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小坂正則の個人ブログ

カテゴリ:電力自由化( 35 )

「電力完全自由化関連法案を閣議決定」の中に忍び込ませている大きな問題点

「電力完全自由化関連法案を閣議決定」の中に忍び込ませている大きな問題点
小坂正則
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新聞報道などによると昨日の3月3日に安倍政権は「電力完全自由化の関連法案を閣議決定した」と伝えています。来年の4月から家庭用電力も自由化する計画です。しかし、それを私たちはそのまま喜んではいられません。すでに括弧付きの「電力完全自由化」へ向かっているのです。
すでに現在でも家庭用以外の電力「50キロボルト」以上の契約電力で全体の62%は自由化しています。しかし、実際には全体の約97%が既存の電力会社の電力を購入していて、親電力から購入している企業はわずか3%そこそこなのです。これでは自由化とはほど遠いのが現実です。しかも、家庭用となれば自由化へのハードルはもっと高くなってしまうのです。
電気は保存が出来ません。だからその場その場で需要に応じた供給が必要です。また、送電線は電力会社の所有物ですから送電線を借りて電気を送らなければなりません。そうなると、既存の電力会社に対抗して安い電気を売ろうとしたり、クリーンな電気を売ろうとしても、電力会社の許可をもらって、送電線使用料や様々な制約を課せられて使わせてもらうしかないのです。でも、ライバル会社へに低料金で自由に送電線を使わせたりする企業はないでしょう。ですから、自由化にあたっては新規参入の弱小企業が不利にならないような条件を付けてやる必要があるのです。例えば、通信の自由化などではNTTを地域分割したり、ドコモに対してAUやソフトバンクに有利な周波数を割り当てたりして、新規企業が一定の割合のシェアーを確保できるまで、新規企業を応援してやらなければ適正な競争が行われるための自由化とは言えないのです。

既存の電力会社の原発を優先する力電自由化などあり得ない

さて、昨日閣議決定された「電力完全自由化」の中に、こっそりと入れられた条文があります。それは毎日新聞3月4日によると「大手電力会社は、原発が稼働しないまま自由化すると、経営が悪化すると主張している。そのため自民党は業界に配慮し、需給状況などを検証し「必要な措置を講じる」との一文を法案に盛り込んだ。今後の原発の稼働状況によっては自民党などが、改革の延期を求めてくる恐れがある。」というのです。
つまり、安倍政権が前のめりで行おうとしている「原発再稼働」の延長線にある「原発の維持を守りながらの自由化」なのです。具体的にはどんなことかというと、廃炉費用を全ての新規参入企業からも徴収するという制度です。現在は電力会社は廃炉引当金という形で特別会計で積み立てているのですが、電力自由化したら、販売電力が減るのは分かっているので、その負担を既存の電力会社に追わせるのは可愛そうだとして、新規参入会社にも廃炉費用を負担させるというものです。次に入れられようとしている制度が「原発の電力価格保証制度」です。
これはもっとひどいもので、まるでこれまで「原発の電気は安い」というウソを見事に覆す決定的な証拠のような制度です。電力自由化で電力の販売価格が下がって原発の電気がコスト割れしたら、その分を保証しようという制度なのです。イギリスが導入する計画なのですが、その価格保証の適応金額が1kwhあたり16.5円だというのです。日本も15円前後を予定しているとしています。
ちょっと待ってよ。確か311福島原発事故前の資源エネ庁の発表している公式の原発1kwhのコストは5.3円だったのです。311以後は事故の補償費用や廃炉費用などが加算されて、それでも他の発電方法よりも一番安い8.9円だと発表していたのに、何でいきなり15円に発電コストが上がるのでしょうか。経産省・資源エネ庁は安倍晋三と同じ嘘つきペテン師だったのです。

