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小坂正則の個人ブログ

カテゴリ:脱原発大分ネットワーク( 134 )

脱原発大分ネットワークの「つゆくさ通」信第141号を発行しました

脱原発大分ネットワークの「つゆくさ通」信第141号を発行しました
小坂正則
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「つゆくさ通信」の購読をご希望の方にはバックナンバーを無料でお送りいたします。
定期購読料は年間2000円です。バックナンバーをご希望の方は下記まで後連絡願います。
携帯090-1348-0373(小坂)
E-mail:nonukes@able.ocn.ne.jp

編集後記
▼久々に通信の校正をちょこっとだけしました。驚いたことに今回の「お蔵入り百人一首」と重なる内容が散見されました。これは決して偶然ではなく、今現在、同じことを案じている人が多いということです。「百番目のサル」ではないけれど、世界中の平和を望む人々の思いが、ある日突然とどめようもない奔流となってほしいと願います。「きっとできると思う。なぜならぼくらがそれをいまかんがえているのだから。」宮沢賢治/上関原発建設の環境がどんどん整いつつあります。しかし、山口県内でもほとんど報じられていません。8月に埋立延長を承認した県のもと、中国電力はフリーハンドで、いつ工事が再開されてもおかしくない状況です。ネット環境にある方はぜひ小中進さんのブログをごらんください。▼こちらもネットですが、できたてほやほや「原発なくす蔵(ぞう)☆全国原発関連情報☆」http://npg.boo.jp/ はスバラシイ。【各地の運動】【トピックス】記事【法律・協定等】のリンク先もふえています。ご活用を。      (大原)
▼『七つ森書館』という小さな出版社があります。そこが出す「七つ森通信」にこんなことが載っていました。「…書店様での小社の本の売れ行きをみると、七つ森書館が得意とした、脱原発などの社会問題をテーマとした本の売れ行きは、2015年4月頃から減り始めてきています。参院選へのリベラルの側からの準備が着々と進んでいた頃からです。売り上げ半減どころか、半分を下回ってきております。戦争反対の国会前の盛り上がりがあっても、減少傾向に歯止めがかかっていませんでした。参院選の結果や小池百合子の登場、トランプ大統領、安倍政権の長期化……、世の中が悪くなる方へ進むのと同じです。この大きく変わる時代の変化を「何かが壊れ始めた」と表現した方がいました。われわれの世代の運動の甘さが跳ね返ってきています。これが、モロに売り上げ減として現れているので、大変な痛みをもって実感している次第です」と。▼私が東京へ行った時の楽しみの1つが神田神保町の古本屋街巡りです。30年前は古本屋が連なっていた街も、年々古書店が減っていき、今では靖国通りの古書店を探すのに苦労するほどの数しか残っていません。人々が本を読まなくなったことが古本屋が減った大きな原因だと思います。▼その証拠に、出版業界の売り上げが20年前は3兆円だったのが、今は2兆円を切るそうですから、雑誌も新聞も売り上げが大きく減っているのです。この現象と「トランプ現象」といわれる「ポピュリズム」の台頭との間に何らかの相関関係があるのではないかと、私は思うのです。ネットの影響で、人々の善悪の判断基準が「理想や理念」などという理性的なものから「好きか嫌いか」という感情的な基準へと移ってきているのではないかと心配です。▼私は紙の本に赤線を引いたり、コメントを書いたりして、手元に置いていつでも手に取って見ることができるから本が好きです。クリック1つで世界中に発信できるネットの力を否定するわけではありませんが、ちょっと立ち止まって悠久の時に浸って思いを巡らすこともすばらしいと思うのです。▼松下竜一センセの生家が道路拡張で壊されたそうですが、10年ほど前に松下さん宅へお邪魔して、書棚にあった「エイモリーロビンス」の著書『ソフトエネルギー・パス』を手にとってパラパラとページをめくっていたら、生前の松下竜一センセが書き込んだと思われる添え書きや棒線が随所にありました。「松下センセはエイモリーに影響されたんだなあ」と。松下さんに再会したような感動を私は受けました。だから私は、これからも紙の書物を大切にしていきたいと思います。▼伊方裁判の署名と1月26日の裁判の傍聴もよろしくお願いいたします。そして、今年もよろしく。                            (小坂)


新年のご挨拶
脱原発大分ネットワーク代表
河野近子

 「新年明けましておめでとうございます…」と書きながら、まったくおめでたくない昨今の社会状況に、日本の未来に大いなる危惧を感じるこのごろです。
 安倍政権の強引な右傾化に、「いまや戦後ではなく戦前そのもの」との声が多く聞かれるようになりました。このまま安倍自民党の暴走を許せば、日本の未来には暗雲が立ち込めることになるでしょう。
 そして原子力の問題も、また同じく国民世論を無視して、どこまで愚かな政策を続けるのかと、思える信じがたい流れが止まりません。人間という生きもののあまりの愚かさに、今さらながら悲しみがこみ上げてきます。
 とは云うものの、嘆いてばかりいても社会は変わりません。それぞれの場所で、この流れに抵抗し続けることが、何より大切なことなのでしょう。
 いま「脱原発大分ネットワーク」は総力をあげて、『伊方原発運転差止訴訟』に取り組んでいます。会員の皆さんも何らかの形で、このたたかいにご協力していただいていることと思います。
 福島第一原発の事故以降、司法の流れが変わり、原発の危険性を認識する裁判官も現れ始めて、各地でまっとうな判決が出始めています。
 原発裁判の潮目が変わった今、伊方原発の運転差止が実現すれば、長い反原発運動敗北の歴史に画期的な1ページを飾り、原発のない日本の実現に向けて大きな一歩を踏み出すことができます。
 今年はそのための正念場となるはずです。反原発の思いを持つ会員・読者の皆さん、一丸となってこの裁判闘争に取り組みましょう。そのためにも大分地裁へ出す『嘆願署名』の取り組みにも、皆様の絶大なご協力お願いいたします。
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台湾「脱原発法」可決へ 再エネ比率、大幅引き上げ
毎日新聞2017年1月10日

 台湾の蔡英文政権が2025年までに脱原発を実現するため提案した電気事業法改正案が11日にも立法院(国会)で可決される見通しになった。脱原発が実現すれば、アジアでは初めて。代替の再生可能エネルギーを今後9年間で普及・拡大させられるかが鍵だ。
 蔡氏は昨年1月の総統選で脱原発を公約に掲げていた。改正法案では、再生エネ比率を大幅に引き上げるため、電力自由化により再生エネ事業への民間参入を促す。産業界には「電力供給が不安定化し価格の高騰を招く」との懸念があるが、可決は確実視されている。
 欧州ではドイツが脱原発に転換したが、アジアでは中国やインドが原発建設を進めている。台湾では、完成した原発3カ所6基(2基は停止)のうち北部の第1、第2原発が人口の密集する台北まで30キロ弱と近く、11年の東京電力福島第1原発事故後に反原発機運が高まっていた。
 台湾の原子炉は18年から25年までに順次40年の運転期間が終わる。蔡政権は、運転延長や新規稼働を認めず全原発廃止に持ち込む構えだ。
 台湾では電源比率(15年)で原発は14%を占め、代替となる再生エネは4%に過ぎない。改正案では再生エネ比率を20%まで引き上げる計画だ。実現のため台湾政府の傘下にある台湾電力が独占する電力事業への民間参入を認める。再生エネの発電と売電を自由化し、その後、台湾電力を発電、送電で分社化。火力などの他の電力も自由化する。                         
by nonukes | 2017-01-19 14:30 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

手軽にできる『原発いらない』キャンペーン実施中!(改訂版)

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電力乗り換えキャンペーンの図案を作ってみました。この案を基に、キャンペーンチラシを作って、多くの団体の協力や支持を得ながら、新電力への乗り換えを実施して行きたいと思います。賛同して頂ける個人や団体はメールやブログへの書き込みなどで連絡をください。画像を送ります。もっとブラッシュアップして全国的な運動に盛り上げて行ければいいと願っています。よろしくお願いいたします。(小坂)

放射能のゴミを出さない新電力へあなたも乗り換えてみませんか?

手軽にできる『原発いらない』キャンペーン実施中!
発行責任  法人 九州・自然エネルギー推進ネットワーク
代表理事 小坂正則

新電力乗り換えは無料。いつでも再乗り換えも可能


今年の四月から一般家庭の電力も自由に買える「電力自由化」が始まりました。これまで私たちは原発の電気はいやだと思っても、九州電力から電気を買うしかできなかったのですが、これからはどの会社の電気でも自由に買えるのです。でも、四月から1ヵ月で電力会社から新電力へ乗り換えた方は全国で僅か2%で、九州電力管内では0.3%です。皆さんは電力会社を乗り換えましたか?残念ながらほとんどの方がまだ新電力へ乗り換えていません。私の周りの友人・知人もほとんどが乗り換えていませんでした。なぜなのでしょうか。その理由として考えられるのは、①乗り換え手続きが面倒じゃないの?②メーターなど変えなくちゃならないのでしょ。③どの会社を選べばいいかよく分からない、などでした。
乗り換え手続きは簡単です。電気料金の請求書を見ながら必要事項を書類に記入するだけです。さあ皆さんも勇気をだして新電力へ乗り換えましょう。

新電力に乗り換えたらどんなメリットがあるの?

私たちが電力会社に「原発をやめてほしい」と願っていても、思うだけでは何も変わりません。実際に行動して、九州電力の顧客がどんどん減ったら、経営者に「原発をやめてほしい」という私たちの願いが届くかもしれません。どんな電気の商品を選ぶかは私たち消費者の権利なのです。既存の電力会社は未来の人びとに処理もできない放射能のゴミを作り続ける無責任な企業です。これ以上放射能のゴミを作るのをやめさせるには「原子力の電気不買運動」が一番効果的なのです。
 それにこれまで数々の原発建設や運転差し止め訴訟では「電力安定供給のためには原発は必要」という理由で地元住民は負け続けて来たのです。消費者が原発以外の電気に乗り換えたら、「原子力の必要性」や「公益性」の根拠は使えなくなり、裁判長は不当な判決を出せなくなるでしょう。だから私たちは「電力乗り換えキャンペーン」を始めたのです。さあ、みなさんも新電力へ乗り換えて放射能を出さない電気を使って安心・安全な社会を作りましょう。

「どこに乗り換えたらいいの?」あなたの疑問に答えます

「どこに乗り換えたらいいのか分からない」と言う方。どうか遠慮なく左記へお問い合わせください。私たちは特定の企業からお金をもらっている業者ではありません。新エネや脱原発や生協組合員などの集まりです。ですから、皆さんのご希望に添った、そして一番適した新電力会社をご紹介します。どうぞ、お電話やメールなどでお気軽にお問い合わせください。

電話相談窓口 097-529-5030
NPO法人九州・自然エネルギー推進ネットワーク
E-Mail nonukes@able.ocn.ne.jp

参考までに大分県内の方が乗り換えられる
主な新電力会社をご紹介

イーレックス
0120 -124 -862 平日 午前9時~午後8時 
          土曜日 午前10時~午後5時
丸紅新電力
03- 6703- 8909 平日 午前9時~午後8時
           土曜日 午前9時~午後5時

みやまスマートエネルギー株式会社 
0120-173804


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これは全国版です
by nonukes | 2016-06-15 16:38 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

放射能のゴミを出ない電気は気持ちがいいよ

新電力へ乗り換えキャンペーン実施中!
放射能のゴミを出さない電気は気持ちがいいよ

小坂正則
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今年の4月から一般家庭の電力も自由に買える「電力全面自由化」が始まりました。これまで私たちは原発の電気はいやだと思っていても、九州電力からしか電気を買うことができなかったのです。「こんな不自由な生活はいやだ」とみなさん思っていましたか。実は私たちは「それが当たり前」だとみんな思っていたのではないでしょうか。しかし、ドイツや米国の市民は「日本人は好きな電気を選ぶことができないの?」と、不思議に思っていたことでしょう。だって、OECD加盟34カ国中、電力自由化ができていない国は日本だけだったんですから、私たちはそんな不自由な暮らしを強いられていたのです。
お隣の国、中国でも2002年には発送電が分離されて完全自由化ではありませんが、日本よりも自由化は進んでいます。これまで日本は中国以下の電力強制配給社会だったのです。

