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小坂正則の個人ブログ

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今こそ東芝は原発事業から撤退して「技術の東芝」へと再生するべきだ

今こそ東芝は原発事業から撤退して「技術の東芝」へと再生するべきだ
小坂正則

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東芝は原発にさえ手を出さなかったら、債務超過にはなることはなかった

東芝は1562億円余りを不正操作したことが一昨年に発覚して株価は大幅に下がりましたが、ここに来て、それどころか、今度はWH社が買収いた原子炉建設メーカーに瞞されて、東芝本体の自己資本が3600億円しかないのに、5千億円もの負債が出て来そうなので債務超過(倒産状態)に陥る可能性があることが判明したのです。
そもそも今回のようなことになる原因となったのが2006年にWH社(ウエスティング・ハウス社)という米国原子炉メーカーの買収がきっかけに不正経理に手を染め始めたのです。
2006年にWH社の買収を持ちかけられたのは東芝だけではありませんでした。日本の原子炉メーカーの大手の三菱と日立にも水面下で買収話が持ち上がっていたのです。当時の米国は原発建設に前向きなブッシュ大統領の下で「原発ルネッサンス時代の到来か」と言われるほどの時代だったのです。ブッシュ大統領は、ソ連のチェルノブイリ原発事故以後米国内での原発建設が一向に進まないのに業を煮やして、「政府が債務保証を行うから原発建設を行え」と、ハッパをかけて何とか米国内で原発建設を進めようとしていました。ところがブッシュ大統領が笛を吹いても一向に原発ルネッサンス」の時代は来ませんでした。そんな時期に買収の話が日本の原子炉メーカーに持ちかけれれたのです。
三菱が買収するということがほとんど決まりかけていた時に横から割り込んで来たのが東芝でした。。特に三菱重工は自分所と同じ加圧式の原子炉メーカーなので、得意分野だったからでしょう。ところで三菱が想定していた買収価格は2千億円から高くても3千億円だったそうです。ところが東芝は大盤振る舞いの6900億円もの大金で買収したのです。
何で相場の2倍以上で買収したのかというと、ワンマン経営の東芝西田社長の独断で即決したのです。そして4千億円もの「のれん代」という付加価値があるとしていたのですが、リーマンショックで東芝の経営が傾きだした時に、このWH社の「のれん代4千億円」が大きなお荷物になって来たのです。そこで思いついたのが不正経理だったのです。
しかし、一旦不正経理に手を染めたら、それは麻薬のように、そこから人は抜けきれないそうです。いくらでも利益を演出することができるからです。

東芝が再生するには原子力事業から撤退するのみ

東芝が債務超過に陥ることになったのは、全てがWH社によって引き起こされたのです。東芝は1兆円以上のお金をWH社に持って行かれてしまったのですが、東芝の社長のワンマンさがそもそもの問題でした。それに労組が死に体だったことなども大きな原因です。日本の民間企業(公務員労組も今では同じですが)は労使協調路線で、経営者が決めたことに労組は決して異議は唱えないものなのです。だから倒産するのです。
私は2010年にブログや「つゆくさ通信」に「東芝が倒産する日は遠い将来ではないだろう」と、書きましたが、こんなにも正確に私の予想が当たるとは思ってもいませんでした。
私の予想が当るか当たらないかなどはどうでもいいのですが、東芝は何度も引き返すチャンスはあったのです。でもリーマンショックで痛手を受けて、それから回復する間もなく、2011年の福島原発事故で日本中は基より世界中で原発冬の時代に突入してしまったのです。
東芝の不正経理で、日本の株式制度の信用度が地に落ちてしまいました。日本一の大きな会計会社が東芝の不正をチェックできていなかったのですから。
歴史にもしは通用しないとは言われますが、もし、311事故以後にでも原発から撤退する方向を決めていたら、大きな外科手術は必要だったでしょうが、倒産数ほどの痛手には成らなかったでしょう。東芝の成長産業で稼ぎ頭の医療分野を売り渡して、ハードディスクも売り渡すそうです。半導体だけは残す予定だそうですが、それとて売り渡すことになるかもしれません。ここで、WH社を売り渡して身軽にして原子炉事業から撤退すれば、私は東芝は再生できると信じています。
東芝はナス電池の技術や重電技術などに歴史的にもモーターなど技術者などの優れた人材を抱えています。彼らの力を結集させれば決して再生は不可能ではありません。原発など時代遅れで過去の技術や産業に未練を捨てて、夢のある未来の技術に邁進すべきです。
東芝の経営陣がどれを選択するかによって東芝が消えてなくなるか、再生できるかの分かれ道にさしかかっているようです。目を覚ませ東芝!



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東芝、米原発事業の損失5000億円超も 政投銀に支援要請
2017/1/19 1:30日本経済新聞 


