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小坂正則の個人ブログ

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世界の流れに取り残されたトヨタが倒産する日はくるか?

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写真はテスラ社製 電気自動車モデル3

自動車のパラダイムシフトが世界を襲っている
小坂正則

日本人が世界に誇る唯一の会社と言っても過言ではない、世界一の自動車メーカ・トヨタが今大変な危機に直面しているのです。それが今日のテーマである「トヨタが倒産する日」なのです。もちろん株価も順調ですし、「町の修理工場が軒並み姿を消してしまった」と言われるほど、トヨタを筆頭に日本車は故障しません。ショッピングに出かけると、駐車場の三分の一はプリウスかアクアというように文句なしの大衆車として売れに売れているトヨタ車ですし、円安で高収益を上げ続けています。ところが大きくなり過ぎたことで、絶滅した恐竜のような課題がいまトヨタに突きつけられているです。それが自動車のパラダイムシフトです。化石燃料から再エネの転換は誰もが信じられないほど急激な早さで世界を襲っているのです。トヨタの読みはガソリン車からハイブリッドは見事に読みは当たりましたが、ハイブリッドが、この先5年は続いて、その後、燃料自動車へ移行して10年先くらいに初めて電気自動車へ移行すると思っていたのが、5年もしないで一気に電気自動車へ世界の流れが急激に変化しているのです。一度変化が始まれば、倍々ゲームで加速度的に進んで行くのです。残念ながら、2020年に電気自動車を初めて売り出すというトヨタの計画は米国テスラの2周回遅れの状態で、その遅れを果たして取り戻せるでしょうか。確かにトヨタはプラグイン・ハイブリッドという電気で動く自動車も出していますが、電気で動く距離は僅か68キロしかありません。
トヨタがハイブリッド車プリウスを世に出したのが1997年です。それから20年間もその基本構造は変わっていません。エンジンにそれを補佐するよういな電気モーターが稼働するのです。しかし、少なくとも駆動の主役を逆転してモーターで動かして、電池が少なくなったらエンジンで電池を充電するくらいのことはとっくの昔に作っていなければならなかったでしょう。そうすればエンジンも小さくできるし、シャフトも軽量化できて、その分バッテリーをたくさん搭載できたのです。エンジンをだんだん小さくしていけば完全な電気自動車が完成できたのです。
太陽光発電の普及でバッテリーの需要が高まり、パソコンが毎年倍々ゲームのように性能は2倍で価格は半分とい状況がバッテリー業界を襲っているそうです。リチウムイオン電池の大量生産でバッテリーの性能と低価格化が止まらないのです。

新型リーフは自動運転と走行距離550キロ?

日産はこの秋に新型リーフを販売します。予定では2018年の発売開始だったのが、米国テスラに先を越されてしまい、このまま悠長なことをやっていては社運が危ないと、1年前倒しで、自動運転と1度の充電で550キロ走行する電気自動車のリーフを販売するという噂です。価格も270万円から400万円といいますから、プリウスを意識した価格のようです。今販売されているリーフが280キロ走行ですから、一機に2倍の距離を走るようになれば、プリウスからリーフに流れるお客が後を絶たないのではないでしょうか。
エコカーと言えばプリウスという常識がこの秋からエコカーはリーフと言われるようになるかもしれません。それにしても電気自動車までの橋渡しと言われていた「燃料電池自動車」は見る影もなくなってきました。バッテリーの価格と性能の向上が予想以上に進んだ結果、このような見誤りが起こったのです。ちなみに一度倒産の危機を経験した日産は「燃料電池自動車」には手を出さず、電気自動車1本で進めた結果が吉と出たのでしょう。
同じように米国のテスラモーターは2004年に立ち上げて、これまで黒字を1度も出したことがない会社ですが、株価はGEを抜いたこともある優良企業にのし上がったのです。そんなテスラをトヨタは2010年にテスラの株を買って業務提携までしたこともあったのですが、「トヨタがテスラを買収か」と、一時は噂されたこともあったのですが、相手が大きくなりすぎてトヨタの言うことを聞かなくなってしまって、今年トヨタは全株を売り払ってしまいました。さっさと買収して子会社化していたら、トヨタは電気自動車の世界でもトップを走ることが可能だったでしょう。

