界に札束をばらまいて新たな「原発安全神話」を作り出そうと企ても、地方にはその支配力は機能しなくなっていることが鹿児島県知事選や新潟県知事選で証明された。地方経済は中央の言いなりになっても、ちっとも景気回復も少子化や過疎化に歯止めもかからないことがハッキリした。地方が生き残るためには中央の言いなりになるのではなく、自分たちで考え自分たちで困難を切り開くしか打開策はないことを一部の人びとは認識し始めたのだろう。その証拠が7月の鹿児島県知事選の脱原発知事の誕生であり、10月に行われた新潟県知事選で告示6日前に立候補を表明して、民進党の推薦もない無所属の米山候補が、片や相手候補は連合まで支持して自公による盤石な選挙体制で臨んだのに無党派の米山候補側は奇跡の勝利を勝ちとったのだ。この新潟知事選の中にこそ「勝利の方程式」があると小泉元首相は言う。「原発ムラ」の厚い雲に覆われていたこの国にも僅かな光が射してきたのではないか。
10月19日に共同通信の単独インタビューに応じた小泉元首相の会見の中に大きなヒントがある。
10月22日の大分合同新聞によると、小泉純一郎氏は鹿児島県知事選と新潟県知事選の結果を受けて「目に見えないうねりが出てきた。衆院選に影響がある」と。「民意を無視する政党が政権を維持できるわけはない。民進党は最大の争点が原発だと分かっていない。野党がだらしないから与党は楽だ」と。「野党が原発政策でまとまったら自民党からも『実は反対』という議員が出てゴタゴタする」と。ポスト安倍とされる岸田外相や石破前地方創生担当相も影響を受けるだろう。「原発推進論者の『安全、コストが安い、クリーン』のスローガンは全部ウソだ。」とし、『高速増殖炉もんじゅ』を含め、核燃料サイクル政策全体を取りやめるべきだと言った。(大分合同新聞参考)

目に見えないうねりを押しとどめているのは誰か

臭覚の鋭い小泉元首相の「目に見えないうねり」を目に見える形にしなければならない。その大きな障壁が民主党をぶっ壊した野田政権に支えられた蓮舫代表の民進党と連合にある。民進党が衆院選で野党統一候補を擁立できるか、それとも自民党に手を貸す連合の言いなりになって単独選を繰り広げるのか、ここが大きな分かれ目になるだろう。連合は電力総連を除名すればいい。電力総連や鉄鋼労連は自民党の支持団体になればいいのだ。その方がスッキリして分かりやすい。そして共産党系の労連と連合は一緒になればいい。民進党と連合が脱原発を掲げられたら少なくとも小泉進次郎や石破などが自民党を割って政界再編が行われる可能性がある。安倍を潰すには自民党を割る必要がある。そのための対立軸は地方再生とTPPと脱原発であり、それに平和主義と立憲主義だ。
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# by nonukes | 2016-10-23 12:03 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

広河隆一「人間の戦場」映画&講演会のお知らせです

広河隆一「人間の戦場」映画&講演会のお知らせ
小坂正則
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日 時:11月27日(日)13時10分:開場
  13時30分:映画&広河隆一さん講演会
  16時30分:終了
場 所:コンパルホール 視聴覚室
(大分市府内町1-5-38電話097-538-3700)
入場料:前売り・予約¥1000 /当日¥1300

予約先:mail:nonukes@able.ocn.ne.jp
Fax097-532-3772
問合先:090-1348-0373(小坂)
主 催:しあわせな未来政策研究会
(代表:後藤慎太郎)
その他:会場が70名定員です。前売りチケットか予約をお願いいたします。
チケット:大分トキハ会館3Fのプレーガイドで前売りチケット販売中



映画 広河隆一「人間の戦場」https://youtu.be/9Tun8hcNDEw





映画 広河隆一「人間の戦場」とは

フォトジャーナリスト広河隆一の哲学は、言葉こそ明快だが厳しい。それゆえ、それを実践する自分自身に烈しい生き方を求めずにはいなかった――。その取材の歴史は1967年、イスラエル・パレスチナに始まる。82年、イスラエル軍に包囲されたレバノンのパレスチナ難民キャンプで起きた虐殺事件を撮影、その映像が証拠として世界に配信された。チェルノブイリ事故後の89年には、西側のジャーナリストとして初めて事故によって立入禁止になった地区を取材し、隠された放射能汚染を告発した。人間の尊厳が奪われている場所を、広河は「人間の戦場」と呼ぶ。