既存電力会社を優遇するインチキ「電力完全自由化」の仕組み

しかし、そんな原発優遇などは序の口なのです。一番の問題は「託送料」といわれる送電線使用料です。現行の使用料は「特別高圧託送料が2.57円/kWh」「高圧託送料 4.89円/kWh」と言われています。平均すると約3.5円の送電線使用料を新規電力会社は支払っているのです。電気料金に占める託送料金の割合はアメリカでは電気料金の10%未満に対し、日本では20%を超えているのです。現在は電力会社の持ち物ですから、「いやなら使わないでいいのです」と強気の対応をします。そこで、「発送電分離」を2020年に行う予定なのですが、電力会社を発電会社と送電会社に分割するというのですが、完全な資本分割なら平等に託送料を払うようになるので問題はないのですが、送電会社を既存の電力会社の子会社化する案が通ってしまえば、見せかけの自由化しかならないでしょう。例えば、託送料をやたらと高くして、既存の電力会社も新規の会社の支払って、膨大な利益を送電会社が得て、その金でグループ会社が潤うというようなことだって可能なのです。政府案は子会社化案が有力です。
まだまだ不平等があります。それは「30分同時同量ルール」です。新規参入会社は30分毎に需要と同量の発電量にしなければならないのです。それを下回った場合は既存の電力会社からペナルティー料金を取られる仕組みです。その額が何と不足分インバランス料金
変動範囲内(3%以下)だったら8.45円/kWhで既存の電力会社に支払えばいいのですが、変動範囲外(3%以上)だったら夏季で76.49円/kWh。その他季 49.08円/kWh。 夜間でも38.12円/kWhという莫大な料金を支払わなければならないのです。
同時同量制度は新規電力会社をいじめる制度です。発電時期や時間によって、既存の電力会社の負荷追従運転の費用を負担すればいいはずです。
また、現行の62%の自由化で、新規電力企業の販売量がわずか3.5%というのは、託送料や「30分同時同量ルール」だけではありません。現在でも卸電力取引市場というのがあります。ここで余った電力を売りに出して、足りない電力を買うという電力会社間の市場があるのですが、ここで取り引きされる電力がわずか0.6%しか出回っていないのです。なぜかというと、既存の電力会社は自力で負荷調整をするのが原則だし、足りないときは卸し市場を通さなくて、随意契約で電力会社間で売り買いしてるのです。イギリスでは完全に市場を通して売り買いされているそうです。日本でも「電力会社の発電量の30%は市場に出さなければならない」などという数量規則を作るべきです。そうすれば新規企業はそこで調達可能になるのです。

電力自由化とは「自由意思で電気を自由に売り買い出来る社会」の実現

よく、政府は「電力自由化で電気料金を下げる」といいます。しかし、それは結果であって、それが目的ではありません。既存の電力会社は「ドイツの電力自由化で世界一高い電気料金になった。だから日本は過度の自由化をすべきではない」と反論します。また、「電力自由化による値下げ競争で経営が不安定になり、安定供給体制が維持できなくなる」と言って反論します。
電力自由化の目的は「地産地消で電力の有効利用を進めて、地球環境への負担を少なくする」ことと「市場開放で新たなビジネスチャンスを生み出すことでエネルギー産業の発展を実現させる」ことや「自由主義社会では消費者の自由な意思で売り買いできる社会をつくる」ことになどに、その目的があるのです。その結果電気料金が高くなるか安くあるかは消費者=国民の選択の結果です。ドイツがなぜ世界一高い電気料金なのかと言えば、再エネの普及のための負担金と付加価値税により電気料金の半分が税金だからだと言われています。だから高いか安いかは政治の問題なのです。私たちは原発の電気などまっぴらですから少々高くても安全で地球にやさしい再エネ電力で生活したいと思っている人々がそのような「クリーンな電力」という商品を自由に売り買いできる社会を求めているのです。原発の電気が好きな人は原発の高くてダーティーな電気を買えばいいのです。(原発がまだ動いていたらの話ですが)