一歩間違えば市場から見放されてしまう激烈な競争社会

東芝が倒産の危機に陥ってることは皆さんご存じの通りですが、その原因は米国の原発企業ウエスティングハウス社の買収にありました。それはエネルギー・パラダイムシフト(エネルギー需要の劇的な変化)を見誤ったことに大きな原因があったのです。10年先、20年先の需要を読み誤った経営者責任です。原子力で儲かっている時には、「このままの状態がいつまでも続いてほしい」と、誰しも願うものです。しかし、いま絶頂期の産業はやがては新興勢力に駆逐されるものなのです。1926年、豊田佐吉発明のG型自動織機を製造するため、豊田自動織機として生まれた会社が、社長の道楽で自動車を作ったことから、現在のトヨタが生まれたと言われてます、織物世界が一世を風靡していた時に次の時代を読んで自動車会社へと変貌を遂げたのです。そこには確実に時代のトレンド(風潮)が吹き始めていたのでしょう。それでは現在のトレンドとは何か。それは「地球温暖化対策」であり、「再エネ利用」が大きなエネルギーパラダイムシフトであることは誰でもが知っている周知の事実なのです。これに逆らって、原発推進を掲げる安倍政権のように「時計の針を逆に回そう」としても、どだい無理なことなのです。所詮、時代に取り残されて、東芝の社員のように路頭に迷うことになるだけなのです。

エネルギー・パラダイムシフトが電気自動車の背中を押した

7月6日、フランスのマクロン大統領は「2040年までにガソリン車・ディーゼル車の販売を禁止する」と発表しました。30年後にはフランスからガソリン車もディーゼル車も姿を消す可能性があるのです。しかし、ドイツでは2030年にガソリン車撤廃の法案が上院で可決したそうです。EU・ヨーロッパでは米国トランプ大統領が「地球温暖化対策に後ろ向き」を積極的に利用してEUが環境政策で世界の主導権を得ようとしているのです。環境技術などの世界標準を先取りできれば、その仕組みが世界中で商品化されて莫大な利益を得ることができるからです。それが「再エネの拡大」や二酸化炭素排出ゼロの「電気自動車」社会なのです。政治が一定の方向性を示したら、企業はそれに向かって加速度的に投資と開発を集中させます。それが「CO2ゼロをめざす社会」の実現なのです。
そして、そのためのエネルギーが「再エネ」です。そして、現実的にもこの数年で起きている再エネの中心は太陽光発電なのです。IRENA(国際市営可能エネルギー機関)が2016年4月に発表した再エネ導入状況では2015年末時点で対前年比8.3%の伸び率なのです。これが今年ではまだまだ高くなっていることでしょう。特に伸び率の大きい国は新興国です。中南米が14.5%、アジア12.4%。北米が6.3%や欧州が5.2%と比べて新興国の伸び率が大きいのです。化石燃料代を節約できる再エネの魅力がこのようなリープフロッグ現象(一足飛びの発展)を引き起こしたのでしょう。

電気自動車と再エネの関係とは?