新電力乗り換えは無料。いつでも再乗り換えも可能

それが曲がりなりにも自由化となったのに皆さん電力会社を乗り換えましたか?残念ながらほとんどの方がまだ新電力へ乗り換えをしていません。4月だけで全国の乗り換え率が2%しかありません。九州電力管内では僅か0.3%です。これでは宝の持ち腐れです。自由化の効果が出ていません。私の周りの大分の脱原発運動仲間のほとんどがまだ乗り換えていませんでした。なぜなのでしょう。その理由として、①乗り換え手続きが面倒じゃないの?②メーターなど変えなくちゃならないのでしょ。③どの会社を選べばいいかよく分からない。④変えた後で失敗したくないからじっくり考えて決めたい。などの回答が聞こえてきました。
私も忙しさにかまけて乗り換えをやっていませんでした。でも、ちゃんと調べたて大手の新電力への乗り換え手続きを本日行いました。
乗り換え手続きは簡単です。電気料金の請求書を見ながら必要事項に記入するだけです。さあ皆さんも勇気をだして新電力へ乗り換えましょう。

自由の権利は行使しなければやがては奪われてしまう

言論・表現の自由は憲法で保障されていますが、実際に街頭やデモで自分の意志を表現しなければ自由のありがたさは分からないし、権利は行使しなければ知らず知らずに奪い取られてしまいかねないのです。中国では街頭で国家を批判するようなことを表現すれば官憲に逮捕されることでしょう。それと同じように電力完全自由化を実現させるためには電力乗り換えを多くの消費者が実際にやって、クリーンな電気を求める消費者の声を直接電力会社へ届けることで初めて、私たちの電力売買の自由が実現できるのではないでしょうか。
私たちが「電力会社は原発をやめてほしい」と願っていても、思うだけなら何も変わりません。「電力会社が原発をやめるまで私は新電力へ乗り換えます」と、言って実際にみんなが乗り換えの行動を起こしたら、それこそ九電は「大変だこのままでは倒産するぞ」と、気づいて原発をやめるかもしれません。やめなければ倒産するだけです。電気という商品を選ぶのは私たち消費者ですから。さあ、みなさん新電力へ乗り換えましょう。ぞして、「何んて日本は自由な国になったのだろうか」ということを実感してください。放射能のない電気はクリーンで気持ちがいいですよ。

「どこに乗り換えたらいいの?」あなたの疑問に答えます

「どこに乗り換えたらいいのか分からない」と言う方。どうか気兼ねなくお問い合わせください。私たちは特定の企業からお金をもらった業者ではありません。NPOや脱原発NGOや生協組合員などの集まりです。ですから、公平に皆さんに一番適した新電力会社や皆さんのご希望に添った新電力会社をご紹介します。どうぞ、お電話なりメールなどでお気軽にお問い合わせください。

電話 097-529-5030(NPO法人九州・自然エネルギー推進ネットワーク)
E-Mail nonukes@able.ocn.ne.jp


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参考までにあなたが乗り換えられる主な新電力会社をご紹介


東京ガス (関東地方の方々が対象です)
03-6735-8787 


大阪ガス (関西方面の方々が対象です)
0120-000-555



イーレックス
カスタマーセンター
0120-124-862 (平日 9:00~20:00 土曜日 10:00~17:00)
携帯電話・PHSからもつながります。



丸紅新電力
03 - 6703 - 8909
受付時間
平日 9:00 - 20:00
土曜 9:00 - 17:00
※日曜日・祝日は受付しておりません。



みやまスマートエネルギー株式会社
電話番号0120-173804


こんな比較サイトもあります。参考にしてくださいね
by nonukes | 2016-06-14 18:20 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

安倍政権と民進党の一部の議員だけが世界から取り残されて原発にしがみついている

安倍政権と民進党の一部の議員だけが原発にしがみついて世界から取り残される
小坂正則

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中国北西部の新疆ウイグル自治区ハミ地区にある太陽光発電所に設置されたソーラーパネル

世界は脱原発と再エネ電力の時代だ

先日の河合弘之弁護士の講演会で実に解りやすく世界の情勢と原発を止めるための3つの方法を河合弁護士は私たちに教えてくれました。以下は河合さんの話から小坂が考えたストーリーです。
1つは裁判で止めていく方法です。私たちが全国で仮処分を繰り返していけば各原発は止まったり動いたりを繰り返すことでしょう。そんな不安定な発電方法では発電コストは上がり、新規参入の電力会社との競争に負けかねません。そして投資家が電力会社の株に見向きもしなくなり株価暴落で設備投資の資金も銀行が貸さなくなるでしょう。それでなくても電力自由化でガス会社と激しい競争をしなければならないのに、これまで国に守られて親方日の丸企業は生存競争社会では生き残って行けなくなるでしょう。
2つ目は経済的に原発を追い詰めることです。つまり新エネ電力などの参入で、原発のコストが割高だということを誰の目にも明白にすることです。そのほかにもガスや石油会社が発電事業に新規参入することで電気など誰にでも自由に簡単に作れる社会にしてしまうのです。下のAFPの記事を見てください。昨年1年間に世界で再エネに投資した額が31兆円だそうです。しかもその3分の1以上が中国の投資だというのです。中国の動きの素早さには目を見張るものがあります。それに比べて日本政府のバカさ加減には滅入ってしまいます。世界の成長産業は再エネだというのに安倍政権は軍事と原発にしか目が向いていないのですから、この国が三流国になるのは当たり前です。
3つめは政治的に原発を止めることです。この最後の3つ目が実は最も難題なのです。だって、自民党は河野太郎氏など脱原発派は一握りしかいませんし、民進党の中にも原発推進派議員がたくさんいます。この連中は自民党よりも過激です。原発と心中することさえいとわないような連中です。それに鉄鋼労連出身や連合の息のかかった議員など大なり小なり電力労組にお世話になっている議員は原発盲動主義者がたくさんいます。しかし、国民の大半が脱原発を求めているのですから、民意を正確に議席に反映できれば、原発盲動主義議員はいなくなるはずなのです。こんな産業廃棄物のような議員はさっさと落選させればいいだけなのです。自民党政権が続こうと安倍を辞めさせて、脱原発議員を増せば政治的に原発撤退を実現できるのです。

再エネ電気を選ぶことが脱原発の実現に近づくのか疑問

4月から始まった電力自由化で私の周りの方々の大半が「再エネ電力に替えよう」と言います。私が「電力自由化で新電力を選ぶならガス会社を選ぼう」という発言をすると、「何で小坂さんは再エネ電力を支持しないの」と、批判をよく受けるのです。そこで、再度この問題を考えて見たいと思います。
現状で再エネ電力を唱っている新電力の大半は太陽光発電の電気を販売する会社ですよね。そうすると、雨や曇りの日や夜は必ず既存の電力会社から電気を買うのですよ。つまり、あなた方の一番嫌いな原発の電気を支えることになりはしないかという問題が出てくるのです。ドイツのシューナウなど、徹底して脱原発にこだわっている会社ならいざ知らず、再エネ100%の電力会社など日本には1社も存在しないのです。それなら、少なくともガス会社は東電や関電の電気は1ワットも入ってこないならこっちの方が既存の電力会社への大きなプレッシャーになるのではないでしょうか。東京ガスはバックアップ電源として東北電力と契約していますので、やがて東京ガスも原発の電気が入る可能性もありますが、ガス会社は天然ガス発電が大半ですから事故時など不測の事態に備えて既存の電力と契約しているのだと思うのです。だから徹底して既存の電力会社と競争している大手のガス会社を私は応援したいのです。なぜかというと、今の電力自由化はまだ本当の自由化ではないからです。いまは矛盾だらけの自由化です。完全自由化への道のりは険しい峠を越えなければなりません。完全発送電分離が行われて、既存の電力会社へ厳しい規制をかけて初めて象とアリの平等な自由競争ができるのです。まずは電力会社と対等に闘えるガス会社を私は応援したいのです。まだ10年くらいは先になるとは思いますが、再エネ100%は完全自由化と日韓、日中、日ロ海底電線ケーブルを敷設してから実現できるだろうと思います。(電力自由化の問題点)
それではなぜ大手の新電力を応援しなければならないかをお話しします。

高が電気のために命をかけるなどバカじゃない?

これまで電力事業は地域独占でした。ですから、私たちは電力会社を選ぶことができなかったのです。それが4月から自由に選べることになり、「電力自由化で電力事業の公共性はなくなりつつある」のです。つまり、電気も一般の商品と同じように自由に買えるようになったのです。これまで電力は自由に買えないので、「電力供給事業は実に公共性の高い事業」だったのです。だから、原発裁判では「電力安定供給のためには原発はなくてはならない」という、私たちに取ってはわけの分からないまやかしの論理が裁判長にも大きな影響を与えて住民側敗訴の「インチキ判決」がまかり通っていたのです。それがナスやキュウリを買うように、どこのスーパーで買おうと自由な普通の商品に電力も生まれ変わったのですから、「高が電気のために命をかけるなどバカじゃない?」という文化が醸成しつつあるのです。
つまり、私たちがこれから行おうとしている「伊方原発運転差し止め裁判」に勝つためには、「原発に生命をかけて電気を買うなんて、あんたバカじゃない?」という『社会通念』を広めればいいのです。そうすれば伊方裁判にも勝てるのです。(川内原発運転差し止め高裁判決の中で西川某裁判長が使った「社会通念」へギャグです)
大分の裁判ではこの「もはや電力事業には何の公共性もない」という論理で裁判をたたかうつもりです。だって、原発の電気など買わなくても私らちっとも困らないのですから、そこに一切の必要性=公共性などないではないですか。あるのは「原発を動かさなければ会社が倒産する」という「企業存立のための自分勝手な都合だけ」なのです。これを追及すれば必ず伊方裁判は勝てると私は大きな確信を抱きました。「九州電力さん、もうあなたの電気など私は全く必要ありません」と宣言しましょう。自由主義の国では消費者の求める商品を作れない会社は社会から淘汰されるのです。この国はミサイルばかり作って国民の幸福を優先しない、どこなの共産主義国とは違うはずですよね。安倍さん?
最後に私は民進党を全面否定しているのではありません。民進党にも脱原発議員はたくさんいます。それに山尾幹事長は大好きです。民進党の中の原発推進派を追い出してほしいだけです。自民党でもどこでもいいのです。原発さえやめてもらえたら。次の衆院選で民進党と共産党が野党共闘したら自民は過半数を割るかもしれません。そしたら、自民が割れて、民進党も割れて政界再編が起こることを期待しています。原発と集団的自衛権の政策対立でハト派とタカ派に。


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米国 原発離れが加速 「シェール革命」で押され… 
毎日新聞2016年6月3日 

【ワシントン清水憲司】米国の電力業界で、原子力離れの動きが続いている。電力大手エクセロンは2日、赤字に陥った原子力発電所を閉鎖し、原子炉3基を廃炉にすると発表した。「シェール革命」で安価になったガス火力発電や再生可能エネルギーに価格面で押されているためで、米原子力業界によると、政府支援の強化がなければ今後10年以内に15〜20基が廃炉になる可能性があるという。
エクセロンは、いずれも中西部イリノイ州にあるクリントン原発の原子炉1基を2017年6月に、クアド・シティーズ原発の2基を18年6月に廃炉にする。ともに運転認可が切れるまで10年以上を残しており、老朽化ではなく、政府支援で最近10年で発電能力が1・4倍に増えた風力など再生可能エネルギーや安価になったガス火力との競争が激しくなったことが原因だ。クレイン最高経営責任者(CEO)は「6年間で8億ドル(約880億円)の損失を出した。利益を上げる道筋が見いだせない」として、州政府に助成を求めていたが、実現の見通しが立たなかった。13年以降、米国内での原発の廃炉・廃炉計画は9原発の計10基となった。
米国では、今夏、テネシー渓谷開発公社(TVA)が国内20年ぶりとなる新設原発の運転開始を予定している。また、米南部のジョージア州とサウスカロライナ州では、東芝子会社の原子炉メーカー、ウェスチングハウスの最新鋭原子炉「AP1000」を設置するボーグル原発3、4号機、サマー原発2、3号機が建設中だ。ただ、「原子力ルネサンス」と呼ばれ、地球温暖化対策の必要性から原発の復権が唱えられた約10年前に10基以上あった建設構想は、そのうち半数が計画段階で頓挫している。(以下略)