原発維持へ「必要な措置」の一文 20年発送電分離 法案閣議決定
東京新聞2015年3月4日 朝刊

政府は三日、大手電力会社から送配電部門を切り離す「発送電分離」を義務付ける電気事業法の改正案を閣議決定した。今後は一連の改革を実現して、料金の引き下げなどの効果を目指す。改革の内容をあらためて確認するとともに、今後の展開を探ってみた。 (吉田通夫)
 Q 電力事業の改革って、何をどうするの。
 A 今は大手電力会社が地域ごとに発電から送電、小売りまで独占している。「地域独占」と呼ばれ、六十四年間も競争がない。しかし、東日本大震災後の大規模な停電と福島第一原発の事故を機に硬直した仕組みが問題視され、改革することになった。発電や小売りにいろいろな会社が参入できるようにして競争を促すのが目標だ。
 Q 私たちにはどんな影響があるの。
 A 今は首都圏に住んでいたら東京電力、中部圏なら中部電力と契約するしかない。でも二〇一六年四月からまず小売り事業が自由化され、どこから電力を買うかを選べるようになる。ガス会社や携帯電話会社などが参入を表明しており、電気料金とのセット割引などで顧客の獲得を目指す。競争が強まれば、生活リズムに合わせた料金メニューなど、便利なサービスが増える効果も期待できる。
 Q 二〇年に実施する「発送電分離」はどういう改革なの。
 A 電気料金を安くするには発電会社の競争が必要。しかし今は大手電力会社の一部門が送電網の運営を行っているので、自社の発電部門を優遇して後発の発電会社の参入を阻む恐れがある。だから別会社にして送電網を利用する際の料金を明示し、グループの発電部門もグループ外の発電会社も、すべて同じ条件で使えるようにするんだ。ガス業界でも同じ内容の改革を実施するよ。
 Q 改革は進むのかな。
 A 大手電力会社は、原発が稼働しないまま自由化すると、経営が悪化すると主張している。そのため自民党は業界に配慮し、需給状況などを検証し「必要な措置を講じる」との一文を法案に盛り込んだ。今後の原発の稼働状況によっては自民党などが、改革の延期を求めてくる恐れがある。
また、国は大手電力会社の原発を優遇しており、新しい小売会社と契約しても現在の大手の料金制度と同じく、廃炉に必要な費用を上乗せするとしている。これは競争を強めるという改革の趣旨に逆行している。
by nonukes | 2015-03-04 14:38 | 電力自由化 | Comments(0)

国民をだますために発電コスト検討委員会が原発を安く見せる工作を始めた

国民をだますために発電コスト検討委員会が原発を安く見せる工作を始めた
小坂正則
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座長の 山地 憲治氏 公益財団法人 地球環境産業技術研究機構の理事
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各新聞などによると、経産省の中の資源エネ庁は昨日18日から原発や再エネなど各発電初段ことの発電ストを検証するワーキンググループがスタートしたと書いています。
その中で、原発の発電コストが311事故までは5.9円などというあり得ない価格で公表されていたのですが、民主党政権になってからは大幅にこのコスト評価作業は改善されたと思います。多くの皆さんは民主党政権は何の役にも立たなかったという方が多いのですが、私はそうは思いません。原発の発電コストを5.9円から8.9円と引き上げたことは最大の成果です。逆に言うと「それくらいの成果しかない」と、バカにしているのではないかとご批判を受けるかもしれませんが。民主党の名誉のためにもう1つの成果上げましょう。それは2030年代に原発ゼロを実現するというエネルギー政策をこっそり、(つまりは閣議決定なしで決めたような決めなかったような曖昧な結論にしたこと)決めたことではないのです。民主党政権のエネルギー政策決定過程での最大の成果は長期エネルギー政策を決める当たって、パブコメだけではなく、より深く国民の声を聞くために、討論を始める前の意識と、討論が終わった後の意識変化を吟味した結果を重要視する「討論式の公開ヒアリング」を実施したことなのです。これによって、「原発がなければ電気がなくなる」というような漠然とした考えの方がどんどん原発不要論に流れてきたというおもしろい結果が生み出されたのです。これは民主党政権の最大の成果です。自由な議論を保障すれば市民は自ずと良識ある結果を導き出すのです。
現在はどこでも住民参加型行政などと言いますが、大阪市の橋下のいうような「形だけの住民参加」ではなく、「徹底して住民の自由議論に任せる」という「討論型ヒアリング」は本当に重要な政策決定方法なのです。