さて、電気自動車とエネルギーパラダイムシフトがどんな関係があるのかとお思いのかたもしるでしょう。これが大きく密接な関係があるのです。テスラ社は昨年、家庭用太陽光発電の電気を貯めるためのバッテリーをの販売開始しました。しかもこれまでは1セットが600万円から300万円もしたバッテリーですが、国の補助政策などもあり、低価格化が進んで、京セラ7.2kwや東芝7.4kwが120万円程度と価格も下がってきました。しかし、テスラは7kwhが36万円。10kwhが42万円、14kwhでも61万円という破格で販売を開始したのです。電気自動車の価格の2/3は電池の価格と言われています。ですから、家庭用のバッテリーなどの大量生産でリチウムイオン電池の生産コストを下げるためにテスラは大胆な価格破壊を行ったのでしょう。これまでのテスラ社の製電気自動車モデルSの走行距離は600キロ以上走るのですが、価格の高くて800万円から1千万円もしたのですが、2017年モデル3の価格は約400万円(350万ドル)で今年の4月に予約が40万台を突破したということです。この数字は冷やかしの予約などではありません。予約金約15万円を前払いしなければ予約できないからです。日産リーフが売れていると言ってもこれまでの累計販売台数は27万台です。その2倍近くの予約をテスラのモデル3は1回で獲得したのです。0~100km/hが5.9秒というとてつもない加速性能で、1回の充電で340キロ以上走るそうです。ちょうど太陽光パネルが2010年から16年までに生産コストが80%下がったと言われることと同じ現象が起きて、電気自動車の製造競争がバッテリーの価格低下をも招いたのでしょう。ちなみにテスラのバッテリーを作っているのはパナソニックです。

太陽光発電と電気自動車は共存共栄の関係

電気自動車が普及すればそれだけ電力需要が増えて、「それこそ原発が必要になる」と安倍政権は浮き足立つかもしれませんが、そんなことにはありません。それはむしろ逆です。太陽光発電が増えるとどうしても負荷変動をカバーするためにバッテリーが必要になるのです。そしてバッテリーが増えれば価格が下がり電気自動車の価格が下がり、電気自動車の価格が下がればまたたたバッテリーと太陽光パネルの価格も下がりお互いに生産量の拡大でコストが下がってくるのです。
日経ビジネスによると、欧米では電力会社から電力を買うよりも自前の太陽光発電で作った電力の方が割安になったといいます。これをグリーッドパリティー現象と言うのですがこれまで太陽光発電などの再エネに対して補助や固定価格買取などの優先政策をとってきたのが、もうその必要がないまでに太陽光発電のコストが下がったそうなのです。だから米国では原子力はシェールガスにも太陽光発電にもかなわなくなって潰れていったのです。
太陽光発電は不安定な発電のため、政府や電力会社は「太陽光発電はもうこれ以上増やせません」と、よく言います。しかし、その負荷変動はバッテリーがカバーします。そして、サラリーマン家庭の自動車利用率は僅か5%そこそこだそうです。地方のサラリーマンは通勤でマイカーを使う人もいますが、都会のサラリーマンは週末しかマイカーを使いません。ですから5%なのでしょう。つまり、電気自動車ユーザーのマイカーはコンセントにつなぎっぱなしで電気自動車のバッテリーは太陽光発電の負荷調整の役目をやってくれるのです。だから電気自動車の電気は太陽光発電で賄い、電気自動車が太陽光発電の負荷変動をカバーするという共存共栄関係が成り立つのです。
トヨタ自動車が1日も早く電気自動車へシフトできることを私は願っています。
そのほかにも部品納入の関連子会社との関係や販売店との共存関係がテスラのような徹底したネットを利用したアフターサービスを行うことができない理由など、トヨタが小回りが利かない理由など上げればまだまだあるのですが、紙面の都合で、この辺で終わります。
by nonukes | 2017-07-19 17:36 | Comments(0)