2015年の再生可能エネルギーへの支出額、過去最高を記録
AFPBB News
更新日:2016/06/06
【AFP】発展途上国による再生可能エネルギーへの支出額が昨年、先進国を初めて上回り、再生可能エネルギーの発電能力がこれまでで最も速いペースで増加するのをけん引したとする報告書が今月初め、発表された。「自然エネルギー世界白書」によると、2015年の再生可能エネルギーへの世界全体の投資額は、石炭や天然ガスを利用する発電への投資額に比べて2倍以上となった。再生可能エネルギーへの支出総額は、2014年比5%増の2860億ドル(約31兆円)となり、これまで最高だった2011年の総額を更新した。
支出額が最も多かったのは中国で、世界全体の投資総額の3分の1以上を占めた。またインドや南アフリカ、メキシコ、チリなどでも支出額が著しく増加した。2015年に追加された発電能力は合計約147ギガワット(1億4700万kw)。これは過去最大の増加で、アフリカ全体の発電能力に匹敵するとされる。報告書によると、風力発電と太陽光発電への投資が最も多く、太陽エネルギーの活用には、2015年の再生可能エネルギーへの投資総額の半分以上が当てられた。
その一方で、バイオ燃料や水力発電など他の再生可能エネルギーへの投資額は減少し、運輸分野での代替燃料の利用については、他の分野に遅れをとった状態が続いている。先進国におけるグリーンエネルギーへの支出も低下し、特に欧州では投資総額が前年比約5分の1減少した。【翻訳編集】AFPBB News
by nonukes | 2016-06-07 13:29 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

つゆくさ通信No.136を発行しました

つゆくさ通信No.136を発行しました
小坂正則
本日脱原発大分ネットワークの機関紙「つゆくさ通信NO.136」を発行しました。原稿はたくさんあるのですが、その中で、下記にいくつか紹介いたします。今回の通信は高浜原発の仮処分特集です。
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編集後記
▼日本で初めて動いている原発を止めた大津地裁の山本善彦裁判長へのバッシングがすさまじい。山本裁判長の下した仮処分決定に対して、関経連の森会長(関電会長)と角副会長(阪急電鉄会長)は「なぜ一地裁の裁判官が国のエネルギー政策に文句を言うことが許されるのか」「こんなことができないように法改正が必要」と、17日の定例会見で批判した。彼らは「国の原発政策に地方の裁判官ごときが口出しするなど許してはならない」とでも思っているのだろうか。▼安倍首相が立憲主義を知らないだけではなかった。ここにも日本の政治の根幹である三権分立を理解できないバカ経営者がいた。「政府が右と言うのに左とは言えない」という国営放送の籾ガラのような中身の空っぽ会長など、この国の中枢の人間の劣化が著しい。▼以前の日本は「経済は一流だが政治は三流」と言われていたが、今は「経済も政治もマスコミも三流」だ。▼ただ、これだけのことを経営者に言わせるだけ、電力会社にとって、この決定は想定外の巨大地震だった。なぜなら翌10日の関電株価は17%も大幅下落した。株価は素直だ、ウソをつかない。全国で原発再稼働の差し止め仮処分裁判を起こせば電力会社の株価はもっと下がり、原発がいよいよ電力会社の生命を脅かす核爆弾になるだろう。裁判官がどんなに原告に不利な判決を出したとしても一切責任を問われることはない。彼らは法律と良心にだけ拘束される。それだけ裁判官は神聖な職業なのだ。▼だから私たちは山本裁判長へのバッシングを跳ね返す意味でも激励とお礼の葉書を出そう。樋口、山本判事の次に第3、第4の良心的な判事が必ずいることを信じて。▼いま民主党の山尾志桜里(やまおしおり)衆議院議員が俄然注目を浴びている。「安倍首相の最も嫌いな人物」と永田町では有名な方だ。なにせ、元子役俳優で検察官という経歴の持ち主。民主党の公募で政治家になった方。「保育園落ちた。日本死ね!」というブログを衆議院予算委員会で取り上げたら、自民党席のヤジと安倍首相の「そんな匿名の文章など信憑性がないではないか」と相手にしなかったことが、ネット上で炎上し、安倍政権の支持率を急落させた方だ。▼その前にも安倍首相と憲法についての、こんなやり取りがあった。▼山尾氏「総理、精神的自由が経済的自由より優越される理由、これがわからない、と。大変心配です。もう一度お答えください。どうぞ。」安倍首相「私にクイズのように訊くということ自体が、意味がないじゃあないですか」と。▼山尾氏「総理は知らないんですね。なぜ、内心の自由や、それを発露する表現の自由が、経済的自由よりも、優越的地位にあるのか。憲法の最初に習う、基本の「き」です。経済的自由は、たいへん重要な権利ですけれども、国がおかしいことをすれば、選挙を通じて、これは直すことができるんです。でも、精神的自由とくに表現の自由は、そもそも選挙の前提となる、国民の知る権利が阻害されるから、選挙で直すことができないから、優越的な地位にある。これが、憲法で最初に習うことです。それも知らずに、言論の自由を最も大切にする安倍政権だと胸を張るのは、やめていただきたいと思います。」この人こそ、民主党いえ民進党でしたか、の代表にしたら民進党の支持率は急上昇間違いなし。私は一気に山尾志桜里ファンになった。   (小坂)
              
送電線の増強費用は電力会社の負担とせよ
甲斐美徳

福島原発事故後の2011年8月に当時の菅直人首相が自分の首と引き換えに国会で成立させた「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」によって、ようやく日本にも再エネ電力の固定価格買取制度が導入され、これでやっと欧州並みに自然エネルギーの飛躍的な普及発展が始まるものと期待されました。しかし、2014年に九州電力が「電力の安定供給を損なう」として太陽光発電の買取り制限を始め、この動きが瞬く間に全国の電力会社に広がってしまいました。思い起こせば、プルサーマル発電もそうでした。原発の再稼働もそうでした。悪いことの先陣を切るのは、いつでも九州電力なのです。
もっとも、九電がそれまでに相当な量の太陽光発電を受け入れていたことも確かであり、太陽光や風力のような天候によって出力が大きく変動する電源が多くなると、電力の需給のバランスを取ることが非常に困難になるという理屈は、(実際には技術的に十分対応可能な問題なのですが)それなりにわからないでもありません。
ところが、ここにきて九電は、小水力・温泉熱・バイオマスといった、24時間安定的に発電が可能であり、原子力・火力発電の代替電源として十分機能するはずの再エネ電力に対してまで、送電線の容量不足などを理由に事実上の買取り拒否を始めました。こうなってくると、「電力の需給バランスを守る、安定供給を守る」という買取り制限の大義名分は嘘っぱちであり、実質は自社の既存原発をフル活用したいがための自然エネルギーの締め出しにほかならないことが明瞭になりました。
2015年11月、大分合同新聞は、「試練の再生エネ~先進県・大分は今」という連載記事を6回にわたって掲載しました。その第2回で、農業用水路を活用した小水力発電計画が、九電から送電線の増強費用として1億円もの負担金を要求されて苦境に陥っている様子をリポートしています。
由布市庄内町の元治水井路土地改良区では、固定価格買取制度が導入される前から、330kWの小水力発電所の建設計画を進めてきました。水利権協議など6年の準備を経て、2014年に着工、当初は2017年に完成の予定でした。この計画は農村の未来を賭けた大勝負でした。農家の高齢化と生産減少で、老朽化が進む水路の維持負担は増す一方です。そこで、小水力発電で見込まれる年間約4千万円の売電収入を水路の維持費に充てて農家の負担を軽減し、さらにムラの活性化にも役立てたいと夢を描いてきたのです。総事業費は6億円(うち補助金が5億円)。近年は農林水産省も、農業用水路による小水力発電を積極的に奨励するようになっています。
ところが、2015年6月になって九電から、「接続する送電網の容量不足で、増強工事に1億円を超す負担金が必要」と示されました。金額はさらに大きく膨らむ可能性もあり、しかも工事には5~7年もかかると言うのです。あまりに巨額の追加負担と長い時間に、土地改良区の理事長は頭を抱えてしまいました。
小水力発電は太陽光発電と準備期間が大きく異なり、当初の設計から諸調整を経て発電開始に至るまでには、水利権協議をはじめ長い年月を必要とします。時間をかけて進めているうちに、参入相次ぐメガソーラーによって送電線の容量を食いつぶされた格好になりました。九電からは、送電線の増強工事をしない代替案として、太陽光発電が本格稼働しない時間帯に限定した売電も提案されました。しかしこれでは、売電収入は当初の予定よりも大幅に減ってしまいます。いずれにしても苦渋の選択となるわけです。
日本ではこのような場合、送電線を増強するためのコストは、もっぱら発電事業者が負担することになっています。しかし欧米では、送電線を管理している地元の電力会社が負担するのが一般的であり、そこまで含めた形で買取り義務が課せられているわけです。安全でクリーンな電気を消費者の元に届けるのは送配電事業者の責務と言うべきであり、ここは送配電事業者たる九州電力が費用を負担するのが道理です。九電が負担するといっても、最終的には電力の消費者が電気料金としてコストを支払うことになるのですから、九電の懐が痛む話ではありません。
この土地改良区のように、発電事業者の中には、資金力に乏しい地場の中小企業や地域の経済団体も多数いることでしょう。特に、過疎に悩む農山漁村で、地域の資源を活かして発電事業に取り組もうという人々に無理難題を押し付けて地域活性化の芽を摘むことは、今の内閣が進めている「地方創生」にも全く逆行するものと言わねばなりません。
九州電力は、多くの人々が望んでいない原発の再稼働に3千数百億円もかけたと言います。私が否応なしに支払った電気料金は、原発の復活のためではなく、自然エネルギーの導入拡大のための設備投資にこそ使ってほしい。そのことをこの際強く要望しておきたいと思います。

辺野古新基地建設について
諫山二朗

3月4日、裁判所の和解案に政府が合意して「辺野古基地建設の中止が決まった」と、ラジオのニュースが伝えたのでびっくりした。しかし、安倍政権が辺野古新基地建設を諦めたわけではないことがすぐに分かった。しかも、安倍首相は記者会見で普天間飛行場の閉鎖は辺野古移設が唯一の解決策と明言した。円満解決を図るという和解案にもかかわらず、安倍首相の発言は最初から円満解決を拒否すると言っているに等しい。菅官房長官は和解案を受け入れた後に翁長知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消し処分を是正する指示を出した。今回の政府の対応について社民党の照屋寛徳衆議院議員は「一回も協議せずに是正指示を出したのは和解の趣旨を一方的に破棄するやり方だ」と指摘して、「国にとっては、県議選と参院選に甚大な影響を与える敗訴のリスクを回避することが『至上命令』だったのではないか」と述べた。
和解条項は、「双方が提訴を取り下げた後、一旦工事を停止して双方が解決のための協議を行う。協議が決裂したときは埋め立て承認に関する新たな訴訟に一本化し、判決が確定すれば「(双方が)判決に従い、その後も(判決の)趣旨に従って互いに協力して誠実に対応することを確約する」という内容だ。今の状況では双方の協議による円満解決はあり得ない。国は勝訴のためにあらゆる手段を使って動くだろう。もし裁判で沖縄県が敗訴した場合は、県は判決に従うことになる。翁長知事は敗訴した際の対応を尋ねられた際、変更工事に関して沖縄県が承認をしないことで、新基地建設を阻止すると議会で答弁している。そのような対応で本当に工事が止められるのか不安に感じる。
和解が成立した翌日には「ちゃーすが大分」主催の「戦場ぬ止み」の上映会と三上知恵監督の講演会が大分で開催された。三上監督は和解案を政府が受け入れた直後の新基地建設反対運動の人たちの喜ぶ姿を撮影したビデオを見せてくれた。和解案が全面的な解決ではないことが分かっていても、連日の機動隊や海上保安庁との攻防で心身ともに限界状態にある反対派の人たちにとって、とりあえず工事が停止したことへの喜びは私たちの想像を超えると思う。
「週刊金曜日」大分読者会という10年以上続いている会がある。2月の例会は「沖縄の基地を考える」が主なテーマだった。沖縄問題に詳しい工藤さんから高橋哲哉の『沖縄の米軍基地』野村浩也の『無意識の植民地主義―日本人の米軍基地と沖縄人』についての紹介があった。高橋哲哉は日本人が日米安保条約を必要と考えるなら、沖縄の基地を本土が引き受けるべきだと主張している。この主張に対して読者会の中でも反対意見が強かった。その主な意見は、①日米安保に反対している立場から米軍基地を容認することはできない。②本土に基地を受け入れても沖縄の負担軽減にならず、本土が沖縄化する可能性がある。一方高橋哲哉を支持する意見も出た。私は日米安保条約を破棄して米軍基地を無くすべきと思っているが、沖縄に米軍基地が集中しているという事実は動かしようのない事実である。すでに戦後70年もの間、0.4%の面積しかない沖縄に米軍基地の74%が集中している。今後もその状況が改善される見通しはない。野村浩也はこの状況を植民地と被植民地の関係と言っている。沖縄に米軍基地を押し付けてきたのは日本人だから、日本人は植民地支配者であり、差別者であるという。日本が押し付けた沖縄の痛みは日本人自らが取り除かなければならないと言う。
 私には高橋哲哉や野村浩也の指摘に対して反論する言葉を持っていない。むしろ正当な主張ではないかと思う。しかし、それも所詮当事者意識が希薄な立場からの無責任な考えと自分自身が自覚している。もし自分の住む大分に米軍基地が移転することになれば、本当に受け入れることができるのか自信がない。今の時点で言えることは、このまま沖縄に負担を押し付けていてはいけないということである。私は沖縄の基地負担を無くすべきであると常々思ってきたし、辺野古新基地反対運動にも一市民として時々参加してきた。しかし沖縄の人たちが耐えてきた70年間、そして将来も続く沖縄の基地負担はなくなりそうにないことを考える時、沖縄に大きな負担を強いながら安全な場所で反対の声を上げ続けることだけで良いのだろうかという思いがぬぐえない。どうすればよいか正直わからないが、高橋哲哉や野村浩也の主張にも耳を傾ける時期ではなかろうか。
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by nonukes | 2016-03-26 22:25 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