電力会社が原発を安く見せるための演出ワーキンググループが始まった

今回のワーキンググループが出来て初めての会議が行われたと朝日も毎日も書いてるのですが、その中で議論された中身も書いてます。朝日は「福島事故で原発の事故リスクが高くなったために前回原価が8.9円になったが、規制庁が出来て新規制基準によって事故リスクが軽減されたのだから、原発のコストは下げるべきだ」と地球環境産業技術研究機構の秋本圭吾氏は訴えたと書いてます。そこまでだけでは残念ながらジャーナリストとして失格です。この秋元圭吾氏の地球環境産業技術研究機構は、電気事業連合会、日本原子力発電、原発メーカーなどが出資企業に名前を連ねる公益財団法人。評議員長は関西経済連合会相談役の秋山喜久関西電力元会長です。つまりこの方の発言は電力会社を代表した声なのです。
また、再エネの問題についての朝日の論点も実に弱い。
太陽光や風力など再エネの発電コストをどう見直すかも大きな論点だ。12年7月から始まったFITにより、太陽光発電が急増した。ところが、再エネは天候によって発電量が左右され安いため、大量に受け入れるのには送電網の増強などが必要になる。再エネが増えたときには火力を押さえるなどして調整対策も取らなければならない。こうした送電網の安定化させるための費用は前回の試算には含まれてないため、座長の山地氏は「系統(送電網)安定化の費用は重要だ」と指摘。その上で、再エネの発電コストに含める(ここまで朝日新聞)といっているのです。
この座長の山地さんとはどこのどなたなのでしょうか。
山地 憲治氏 公益財団法人 地球環境産業技術研究機構の理事です。つまり、このワーキンググループの座長が電力会社の傀儡なのです。そんなグループがまともな議論が出来る訳がないではないですか。なぜ、そこの矛盾を朝日も毎日も指摘しないのか私は実に不思議です。記者が知らなかったはずはありません。資料などは持っているはずですし、1月29日の衆議院予算委員会で馬淵澄雄衆議院議員が「このワーキンググループはやらせだ」と噛みついていたのです。(詳しくは下記をご覧ください)
こんなやらせ委員会をさも民主的な形で専門家による議論が行われているというような振りをさせて、またまた安倍政権は国民をだまそうとしているのです。
つまり、何としても原発のコストを8.9円から1円でも引き下げるための工作をこのワーキンググループで始めたのです。

どんなに繕っても原発の発電コストはどんどん上がっているのを誰も隠せはしない

困ったことに安倍政権と経産官僚は国民をウソで騙せると本気で考えているようなのです。本当に国民もバカにされたものです。しかし、これまではマスコミはちゃっかりだますことが出来ていました。いえ、いまでも多くのマスコミや御用学者や経済界の人間は騙されているのか騙された振りをしているのかは分かりませんが、騙されています。「原発は安い」と。しかし、少なくとも311以後の私たち普通の国民は騙せません。
イギリスは原発の価格保障制度の導入で1kwh当たりの購入保障価格は15円というのです。米国は原発のコストがドンドン上がるので原発は廃炉が進んでいるのです。それなのにこの国だけは「何が何でも原発は安い」のだそうです。この国の政府が狂っているのか、それとも私たちがおかしいので気づかないだけなのでしょうか。
電力完全自由化すれば、そんな公的な価格検討委員会などという煩わしい会議など行わなくても経営者が皆知ってますよ。高いコストで発電してたんじゃ、その会社は倒産してしまいます。ところがそれが日本はそうじゃないのですがね。何とかごまかして、原発ムラの利権を残そうと今彼らは必死に最後の悪あがきをしているのでしょう。






<国会>「発電コスト検証ワーキンググループ」委員構成が電力業界寄り
まさのあつこ | ジャーナリスト
YAHOOニュース2015年2月3日

資源エネルギー庁で審議が始まった「長期エネルギー需給見通し小委員会」の下に設けられた「発電コスト検証ワーキンググループ」(以後、WG)の委員構成が電力業界寄りではないかと問う質疑が衆議院予算委員会で行われた。
WGは、エネルギー基本計画を具体化のプロセスで、電源ごとの発電コストを検証することになる。1月29日の衆議院予算委員会で質疑を行ったのは、馬淵澄雄衆議院議員(民主党のネクスト環境・原発事故収束及び再発防止担当大臣)。要点は以下の通り(一部敬称略)。
馬淵:WG委員7人のうち座長を含む2人までが(公財)「地球環境産業技術研究機構」(RITE)からだ。RITEへの出捐(出資)企業には電力関係は含まれいるか。

有村治子・内閣府特命担当大臣:電気事業連合会、電源開発株式会社、日本原子力発電株式会社、沖縄電力株式会社の4社が含まれている。

馬淵:RITEの評議員・役員には電力関係は含まれているか。

有村:関西電力株式会社の顧問、取締役常務執行役員の肩書きを確認している。

馬淵:RITEは(電事連が入っているので)国内の主な電力会社が実質的に出資者である。電力会社と極めて密接な関係がある研究機関ではないか。RITEは経産省やNEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の受託業務を行っている。人数が少ない、極めて重要なコスト検証を行う中で、所管する経産省と極めて近い関係にある機関から2名が入って検証を行う。これで本当に議論の公益性が保てるのか。現在の委員構成を見る限り電力側に寄った構成であると言わざるを得ない。