日本のJアラートも迎撃ミサイルも北の攻撃には何の役にも立たない

自衛隊は北朝鮮のミサイルを打ち落とすことなどできない
小坂正則
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7月4日午前9時40分頃、北朝鮮は日本海に向け、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」を発射。ミサイルは約40分飛行し、日本の排他的経済水域(EEZ)内の日本海に落下しました。北朝鮮のミサイル発射は今年に入って11回目で日本の排他的経済水域へ落下したものも3回目だそうです。このように頻繁に北朝鮮はミサイルを発射して、そのたびに性能が上がっていますので米国本土へ到達する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を完成させるのも時間の問題だと言われています。性能も確実に上がり、長距離化も進みつつあります。
これに対して自衛隊は日本海を巡回している4隻のイージス艦からPAC3迎撃ミサイルを撃って打ち落とす計画です。それでも撃ち落とせないミサイルは陸上に配備している迎撃ミサイルで撃ち落とす事になっていますが、地上から打ち落とすには落下地点の近くに迎撃ミサイルを配備していなければ何の役にも立ちません。しかし、配備している場所は防衛省のある市ヶ谷と、米軍基地周辺のみです。だから原発をミサイルで狙われたら撃ち落とす事などできないのです。
米軍はこれまで迎撃ミサイルの命中率は75%だそうですら、10発撃たれたら3発は外れるのです。しかし、実際の戦争ではそんなにうまく命中するのでしょうか。
実際の戦争では、実験のように場所も時間も分かっている相手が撃ったミサイルを狙うのとはわけが違います。しかも一斉に10発ものミサイルをバラバラの方角へ向けて撃ってきたら、2発や3発は打ち落とせても、全部を打ち落とすなどマンガの世界でしょう。
米軍のいうのはあくまでも実験結果で、米軍は実戦配備で打ち落としたことなど1度もないのです。しかし、打ち落とせないから、もっと高度な韓国に配備されるような1台が1千億円もするというTHAADミサイル(終末高高度防衛ミサイル)を日本も配備する計画を進めているというのです。ただ、このTHAADミサイルは遠くから飛んで来たICBMミサイルを打ち落とす兵器で、近くから低高度で飛んでくる北のミサイルには関係ないものなのです。
つまり、本気で北朝鮮が日本に向かってミサイルを撃ってきたら、自衛隊はほとんど打ち落とせないと思った方が間違いないでしょう。政府のいう迎撃ミサイルで撃ち落とすなどという話は作り話でしかありません。それでは「Jアラート」という現代版「空襲警報」で身を隠すかというと、これも実に心許ないのです。どのみち、北の脅威は米軍と自衛隊の装備品の予算獲得には絶好のチャンスであることは間違いありません。北の脅威は軍需産業の三菱や川崎工業や石川島播磨工業などにとっては笑いが止まらないほどうれしいことでしょう。

「Jアラート」の警報で私たちは逃げおおせるのか

政府は「Jアラート」警報がなったら近くの強固な窓のないビルや地下室に逃げるように国民に呼びかけています。今月になって、新聞やテレビにネットを使って宣伝していますし、地方自治体では「避難訓練」などのやっているところもあります。みんなで一緒に非難するなんてできっこないのに、みなさん集まって非難する様子がニュースなどで伝えられています。北朝鮮がミサイルを発射して6分から8分で到達します。それまでに日本政府は発射をキャッチしてどの種類のミサイルでどっちに向かっているのかを計算してその地域の住民に警報を伝えるのですが、これまで実践で鳴ったのは2回だけです。Jアラートが「ミサイル発射情報」を発したのは、2012年12月12日と2016年2月7日、「テポドン2」による人工衛星打ち上げの際だけなのです。つまり、今か今かと待ち望んでいて初めて警報は鳴らせることができるのです。ですから、それ以外の時は恥ずかしくてならしていません。だって、着弾した後にアラームを鳴らすんじゃあかっこわるいからです。こんな例がありました。4月29日午前5時30分に発射しましたが、30分以上過ぎた同6時7分頃から約10分間東京メトロは運転を見合わせ、北陸新幹線も6時8分頃から11分間、金沢駅と上越妙高駅間で運転を見合わせたのです。何のために運転を止めたのでしょうか。まったく間抜けな話です。
そして、この経験から東京メトロとJR西日本では今後は政府の「Jアラート」(全国瞬時警報システム)による緊急情報により運転見合わせを決める、としたそうです。だが4月29日にはJアラートは「ミサイル発射」の情報を流していなかったのです。だからこれからもJRなどは着弾した後に列車をとめるのでしょうか。実に意味のないない計画です。