 東芝の米原子力事業で発生する損失が、最大で5000億円を超える可能性が出てきた。2017年3月期の連結決算に反映する損失額は算定中だが、最終赤字は避けられない。自己資本が大きく毀損する見通しとなり、東芝は日本政策投資銀行に資本支援を要請した。今後、他の取引銀行にも協力を求め、財務や事業構造の立て直しを急ぐ。
 東芝の原子力子会社、ウエスチングハウス(WH)が15年末に買収した米原子力サービス会社、CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)で損失が発生する。S&Wは原発の建設などを手がけるが、米国内での工事費や人件費などの追加コストが膨らみ、買収時の想定を上回る巨額のコストが発生する事態に陥った。
 東芝は当初、買収価格と実際の企業価値との差額を示す「のれん」を約105億円と見積もっていた。追加コストの発生が判明し昨年末に損失額が数千億円規模になるとの見通しを公表したが、金融機関には最大で5000億円になるとの見通しを示していた。
 追加コストを精査した結果、直近では4000億円から最大で5000億円を超えるシナリオを提示しているもようだ。実際に東芝の連結決算にどれだけの損失を反映させるか、監査法人と協議を進めている。
 東芝は昨年11月、17年3月期の連結最終損益が1450億円の黒字(前期は4600億円の赤字)に回復するとの予想を公表している。主力のフラッシュメモリーが好調で業績が一段と上振れる可能性も高まっていた。しかし、今回の損失発生で再び最終赤字に陥る見通しとなった。
 昨年9月末時点で東芝の自己資本は3600億円強あった。本業の回復と円安進行による外貨建て資産の価値の増加により、米原発事業による損失が無ければ今期末の自己資本は5000億円前後に膨らむ可能性があった。今回の損失計上で自己資本の大幅な目減りが避けられず、資本増強策が急務になった。
 東芝は会計不祥事の発覚により、東京証券取引所から内部管理体制に不備があると投資家に注意を促す特設注意市場銘柄に指定されている。一般の投資家から幅広く資本を募る公募増資などは事実上、困難だ。
 関係者によると東芝は議決権の無い優先株の引き受けや、一部を資本として認められる劣後ローンなどを検討している。政投銀には既に支援を要請したもようだ。東芝は近く銀行側に損失の概要などを説明する見通しで、資本増強策についても協力を要請する可能性が高い。
 会計不祥事に加え原発による損失発生を受けて東芝は事業構造の見直しを迫られている。主力のフラッシュメモリーを含む半導体事業は分社化を検討しており、ハードディスク駆動装置(HDD)世界最大手、米ウエスタンデジタル(WD)や投資ファンドなどから出資を受ける交渉を進めている。原発事業も抜本的な立て直しが不可欠になった。
by nonukes | 2017-01-19 19:41 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

伊方原発運転差し止め裁判の署名運動を始めます

伊方原発裁判の公正な審議と判決を求める署名にご協力お願いいたします
小坂正則
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私たち「伊方原発をとめる大分裁判の会」は昨年の7月に伊方原発3号機の運転差し止め仮処分を大分地裁に申し立てました。その後、9月28日には264名の原告による「伊方原発運転差し止め訴訟」を提訴しました。
そして、3月には第二次原告団も提訴しようと思っています。第二次原告団の目標は100名です。本日までに65名の原告希望者が名乗り上げてくれていますので、少なくとも3月までには40名の原告を集める必要があります。
それに仮処分の決定が4月以降の早いだ段階で行われることが予想されます。何としても運転差し止めの仮処分に勝つためにも多くの県民の関心や支持を得なければなりません。そこで、大分地裁民事第一部宛に「公正な裁判を求める請願署名」を行うことを決めました。締め切りは3月12日です。そして3月16日の第3回公判の日に裁判所へ署名を提出することを予定しています。
この署名は全国、いえ、全世界の皆さんができるようにします。海外の方もお願いいたします。詳しくは下記をご覧ください。
なお、ここにアップしている署名用紙を印刷して使ってもらってもいいですし、PDFの鮮明な画像が必要でしたらメールしてもらえたらお送りいたします。
なお、ご協力いただいた署名が1枚や2枚の場合はファックスで送って頂いてもいいです。郵送料がかかりませんので。署名をPDFにして返してもらってもかまいません。
カンパは郵便振替でお送り願います。

問い合わせ先:090-1348-0373(小坂)
メール:nonukes@able.ocn.ne.jp
ファクス:097-532-3772



伊方原発運転差止大分訴訟
~ふるさと大分は原発被害を許さない!~
公正な審理と判決を求める署名のお願い

 
伊方原発をとめる大分裁判の会は昨年7月に結成,7月4日には県民4名で「伊方原発3号機の運転差し止め」仮処分を大分地裁に申し立てました。その後,9月28日には264名の大分県民による原告団で「伊方原発2号,3号機の運転差し止め」を求める本案訴訟を提訴しました。

この訴訟のために,大分県内を中心に合計約40名の弁護士が,弁護団を結成し,ボランティアで裁判に臨んでいます。また,裁判を支援する応援団も結成されてカンパや傍聴活動などを行っています。このように,本訴訟は,多くの県民の支援と関心を集める中で,進められているところ,早ければ今年の春に仮処分の決定が出されるなど,重要な局面を迎えようとしています。

私たちの生命と暮らしを守るために,伊方原発の運転差し止めを命じる判決を獲得しなければなりません。そのためには,原告だけではなく,多くの人がこの裁判に注目していることを裁判所に示し,裁判所が公正な判決を出せるよう,裁判所の背中を押すことが必要です。
公正な審理と判決を求める署名に,どうかご協力ください。

「裁判応援100円カンパ」のお願い

裁判費用や会の運営費は,原告の参加費や応援団会費,カンパでまかなっていますが,資金不足です。署名と合わせて,「裁判応援100円カンパ」にご協力頂きたく,お願い申し上げます。

伊方原発をとめる大分裁判の会
 原告団代表/松本文六・中山田さつき
 応援団代表/宇都宮陽子・奥田富美子・丸山武志
伊方原発訴訟大分弁護団
代表/徳田靖之・岡村正淳・河合弘之

署名・カンパの集約先
〒870-0802 大分市田ノ浦12組 小坂正則方 伊方原発をとめる大分裁判の会事務局
郵便振替口座 01710-7-167636 電話090-1348-0373 FAX 097-532-3772
※署名用紙はホームページからもダウンロードできます。http://ikata-sashitome.e-bungo.jp/
署名集約締切 3月12日(なお3月中に届いた署名は追加提出します)

※第2次提訴の原告(3月12日締切),応援団も募集中
by nonukes | 2017-01-19 15:09 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

脱原発大分ネットワークの「つゆくさ通」信第141号を発行しました

脱原発大分ネットワークの「つゆくさ通」信第141号を発行しました
小坂正則
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「つゆくさ通信」の購読をご希望の方にはバックナンバーを無料でお送りいたします。
定期購読料は年間2000円です。バックナンバーをご希望の方は下記まで後連絡願います。
携帯090-1348-0373(小坂)
E-mail:nonukes@able.ocn.ne.jp