脱原発大分ネットワークの「つゆくさ通」信第134号を発行しました

脱原発大分ネットワークの「つゆくさ通」信第134号を発行しました
小坂正則

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11月20日号の「つゆくさ通信」第134号を先日の5日に印刷発行しました。大きなテーマは伊方原発再稼働をどのようにしてやめさせるかということです。これまで大分でも私たちにできる限りの行動をしてきました。その一環として10月26日に中村愛媛県知事が行った、「再稼働同意」意見表明に抗議の記者会見と声明発表や街頭での抗議行動などの報告を行いました。その前の10月11日に愛媛県八幡浜市で行われた「伊方原発反対集会居」へ仲間3名が参加してアピールなどをしてきた行動を行いました。その後11月1日の松山市で開催された「伊方原発反対全国集会」にも4名の仲間が集会とデモに参加して来ました。

「つゆくさ通信」目次

1 伊方原発反対大分・松山での反対行動報告…………小坂正則
2 伊方原発再稼働同意に対する抗議声明………………311いのちのわ実行委員会 松本文六
3 伊方原発再稼働絶対反対第29回集会報告…………池松清
4 2016年からの電力自由化ってどういうこと?………小坂正則
5 辺野古反対が9割を越えた!……………………………金子康代
6 武力でテロはなくせない……………………………………諌山二朗
7 情報交差点……………………………………………………編集部
8 つゆくさ購買部より……………………………………………大原洋子
9 大分が産んだ安倍側近の憲法破壊……………………甲斐美徳
10 固定価格買い取り制度成立までの経緯と改善策…中川修治
11 TBSは安倍ファシズムに屈せず岸井氏を守れ!…小坂正則
12 ピンピンコロリは難しい -1-…………………………松本文六
13 しなやかにつよく……………………………………………後藤公子
14 「おくら入り百人一首」 及び 編集後記………………大原洋子+小坂正則

中村愛媛県知事の伊方原発3号機再稼働同意に
      大分・松山で10/26、11/1抗議行動を行う

小坂正則

 10月26日に中村愛媛県知事は伊方原発3号機の再稼働に同意をして、四国電力と経産大臣へ通知しました。
 伊方原発は南海トラフ地震の震源域内で、また中央構造線の直近に位置し、日本で唯一内海に建てられている原発です。ひとたび重大事故が起これば、瀬戸内海は死の海となり、風向きによって大分県民は放射能雲の直撃を受ける可能性があります。そのよな日本で一番危険な原発を周辺の自治体や大分県民の反対を無視して、伊方町長と愛媛県知事だけの一方的な同意で許可してしまったのです。
 このような中村県知事の暴挙に対して、私たち大分県内の市民グループや生協組合員や労組などの脱原発運動団体による抗議声明の表明と街頭活動を行いました。当日は緊急行動でしたが、10名弱の脱原発大分ネットワークの仲間を中心に20名ほどの仲間が集まって、街頭アピールを行いました。翌日の大分合同新聞には1面から社説や3面まで再稼働容認に対して批判の記事と私たちの抗議行動などを伝える記事を大きく取り上げていました。
 折しも中村愛媛県知事が同意した10月26日は政府の定めた「原子力の日」です。今から52年前の1963年10月26日に茨城県東海村日本原子力研究所で動力試験炉JPDR(電気出力1万kW)が臨界に達し、政府は翌年、「10月26日を原子力の日」と定めた日です。私たち脱原発派はこの日を「反原発デー」として、毎年反対行動などを続けてきたものです。

伊方原発再稼働反対11.1全国集会に参加

 私たち脱原発大分ネットワークの仲間は、11月1日の【STOP伊方原発再稼働! 11.1全国集会in松山】に4名の仲間が乗用車1台に相乗りして日帰り参加してきました。
 松山城の真下で県庁横にある城山公園で12時から開催された集会は全国から集まった4千人の仲間と一緒に「いかに伊方原発が危険で再稼働させてはならないか」などを確認し合った集会でした。
 「おしどりマコケン」の反原発漫才師のコンビによる司会で始まった集会では、おしどりマコさんがご自分が吉本興業で体験したことやマコさんが311事故以後東電の記者会見を取材し続けてきたことの感想など、さまざまなエピソードを話してくれました。マコさんによると「東電の記者会見に出ている人間で私が一番長く出ているんです。だから以前東電がどんな発言をしたのかなどは東電の社員よりも私の方が詳しい」と、話していました。彼女たちの仕事上でも随分嫌がらせを受けてきたそうですし、「東電事故による汚染や放射能被害の研究者で私の知っているだけで10人くらいの知り合いが自死している」とも話していました。原発に立ち向かっていくことの困難さが改めて理解できました。
 そのほか広瀬隆氏は「来年の4月から伊方原発を再稼働させても原発の電気を買わないことができるのです。みなさん新電力に乗り換えて原発の電気の不買運動で既存の電力会社を痛い目に合わせてやりましょう」という話に会場から大きな拍手が沸き起こっていました。そのほかでは八幡浜で長年伊方原発の反対運動を行っている斉間淳子さん「伊方原発反対八西連絡協議会」で中心的にたたかって来られた近藤誠さんの遺影を掲げてお話しされたことが忘れられません。この集会の直前の10月16日に近藤誠さんは68歳の若さでお亡くなりになったものです。亡くなる5日前の11日の伊方ゲート前集会に病を押して参加されて、最後の挨拶をしてくれたそうです。そのときが最後だとご本人は自覚していたのでしょうか。斉間淳子さんへ近藤誠さんは息を引き取る直前に「最後まで声を挙げ続けてほしい」と言って息を引き取ったそうです。近藤さんの生涯をかけての壮絶な生き様に、ただただ頭が下がるばかりです。私は29年前に伊方現地に足を運ぶようになってから、広野房一さん(当時の代表)や若き近藤誠さんや斉間さんのご主人(故人)と一緒に裁判の傍聴や集会に参加したことが昨日のように思い出されました。

大分が生んだ安倍側近の憲法破壊
甲斐美徳

残念ながら安保関連法案は国会で成立してしまいましたが、これに関して私は自分の不明を恥じていることがあります。8年前の参議院選挙で、大分選挙区から礒崎陽輔(自民)、矢野大和(民主)、松本文六(社民)等の諸氏が立候補したとき、大分合同新聞(以下「合同」と略称します)のアンケートでの憲法に関しての各候補者の回答ぶりについて、「矢野氏は『国民の手で時代に合った憲法をつくるのは当然だ』と、岸信介らの自主憲法制定論(全面改定論)そのもののような回答をしている。これでは『憲法の平和主義は大切にしなければならないと思っている』とコメントした礒崎氏の方がよほどハト派に見える。」といった趣旨のことを「つゆくさ通信」に書いた記憶があります。ところが、その後の礒崎氏は安倍首相の側近となって、集団的自衛権を盛り込んだ違憲の安保法案作成の中枢を担っただけでなく、自民党憲法改正推進本部事務局長として、今や平和憲法を葬り去る活動の中心人物となっています。しかも、大分市での講演では「法的安定性は関係ない」と暴言を吐き、「大学の憲法講義で立憲主義など聞いたことがない」とツイートするなど、安倍内閣の立憲主義否定路線の象徴的存在でもあります。大分県民は本当にとんでもない人物を国会に送り出したものであります。これに対して矢野大和氏は9月22日付け合同夕刊「灯」欄において、安保法制に対して批判的な見解を披露しています。矢野氏の方がまだ、平和憲法に近い考え方の人だと思います。
それはさておき、礒崎陽輔首相補佐官は、7月31日付け合同のインタビュー記事の中で、「法的安定性」発言について釈明するとともに、最近になって集団的自衛権が必要とされるようになった理由について以下のように説明しています。
… 「集団的自衛権の行使は許されない」とした1972年の政府見解の頃は世界が遠く、近隣も軍事的緊張はなかったと思う。ただ、国際情勢が大きく変わり、軍事力を増強する国が周辺にできた。果たしてわが国一国で守れるのか。 …
 私は大学生の頃(1980年代前半ですが)、防衛問題に興味を持ち、3年生のときの国際政治学ゼミで軍備管理や安全保障政策を担当して、自民党から共産党までの各政党の安保政策もリサーチしました。その頃の国際情勢を知る者からすると、ここで示された礒崎氏の情勢認識には疑問を禁じ得ません。周辺にできた「軍事力を増強する国」とは無論、中国のことですが、それを言うなら、1970年代後半に日本周辺で(特に核戦力、海軍力、空軍力による)極東ソ連軍の著しい増強が行われ、1979年末のアフガニスタン侵攻もあって、1980年頃は日本列島がソ連脅威論の大合唱に覆われていたことは記憶にないのでしょうか。昨今の中国脅威論のような「無人島(尖閣列島)に上陸してくるかも」といったレベルの話ではなく、「アフガンの次は北海道だ」と、500万人もの国民が暮らす北海道にソ連軍が大挙して上陸侵攻してくるといった話が元統合幕僚会議議長(自衛隊制服組トップ)等によって大真面目に語られ、書店に行くと、その種の近未来小説が何冊も並んでいたことが思い出されます。近隣に軍事的緊張がなかったどころの話でなく、1983年にはスパイ機と誤認された大韓航空機がソ連軍のミサイルによって撃墜されるという事件も起こり、これが示すように日本周辺はいつ核戦争が勃発してもおかしくないような緊張感に覆われていました。1960年代にはお隣の共産中国の核実験・核武装があり、深刻な脅威を感じた当時の佐藤栄作首相は、国際政治学者等を集めて日本の核武装の可否についての研究を行わせました。安保法制の理由としてよくあげられる中国の軍拡や海洋進出、南シナ海での領有権争い、北朝鮮の核・ミサイル開発も、最近急に出てきた話ではなく、1990年代から続いている話です。要するに日本を取り巻く安全保障環境なるものはいつの時代においても厳しいものがあり、そうした各時代において、安倍首相以外の歴代自民党政権は皆、「集団的自衛権は認めない」とした憲法解釈を堅持し、個別的自衛権での対応で済ませてきたのです。山崎拓、野中広務、古賀誠、亀井静香といった、かつての自民党政権の中枢を担ってきた戦争の時代を知る世代の保守政治家たちが、集団的自衛権に踏み込む安倍政権の姿勢に異議を唱えるのも当然でしょう。彼らは日米同盟を堅持しつつも、いかにして米国の起こす戦争に自衛隊が巻き込まれないようにするか、(自衛官も含めて)戦争で死ぬ国民を出さないようにするかについてそれなりに腐心してきたのであり、戦争を知らない二世三世のボンボン議員たちが先人の苦労を無に帰そうとすることに我慢がならないのだと思います。
7月15日付け合同は、安保法案に関する県内首長アンケートの結果を公表しました。この中で明確に反対意見を表明したのは、玖珠町の朝倉浩平町長ただ一人でした。「集団的自衛権は憲法違反では。個別的自衛権で対応できると思う。」と、実に的確なコメントを述べています。玖珠町は玖珠駐屯地と日出生台演習場を町内に抱え、防衛省から多額の補助金をもらっている自衛隊の町であり、その首長が国の防衛政策に真っ向から異を唱えることは意外の感があります。しかし、玖珠町民を構成するかなりの部分が自衛官とその家族であり、このたびの安保法制によって自衛隊員が戦地に送られ戦死するリスクが飛躍的に増大することを思えば、町民の生命と安全を守るべき立場の町長としては当然の発言であり、少なからぬ自衛隊員とその家族の、声に出せない思いを代弁していると言えるのではないでしょうか。朝倉町長の見識と勇気に深い敬意を表したいと思います。
安保法制反対運動をたたかった若者たちは、来年夏の参院選に照準を合わせ、法案に賛成した議員の落選運動を展開するとしています。残念ながら礒崎氏は来年の改選組ではないのでその対象にはなりえませんが、考えを同じくする候補の当選を何としても阻止することが、平和を守ろうとする大分県民の至上命題ではないかと考えます。