宮沢洋一・経済産業大臣:RITEは1990年に地球温暖化問題に関する核心的技術開発に関する研究機関として設立され、電力だけではなく金融、鉄鋼、電器、エネルギーの電気、ガスからも広く出捐金をいただいている。現在は公益財団法人で公益性が高い。お一人は前回の民主党のコスト検証にも参加された方、座長は東京大学の名誉教授で電力全般の第一人者。李下に冠を正すようなことはない。 

原発コストには核燃料サイクル、原発事故リスク対応費他も加味
馬淵議員は、この後、原発の発電コストは、かつて核燃料サイクル、原発の事故リスクへの対応費用が加味されないまま「安い」とされてきたが、今回はそれらに加え、国が負担している立地費用、研究開発などの政策経費も、民主党が政権時代に2012年までにコスト検証を行った時のように加味するかと確認。宮沢大臣は、「具体的にはWGでやっていただくが、おっしゃった方向で検討されるものと思う」と明言した。

RITEが行った試算の事故確率は「10万炉年に1度」
続いて、馬淵議員は、WG座長が研究所長を務めるRITEが昨年10年に出した報告書では、原発事故リスク費用の試算に使われた事故確率は「10万炉年に1度」、すなわち、日本では2000年に1度、世界では230年に1度しか過酷事故は発生しないという想定で、リスク費用はほとんどゼロ円だと考えていると指摘。

これに宮沢大臣は、「安全神話に陥ってはいけない」と答弁。馬淵議員が、「今回のWGのコスト検証は、そのような方向にいかないと大臣は考えている」のかと再確認すると、大臣は「最終的には委員が議論するが、12年の(民主党の)検証と異なる考え方となる方向にはいかないと思っている」とした。

安倍首相は安全神話からの決別を答弁
質疑の冒頭で、馬淵議員は安倍首相に「安全神話と決別する決意」を確認した。安倍首相は、「福島第一原発の過酷事故は安全神話に寄りかかっていたと言わざるを得ない。事故は起こりうる。起こりうる事故の中においていかに国民を守るか。危険から守りうるかという視点が一部欠落していたと言わざるをえない。これからは安全神話から決別をした中にあって安全対策を構築していかなければならない」と答弁した。

●審議はインターネットで視聴が可能。
●公益財団法人地球環境産業技術研究機構 関係資料
by nonukes | 2015-02-19 15:20 | 電力自由化 | Comments(0)

電力自由化で新エネ電力を買う人から原発廃炉費用を徴収する?

電力自由化で新エネ電力を買う人から原発廃炉費用を徴収する?
小坂正則
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これまで国も電力会社も「原発の電気は一番安い」と言ってきた。「一番安いから原発を進める」として、この地震列島に50基以上も作り続けてきた。しかし、私たち消費者は、電力会社が安いといっても、それが本当かどうかの真実はなかなか分からない。安いか高いかは実際には競争のない地域独占の電力事業だから、「原発は安い」というウソがまかり通っていた。
いや、ちょっと違うかもしれない。「原発は発電コストは高いが一番儲かる」が本音だったのだ。電力会社は発電コストが高いか安いかなど、二の次で、一番利益を上げられる発電をやって、とにかく儲けたかったんだ。だから電力会社は「原発は一番儲かる」から進めるというのが真実だったのだ。
しかし、2016年から「電力自由化」が始まるというので、電力会社は慌てふためいている。まず、電気事業連合会の会長の八木関電社長はちょうど今から2年前の13年2月16日「設備投資が巨大で長期に渡って投資を回収しなければならない原発は電力自由化では国の支援がなければ原発の建設は不可能」と本音を言った。
自由化になれば、これまで儲かる仕組みだった「総括原価方式」が廃止されて、自由競争で自動車や冷蔵庫や携帯電話を売るように、1円でも安く機能のいいところのものしか売れなくなる。しかし、電気は見た目には見えないし、携帯のように違いが何もない。あるのは価格と、何で作っているかの違いだけだ。いうなれば、企業イメージによって売れるか売れないかが決まる可能性がある。「少々高くても再エネ電力の方がほしい」という顧客も必ずいるだろう。
だから、完全自由化になれば既存のダーティーなイメージの電力会社は間違いなく販売量が大幅に落ちるだろう。しかも、これまで儲かるからと、コストの高い原発に利益を上乗せして売るにはガスや石炭火力に比べたら割高になることは分かり切っている。