編集後記
▼久々に通信の校正をちょこっとだけしました。驚いたことに今回の「お蔵入り百人一首」と重なる内容が散見されました。これは決して偶然ではなく、今現在、同じことを案じている人が多いということです。「百番目のサル」ではないけれど、世界中の平和を望む人々の思いが、ある日突然とどめようもない奔流となってほしいと願います。「きっとできると思う。なぜならぼくらがそれをいまかんがえているのだから。」宮沢賢治/上関原発建設の環境がどんどん整いつつあります。しかし、山口県内でもほとんど報じられていません。8月に埋立延長を承認した県のもと、中国電力はフリーハンドで、いつ工事が再開されてもおかしくない状況です。ネット環境にある方はぜひ小中進さんのブログをごらんください。▼こちらもネットですが、できたてほやほや「原発なくす蔵(ぞう)☆全国原発関連情報☆」http://npg.boo.jp/ はスバラシイ。【各地の運動】【トピックス】記事【法律・協定等】のリンク先もふえています。ご活用を。      (大原)
▼『七つ森書館』という小さな出版社があります。そこが出す「七つ森通信」にこんなことが載っていました。「…書店様での小社の本の売れ行きをみると、七つ森書館が得意とした、脱原発などの社会問題をテーマとした本の売れ行きは、2015年4月頃から減り始めてきています。参院選へのリベラルの側からの準備が着々と進んでいた頃からです。売り上げ半減どころか、半分を下回ってきております。戦争反対の国会前の盛り上がりがあっても、減少傾向に歯止めがかかっていませんでした。参院選の結果や小池百合子の登場、トランプ大統領、安倍政権の長期化……、世の中が悪くなる方へ進むのと同じです。この大きく変わる時代の変化を「何かが壊れ始めた」と表現した方がいました。われわれの世代の運動の甘さが跳ね返ってきています。これが、モロに売り上げ減として現れているので、大変な痛みをもって実感している次第です」と。▼私が東京へ行った時の楽しみの1つが神田神保町の古本屋街巡りです。30年前は古本屋が連なっていた街も、年々古書店が減っていき、今では靖国通りの古書店を探すのに苦労するほどの数しか残っていません。人々が本を読まなくなったことが古本屋が減った大きな原因だと思います。▼その証拠に、出版業界の売り上げが20年前は3兆円だったのが、今は2兆円を切るそうですから、雑誌も新聞も売り上げが大きく減っているのです。この現象と「トランプ現象」といわれる「ポピュリズム」の台頭との間に何らかの相関関係があるのではないかと、私は思うのです。ネットの影響で、人々の善悪の判断基準が「理想や理念」などという理性的なものから「好きか嫌いか」という感情的な基準へと移ってきているのではないかと心配です。▼私は紙の本に赤線を引いたり、コメントを書いたりして、手元に置いていつでも手に取って見ることができるから本が好きです。クリック1つで世界中に発信できるネットの力を否定するわけではありませんが、ちょっと立ち止まって悠久の時に浸って思いを巡らすこともすばらしいと思うのです。▼松下竜一センセの生家が道路拡張で壊されたそうですが、10年ほど前に松下さん宅へお邪魔して、書棚にあった「エイモリーロビンス」の著書『ソフトエネルギー・パス』を手にとってパラパラとページをめくっていたら、生前の松下竜一センセが書き込んだと思われる添え書きや棒線が随所にありました。「松下センセはエイモリーに影響されたんだなあ」と。松下さんに再会したような感動を私は受けました。だから私は、これからも紙の書物を大切にしていきたいと思います。▼伊方裁判の署名と1月26日の裁判の傍聴もよろしくお願いいたします。そして、今年もよろしく。                            (小坂)


新年のご挨拶
脱原発大分ネットワーク代表
河野近子

 「新年明けましておめでとうございます…」と書きながら、まったくおめでたくない昨今の社会状況に、日本の未来に大いなる危惧を感じるこのごろです。
 安倍政権の強引な右傾化に、「いまや戦後ではなく戦前そのもの」との声が多く聞かれるようになりました。このまま安倍自民党の暴走を許せば、日本の未来には暗雲が立ち込めることになるでしょう。
 そして原子力の問題も、また同じく国民世論を無視して、どこまで愚かな政策を続けるのかと、思える信じがたい流れが止まりません。人間という生きもののあまりの愚かさに、今さらながら悲しみがこみ上げてきます。
 とは云うものの、嘆いてばかりいても社会は変わりません。それぞれの場所で、この流れに抵抗し続けることが、何より大切なことなのでしょう。
 いま「脱原発大分ネットワーク」は総力をあげて、『伊方原発運転差止訴訟』に取り組んでいます。会員の皆さんも何らかの形で、このたたかいにご協力していただいていることと思います。
 福島第一原発の事故以降、司法の流れが変わり、原発の危険性を認識する裁判官も現れ始めて、各地でまっとうな判決が出始めています。
 原発裁判の潮目が変わった今、伊方原発の運転差止が実現すれば、長い反原発運動敗北の歴史に画期的な1ページを飾り、原発のない日本の実現に向けて大きな一歩を踏み出すことができます。
 今年はそのための正念場となるはずです。反原発の思いを持つ会員・読者の皆さん、一丸となってこの裁判闘争に取り組みましょう。そのためにも大分地裁へ出す『嘆願署名』の取り組みにも、皆様の絶大なご協力お願いいたします。
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台湾「脱原発法」可決へ 再エネ比率、大幅引き上げ
毎日新聞2017年1月10日