武力でテロはなくせない!
諫山二朗

パリ連続テロ事件では多くの一般市民が犠牲になった。テロは、いかなる理由があろうとも許されない。しかし今回のテロがアラブ諸国やアフリカで起きていたらこれほど大騒ぎになっただろうか。実際、パリ連続テロ事件の前日、ベイルートでもイスラム国による連続テロで40人以上が犠牲になり200人以上が負傷した。しかし、ベイルートのテロ事件はほとんど報道されなかった。世界中がパリの犠牲者を悼む一方で、ベイルートの犠牲者はほとんど話題に上らない。さらにシリアでは今回のテロの犠牲者とは桁違いの市民がアメリカやフランスやロシアの空爆で犠牲になっている。しかし、空爆による犠牲者の報道はほとんどない。命の重さが国や地域そして民族によって違うことこそ、テロリストを生む原因であると思う。
報道ステーションで古舘キャスターが「空爆もテロ」と発言したことが大騒ぎになり一部の週刊誌が批判しているが、古舘キャスターの言っていることは間違っていない。例え誤爆でも一般人の犠牲者が出ることは予測できることであり、犠牲者の家族にとって空爆はテロと感じるだろう。
パリのテロ事件の直後、金融・世界経済に関する首脳会合(G20)が開催され、「テロとの闘いに関する20声明」が表明された。声明はパリとトルコでのテロを非難して、テロ根絶のために国際協力の必要性を宣言している。アメリカやフランスは事件後にISへの空爆を強化した。テロを根絶することに異論はないが、武力によるテロの封じ込めは不可能と思う。G20の声明文の内容で本当にテロを防ぐことができるとは思えない。声明では一方的にテロリストを非難しているが、空爆による一般人の犠牲者のことは全く触れられていない。
2001年の9.11以後、アメリカは「テロとの闘い」をスローガンにイラクのフセイン政権を武力で倒したが、その後の経過を見れば「テロとの闘い」が失敗であったことは明らかである。今回のテロ事件を起こしたISにフセイン政権の将校や政治家が多く参加している。アメリカによるイラク、アフガニスタン攻撃が新たなテロリストを育てたことは明らかである。イスラエルのパレスチナ弾圧もテロの土壌となっている。半世紀以上の間、国際社会はイスラエルの暴力を止められず、アラブ地域の紛争の火種となっている。欧米諸国の2重基準こそアラブ地域の紛争を作り出していると言える。
 先進国による武器輸出も紛争を拡大させる原因である。ロシアはISに対する空爆を行っているが、そのISの使用する武器はロシア製のカラシニコフ銃である。直接ISと取引しているわけではないと思うが、結果としてロシア製の銃がテロに使用された。ロシアに限らず常任理事国のすべての国が武器輸出を行っており、その武器によって紛争国で多くの犠牲者が発生している。
日本も武器輸出を国家戦略として推進している。経団連が政府に武器輸出を国家戦略として推進することを提言したが、金のためなら人の命などどうでもよいと考えているようだ。原発再稼働を求める姿勢と共通する。戦争法の成立、武器輸出の解禁と、安倍政権は平和国家としての戦後の歩みと逆行する道を選択した。すでにISが日本を名指しで非難している。日本でテロが起きる可能性が高まったことは間違いない。
気を付けなければならないのはテロ事件を利用した政府のプロパガンダである。パリのテロ事件をきっかけに日本でも共謀罪の設立をという声が上がっている。共謀罪は2003年に国会で審議され、2度の廃案を経た後も与党が国会に上程したが、継続審議を経て2009年に廃案になっている。今まで国民や日弁連の強い反対により設立を阻止してきたが、自民党は今回の事件を利用して共謀罪を設立させたいと動き出した。共謀罪は戦前の治安維持法の再来と言われる悪法である。独裁的安倍政権としては何としても成立させたい法律である。権力はテロさえも利用して自分たちの権力を強化しようとする。安倍政権が続く限り日本はますますテロの脅威が高まる。テロ事件を利用して悪法の成立を画策する自民党政権を倒さなければならない。


編集後記
▼8月に亡くなった兄とは、その3週間前に病院で会ったのが最後となった。再稼働を翌月に控えていた川内ではなく、「伊方が…」と絶句した表情が忘れられない。兄の泣き顔を見たのは初めてだった。父母ゆかりの地・周防大島、また祝島を好んで訪れていた兄であったが、こんなにも瀬戸内を愛していたのかと知った。松下さんが逝き、4年前の12月9日に岸田さん、木下さんにももう会えない、合わせる顔もない。▼賢い人よ、開発しておくれ。安倍某の舌足らずな声や籾井某の歳末助け合いを呼びかける肉声が無音になる機械を。一々ラジオまで行ってスイッチを切ることが多く、困る。できるはずだ。よろしく。▼同封の「山口県知事が原子力発電関連団体協議会から脱会することを求めるための署名」、期日が迫っております。柳井市へ直接送っていただけますと幸いです。ご協力をぜひよろしくお願いします。              (大原)
▼デパートではジングルベルの歌が流れる季節がやって来ました。しかし、地球の裏側では、子どもたちへ爆弾のプレゼントを贈る爆撃機が毎日のように彼らのアパートへやって来ています。12月4日の朝日新聞によるとロシア軍は9月30日以降、反体制派の支配する地域へ攻撃を集中しているそうです。シリア国内ではISへの報復という名目で米国にロシアやフランスは無差別テロを繰り広げています。英国に拠点を置く反体制派NGO「シリア人権監視団」は11月30日現在、9月30日以降のシリアへの空爆で、民間人485人を含む1502人が死亡したと発表。民間人以外の内訳はIS戦闘員419人、他の反体制派598人。民間人は女性47人。子ども117人が含まれているといいます。これが彼らの言う正義の戦いの実態です。ISなどのテロに対しては平和的手段で、難民の受け入れや貧困の撲滅やイスラム民族への差別をなくすことこそが最大のテロへの反撃なのです。▼11月15日パキスタンの11歳のイスラム教徒の少女、ナビラ・レフマンさんが来日して、米軍の無人飛行機による民間人被害の実態を訴えました。2012年10月、ナビラさん一家は畑で作業をしていた際に、米軍のドローンによる攻撃を受けたのです。この攻撃で、ナビラさんが右腕などに重傷を負った他、一緒にいた妹もケガをし、祖母はナビラさんの目の前で死亡したそうです。パキスタンでは2010年から1年間で殺された800人以上の内、少なくともその半数が民間人である一方、アルカイダ幹部として特定できたのは、たったの6人だけだったそうです。ナビラさんは米国議会下院でも訴えたそうですが、参加した議員は5人だけ、片や昨年ノーベル平和賞を受賞した同じパキスタンでもキリスト教徒のマララさんがイスラム教徒のテロを批判すると米国の議員全員が万雷の拍手で議会に迎え、平和の英雄と称えたそうです。なぜかマララさんは米軍による無差別攻撃を全く批判しません。真相の程は分かりませんが、彼女は米国が仕組んだ偽物の英雄とパキスタンでは言われているそうです。▼皆さん、「国境なき医師団」やJVC(日本国際ボランティアセンター)に寄付をすることで中東の紛争地域に住む子どもたちにせめて医薬品などを贈りませんか。   (小坂)
by nonukes | 2015-12-10 11:23 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

脱原発大分ネットワークの機関誌「つゆくさ通信」NO.132を発行しました

脱原発大分ネットワークの機関誌「つゆくさ通信」NO.132を発行しました
小坂正則

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「つゆくさ通信」NO.1327月20日を1ヵ月遅れで本日発行しました。この夏は川内原発の再稼働や戦争法案の抗議行動など、異常な猛暑の中で、多くの仲間によって取り組まれて様々な取り組みをできる限り拾い集めて報告したいと思います。
とは言っても、脱原発大分ネットワークは結成が1993年ですから、今から22年も前のことです。つまり、会員のみなさんが全員22年歳を取っているということです。だって、この間新たな会員などほとんど加入していませんので、会員はお亡くなりになる方々で減るばかりなのです。現在の会員と「つゆくさ通信」の読者の合計で120名です。
まあ、よくも20年以上も続いたものです。でも、私は若い方が私たちの会に入ってほしいとは思っていません。私は30年前に脱原発のグループを作ったように、若者は自分たちで自由に市民グループを立ち上げたらいいと思うからです。
政党などとは違って、市民グループなどというものは至る所にたくさんある方がいいのです。誰かが統括したり、全国組織で号令直下組織的に動くようなものよりも、パルチザンや高杉晋作が組織した騎兵隊のような遊撃軍のような神出鬼没のつかみどころのない、組織の方が柔軟で自由自在に動き回れることでしょう。
私は市民運動ではこのような脱原発運動をやりながら、ちゃんと「緑の党」という政治的な活動もやっていますので、決してアナキストではありません。
さて、今回の「つゆくさ通信」は以下のような内容です。「つゆくさ通信」は年間6回発行、購読料は1年間2千円です。

①~8月11日川内原発1号機再稼働~
また、無責任な「安全神話」が始まる………中山田さつき
②東電幹部「過失致死罪」強制起訴と再稼働………小坂正則
③オリバーストーン監督ら翁長知事に辺野古取り消しを求める……沖縄タイムス
④情報短信(大分避難秋に初訓練愛媛住民が移動:大分合同新聞7月4日
 家庭向け電力自由化、初日24じ社名乗り 秋にも料金計画(朝日新聞8月4日)
⑤情報交差点
⑥8月30日全国100万人行動に参加しよう
⑦電力自由化と市民の選択………甲斐美徳
⑧大分県民は原発なくても暮らしていける!
 大分県内一般家庭電力の再エネ率176%……小坂正則
⑨戦争法案は阻止できる………諌山二朗
⑩「どちらとも言えない」なんて言ってるヒマはない……大原洋子

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~8月11日 川内原発1号機再稼働~また、無責任な「原発安全神話」が始まった
中山田さつき

 8月9日、川内原発近くの久見崎海岸には全国から2000名が集まり、「再稼働反対!」の声をあげた。じりじりと太陽が照りつける酷暑の砂浜で「再稼働を許さない」のアピールが続く。実行委員会からは「水分を取って熱中症にならないように。水を受付で配っています」とアナウンスが入る。
 一昨年の参院選で選挙フェスをやった三宅洋平さんは「人間だけじゃなく、例えばこの浜で生まれるウミガメのことも考えて脱原発を」と訴え、「昨年の衆院選で与党の票は2600万票、他の野党の票は3300万票。夢だと言われるかもしれないけど、俺は夢じゃないと思ってる。みんなが一緒になれば選挙に勝てるんだ、変えられるんだ」と。
 集会後の原発ゲート前までのデモは今まで体験した中で最も過酷なデモだった。暑くてひーひー言いながらも、みんな、かなりの高齢の方も歩き続けた。
 翌10日は、ゲート前集会が朝から夕方まで。ゲート前は九電職員、警備員、そして最前列には警官がずらりと並び、ほんとに狭いゲート脇の一角で400人近くがひしめき合って抗議を続けた。福島の黒田節子さんは「まさかは起きるんです。皆さん、起きるんですよ。だから絶対動かしてはいけない!」と涙ぐみながら訴えた。菅直人元首相も駆けつけた。
 そして11日、朝からの抗議の中、10時30分に予定どおり、制御棒が抜かれ、1号機は再起動された…。1年11ヵ月の原発が動いてない日本が終わった…。いつ事故が起こるかわからない不安の中での暮らしが始まった。
 規制基準は福島事故の真相も解明されないままに策定され、規制委員会が「必要」という安全対策も先延ばしにしたまま、再稼働にOKが出される「再稼働基準」だ。規制委員長は「安全が担保されたわけじゃない、事故は起きうる」と言い、安倍首相他閣僚は「世界最高基準に合格したのだから安全」と言いかえ、同意した鹿児島県知事と県議会、薩摩川内市長と市議会も揃って「安全性が確認された」と。事故が起きたときの責任は?と問われれば、「一義的には九州電力に。国も責任とります」と。福島のどこで誰が責任をとったんだ!暮らしを根こそぎ奪われて今もこれから先も避難生活が続く人が十数万人もいるというのに。福島の現実に向き合わず、簡単に責任とると言う無責任さに、心底腹が立つ!
 「もう福島のような過酷事故は起きっこない」と、規制委員会も電力会社も政治家も、新たな「原発安全神話」に乗っかって目先の利益だけで無責任な再稼働を行った。
 8月7日~11日まで、炎天下のゲート前で連日抗議を続けた人、遠くから駆けつけた人、広瀬隆さんも鎌田慧さんも暑さに耐えながら座り続けた。実行委員会は、駅からのシャトルバス、トイレへのシャトルカー、救護車、冷たい飲み物などを用意して駆けつけた人びとを迎えてくれた。予定されている再稼働が、集会やデモで止まらないのはわかっている。それでも、再稼働されようとしている原発前で「再稼働させない!」の声はどうしてもあげたい!
 「ここが終わりじゃない、また始まりだ」「あきらめない!」のみんなの意思が、悔しさと怒りと一緒にゲート前に満ちていた。