電力自由化を骨抜きにする攻撃が始まっている

まずその第一段は「会計ルールの見直し」だ。これまでは発電所を廃炉にすれば、資産価値はゼロになるのは当たり前で、1基あたり約210億円の資産が失われることになる。そこで、資産を10年間でゼロにするように会計処理できるようにするというが、わずか210億円くらいで債務超過になるのだろうか。
そしてこれが一番のくせ者なのだが、電力自由化で売り買いされる電力の全てに一定の金額を上乗せして、その金を廃炉の会社に与えるというのだ。つまり、私は再エネ電力会社と契約して電気を買ってるのに、原発の廃炉負担金を支払わなければならないというのだ。そんなバカなことがあろうか。それじゃあ「電力自由化」した意味がないではないか。自由化なのだから、原発の廃炉費用は原発を持ってる会社が支払うのは当たり前だし、廃炉費用を電気料金に上乗せして、そこの会社の電気を売ればいいではないか。それが自由主義の国のルールだし、市場主義のルールだ。日本はいつから社会主義になったんだ。
しかし、それだけでは終わらない。今度は「新規原発の建設を進めるために、そのコストを全消費者で負担しよう」というルールも電力自由化の中に入れ込むというのだ。
つまるところ、安倍政権は自由化を骨抜きにして「原発を基幹エネルギーとして未来永劫に使いたい」とうのが本音なのだろう。だったら、自由化など言わなければいいが、ここは規制緩和やOEC加盟34カ国で日本とメキシコしか自由化してないという批判をかわすために見せかけの自由化で茶を濁そうとしているとしか、私には見えない。
「電力会社も自由化になれば、発電部門なんか利益を生む商売じゃないから送電部門を持って、発電部門は売り払ってもいい」が本音なのだろう。だから、何としても送電部門を子会社化してそこから利益を生み出そうと狙っているのだ。
これから電力自由化が実現するまで、様々な駆け引きや裏工作が行われるだろうが、公明正大なルールの元での市場取引と消費者が自分の好きな電力会社の電気を自由に買うことができる社会になってほしい。もし、日本の既存の電力会社に自由化や再エネ電力の大幅な導入が無理なら、ドイツやスペインの電力会社に来てもらったて電力事業をやってもらおう。彼らEUの電力自由化の中で鍛えられた会社は素晴らしい実績がある。私たち消費者が声を上げ続けなければ姑息な官僚と電力会社によってまんまと、とんでもない方向に電力自由化はねじ曲げられるだろう。
by nonukes | 2015-01-15 13:27 | 電力自由化 | Comments(0)

安倍政権の「ヘソで茶を沸かす」チャンチャラおかしな原発回帰のエネルギー政策

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安倍政権の「ヘソで茶を沸かす」チャンチャラおかしな原発回帰のエネルギー政策
小坂正則

14日の総選挙は投票前から自民党圧勝とマスコミは報じていたので、誰もビックリはしなかったのですが、結果は案の定の衆議院議席を自民・公明で2/3確保しました。そして、選挙が終わるのを待っていたかのように電源開発は青森県の大間原発の安全審査を規制庁に出すという手際のよさや、原子力規制委は再稼働に向けた高浜原発の安全性を認めたりと、続々と安倍政権の本性を現すエネルギー政策が出されてきました。
「安全な原発は全て動かす」と、いってたのですから、川内原発を筆頭に次々に既存の原発を動かすというのは、今さら驚きもしないのですが、「新規原発も原発建て替えも行う」とか、「原発が動き出したら太陽光発電の電気は買わない」とか「原発廃炉費用は電力自由化の中で均等に負担してもらう」とか、終いには「建て替え費用の保証は新電力会社からも徴収する」と、これほどあからさまに、恥も外聞も捨てて全面的に原発優先のエネルギー政策を進めるというのも、やはり、この方ちょっと頭がおかしいのではないかと疑うしかありません。しかし、安倍首相に寄り添って、インチキエネルギー政策をもっともらしく進める官僚の皆さんの頭脳構造を私は理解できません。経産省の官僚と御用学者などの皆さんは恥ずかしくはないのでしょうか。