 台湾の蔡英文政権が2025年までに脱原発を実現するため提案した電気事業法改正案が11日にも立法院(国会)で可決される見通しになった。脱原発が実現すれば、アジアでは初めて。代替の再生可能エネルギーを今後9年間で普及・拡大させられるかが鍵だ。
 蔡氏は昨年1月の総統選で脱原発を公約に掲げていた。改正法案では、再生エネ比率を大幅に引き上げるため、電力自由化により再生エネ事業への民間参入を促す。産業界には「電力供給が不安定化し価格の高騰を招く」との懸念があるが、可決は確実視されている。
 欧州ではドイツが脱原発に転換したが、アジアでは中国やインドが原発建設を進めている。台湾では、完成した原発3カ所6基(2基は停止)のうち北部の第1、第2原発が人口の密集する台北まで30キロ弱と近く、11年の東京電力福島第1原発事故後に反原発機運が高まっていた。
 台湾の原子炉は18年から25年までに順次40年の運転期間が終わる。蔡政権は、運転延長や新規稼働を認めず全原発廃止に持ち込む構えだ。
 台湾では電源比率(15年)で原発は14%を占め、代替となる再生エネは4%に過ぎない。改正案では再生エネ比率を20%まで引き上げる計画だ。実現のため台湾政府の傘下にある台湾電力が独占する電力事業への民間参入を認める。再生エネの発電と売電を自由化し、その後、台湾電力を発電、送電で分社化。火力などの他の電力も自由化する。                         
by nonukes | 2017-01-19 14:30 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

伊方原発運転差し止め仮処分で勝つ意義は実に大きい

伊方原発運転差し止め仮処分で勝つ意義は実に大きい
~仮処分の正否がいよいよ4月に出る予定~

小坂正則
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これまで約1年の経過

昨年の3月9日に大津地裁で高浜原発3、4号機の運転差止仮処分の決定を山本裁判長が行って、その翌々日の3月11日に広島地裁へ被爆者の皆さんが中心に行った、伊方原発運転差止仮処分の申し立てを聞いて、彼らと同じ「被害だけ住民」の私たち大分県民も遅まきながら、「裁判に立ち上がろう」と決意したのでした。そして4月には東京の河合弘之弁護士に相談して、具体的な裁判の準備へ取りかかったのです。
その準備の中で、なかなか大分の弁護団の協力が得られなかったのですが、4月14日、16日と熊本大分地震が起きて、大分県内の弁護士の皆さんの協力もスムーズに運びました。それに大分県民の関心も一気に高って来ました。そして、6月4日(土)に河合弁護士と甫守弁護士による大分の弁護士への説明会と弁護団準備会もできて、6月29日には「伊方原発裁判大分弁護団」が結成されました。
6月5日(日)伊方原発裁判の県民説明会には、ホルトホール70名定員の会場に入りきれない市民の皆さんが集まり、「伊方原発裁判を大分で起こす意義」を河合弁護士に語ってもらいました。その後、7月2日(土)には「伊方原発をとめる大分裁判の会」の結成総会が同じ会場に、これも入りきれない市民の参加で開催され、7月4日には4名が「伊方原発3号機運転差止仮処分」を大分地裁へ申し立てました。その後、本訴訟の原告募集のために、裁判の会による初めての講演会を7月16日(土)ホルトホール大会議室で広瀬隆さん講演会を300名の会場がほとんど満員状態で開催しました。

7月に仮処分、9月に本裁判を提訴

7月2日の裁判の会の立ち上げから、原告と応援団の募集を呼びかけたところ、大分県内在住者264名の原告と100名を越える応援団も集まり、9月28日には大分地裁に提訴しました。そして、11月17日には第一回公判が開催されました。大分地裁の大法廷に傍聴者が入り切れないほど集まりました。大分地裁で、200人以上の原告と40名以上の大弁護団による裁判は大分の裁判史に残るほどの出来事だったのです。また、仮処分の審尋(公判)は7月からだいたい月1のペースで進められ、8月、9月、11月とこれまでに4回の審尋が行われました。今年は1月26日と3月16日に仮処分と本訴の公判が決まっています。仮処分の決定は半年くらいで出るそうですから、順調に行けば4月には決定(判決)が出るでしょう。今年の初めには広島と松山地裁で大分よりも先に決定が出ると思われます。何としても、この3カ所のどこかでは必ず勝ちたいと私たちは願っています。

仮処分と本裁判の違いとは

裁判で争うには何年もの時間がかかります。そこで、原告の不利益を未然に防ぐために裁判所が仮に認めてくれる緊急措置が仮処分です。私たちの「伊方原発運転差し止め裁判」では、福島級の事故が起こってしまえば取り返しのつかない環境破壊が予想されるわけですから、一旦原発の運転を仮処分で止めてもらって、安全を担保した上で裁判を争うために仮処分に訴えたのです。
よく、会社をクビになった労働者が仮処分で地位の保全を確保してクビ切りを停止させることなどの手段です。仮処分は読んで字のごとく、仮の決定ですから、仮処分で勝っても本訴で負けたら、その間の原告側の得た利益分は全て返さなくてはなりません。労働者でいえば一旦もらった賃金を返却するのですが、原発は1年間止まれば1千億円もの返済を電力会社から要求されるかもしれません。私たち4名は財産などほとんどありませんから、仮処分で勝って本裁判で負けて損害賠償を求められても、ちっとも心配ではありません。

大分地裁で勝つための署名も始めます

広島と大分には四国電力の電気は1キロワットも来ていませんから、四国電力の伊方原発が動かなくても何の経済的な損失はありません。あるのは事故時に放射能が襲ってくる可能性だけです。ですから、広島と大分地裁で行われる裁判は「被害だけ住民による裁判」の「幸福追求の権利」いわゆる人格権が最大の争点の裁判です。大津地裁の仮処分裁判は被害だけ住民の訴えが認められたのです。私たちは何としても大分で仮処分を勝ちたいと願っていますので、3月16日に「公正な裁判のお願い」を大分地裁へ署名簿という形で提出します。できるだけ多くの署名簿を提出したいと思います。ぜひみなさんのご近所の方に署名をお願いしてください。署名をお願いすることで、「伊方原発裁判」の宣伝にもなりますし、「原発はいらない」という県民意識の高揚を作り出すこともできます。マスコミの世論調査では原発なしを望む国民は8割と言われています。それだけの県民や国民の意識を数字で裁判所に示しましょう。この署名は大分県民以外でも受け付けます。世界中の方の署名が可能です。年齢も制限ありません。皆さんのご協力をお願いします。