落下した後に警報ダイヤモンドオンラインより

「2016年8月3日午前7時53分頃、「ノドン」と思われる弾道ミサイル2発が発射され、1発は空中爆発、1発は秋田県男鹿半島沖約250キロの排他的経済水域内に落ちた際には、防衛省がそれを発表したのは発射から1時間15分後の9時8分で、防衛省はどこに落下したかもすぐに把握できていなかった。人工衛星打ち上げの場合と違い、防衛省は発射を知った時間などの詳細を公表しなかった。「手の内を知られるから」と言うが実は不手際を知られたくなかったのだろう。」
2016年9月5日午後0時13分頃には「スカッドER(射程延伸型)」とみられる弾道ミサイル3発が発射され、9分後の同22分頃北海道奥尻島沖約200キロの排他的経済水域内に落下した。この際海上保安庁が防衛省や内閣官房の危機管理センターからの情報により、船舶に航行警報を出したのは0時31分で、落下の9分後だった。
今年3月6日午前7時34分頃には、北朝鮮は「スカッドER」らしいミサイル4発を同時に発射、秋田沖と能登半島沖の排他的経済水域内に落下、北朝鮮は「在日米軍基地攻撃訓練だった」と翌日発表した。この際にも船舶に対する注意喚起が出されたのは発射から13分後の7時47分で、またも落下の後だった。(ここまでが引用)つまり、これからもJアラートが鳴ることはないでしょう。鳴ったとしても既に着弾した後から鳴るくらいです。こんなものに何百億何千億円という多大な税金を使ってシステムを組み立てて、それに宣伝費用を4億円も使って、テレビや新聞で大々的に宣伝しているのです。

何のためのJアラートなのか

日刊ゲンダイによると、「4億円近いカネをドブに捨てたようなもの。そもそもなぜ、このタイミングでCM・広告を打つ必要があるのか。森友・加計学園問題で内閣支持率の低下が著しい安倍政権が“メディア買収”に動いたとしか思えない。「政府がミサイル発射時の避難CMや広告を打ち始めたのは、世論を誘導し、国家予算を軍需産業に割く口実をつくるため。隣国の脅威をあおることで、政府には自衛隊装備を強化する口実ができますから」(ここまで日刊ゲンダイ2017年6月25日号)
まさに、上記の日刊ゲンダイの指摘がズバリ的を得ていると思います。「これは安倍政権の支持率の向上と軍需産業への税金の投入でインチキアベノミクスを延命しようと企むためのプロパガンダ」だと私は思います。だって、鳴った時にはもう既に時は遅しなのですから、何の意味もない警報なのです。
マイナス経済に突入して国の予算がマイナスになるという時代に戦争のための軍事予算をこれ以上増やすことなどできません。戦争を防ぐ最大の役目は平和外交です。北朝鮮に対しても硬軟取り混ぜた多角的な外交交渉で平和の実現と拉致被害者の早期解放を1日も早く勝ちとらなくてはならないのです。
by nonukes | 2017-07-11 19:17 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

田中委員長は「ミサイルは原発に落とすよりも東京に落とす」と発言!

東京よりも原発にミサイルを落とす方が被害は大きい
小坂正則
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7月4日に打ち上げられた北朝鮮のICBM