活動は取材だけにとどまらない。「パレスチナの子どもの里親運動」「チェルノブイリ子ども基金」を立ち上げ、被害を受けた子どもたちの救援活動に奔走する。2011年の福島原発事故後には、子どもたちの健康回復のため、沖縄県久米島に保養センター「球美(くみ)の里」を設立した。そして2014年、広河は10年間務めてきた報道写真誌「DAYS JAPAN」編集長を退任した。それは残された時間を現場取材に献げるための決断だった。

監督は『ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳』で「キネマ旬報ベスト・テン文化映画第1位」「毎日映画コンクール・ドキュメンタリー映画賞」などを受賞した長谷川三郎。撮影はドキュメンタリーカメラマンの第一人者であり、是枝裕和監督や河瀨直美監督作品も手掛ける山崎裕。パレスチナ、チェルノブイリ、福島から沖縄・久米島へ。広河隆一の原点を見つめ、現在の活動に密着する。
# by nonukes | 2016-10-21 12:06 | イベント案内 | Comments(0)

新潟県知事選で分かったこと!「投票率を上げたら政治は変えられる」

新潟県知事選で分かったこと!「投票率を上げたら政治は変えられる」
小坂正則
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上の新聞は「大分合同新聞」の社説です

一昨日行われた新潟県知事選で「奇跡」のように米山新県知事が誕生しました。泉田県知事が突然立候補を取りやめてから無投票当選かとささやかれていた中で県知事選告示が9月29日で、その6日前の23日に立候補を表明した米山隆一氏(49)はダブルスコアーで相手側候補に負けるだろうと誰もが考えていたことだったでしょう。それがいざ選挙戦となったら、意外に接戦というニュースが伝わってきました。投票日の直前には「僅かな差で米山候補は負けている」という記事でした。しかし、皆さんご存じのように蓋を開けたら6万票差の大差で勝ったのです。
本来なら自公が推薦して連合も支持か推薦か知りませんが、応援している候補など盤石な勝利を勝ちとるはずだったのです。相手候補の人気がなかったという個人的な要素もあったのかもしれませんが、知名度もさほどなかった米山候補が大差で知事の座を勝ちとったことの原因を検証して見る必要があると私も考えました。

「無党派層」の新潟県民の勝利だ

投票所の出口調査の結果は自民党支持者の3割弱が米山候補に投票していますし、民進党支持者の85%が米山候補に投票しています。この選挙は共産党と小沢さんの自由党や社民党の野党共闘で選挙戦はたたかわれたといいますが、米山さんに投票した方は圧倒的に支持政党なしの方々だったのです。前回の2012年の選挙は泉田候補と共産党の一騎打ちで選挙結果が誰にも分かっていたからだとは思いますが、投票率が43.95%だったのが、今回は52%と投票率が高くなったことで、米山候補が勝利したのでしょう。それに接戦だというニュースが投票を棄権しようと思っていた有権者の心に火を付けたのではないでしょうか。「私が行けば米山さんがかつかもしれない」と。支持政党なしの6割が米山候補に投票しているのです。もちろん共産党や自由党の森裕子さんの存在がなければ選挙自体もできなかったでしょうし、ママの会など無党派の人びとの協力も大きな力となったことでしょう。電話かけやポスティングに党に属していない方々が続々と参加したそうです。