仮処分で勝てば次々に原発の停止が可能

弘之弁護士は映画監督でもあります。河合監督の最新作「日本と再生 光と風のギガワット作戦」という映画がこの春から封切ります。大分でもさっそく上映の準備に取りかかる予定です。この映画は何をテーマにしているかというと、「再エネ電力の発電コストが劇的に下がっていて、世界中の電力が再エネ電力に取って代わりつつある」と、河合監督が世界中を走り回って取材してきた記録映画です。政府はいまだに「原発は発電コストが一番安い」と、ささやいていますが、そんなウソは海外では通用しません。原発のコストが一番高いのです。今回、再エネ電力のコストの話をつゆくさ通信に書いていますが、2025年には再エネ電力の発電コストは2円から3円と劇的に下がるというレポートです。
つまり、私たちの「脱原発裁判」闘争はここ数年が山でしょう。つまり、私たちが原発仮処分で次々に勝って、原発が止まったり動いたりを繰り返せば、それだけで原発のランニングコストが上がります。それに仮処分で原発が止められたら、動かすためには今以上の安全性を高めるための工事が求めらますから原発の発電コストが益々上がってしまうのです。そのようなことを原子力発電の司法リスク(裁判で止まるリスク)が高くなると言います。事実、ヨーロッパでは住民の安全性の要求が高まって、日本では考えられないような二重の格納容器や原子炉がメルトダウンしても安全な対策「コアキャッチャーの設置」などが取られることで1基の原発の建設費がこれまで5千億円だったのが2兆円もに跳ね上がったのです。東芝が赤字倒産の危機に陥ったのは、子会社の米国WH社が原発建設コストの跳ね上がりで数千億円の赤字を出したせいです。
このように私たちのたたかいは「原発を動かすか動かさないか」ではなく「いつ原発を止めるか」というたたかいに変化して来つつあります。つまり、原発の発電コストはこれからどんどん跳ね上がるのですから、必ず原発は世界中からなくなるのです。 私たちの裁判は、その日を1日でも早く実現させるためのたたかいなのです。ただし、核兵器を持つための原子力開発は商業的なコストとは関係ありませんので、核を持っている国はそう簡単に原発から撤退はしないでしょう。

仮処分で1回負けてもまだ次の手がある

沖縄県の辺野古米軍基地建設の埋め立て承認取り消し裁判で福岡高裁沖縄支部の判決は余りにもひどいものでした。沖縄県民を愚弄した国の下請判決です。このようにヒラメ裁判長が横行する法曹界で、裁判に勝つなど困難極まりないことなのです。事実、鹿児島県川内原発仮処分の鹿児島地裁や高裁決定も不当なものでした。ですから今回の仮処分も簡単に勝てるとは決して思ってはいません。
これまで1973年に起こされた伊方原発設置取り消し訴訟から44年間に数え切れないほど起こされた原発裁判で、勝ったのは志賀原発金沢地裁判決と「もんじゅ」金沢高裁判決の僅か2つだけだったのが、311以後は、大飯判決や高浜仮処分など半分近くが勝っているのですから、裁判所も少しは変化の兆しも見られるのです。
ところで昨年3月9日の大津地裁高浜原発3、4号機運転差し止め仮処分決定、実は2回目で勝ちとった仮処分だったのです。その前に一昨年には同じ大津地裁の同じ山本裁判長の下で一度負けていたのです。ですから、勝つまで何度でも仮処分は訴えればいいのです。
それに今回の仮処分は、日本の裁判史上画期的な1つの原発を3カ所でほとんど同時に打つという作戦を私たちは編み出したのですから。
今後は仮処分を「いつでも、どこでも、誰でも、それに少数の弁護士でも」できるように証拠のデーターベース化と手続きのマニュアル化などで、「日本中で原発仮処分をたたかえるようにしよう」と河合弁護士と相談しています。乞うご期待!
by nonukes | 2017-01-14 14:55 | 原発再稼働は許さない | Comments(1)

今年こそ安倍政権を日本から葬り去る年にしよう

今年こそ安倍政権から日本を取り戻す年にしよう
小坂正則
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私の友人と新年に出会ったらこう言われました。「明けましておめでとうなど決していえないけど、今年もよろしくね」と。年賀状に「明けましておめでとう」など書きたくはないけど、どう書こうかと皆さん悩んだのではないでしょうか。
皆さんが「めでたくない」のはテレビニュースで見たくもないあの顔をいつも見るからなのでしょうか。しかも、安倍政権の支持率はこれだけの失政を行っているにも関わらずちっとも下がらないのですから日本の七不思議と言ってもいいでしょう。それは、政権にコントロールされてしまって骨抜きのテレビが提灯持ちキャスターやゲストばかり出して、政権をみんなでヨイショしているから、視聴者は洗脳されているんじゃないかと言う説もありますし、視聴率調査がウソだという説などもあります。でも、暴動も起きることなく、デモも近ごろはめっきり起きていませんから、お隣の国韓国民がうらやまし限りです。
そんなイライラが募っている私ですが、元旦に見た初夢が「安倍首相退陣の臨時ニュース」をNHKニュース9の河野キャスターが涙目の神妙な顔つきで喋っている夢だったのです。そこで、新年最初の「つゆくさ」で、この夢を正夢にするためのストーリーを私なりに考えてみることにしました。

オリンピックを成功させるための「共謀罪」

1月20日から始まる通常国会に安倍政権は、これまでに3回も廃案になった「共謀罪」を今度こそは成立させようとして「テロ準備罪」と名前を変えて法案を通そうとしています。これがなければ「2020年のオリンピックを成功させることができない」そうです。確かに「ISと断固として戦う」とイスラエルで大見得を切った安倍政権が続けば、いつ新幹線が自爆テロに襲われてもおかしくはありません。日本で過激派が大規模なテロを実施しようと考えるなら狙うは新幹線でしょう。世界一無防備だからです。中国など地下鉄でも空港並みの手荷物検査をしています。日本はなぜか新幹線は完全フリーパスです。
「テロ準備罪」を作るよりももっとやることがあるでしょう。しかも現行の法律で未然に検挙できないテロ犯罪などないのです。この「共謀罪」は謀議に加わっただけで罰せられるのですが、目配せしただけでも謀議と認定されるのです。実行行為を伴わなくても、話し合ったり空想しただけで犯罪が成立するのですから、これは思想を取り締まる戦前の治安維持法と同じです。安倍政権の憲法改正や集団的自衛権の行使で国内でデモや反対運動が燃え広がることを恐れて、独裁権力を行使する伝家の宝刀として、この法律を作ろうとしているのです。政府は「一般市民は対象とはしない」と、言ってますが、テロリストは一般市民に紛れているのですから、いつ私が「テロリストだ」と言われて逮捕されても、警察が「奴は一般市民に紛れ込んでいるテロリストだ」と言えばいいのです。全ての国民が対象なのです。