田中委員長の発言は間違っている

「何と物騒なことをお前は言うのか」と、皆さんからお叱りを受けることをあえて承知の上で、このような表題を書かせていただきました。と言うのも、7月6日の時事通信によると、「原子力規制委員会の田中俊一委員長は6日、関西電力高浜原発がある福井県高浜町で行われた意見交換会で、住民から北朝鮮のミサイル発射に関して質問され、「小さな原子炉にミサイルを落とすだけの精度があるか分からない。私だったら東京都のど真ん中に落っことした方がよっぽどいいんじゃないかと思う」という記事を読んだからです。こんな非常識な発言は決して許せませんが、この発言の中身も間違っているのです。
 というのも、確かに日本一過密都市の東京にミサイルを撃ち込まれたら、甚大な被害が出ることでしょう。それがもし、核弾頭だった場合は、閃光による直接被害で何万人という人が殺傷されるかもしれません。しかし、若狭湾の高浜原発を狙って核弾頭ではなく通常兵器のミサイルを撃ち込まれても東京に撃ち込まれた以上の被害が想定されるのです。仮にこのミサイルが原子炉に当たらなくても周辺施設が破壊されたら、原子炉が緊急停止できたとしても、冷却施設やディーゼル発電機の配線などが爆発や放射熱で破壊されたら原子炉を冷やすことができず全電源喪失となりメルトダウンを起こします。周辺が破壊されて立ち寄ることが困難になり、東電福島原発事故以上の被害が出る可能性もあるのです。もし、原子炉に命中した場合は中の核燃料が一気に大気中に放出されて、放射性プルームは雲と一緒に関西圏へ1時間そこらで到達することでしょう。それこを1発のミサイルで日本が死の列島へとなり得るのです。
東京電力福島原発事故で放出されたセシウムは広島型の原爆の168倍の放射能を出したそうです。(あくまでも政府発表の数字です)しかも、100万キロの原発1基が1年間に作る死の灰は広島原爆の1000倍の量ですから、ミサイルが原子炉に命中した場合には想定不可能なほどの被害が出るでしょう。田中委員長の「東京の方が被害が大きい」というのは明らかに間違っているのです。
もちろん、そんなことを金正恩政権が行ったら、米軍の反撃に遭って北朝鮮も焦土と化して、世界地図から抹消される事でしょうが、戦略的には「東京よりも原発を狙う方が遙かに効果は大きい」のです。

原発を狙う方が世論の批判を受けにくい


アサド政権が今年4月4日に反政府勢力の支配地域に化学兵器を使ったということで、6日にトランプ政権は米軍によるシリア空軍基地と飛行場を攻撃しました。これには世界中からはほとんど非難は上がりませんでした。それに比べて、誰がやったかは全く不明な反政府勢力への化学兵器による攻撃はには世界中でアサド政権への批判が殺到したのです。(政府軍は反政府勢力を一掃しつつある中であえて化学兵器を使う必然性はないでしょうから、これは反政府勢力の一部か、CIAの仕業ではないかと疑われています)戦争を行うには戦争の正当性や正義を演出する必要があるのです。北がいきなり日本へミサイル攻撃を行ったら、世界中から非難を浴びますから、そんなことはあり得ないでしょう。しかし、偶発的な衝突はあり得ます。米軍が北を狙って先制攻撃を行ったら、北も日本へ反撃を行うことは大いに考えられます。その時でも、多くの人々が焼け焦げて死体が累々と散らばった映像が世界中に流されたら、世界中から「北朝鮮を殲滅しろ」という声が上がってくるでしょう。だから東京都民の死体が累々としたようなショッキングな映像は出せないのです。原子炉を破壊する映像からは運転員などが死亡するかもしれませんが、もし、本気で戦争する気なら、国際世論を味方に付けるためにも「攻撃による政治的な効果が大きく映像的にはショッキングではない」という条件から原発を狙うことの方が東京に落とすよりも遙かに可能性が高いのではないでしょうか。仮に米軍と北朝鮮による偶発的な衝突が起こる危険性が考えられるなら、一刻も早く原発を止めて核燃料を抜き取る必要があるのです。備えあれば憂いなしです。

ミサイルの狙いは米国による金正恩体制の承認

北朝鮮の金政権がなぜミサイルを日本海に撃ち続けるのかという理由は米国に金政権を認めてもらうために子どもが駄々をこねているようなもので、米軍と戦争したら、たちどころに北朝鮮が滅びることぐらうは100も承知なのです。ただ一言「米国は金正恩体制を倒すために先制攻撃は行わない」と、トランプ大統領に宣言してほしいだけなのです。ただ、私はだから「北の脅威などはない」と言う気は毛頭はありません。金正恩政権がどんなことで暴走するかもしれませんので、私たちは常に緊張感を持って万全の体制で備えるべきです。しかし、安倍政権のように強硬姿勢だけで対応しようとする姿勢からは拉致被害者の救出などの解決策も見いだせないでしょう。トランプ政権だって、「対話と圧力」を掲げて、中国やロシアを仲介者として交渉への打開策を探ってます。韓国の大統領ムン・ジェイン(文在寅)氏は6月23日に2018年の冬季オリンピックを北朝鮮との共同開催を提案すると発表しました。しかし、片方では迎撃ミサイルシステム(THAAD)の配備なども進めているのです。このような硬軟合わせた両面対応が交渉ごとでは必要なのです。安倍政権のように一方的な強硬姿勢だけでは何の打開策も見いだせないまま泥沼の緊張感だけが増していくでしょう。