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「どちらとも言えない」なんて言ってるヒマはない
大原洋子

 最近、12色ではなく、48色の色鉛筆のセットの中でないと見られないような美しい色の車を急に多く見かけるようになった。例えば青系、例えば桃系。どれも目に心地よい色だ。しかし、教養がないので何色と一口に言えない。だから、これらを曖昧な色と称する。
 話は半年前に遡るが、2月8日、寒い日曜日だった。大分市の街頭にて3名で九電に川内原発再稼働の再考を求める署名を募った。人通りは多かったが、反応はすこぶる悪かった。午前中も同様だったという。
 両手をコートのポケットに入れた女性が快く応じてくれたところを見ると、反応の悪さはあながち寒さが原因ではなく、頭の寒さのせいだと思う。(この方は、海外に行くと日本人のバカさかげんが目に余ると嘆かれていた)
 能面かロボットのように無表情な人々の群れ。何を考えているのか、再稼働に反対なのか賛成なのか、さっぱりわからなく、薄気味悪さを感じた。ことに若い女性の「だいじょーぶ」の反応にはめまいがした。何が大丈夫だよ。福島原発の大事故を知らない年齢ではあるまいに!
 韓国からの留学生は、自分から「原発ですか?」と書きにきてくれたというのに。次に書いてくれた高校生たちは、そのアルファベットの名前を見て刺激を受けていた。
ところで、世論調査なるものをとるときに、私がとても気になるのが、NHKの場合、選択肢が「賛成」「反対」と「どちらとも言えない」となっていることだ。新聞は比較的、「どちらとも言えない」ではなく、「わからない」としているが。
 「どちらとも言えない」には、熟慮したけれど、両方に一長一短があり、目下判断がつきかねるというニュアンスに一見感じられる逃げ道の言葉だ。授業中当てられた生徒が「考え中」と言って回答から逃れることにも似て、「わからない」ことをカムフラージュする都合のよい、ズルイ言葉と思う。皆さんはいかが?
 このことを知り合いの新聞記者に言うと、「どちらとも言えない」=「わからない」なんだけど、言葉は本質的な問題ではなく、この設問は大した問題ではないと僕は思うと答えた。しかし、私にしてみれば、「どちらとも言えない」は、イコール消極的賛成なのだ。松下さん言うところの「何も表明しないことは賛成と同じです」だ。
 あのロボットのような態度の一人一人にアンケートをとったら、プライドもあって、「わからない」ではなく、「どちらとも言えない」と答えることだろう。こういう大人が多いということは、未曾有の投票率の低さもむべなるかな。
 今思い出すのが、3.11から間もない4月、同じ場所で10倍の人数で九州の原発ソク廃炉の署名をとったとき、意外に反応が悪かったこと。今と違い、福島のニュースが連日報じられていたころなのに。福島の事故は所詮ひとごとなんだと、そのときも唖然とした。
 ふと気づいた。あれから4年半。福島の事故でさえ、今の15歳以下は詳しく知らないのでは?と。まして29年前のチェルノブイリ事故に至っては、40歳のいい大人でさえ臨場感がないのだ。これからは基礎の基礎を書いたチラシを配らないとアカンな。
曖昧な色は、事いのちの問題にはふさわしくない!



電力自由化と市民の選択
甲斐美徳

各種の世論調査の結果によると、日本国民の多数派は原発の再稼働には反対しています。しかしながらここ九州では、多くの不安や疑問の声に背を向けたまま、九州電力の川内原発1号機が8月11日に再稼働を始めてしまいました。2号機も10月には再稼働する予定であり、今年の暮れには、日本の中で唯一、九州の住民だけが、大半の人々がそれを望んでいないにもかかわらず、原子力発電でつくられた電気を使わなければならなくなっているでしょう。それというのも、九電力(一般電気事業者)の地域独占を認めた現行電気事業制度の下では、九州に住んでいる以上は、九州電力から電気を買う以外に選択の余地がないからです。しかしながら、このような状況は来年4月からは一変します。電力小売りの全面自由化が始まり、現在電話会社を自由に選べるように、各家庭は電力会社を自由に選べるようになります。どうしても原子力の電気を使いたくない人は、九州電力以外の電力会社と契約することもできるようになるのです。

電力自由化は、欧米諸国で1990年代から始まり、現在では電力会社を選択できることは多くの先進国では当たり前のことになっています。日本でも、世界一高い電気料金に不満を募らせていた産業界の声を背景に、1995 年から自由化が始まりましたが、電力業界の強い抵抗により、使用電力50kW以上の大口需要家だけが電力会社を選べるという部分自由化にとどまる不完全なものに終わりました。自由化の対象となっている大口の電力需要は全体の約6割にもなるのですが、そのうち新規参入者のシェアは4.2%に過ぎません。既存電力会社が送電線を独占しているため、高い託送料金を取ることで新規参入を阻止してきた結果だとされています。元経済産業省官僚だった古賀茂明氏によると、電気事業連合会の影響力は経産省の人事をも左右するほど大きく、電事連とうまくやっていける人でないと出世できないそうです。既得権益に斬り込んで電力改革に本気で取り組もうとした志のある官僚は皆左遷されて、主流に戻ることはなかったとのこと。聖域なき構造改革を掲げた小泉内閣も電力改革には手をつけず、わが国特有の電力幕藩体制ともいうべきシステムが最近まで太平を謳歌してきました。
ところがここに、黒船来航に匹敵する強烈なインパクトを与える事件が起こりました。言うまでもなく3.11の福島第一原発事故と、それがもたらした電力危機です。わが国の電力供給体制が抱える硬直性・脆弱性が一挙に露呈し、リスク分散のためにも地域独占を解体して多様な事業者に供給を担わせようとする流れができ、ようやく日本でも全面自由化が実現する運びとなりました。日本の電力業界は、幕末の動乱期を思わせる一大変革の時代を迎えたと言えるでしょう。

先日、九電株主総会に出席した帰りに福岡経済産業局の資源エネルギー環境課を訪問して、電力自由化を担当している方のお話しを伺ったのですが、現在は小売電気事業者の事前登録の受付が行われているところで、秋頃には具体的な企業名が出てくるようになり、マスコミ等でもさかんに報道されるようになるのではないかと話していました。ガス会社や電話会社が、自社の商品と電気をセットで使えば割り引くサービスを武器に電力市場に参入すると言われていますし、再生可能エネルギーを売りにする電力小売り会社の登場も予想されています。ドイツの小さな町シェーナウの電力会社は、脱原発運動から生まれた市民電力会社として有名ですが、1998年の電力市場の自由化に際して全国展開を決意し、ドイツ全土に顧客を持つ環境にやさしい電力会社(再生可能エネルギー+天然ガスコジェネ)へと成長を遂げました。日本にも早くこんな電力会社が出てきてほしいものだと思います。
サッチャー政権下のイギリスで国営電力会社の民営化を進めた際、原発だけはハイコスト・ハイリスクの電源として敬遠され、民間の企業がどこも引き受けず国営のまま残ったという話があります。日本でも自由化が本格的に進展して競争が行われるようになれば、原発が実は総括原価方式や電源三法交付金をはじめとする分厚い政府の庇護があってはじめて安い電源として存在できたのであって、本当は電力会社の経営にとって厄介なお荷物にほかならないことがますますはっきりしてくると思います。

このように、市民の選択の自由が増える、脱原発を加速するなど、プラスの側面が多い電力自由化ですが、以下のようなマイナスの側面もあることを忘れるわけにはいきません。そもそも電力自由化の当初の目的は、競争による電気料金の引き下げでした。安い電力を、となると、最も発電コストが安い石炭火力への依存が高まることになります。気候ネットワークのリポートによると、現在の日本では電力自由化を見越して35基もの新たな石炭火力発電所の建設計画が目白押しで、このうち半分ほどは、既存の電力会社ではなく新規参入組によるものです。これらの計画が全部実現するとなると、二酸化炭素の大量排出増を招き、地球温暖化を加速することになってしまいます。最近、環境省が石炭火力の新設にダメ出しするケースが相次いでいますが、環境省は「地球温暖化防止のために原発は必要」と主張する原発推進官庁なので、この動きが原発復活に利用される恐れも多分にあります。脱原発と地球温暖化防止を両立させるためには、火力の新増設は原則として最もCO2排出量が少ない天然ガスの複合発電に限るべきでしょう。
本来なら、電力自由化の中でCO2の増加が抑制されるような制度設計がなされるべきであり、欧州のように強制力のある排出権取引制度や炭素税の導入が望まれるところですが、産業界の代弁者である自民党政権の下ではまず無理でしょう。大部分の市民や企業等は「より安く」を第一に考えた消費行動を取るでしょうが、少々高い価格であっても再生可能エネルギーでできた電力を選択するような環境意識の高い市民や企業や自治体が少しでも多く現れてほしいと思います。「私は、自然エネルギーの電力会社を選びます」という方は、同封チラシによりパワーシフト宣言(自然エネルギー電力購入希望登録)をしていただけると幸いです。


戦争法案は阻止できる
諌山二朗

憲法学者の95%が違憲と明言し、国民の6割が反対している戦争法案は議論の余地なく廃案にすべきです。まともな政権であれば、取り下げるでしょう。しかし、安倍政権は何が何でもこの法案を成立させるつもりです。一方で戦争法案反対は世代を超えて広がっています。今までデモなどと無縁だった若者が自主的に動き始めました。彼らは組織や政党に関係なく、ネットでつながって自分の意思で行動しています。反対運動が世代を超えて広がっていることが与党にとって、大きなプレシャーとなっています。最近の自民党議員の度重なる暴言は裏を返せばこのような反対の動きに対する焦りが原因です。
衆議院での強行採決の後、安倍政権の支持率は急激に下がっています。すべてのマスコミの調査で支持を不支持が上回っています。衆参議院で過半数をもつ安倍政権にとって怖いのは支持率です。今は30%代の支持率ですが20%代になれば政権維持が難しくなると思います。それにしても、いまだに30%以上の支持率を維持していることが不思議でなりません。相次ぐ自民党議員の失言、特に磯崎陽輔首相補佐官の「法的安定性は関係ない」という発言は、見逃せない問題発言です。失言というより安倍政権の本音を語ったと言わざるを得ません。中谷防衛大臣の「憲法を法案に合わせる」という発言も同じです。憲法よりも自分たちの政策を上とする考えが安倍政権で共有されていると思います。これほど思い上がった政権は初めてです。
先日の安倍総理の70年談話は何を言いたいのか分からない内容でした。なぜ、こんな内容の談話を出す必要があったのか、大いに疑問です。当初は侵略やお詫びの言葉は入らないと言われていましたが、最終的には歴代内閣の方針を引用する形で織り込みました。朝日新聞は社説で「自らや支持者の歴史観と、事実の重みに苦心した妥協の産物」として「村山談話以前の自民党首相の表現からも後退している」と批判しています。当初、安倍政権の支持者を満足させるために村山談話を打消すつもりだったようですが、内外の批判と侵略やおわびを盛り込むべきと言う世論が多く、それでなくても支持率が低下している現状では妥協せざるを得なかったと思います。