トランプのポチ日本は過大な要求を食らう

トランプが大統領選で勝ったら、籾手をしながら真っ先にトランプタワー詣出を行い、トランプのポチとなることを表明した数少ない国家指導者が安倍首相でした。安倍首相に比べて、ドイツのメルケル首相は「ドイツと米国は、民主主義、自由、法の尊重、人間の尊厳といった価値観で結ばれている。これは出自、肌の色、宗教、性別、性的志向、政治観を問わない。米国の次期大統領に対し、これらの価値観に基づいて緊密な協力を申し出る」とメルケル首相は声明でトランプトランプと戦うと表明しました。メルケル氏は「EU28ヵ国をまとめ上げ、ウクライナ東部に侵攻したロシアに制裁を課した指導者としてトランプの言いなりにはならないという政治理念を持っているのです。ここが安倍首相と大きな違いで、どう考えても安倍首相からは高尚な理念など微塵も感じません。
今後、トランプがめちゃくちゃな要求を日本に突きつけて来るでしょう。既にその兆候は現れています。「ターゲットはメキシコと中国と日本だ」としきりにツイーターへ書き込んでいます。西側諸国は慎重にトランプの出方を伺っていますが、日本政府だけはさっさと白旗を上げで、「どこまでもあなたについて行きます下駄の歯の雪」と振る舞っているのです。これからトランプは在日米軍の駐留経費をこれまでの予算5年間で1兆円を倍増する要求を日本政府に突きつけてくることでしょう。トランプは「取れるところからはいくらでも取る」という政策だからです。また、貿易赤字解消のための日本への要求も激しさを増すでしょうし、TPPなど批准したから、今後の2国間交渉はTPPを最低の条件として、それ以上の要求をしてくるのです。そんなトランプからの激しい要求が日本経済へ大きなマイナス要因となり、結果として日本経済の底冷え到来が今年の最大の経済的な出来事となるでしょう。

アベノミクスはいつまで経っても道半ば

安倍首相は地球俯瞰外交とか言って世界中に原発と武器を売り歩いていますが、プーチンを山口の老舗旅館に招き入れて鳴り物入りで行われた安倍プーチン会談の結果はロシアに3千億円も食い逃げされるだけの失敗に終わりました。それでも一向に支持率が下がらないのはNHKなど御用マスコミが必死に成果をでっち上げて宣伝したからなのでしょう。
トランプの一国主義政策で中国との関係がこじれて、今年の秋には株価が大幅に下り、日本も不況に見舞われるでしょう。安倍政権の高支持率は「赤字国債の増発による景気刺激」で、見せかけの景気がいいように見えるから続いているのですが、景気刺激政策が行き詰まれば高支持率も音を立てて一気に壊れるでしょう。
景気回復にエンジン全開とかうそぶいていますが、これこそ「空ぶかし」です。日本銀行を手玉にとって、円を市場にばらまいても、マイナス金利にしても一向にインフレ2%は達成できません。見せかけの株価は確かに上がっていますが、安倍政権になってから4年連続実質賃金は下がりっぱなしなのです。これでも暴動が起きないのは、日本人はおとなしい国民なのでしょう。ただ、異次元の金融緩和などという出口のない財政政策にはまってしまった日銀は、抜けようにも抜けられなくなっています。 今は株価が高いので世界中のお金が日本に集中していますが、ひとたび日本から海外の資金が引き揚げだしたら、その動きは止まらず、一気に国債の価格が暴落して世界不況が訪れるかもしれません。それに中国の不透明な政治・経済政策の不信からバブルが一気にはじけるかもしれません。どっちにしても地球規模のマネーゲームで成り立っている世界経済は出口の見えない資本主義経済の終焉へと向かって突き進むのです。それにISなどのテロが加わって、いよいよ複雑で末期的な世界へと地球規模で陥ってしまうかもしれません。

民進党は選挙で選択肢を示す義務がある

そして景気回復の兆しの見えない中で今年の秋か来年の春に追い込まれ解散した安倍政権は総選挙でボロ負けして、退陣するのです。そうさせるためには安倍政権に変わるしっかりした受け皿作りが何よりも必要です。まず、民進党がぶれて自民党にすり寄っていては国民の選択肢がなくなってしまいます。小選挙区制の導入で二大政党政治を選択して小泉首相を誕生させた、日本の「政治改革」は間違いだったと私は思うのですが、現行の小選挙区制度がある以上は、それに従って政治を行わなければどうにもなりません。ですから、ここでは最大野党の民進党が鍵となるのです。地方の首長選挙で与野党相乗りの選挙や無投票選挙が大半です。争いごとをいやがる日本人には向いているという説もありますが、権力は必ず腐敗するのです。ですから、民主主義の根幹は選択肢を有権者に与えることなのです。ところが、野党第一党が与党になびいて大政翼賛会となれば、1人共産党がいくら正義を振りかざしてもどうにもなりません。だからこそ、最大野党こそが民主主義政治には欠かせない重要な責任があるのです。
ところが、「共産党とは一緒にはやりたくない」と言って、維新や民進党の一部の議員や連合という資本家の御用聞き集団は、自民党にすり寄ろうとしていますし、与党に有利な選挙を企てます。これは結果として国民の選択肢を奪うことになるのです。政治に必要なことは政策もさることながら、政権交代によって権力の腐敗を防ぐことと、政策決定者に責任を取らせることです。
日本の官僚は自民党でも民主党でも誰も責任を取りません。米国が強いのは政権交代で数千人の官僚のクビを変えることができるからです。
民進党は総選挙で野党第二党の共産党を利用して議席を増やし、少なくとも与党2/3を打ち破り、自民党崩壊への道筋を作り出す責任があります。政権を取るチャンスにない時は広範な野党共闘で自民党に打撃を与えることが野党第一党の責務です。小池自民党都知事にすり寄っておこぼれを預かろうなど愚かな真似です。政権が崩壊するときは一気に行きます。その時、民進党から自民党に行って支えるのではなく、自民党から出て行く離脱者を受け入れて政権交代を実現すればいいのです。しっかり肝っ玉を据えてたたかえばいいのです。