連合の醜さが露呈した新潟県知事選

今朝の朝日新聞によると、新日鉄出身の神津連合会長は投票日直前の14日に民進党の蓮舫代表が米山候補の応援に新潟入りしたことに大変なご立腹だったそうなのです。彼ら原発推進派の連合が自公の知事候補を応援していて、「民進党は自主投票と決めたのになぜ党の代表が対立候補の応援に行ったのだ」と。また、蓮舫氏の新潟入りに連合幹部は「理解不能だ。民進党執行部を信用していいか分からない」と、のたまったそうなのです。民進党は連合への配慮で自主投票としたことに対しても不満の声が党内から出ているそうです。蓮舫代表の親分の野田など原発推進派は連合の支援で民進党は生き残ろうとしているのでしょうが、中には元維新の江田憲司代表代行は米山候補に応援に駆けつけて新潟県民へ「民進党も再稼働を認めることは絶対ない」と訴えていたのです。前原氏でさえ、連合との軋轢が起きることが分かっていても米山氏の応援に来ていたのです。それほど民進党は危機に瀕しているのです。民進党の中にも「60%以上の国民が脱原発を望んでいる」ということを政治に反映させようと努力している政治家もたくさんいるのです。
いったい連合という労働組合の寄せ集め利権集団は何を考えているのでしょうか。まるで、政党を自分たちの使用人であるかのようにあごで使えるとでも思っているのでしょうか。この夏の参院選大分選挙区候補の秘書が私との面談で「原発はなくてはならない発電手段ですよ」と、自信を持って話すありようなどから考えたらどう考えてもまともな連中ではありません。「とにかく大きな組織に依存して生き残りたい」という何の政治理念も夢もない「政治屋」連中なのです。連合とは、「政治家をうまく操って自分の会社の利益をたたき出して、そのおこぼれを自分たち労働者は預かろう」という浅ましい連中なのです。
そんな浅まし連中にこのお国の将来や未来を託すことなどできっこありません。

この国の主人公は私たちだということを知らしめよう

以前の自民党は農村党と言われていました。自民党の支持者は地方の個人商店や農家だったのです。それが今の自民党は都市部のサラリーマンや若者などへと、明らかに変化しています。その自民党を引きずり回してるのは日経連などに集まっている新日鉄など日本を代表する大企業経営者のトップ連中です。片や新日鉄の労働組合は連合を通じて民進党をコントロールしているのですから、与党の自民党も野党第一党の民進党も同じ穴のムジナにコントロールされているのが日本の現状です。
だから国民の意思と政治がかみ合っていないのは当たり前なのです。しかし、一見して鉄壁で盤石な連中のように見えますが、彼らにも弱点はあります。それは中央は押さえられても地方までその力は絶大ではないのです。なぜなら、地方が過疎化して疲弊して行く中で、市町村合併が繰り返されて自民党の地方議員も相対的に減っています。しかも地方には大手企業の労働者などもほとんど居ません。だから中央と地方のねじれ現象が生じるのです。
2014年7月には滋賀県知事選で民主党支持の三日月知事が誕生しました。10月の沖縄県知事選では自民党の仲井真知事を破って翁長知事が誕生しました。2015年1月の佐賀県知事選も自民党は負けています。統一地方選では相乗りの選挙が多かったので何とも言えませんが、今年の7月には鹿児島県知事選で脱原発候補が自民党の現職を破って勝ちました。そして今回の新潟県知事選です。このように民意は自民党と連合の相乗り候補へ「NO」を突きつけて成果を上げているのです。

私たちが諦めさえしなければ政治は必ず変えられる

民意を政治に反映しない政治家を選挙で落とせばいいのです。大企業と連合べったりのヒラメ政治家を次の選挙で落としましょう。そのためには民進党の中の脱原発の良識派を私たちは応援して、野党共闘を実現させて、来年にはあるといわれている総選挙で安倍政権に大きな痛手を食わせてやればいいのです。この国は私たちが主人公だということを示してやりましょう。
そのためには何が必要でしょうか。政治に何の期待もしないで諦めた有権者は投票に行きません。ですから1人でも多くの有権者に「とにかく投票に行って有権者の権利を行使しよう」と訴えるのです。「どうせこの世の中はどうにもならないんだ」と諦めてはだめです。新潟県知事選では新潟県の有権者は強大な相手側候補に挑戦しても無理だと諦めなかったから勝ったのです。
投票率の低下が一部の不心得者による圧政を許してしまっているのです。特権階級の労組や宗教政党や経済団体など全国の有権者の2、3割くらいしかいません。残りの7、8割の有権者はどこの組織にも属していない支持政党なしの一般市民なのです。その一般市民が立ち上がったらこの国を変えることなど簡単なことです。未来のためにこの国がめざすべき道を大いに議論して、閉塞状況の政治を投票に行くことで変えましょう。
# by nonukes | 2016-10-18 22:49 | 脱原発選挙 | Comments(0)

  小坂正則