憲法が身近になった

 安倍政権が進める戦争法案、原発推進、TPP、労働条件の改悪と国民にとって悪いことばかりですが、怪我の功名というべきか憲法について国民の多くが関心を持つようになったことは良かったと思います。戦争法案を止めることは簡単なことではありませんが、学生が中心に国会前で行われているSEALDsや高校生たちの反対運動、女性たちのアピール、今までにない反対運動が広がっています。憲法の役割は国民が権力者を縛ることという立憲主義が広く知れ渡ったことが、安倍政権の暴走にブレーキをかけるのではないかと思います。 
安倍政権が戦争法案を合憲の根拠とする砂川事件や1972年の政府見解は、すでに多くの憲法学者や歴代法制局長官から根拠なしとして否定されています。砂川裁判の判決の要旨は米軍基地の合憲性です。さらに砂川裁判の判事が判決前にアメリカの駐日大使に判決文について事前説明をしていたことが判明しました。砂川判決を合憲の根拠にするなど論外です。
自衛隊が創設された当時、自衛隊は違憲とされたが今では国民の多くが自衛隊の存在を支持しているではないかと安倍首相は主張し、集団的自衛権行使の憲法解釈変更を正当化しています。自衛隊についての国民的議論は必要と思いますが、そのことと今回の戦争法案は分けて議論すべきです。
by nonukes | 2015-08-26 00:17 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

「つゆくさ通信」NO.131号を発行しました

「つゆくさ通信」NO.131号を発行しました
小坂正則
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本日、「つゆくさ通信」NO.131号5月20日号を発行しました。実に一ヵ月遅れの発行です。次号は7月中に発行するように努力いたします。
さて、今回の「つゆくさ通信」は原発のことよりも安倍政権の「戦争法案」関連の話が多いようです。何せ戦後最悪の法案を強引に成立させようとする、安倍政権はどう、大目に見ても民主主義を守ろうとする政権ではありませんね。口では女性の活躍とか、若者が希望に満ちたやりがいのある仕事に就けるように政府は全力で支援するとか、口当たりのいいことは言うけど、腹の中は全く逆で、どう労働者を使い捨てて、若者や女性を安価な労働力としてしか考えてません。安倍首相が「少子化対策」や「地方創生」などと言っても、やることは、ここでも真逆です。地方切り捨てのTPPだったり、地方創生も金太郎飴のような金のばらまきによる無駄な公共投資でしかありません。
こんな首相を1日も早く首を切ることが、地域創生であり、女性の活躍する社会つくりであり、若者の正規雇用の創出でしょう。戦争に突き進みつつある安倍政権は戦争へ転げ落ちて行きつつある「集団的自衛権の行使」も大いに問題ですが。それだけではなく、私たちの日々の暮らしを脅かす政権でもあるのです。
だって、安倍政権がやってることは、異常なまでの金利切り下げと金融緩和による円安で、それによる輸出企業の為替差益による企業収益のアップが一部の企業の株価を無理矢理つり上げて、株価の上昇を作り出して、わずか3%の株を持っている富裕層の懐を暖めて、見せかけの経済成長を作り出しているだけです。
多くの中小企業の経営者や労働者はマイナス賃金に甘んじて、非正規労働者や母子家庭と正規社員との格差は広がるばかりです。格差が広がれば治安が荒れて、アメリカのような犯罪の多い、治安の悪い社会に変貌してしまうでしょう。
自民党安倍政権や維新の党の橋下などが目指す「新自由主義社会」とは、犯罪の蔓延して、金持ちと貧乏人が対立し合う、そんな非情な社会を作り出すだけなのです。子どもや若者は社会全体で育て、はぐくみ、誰もが安心して教育を受けられて、病気や失業などの不安を抱かなくてもいい、互いが支え合う社会こそが、私たちの求める包摂社会なのです。包摂社会の反対語は排除社会です。つまり、包摂とは社会によって一人ひとりが包み込まれるような関係性を重視する連帯社会だと私は思います。
ちょっと、今回の通信とは関係ないような話になってしまいました。

編集後記

▼大分に住まう恵まれたる者たちよ、来る6月26日~28日は必ず映画を観ようではないか。▼26日夜の『フタバから遠く離れて第二部』を幕開きとして、この3日間、ゆふいん文化・記録映画祭があるし、27日は大分市で『標的の村』、別府市で『圧殺の海』という沖縄の米軍基地をめぐる闘いを描いた秀作を両方観ることができる。しかも『標的の村』に登場する高江の住人がはるばる来られ、お話をしてくださる。▼もちろん、大分の誇るシネマ5・シネマbisも忘れてはいけない。▼28日は第4日曜なので、月一のデモの日でもある。▼そして、このとき私は大分にいない。嗚呼。                  (大原)
▼これまでの歴代の首相にも中曽根のような極右首相はいたが、それでも「集団的自衛権の行使は憲法違反」と全首相が発言していた。ところが安倍内閣はヘイトスピーチを行っている新大久保周辺の右翼が官邸に集まったような顔ぶれ。安倍以外にもヘイトスピーチの在特会を取り締まるべき人間の山谷えり子国家公安委員長や稲田朋美政調会長に高市早苗総務大臣も在特会の仲間。安倍を取り巻く友達はみんな「日本会議」という大日本帝国憲法の復活を目指す極右組織のメンバーだそうだ。それに、戦前の侵略戦争の思想「八紘一宇の復活を」と国会で堂々と訴える三原順子参議は自民党女性局長。そんな自民党と安倍内閣が作ろうとしている法律が憲法を守るはずがない。▼しかも憲法学者のほとんどが「集団的自衛権の行使は憲法違反」という中で、菅官房長官は「合憲という学者もたくさんいる」と辻元衆議院議員に反論して挙げた学者は3人だけ。その3人とは百地章日本大教授、長尾一紘中央大名誉教授、西修駒沢大名誉教授で、皆さん「日本会議」の役員という。百地章氏は「成長の家」学生組織「民学同」の過激派右翼だったという。しかもこの3人は「徴兵制も合憲」と主張する筋金入りの軍国主義者。いまの内閣はそれこそ、現代社会の常識が通用しない戦前の日本政府が復活したようなもの。だから国会論戦も野党の追及に安倍首相は、はぐらかしたり、ヤジを飛ばしたり、レッテル貼りだとなじったりと、まともな議論はしない。▼私たちは、そんな状況に靴の上から足をかくようなもどかしさを感じるばかりだ。だからといって私たちが諦めたら安倍の思う壺。戦前の軍国主義はいつの間にか、深く静かに私たちの心の中に諦めと無関心という2つの弱虫がはびこったことが原因の1つ。しかし、6月4日の憲法審査会で3名の学者が安保法案は憲法違反と言ったことで潮目が変わった。弱気だったマスコミも声を上げ始め、渋谷では4千人の学生など若者がデモと毎週金曜日に国会前で声を挙ている。みんなが声を挙げたらまだきっと間に合う。私も心の中の2つの弱虫をなだめながら40年前の落とし前をつけるためにデモに行こう。                 (小坂)

代表就任のご挨拶
脱原発大分ネットワーク
代表 河野近子

私このたび、会の代表を仰せつかりました。再来年の年度末まで、任期二年の予定です。未熟者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
ふり返れば二十数年まえ、今は亡き松下竜一さんが代表をされていた会の創生期、運動に入って間もなくで右も左も分からず、ひたすら原発を止めたいという必死の思いで突っ走っていた私が、なぜか一時期、名前だけ共同代表という役をいただいたことがありました。
それからの長い年月、みなさんそれぞれに原発廃絶をめざして闘ってきました。私も「チェルノブイリ支援運動・九州」の一員として頻繁に現地に赴き、放射能汚染の現実を見聞し、それを日本に伝えることで事故の深刻さを知ってもらい、原発廃絶につなげたいとの思いで活動を続けてきました。
しかし私たちの力及ばず、願いも空しく、この国は原発推進一辺倒で福島第一原発事故へと一直線に進んできました。事故の収束には程遠く、故郷を追われた住民はいまだに十万人を超え、しかも何十万人もの人たちが法で定める放射能の管理区域以上に汚染された土地に捨てられているという現実があります。このような深刻さにもかかわらず、さもあの事故などなかったかのように、いままたふたたび安全神話を復活させて、再稼働させようとの企みが着々と進められています。犯罪集団ともいわれる『原子力ムラ』のしぶとさに唖然とします。
しかも再稼働にとどまらず原発輸出や新規立地をもくろむ政党が、選挙で多数派をしめるという現状のあまりの展開に、ともすると運動の非力さに立ちすくむ思いに襲われます。でも諦めたときが最後の負けと自分に言い聞かせ、仲間のみなさんと力をあわせて反対の意思を発信し続けようと思うこのごろです。
効果的な運動の方法など、どうぞ皆さんの忌憚のないご意見をお寄せください。原子力(核)廃絶の日まで、ともに闘っていきましょう!  


脱原発大分ネットワーク2014年度総会報告
脱原発大分ネットワーク事務局長 小坂正則

 今年の総会は「日本と原発」の上映会を事前に行ったので、例年に比べて参加者が少しは増えました。昨年度1年間は川内原発再稼働反対のたたかいを中心にして、会員の皆さんを中心に多くの仲間が鹿児島に出向きました。集会などの行動は5回の集会などに参加しました。そのほか上関原発反対集会にも2回参加しています。毎月第一月曜日の定例会事務局会議が定着してきた結果、それぞれの集会などへ参加するメンバーを固定化することなく、交代で鹿児島へ参加する体制が取れたことは評価していいと思います。
 また、9月28日の薩摩川内市で開催された川内原発現地集会に参加した中山田さつきさんから「この集会を開催するに当たって賛否両論の意見があったが、私は集会に参加して、現地の人びとの苦しさや厳しさを共有できたこともよかったが、現地の反対派の人びとから『こんなにたくさんの方々が集まってくれて私たちは勇気づけられた。集会やってよかった』という声を聞いて、この集会を開催して本当によかったと思った」という意見がありました。原発立地の地元で反対している少数の人びとを私たちがどのように支えるかということも重要ですが、フクシマ事故は日本中が被災地になり得るということを証明しました。ですから私たちは地元の支援という関係を超えて、原発立地現地のみんさんの運動は尊重しながらも、私たちも被害を受ける現地住民として主体的に反原発運動に取り組まなければならないと思いました。なお、「原発再稼働阻止全国ネットワーク」の現地監視テント小屋が川内原発のある海岸の砂浜に複数建っています。いつでも泊まれるそうです。伊方原発近くの八幡浜市にも現地闘争本部ができていて、1年以上前から東京の仲間が常駐しているそうです。
 そのほか、『つゆくさ通信』は6号発行しました。現在130号です。

役員改選と今後の運動

 藤崎薫さんが2年間の代表を引退して、河野近子さんが約20年ぶりに代表にカムバックしました。河野さんを先頭に今年1年間を昨年に引き続き「原発再稼働反対」運動の重要な年として、「みんなでちょっとだけ無理をし合いながら、私たちの想像力を駆使して創意工夫したたたかいと情報発信を行っていこう」と話し合いました。今後の運動については、いよいよ伊方原発の再稼働も日程に上がってきたので、大分の伊方再稼働反対運動の盛り上がりが重要なたたかいということから、大分県の作った避難計画の不備を追求することや避難訓練などの実施内容についても県へ内容の充実や見直しを求める要求書を出すべきとの意見が出ました。引き続き川内原発再稼働反対運動や「6月7日の福岡集会に全力で取り組もう」を確認しました。
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by nonukes | 2015-06-22 19:58 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

脱原発大分ネットワークの総会及び映画「日本と原発」の試写会を開催します

脱原発大分ネットワークの総会及び映画「日本と原発」の試写会を開催します
小坂正則
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これまで22年の経過について