希望は地域の実体経済を再構築すること

世界経済がどんなに不況に陥っても、私たちの生活は日々営まれ続けます。つまり、実体経済に少しくらい影響しても、決定的に消えてなくなるようなことはないのです。崩壊するのはマネーゲームなど身の丈に合わない虚像の経済です。「コンクリートから人へ」というスローガンで政権交代した民主党のやったことはすばらしい実験でした。国民の多くが夢と希望を抱きました。このような未来に向かって、自分たちが主人公となって自ら支え合う社会を再度この国に作るのです。そのチャンスはそんなに遠くではないと私は思っています。今年こそ、そのきっかけの年にしたいと思います。
by nonukes | 2017-01-14 13:52 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

私たちはポピュリズムと反知性主義をどうやって乗り越えることができるか

ポピュリズムと反知性主義をどう乗り越えることができるか
小坂正則
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出版業界が大きく変わる時代の流れ

『七つ森書館』という良心的な小さい出版社が東京にあります。そこが出す「七つ森通信」にこんなことが載っていました。
…一昨年取次会社の栗田出版販売が倒産し、今年は大洋社が倒産しました。つい先日には岩波ブックセンター信山社が倒産しました。まだ高校生の頃でしたが、神保町の書店を歩き回って岩波ブックセンターに行き着いて、碩学の労作が並ぶ書棚から『理化学事典』や『定量分析の実験と計算』という本を手にした時のことをよく覚えています。こうした書店が立ちゆかなくなるのは身に堪えます。
書店様での小社の本の売れ行きをみると、七つ森書館が得意とした、脱原発などの社会問題をテーマとした本の売れ行きは、昨年(2015年)4月頃から減り始めてきています。参院選へのリベラルの側からの準備が着々と進んでいた頃からです。売り上げ半減どころか、半分を下回ってきております。戦争反対の国会前の盛り上がりがあっても、減少傾向に歯止めがかかっていませんでした。参院選の結果や小池百合子の登場、トランプ大統領、安倍政権の長期化……、世の中が悪くなる方へ進むのと同じです。
この大きく変わる時代の変化を「何かが壊れ始めた」と表現した方がいました。われわれの世代の運動の甘さが跳ね返ってきています。これが、モロに売り上げ減として現れているので、大変な痛みをもって実感している次第です。(ここまで引用)
私も中央線のJR御茶ノ水駅で下りて坂を下って、明治大学神田校舎を過ぎ、靖国道りへ出たところにある神田神保町界隈の古本屋を巡るのが東京へ行った時の楽しみの1つでした。そして最後には岩波ブックセンターに行き着いていたものです。ところが、この大きな書店が昨年の11月23日に店主の急逝により店を畳んだそうです。ちなみに岩波書店とは何の資本関係はなく、ただ岩波の本が日本一揃っている書店だったたそうです。
私が毎年のように通った古本屋が連なっていた神田古本屋街も行く度に古書店が減っていき、今では靖国通りには古書店を探すのが難しいほどに減ってきていました。

活字を読む生活から情報を見る生活に変わった

ネット通販書籍の中で最大がアマゾン。古本屋の最大はブックオフ。それに雑誌の売り上げ1番がコンビニです。このように書店を取り巻く状況は実に厳しい環境に晒されているのです。しかし、既存の本屋が潰れたとしても、アマゾンやブックオフやコンビニがあれば出版業界自体は、そんなに大きな影響はないはずですが、出版業界自体も大きな出版不況の波に襲われているのです。1996年に書籍と雑誌合計で2兆6500億円だった売り上げが20年後の2015年には1兆5200億円と実にピーク時から1兆円以上も売り上げが減っているのです。
雑誌が売れなくなった大きな理由は、ネットが雑誌に取って変わったからでしょう。週刊誌などは1昨年は対前年比13.4%もの大幅売り上げ減だったそうです。それに雑誌以外の本を読まなくなった理由は様々あるでしょうが、これもネットの影響が大きいのでしょう。それに本を買えるような生活に余裕がなくなったことも大きな理由かもしれません。ことは出版業界だけの問題でもないようです。新聞業界でも著しく購読者が減っているそうなのです。
この現象は新聞業界でも顕著です。いまの若者で新聞を定期購読している方が珍しいのではないでしょうか。若者だけではありません。サラリーマン世代の中でも新聞を取っていない方がどんどん増えているのです。給料が減っていることなどもあるでしょうが、「新聞紙をゴミに出すのが面倒だ」という理由などもあるそうです。
日本の新聞業界の特徴は全国紙の発行部数世界で最も多いことです。読売が900万部、朝日が650万部で毎日が300万部です。しかし、ここでも激しい新聞離れが進んでいるのです。2016年には対前年度比で読売が▲1.3%、朝日が▲1.9%、毎日に至っては▲4.2%と大幅に落ち込んでいるそうです。新聞離れが進むのは世界の流れです。世界の報道界をリードするワシントンポスト(66万部)やユーヨークタイムズ(103万部)なども電子新聞が利益をカバーしているそうです。ただ、世界中で読まれるこれらの新聞に比べたら、日本の新聞社のニュースは世界中で読まれることはなりませんのでこれら2紙の真似はできません。
このように世界中で活字離れが起こっているようです。

ポピュリズム政治と活字離れには何らかの相関関係はあるか?