再エネの買い取り条件の大幅後退は実質太陽光発電事業の終了宣言

今年の9月25日に突如として九電が発表した「固定価格買い取り審査一時保留」宣言で、再エネ業者の間で大混乱が起こりましたが、やっとその方向性が見えてきました。これまでは再エネは優先して電力会社が買い取るという条件だったのですが、それをやめて、「電力が余るような時には無条件で系統を切る」という契約を結ばなくてはならないのです。しかも九電の受け入れ量は残り2万キロだとも言っています。これまで繋がっている分が401万kwで、9月末までに承認済が414万kwで、合計815万kw。そして九電の受け入れ上限は817万kwなので、残りは2万kwしか受け入れられないというのです。しかし、申請保留が1071万kwも残されたままなのです。
この受け入れ可能量の算出には廃炉予定の玄海原発1号機の55.9万kwも動くことを前提にして計算しているというのですから笑わせます。また、これから九電が天然ガス発電や石炭火力発電など作っていけばどんどん受け入れ枠は狭まっていき、系統を切る太陽光発電が増えてくる可能性もあるのです。九州では、もう誰も太陽光発電を設置する人はいなくなるでしょう。ふざけたことに、10kw未満の家庭用も、無条件で切るというのですから、家庭用の太陽光発電の需要も九州では冷え切ってしまうでしょう。家庭用の太陽光発電は自家諸費した残りの剰余電力ですから、そんなものは少なくとも含めるべきではないでしょう。
国が試算した買い取り上限枠は太陽光発電が1741万kwだそうです。その全てが稼働したとしたら、太陽光発電が全電力に占める割合はわずか4.2%です。それ以外を合わせても5.5%です。現在の再エネの割合が2.2%ですから、わずか2倍ちょっとしか増えなくても、もう一杯だと政府は言うのです。ちなみに2012年のスペインは22.5%、ドイツは18.9%も再エネが占めているのです。国も電力会社も恥ずかしくはないのでしょうか。
安倍首相は言うでしょう。「皆さん日本は島国だからドイツのように、お隣のフランスから原発の電力を買うようなことは出来ないのです」と。「だから日本は5.5%の再エネ導入が天井です。後は安定して低廉の原発に任せてください」と。
しかし、「日本が島国で隣の国ら電気を買えない」というなら、「福岡から韓国へ海底ケーブルをつなげたらどうですか」と提案しましょう。孫正義さんによると、日本の海底ケーブル会社は談合していて高額な金額を要求するそうですが、イギリスの会社に頼めばわずか600億円で海底ケーブルを敷設できるそうです。それとも電力自由化になったらドイツやスペインの電力会社に来てもらって電力事業をやってもらうという手もありますね。いっそのこと政府の運営もドイツに任せた方がいいかもしれません。

電力自由化になったら原発の廃炉費用を新規参入電力会社からも徴収する?

さて、朝日新聞の12月17日の新聞に「廃炉費用料金上乗せ継続、経産省方針電力自由化後も」という記事が載っていました。何と、「自由化して送電線を自由に使うことが出来るようになる2016年から新規参入の電力会社の送電線使用料金の中に廃炉費用の金額を上乗せして徴収する」というのです。既存の電力会社は電気料金には廃炉費用も上乗せして消費者から徴収していますが、電力自由化になれば、新規参入電力会社には当然のこととして原発を持ってないのだから廃炉費用など取る必要はないわけです。すると、既存の電力会社は廃炉費用が上乗せするから適正な競争ができなくなるとのたまうのです。それはおかしいですね。原発は火力よりも水力よりも発電コストは一番安いはずではなかったのですか?一番安い原発の廃炉費用をなぜ、コストの高い新規参入電力会社が負担しなければならないのですか。原発は廃炉費用も核のゴミ処分費用も事故対策費用も何もかも含めても一番安いと電力会社も御用学者も政府もマスコミも言ってたではないですか。いえ、今でも安倍首相は言ってますよ。