1993年10月に脱原発大分ネットワークを結成して22年目になりました。故松下竜一さんと仲間たち20名弱がコンパルホール和室の狭い部屋に集ったのはつい昨日のような気がします。
 それは、ちょうどチェルノブイリ以後2年目の88年2月に別府の主婦の呼びかけで全国的に盛り上がった出力調整実験反対運動から5年目の10月でした。
 あの全国的な盛り上がりはいったい何だったのだろうかというほど、脱原発運動に沈黙の時が一気に訪れていた時期だったのです。チェルノブイリ原発事故から2年目の88年前後には、大分県内でも20以上の反原発・脱原発を訴える何らかの市民運動グループが出来ていました。
 私はチェルノブイリ事故以後、「伊方原発に反対する大分市民の会」を作って活動していたのですが、93年に全県下のグループに結集しようと呼びかけて、現在のネットワークが結成されたのです。
 正確に言うと、88年には「情報交換のネットワーク」として「脱原発大分ネットワーク」は出来ていました。そこに住所や電話番号や名前などを登録しておけば、情報をもらうことが出来るという、ゆるやかな情報交換の場でした。しかし、その名簿を使って情報発信を行う団体が5年が過ぎたら、実質的に私たちの団体だけになってしまっていたので、「みんなで一緒になろう」ということになったのです。その結成総会報告文に書いた故松下竜一さんは「小坂君が呼びかけ文を100通以上送ったが、結成総会に集まった仲間はわずか十数名でした」と『つゆくさ通信』に書いています。
 市民運動は盛り上がったり沈滞したりという運動の波を覚悟しなければなりません。大半の市民運動には利害関係がないので、運動を続けるモチベーションを保つには、自らに問いかけ続けるしかないのです。ですから、どうしてもだんだん仲間は減ってくるのです。私は少数の運動はだめだとは思いませんし、正義はいつも少数の中から生まれるとも思っていません。「生あるものはいつかは滅びる」ように、始めあれば終わりがあるからです。それぞれが自由にいろんな運動や生き方を繰り広げて、そこから何か自分にあった世界を作れたら、それでいいと思います。
 今回の総会には誰か講師を呼ぼうかという議論の末に、そのために人集めの苦労をするよりも自然体で行こうということで、映画「日本と原発」を上映することになりました。ぜひみなさんご参加ください。

なお、映画鑑賞は500円を出せば誰でも参加出来ます。

内 容:脱原発大分ネットワーク総会
    原発関連のビデオ鑑賞
日 時:5月31日(日)13時から16時頃
    13時から映画「日本と原発」上映 
映画鑑賞料500円
      15時から総会
場 所:松明楼(小坂自宅内)
    大分市田の浦12組
     (高崎山バス停徒歩10分)
連絡先:090-1348-0373(小坂)

by nonukes | 2015-05-21 19:53 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

バッテリーの性能向上と低価格化で再エネ100%社会実現に一歩近づいた

バッテリーの性能向上と低価格化で再エネ100%社会実現に一歩近づいた

小坂正則
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写真の真ん中の壁に掛かっているのが家庭用バッテリー
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バッテリーの性能と低価格化は加速度的に進んでいる

米電気自動車メーカー最大手のテスラモーターが低価格の家庭用バッテリーを販売

米国最大手のテスラーモーターという電気自動車メーカーが電気自動車搭載のバッテリー技術を応用して、家庭用バッテリー販売の発表が世界中で話題になっています。
テスラと言えば高級電気自動車の販売で有名です。数千万円もする高級車を作っている会社が太陽光発電のある一般家庭で、昼間の電気を電池に貯めて置いて、その電気を一日中使うというシステムです。それが格安で実現できたら、オフグリット(電力会社の電線を無くしてしまう)ことが可能になるからです。
家庭用バッテリーは2011年311事故以後、停電時のために日本でも各社が販売しています。当初は1台あたり400万円くらいしていたのが、現在では東芝のバッテリー6.6キロワット時で137万円(補助金50万円を引くと87万円)まで下がっています。それも画期的な値下がりなのですが、テスラは7キロワット時のモデルは3千ドル(約36万円)で、10キロワット時のモデルが3500ドル(約42万円)と、日本製の半値以下の価格で提供するそうなのです。
何でこれほどバッテリー価格の値下がりが重要かというと、「容量10キロワット時2千ドルが蓄電池が爆発的に普及する目安とされている」(日経新聞2015年5月1日)と言われている価格へ一歩近づいたのです。それに太陽光発電も1kw当たり20万円になれば爆発的に普及するとよく言われていますが、太陽光発電とバッテリーがそろったら、原発の電気など買わずに、オフグリットで生活するのが当たり前になる日が間近に来たのです。
一般家庭の平均電力消費は3.3kwあればいいと言われています。その太陽光発電の工事費が1kw20万円(現状では30まん円位します)なら、約70万円です。それにバッテリーが36万円なら合わせて100万円で独立電力で生活出来るようになるのです。しかも1kwh当たり24円で電力会社から買っている電気代が年間8万円から10万円として、その分が太陽光発電3.3kwでは年間3600kwh発電するとして、買電価格が1kwh24円で、86400円になります。それが12年で1,036,800円ですから、オフグリット生活は12年でペイするのです。現行の太陽光の価格は3.3kwで約100万円ですから、それにバッテリーを入れると、136万円です。すると、ペイできるまでには16年かかります。それでもたくさの方が購入する可能性があります。

太陽光とバッテリーの低価格化は再エネ普及の決め手

「原発の電気はいりません」という、オフグリットの快適生活を望む人が出てくる可能性だけをここで私は取り上げるつもりはありません。だって、マンション住まいの方や、アパート住まいの方には関係ないことですよね。社会全体の問題としてこの2つが安くなることには、もっと重要な意味があるのです。
5月連休中に日本で初めて、太陽光発電の買い取り規制が行われました。種子島のメガソーラーを5月5日の9時から16時まで送電停止したそうです。これは30日ルールという制度で、500kw以上の大型施設では現状でも年間30日は送電停止させてもいい法律なのです。その間は太陽光の電気は無駄に捨ててしまうのです。これまで電力会社も政府も太陽光発電ばかりが増えては電力の安定供給が出来ないので、これ以上の太陽光は増やせませんと言っています。太陽光や風力はお天気次第で雨の日や曇りの日は太陽光は発電しないから、全体の10%そこそこしか導入できないと言っているのです。しかし、テスラのバッテリーの産業用も価格破壊の金額です。電気自動車ニュースの5月1日号によると、
「東北電力の西仙台変電所の大型蓄電池システムが2万kWhなので、PowerPack 200基分。これ全体で、電池だけですが8億4千万円しかかかりません(1kWhあたり350米ドル、4.2万円)。ちなみに、この西仙台変電所蓄電設備の受注額は約100億円。テスラ+パナソニックの技術を使えば、もっと下げられる。」というのです。100億の施設が仮に10億円としても設置コストは1/10になるのです。種子島のように太陽光の系統連係を切られても、その分をバッテリーに蓄電しておけば、後で売電できます。つまり、再生可能エネルギーをベース電源として使う方法の1つが、このバッテリーの低価格化と性能向上で実現できる日が大きく近づいて来たのです。

バッテリーの性能向上と低価格化は社会構造を大きく変化させる

日産と三菱がどちらも2010年から発売した電気自動車は5年経った現在では、なかなか苦戦を強いられているようで、町中ではほとんど見かけないし、充電スタンドが少ないなどの問題から、日本では電気自動車が急激に普及するようには思えません。
電気自動車の生命線はバッテリー技術の向上にあります。電気自動車の販売価格の半分がバッテリー代だと言われているからです。日産リーフが現在、約300万円で、そのうちバッテリー代が150万円ということになります。補助金が78万円ほどでるようですから、実質購入価格は2014年で226万円だそうです。
そして電気自動車の大きな問題に走行距離の短さがあります。リーフで200kmだそうですから、福岡から由布院へ遊びに来るとしたら、行きで130キロですから、帰りはどこかで充電しなければ帰り着きません。しかし、充電スタンドは限られていますから、実際にはセカンドカーとして買い物など短距離の街乗りにしか使われていないのです。
バッテリー価格が半額になったら2倍のバッテリーを載せれば400km走行できるのでいいかもっしれませんが、実際には重さと容量が限られているので、そんなにドンドンバッテリーは載せられないのです。だから、性能向上と価格低下が同時に行われなければならないのです。
さて、リーフのバッテリー価格が半額になって、性能が2倍になれば走行距離は4倍です。現行のバッテリーは24kwhの性能だそうですから、価格が半分で性能が2倍になったら、50kwhのバッテリーですから、これを普段は備蓄用に使うことだって出来るのです。そして、バッテリーの価格は半分の75万円ですが、その時点で補助金は廃止されるでしょうから、実質の購入価格は変化しないかもしれません。しかし、200万円で買っても、400km走れば、爆発的に普及することでしょう。つまり、電気自動車の性能向上が再生可能エネルギーの普及につながり、再エネ用バッテリーの普及が今度は電気自動車の普及にもフィードバックしてくるという相乗効果が期待できるのです。

原発や化石燃料大量消費社会から再生可能な社会へは後戻りできない

安倍政権は「日本を取り戻す」と言って、戦前の軍国主義国家への逆戻りを目指しているようです。エネルギー社会も原発などダーティーな化石エネルギー社会をいつまでも続けたいようですが、残念ながら、社会の技術革新のスピードは誰がブレーキをかけようと企んでも無理です。国内の産業構造なら政治的にある程度は可能かもしれませんが、世界中で繰り広げられている技術のイノベーションにストップをかけることは不可能です。
軍事利用などの世界でも技術革新が進んで無人攻撃機がどんどん出来ていて、戦争兵器も2030年代には無人化が進むと言われています。こっちは困ったものですが、エネルギー関係のイノベーションの発展は原子力など不要な社会がもう目前です。
限りなくゼロミッション社会(ゴミゼロ社会)へ人類は近づいていると私は思います。
テスラは自動車産業だけではなく、これからは再生可能エネルギーが普及するためにはバッテリーの需要が爆発的に伸びると考えたのです。そのテスラを支えているのはナショナルとか松下電器と言っていたパナソニックという日本の技術者なのです。パナソニックに吸収合併された三洋電機の社員のみなさんなどの努力でテスラへ電池を供給しているのです。産業界も決して悪いことばかりをやっているわけではありません。東芝も早く原発から撤退してパナソニックのような民生用家電や再生可能エネルギーで世界をリードすべきです。原発などに関わらずに民生用家電で世界をリードするパナソニック頑張れ。



テスラ、据え置き型蓄電池参入 他社製品の半額以下
2015/5/1 日経新聞

【ホーソーン(米カリフォルニア州)=兼松雄一郎】米電気自動車(EV)メーカー、テスラモーターズは4月30日、家庭やビル、大規模な太陽光発電所などで使える据え置き型の蓄電池を8月にも発売すると発表した。EV向けにリチウムイオン電池を量産してきた経験を生かし、価格を他社製品の半額以下に抑える。この分野で先行してきた日本勢にとって大きな脅威となりそうだ。
米ロサンゼルス近郊のホーソーン空港で会見を開いた。家庭向けと、太陽光発電やビルの非常電源など業務用のリチウムイオン蓄電池を投入する。
最大の売り物は価格だ。家庭向けは、一般家庭の1日の消費電力を賄える容量10キロワット時のモデルで、3500ドル(約42万円)。7キロワット時のモデルは3千ドル(約36万円)。米国では業界の標準的な製品の半分以下の価格となる。流線形のデザインで、赤、黒、白、灰色など色も選べる。最低10年、最大で20年まで延長できる保証もつける。
価格はこの分野に力を入れる日本勢と比べても大幅に割安だ。例えば東芝の製品は容量6.6キロワット時で137万円(補助金制度上の基準価格)。国からの補助金の約50万円を差し引いても、テスラの蓄電池は半値以下となる。

同社が低価格化できるのはEV向けに蓄電池を量産してきた経験が豊富だからだ。容量10キロワット時2千ドルが蓄電池が爆発的に普及する目安とされるが、この水準に近づいた。EV向けで進んできた価格下落が据え置き型でも広がる可能性が出てきた。
同時に発表した太陽光発電やビルの非常電源など業務用の100キロワット時のモデルは、既に電力会社から受注済みという。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は「持続可能なエネルギー社会に向け、欠けていたピースが埋まる」と語り、太陽光発電など再生可能エネルギーの普及を後押しする商品だと強調した。
当面は車載用電池のサプライヤーであるパナソニックの技術を土台に米カリフォルニア州フリーモント市の工場で製造し、今夏の米国向けを皮切りに日本など世界で順次販売していく。6千億円を投じ、米国内でパナソニックと共同建設中の工場が稼働し始める来年以降、生産ペースを上げる。2020年のフル稼働時には、3分の2を自動車向けに、残りの3分の1を据え置き型の蓄電池や他社への販売分とする。
調査会社の富士経済(東京・中央)によると、13年の世界の据え置き型蓄電池市場は593億円だった。20年までに家庭用が約5倍、電力系統向けが10倍に増え、市場規模は3906億円まで拡大すると予測している。カリフォルニア州では24年までに電力会社向けだけで家庭100万軒分の電力消費量、原発1.3基分に相当する需要が見込まれる。
拡大する市場で東芝やNECなど日本メーカーも国内外での受注拡大を狙うが、価格面でテスラが強力なライバルとなりそうだ。
by nonukes | 2015-05-09 17:00 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

  小坂正則