トランプ米大統領の登場などを「反知性主義」という表現で使われていますが、本来の意味の「反知性主義」とは「知的権威やエリート主義に対して懐疑的な立場をとる主義・思想」のことを言い、権威主義批判の意味で使われていたようですが、今では「知的な思考を無視した感情的な思考や言動」のことを「反知性主義」と言っているようです。
そう言った意味ではポピュリズム政治(大衆迎合政治)の思考回路を現在使われている意味での「反知性主義」というのでしょう。
これまで、EUなどは各国の利害を超えたEU全体の平和や自由など人びとの人間的尊厳を実現するための「共通の価値観」を実現しようとしてきました。ところが、移民や難民の流入で、労働者の仕事が奪われるという現実やテロなどの横行で、隣人をいたわる共通の価値観が壊れてしまい、「自分が貧しいのは奴らが仕事を奪った結果だ」と、隣人に対する憎しみや増悪にまみれた感情的な言動がEUや米国の白人たちに間で広がってきたのです。その結果が英国のEU離脱やトランプ大統領の登場なのでしょう。
しかし、このような傾向は日本でもとっくに起こっていました。90年代以降、失われた20年とか25年と言われる不況や非正規雇用の増大、それによる格差の拡大で人びとの不満のはけ口を「在日の人びと」など弱い者や労働者の権利が保障されている公務員へのバッシングという形で広がって行ったのです。
このような「反知性主義」的な現象と活字離れに何らかの因果関係があるのかどうかは私には分かりませんが、活字離れ現象とポピュリズム政治の台頭が21世紀初頭に世界中で起こっていることだけは事実のようです。ただ、理性的な思考や行動から感情的な思考へと人びとの行動様式が変化することに「活字離れ現象」が何らかの形で影響しているのではないかと私は感じるのですが、その辺を誰か研究してもらえないでしょうか。

小泉政権から安倍晋三・橋下維新へと続く「反知性主義」

小泉元首相の政治手法を日本では「劇場型政治」と言って、選挙区に死客を送り込むことにより、国民がさも演劇を楽しむようにして拍手喝采を政治指導者へ送ってきました。しかし、冷静に考えたら、何の脈略もないことに多くの有権者や民衆は踊らされていたのです。橋下元大阪市町が「大阪が不況なのは大阪市職員がサボっているからだ」という何の脈略もないことに踊らされて橋下の意のままに、いまだに大阪市民や大阪府民は踊らされているのです。
残念ながら、多くの有権者や民衆は「小難しことよりも分かりやすい言葉を求める」ものなのです。小泉純一郎首相が2001年5月27日、東京・両国国技館での大相撲夏場所千秋楽の表彰式で、けがをおして優勝した貴乃花に「痛みに耐えてよく頑張った。感動した。おめでとう」という短い言葉で国民を魅了させました。小泉元首相は正に言葉の魔術師だったのです。
橋下徹も「関電は霊感商法と同じだ」など、小泉純一郎氏を真似て、短いフレーズで関西人を魅了し続けていました。しかし、中身は誰が考えても橋下が霊感商法と同じなのですが。
米国大統領トランプが天才的な人間だとは思いませんが、彼を演出した立役者は見事に「劇場型選挙」を演出し続けたのです。これまでの政治家の演出といえばスーツの柄やネクタイの色など写真写りをよく見せるなどの演出が主だったものが、社会心理学者や脳科学者の研究などが進んだり、ビッグデータの分析で大衆を操作することが容易になって来つつあるのでしょう。それにヒットラーが合法的に独裁政権を樹立したように、ヒットラーを橋下や安倍は真似ているのでしょう。

私たちは「反知性主義」とどうたたかえばいいのか

民衆や有権者が「劇場型政治」や「劇場型選挙」に拍手喝采をあびせることを、私たちが「瞞される有権者が悪い」と責めても仕方ありません。それは単なる負け犬の遠吠えでしかありません。もちろん同じ土俵で権力者と闘っても勝ち目はないかもしれませんが。私たちはこれまでやって来たことをただ漫然と繰り返すのではなく、持てる力を最も有効に発揮できるための戦略と戦術を練って、効果的な戦いを繰り広げることが求められているのでしょう。私たちがポピュリズム政治を負かすには小手先の技術では勝ち目はないでしょう。多くの有権者に共感と連帯感を生み出せなかったら勝ち目はありません。しかも私たちの武器は「感情的に他人を攻撃する」ことで得られる「不満の代償行為」ではなく、共感と連帯で未来への展望を有権者に持ってもらうことができるかが勝敗の決め手です。それに「平和や自由」という普遍的価値の想像性を共有することも必要です。
もっと具体的に言えば、「他人の幸せを自分の幸せ」と思える関係性を実現できるかどうかです。学校の先生が「イジメはいけません」とか「差別をしてはいけません」と、生徒に一方的に覚えさせただけではこのような感情は人びとの中には生まれません。感情は教えるものではなく体験するものです。心と心のつながりで生まれる感情体験が必要なのです。つまり私の周りの他人と心を通じ合い、友情や共感を互いに感じ合う中でしか「他人の幸福を自分の幸福と感じる」感情は醸成されないのです。それは教えられてできるものではありません。現実に他者との信頼関係を築くことでしか生まれません。韓国や中国の人びとと親しくなって初めて「民族差別をしてはならない」という感情が生まれるのです。
安倍や橋下の訴える「憎悪」に対しては「他者への愛」で跳ね返すのです。このような互いをいたわりあう関係性を1人でも多くの仲間と共有することが結果として地域社会を作り上げ、その延長上に政治を変えることができるのかもしれないと私は思います。私と同じ考えではない他人と議論を交わす中で、共通の一致点や同意点が生まれ、それが少しずつ大きく育つことが社会を作ることだと私は思います。今の若者が同じ仲間としか関係性を作らないと言われていますが、それを越える関係性を地域社会に広げていって、蔓延しつつある「反知性主義」政治の誕生をみんなで阻止しよう。
by nonukes | 2017-01-03 17:49 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(1)

  小坂正則