原発は敵国のために用意した核弾頭

軍事的に見ると、原発は「自国にのみ向けられた核兵器」「敵国のために用意した核弾頭」と言われるそうです。その証拠に、イスラエルは100発以上の核兵器を持つ核大国ですし、しかも油田が乏しい資源小国ですが、1基の原発も持っていません。周辺が敵国の中に囲まれた国で、原発がミサイル攻撃やテロを受けたときに「敵国のために用意した核弾頭」が破裂して巨大な被害を受け、国が亡びる恐れがあるからです。ミサイルによる威嚇を繰り返す隣国を持つ我が国も、イスラエルの「賢明さ」「用心深さ」に学ぶべきでではないでしょうか。ですから、北の脅威が続く限り一刻も早く政府・電力会社は原子炉を止めて、核燃料を安全な場所に移す必要があるのです。ミサイルが発射されて数分で日本に到達するのですから、攻撃が始まってから核燃料を抜き取ろうとしても遅いのです。

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7月6日の大阪地裁への仮処分申し立ての後の記者会見
北のミサイルで高浜原発の運転差止申し立て
小坂正則

7月6日、大阪地裁へ、「北朝鮮の弾道ミサイルによって日本の原発に被害が出るおそれがある」として、脱原発を訴えている大阪の女性(原発から80キロに在住)が、福井県の高浜原子力発電所3号機と4号機の運転の停止を求める仮処分を申し立てました。申し立ての理由といて「北朝鮮の弾道ミサイルに対して政府が破壊措置命令を常に発令しているような状況では、日本の原発に落下して被害が出るおそれがあるとして、命令が出ている間は高浜原発の3号機と4号機を運転しないよう」に求めたものです。女性は「原発が攻撃されたら日本は壊滅的な被害を受けてしまうので恐ろしいです」と話しています。また、代理人の井戸謙一弁護士は「北朝鮮が原発を狙う可能性は否定できない。せめて破壊措置命令が出ている間は、原発を止めるべきだ」と話しています。一方、関西電力は申し立てについて「状況が把握できていないのでコメントできない」と話しています。

大分でもミサイル攻撃を証拠として提出予定

7月20日の大分地裁での仮処分の審尋でも、この北朝鮮によるミサイル攻撃問題を証拠として提出する予定です。政府はJアラートで危険を煽り立てながら、ミサイルよる一番危険な施設である原発には何の対策も立てずに、まるで日本は原発など一基もないかのような想定で北のミサイルに備えよと「防空対策」を国民に指示しているのです。政府の計画では北のミサイルが日本に向かって発射されたら、日本海を巡回している4隻のイージス艦からPAC3迎撃ミサイルを撃って打ち落とす計画です。それでも打ち落とせなかったら、今度は地上配備の迎撃ミサイルで撃ち落とすそうなのです。しかし、地上配備の迎撃ミサイルは東京の防衛省や米軍基地周辺などにパラパラと配備しているだけで、原発を防御するために配備などはしてません。また、迎撃ミサイルも実験で米軍が打ち落としたことはありますが、25%は打ち落とせなかったのです。実験とは「今からそっちに向かって撃ちます」と連絡があって、来るのを待って撃つのです。実際の戦争ではいつどこから撃ってくるかも分かりません。それも複数の場所から10発も撃ってこられたら、1発や2発は打ち落とせたとしても、残りは確実に日本へ落ちてくるでしょう。だから地下鉄を止めたり、窓のない強固なビルに私たちが逃げるより先に原発を止めなければならないのです。
by nonukes | 2017-07-09 15:55 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

  小坂正則