廃炉費用の徴収で驚いていたんじゃ序の口。新規原発建設費用も送電線使用料に紛れ込まそうと

この廃炉費用、実は一部自由化されている現在すでに徴収されているのです。だから業界の関係者にとっては別に驚くことでもないのです。しかし完全自由化すれば、それはやめさせなければならないというのが正論です。しかし、これくらいで驚いていたのでは経産省の小ずるい悪官僚や安倍晋三の悪巧みの序の口に過ぎないのです。本命は原発による発電単価の価格保証制度です。この話は10月5日の私のブログに詳しく書いてます。資源エネ庁の原子力小委員会で、経産省の担当官僚が「この制度はイギリスで導入される1つの案です。決して日本で導入しようというわけではありません。1つの参考資料として目を通してもらえたらうれしいです」と言って配ったそうです。しかし、毎日新聞の12月18日朝刊1面に「原発建て替え検討 廃炉と同時に」という内容で出ていました。
「安倍首相は原発再稼働を推進する一方、国民の批判を懸念して、衆院選の公約でも原発の新増設や建て替えの可否について明言を避けてきた。」と、伝えています。
明らかに争点隠しで、選挙を乗り切って、選挙で大勝ちしたのだから「安倍首相のやることは全て信任された」と思っているのでしょう。
新聞では「安倍政権が掲げる原発依存度を可能な限り低減させる』方針を達成させるためには、『廃炉に見合う供給能力の取り扱いを含めた原子力の将来像を明らかにしなければ電力会社や立地自治体が廃炉を判断しにくい』」と、わけの分からない説明をしている。立て替えを全てに行えば原発の依存度は減らないわけだから、「可能な限り低減させる」というのは真っ赤なウソになるではないか。実は安倍首相の本音は「原発は可能な限り減らさない」であり、「出来たら原発を増やしたい」なのです。
新増設とリプレイスするためには、イギリスが取ると言われている「原発の買い取り価格保証制度」の導入がなくてはならない制度だったのです。

電力自由化は真っ赤なウソ。政府は自由化などする気は微塵もなかった

イギリス政府は新規の原発建設を決定しました。その理由は、原発の電気が高くても、イギリスは核兵器を持っているために原発と核産業を維持しなければならないという宿命があるからです。電気が安いか高いかなど二の次なのです。価格保証制度というのは市場で売り買いされる電気料金が下がって原発の発電原価以下になった場合には原発の基準価格の差額を保証するという制度です。イギリスの基準価格が1kwあたり16円だといのです。日本政府はフクシマ以後の原発の単価は8.9円と言ってますが、イギリスでは2基の建設費が約245億ポンド(約4兆2630億円)なのです。だから価格保障しなければ原発は自由化競争には太刀打ち出来ないのです。何でそんなに発電単価が上がったのかと言えば、その理由はコアキャッチャーに2重の原子炉格納容器などを新設するからです。
しかし、2016年の「電力自由化」後には廃炉費用を全員に負担してもらいますやら、新規原発の価格保証のために各電力会社はその分のお金も一律に課金しますなどしたら、そんなのは自由競争ではありません。「最初から原発だけを有利にしておいて、さあみなさん自由競争してください」と言っているようなものです。それに太陽光発電と風力のこれ以上の拡大はさせないという大きな歯止めまでかけたのですから、これはもう笑止千万です。
安倍政権は資本主義の自由競争原理をことごとく否定しています。この方、天皇を奉った軍事独裁政権を作って、その中で自分の好きなNHKの番組だけを流して、ネオナチのお友だちと一緒に内閣を作って、いつでも隣国と戦争できる強い国を作ろうとしているのでしょう。やはり安倍晋三はお隣の北朝鮮の金さんと脳内構造がそっくなようです。市場による自由競争という資本主義と個人の自由を守るためにも安倍政権を1日も早く倒さなければ、このままではこの国は本当に世界から取り残されてしまうか、国が終わってしまいかねません。



経産省:原発建て替え検討 有識者会合の中間整理案
毎日新聞 2014年12月18日 

 ◇建て替えは「老朽原発廃炉と同時に新たな原発建設する手法」

経済産業省は17日、原子力政策の方向性を議論している有識者会合で年末にまとめる中間整理の中に、原発の建て替え(リプレース)を検討事項として盛り込む方向で調整に入った。安倍政権は原発再稼働を推進する一方、国民の批判を懸念して、14日投開票の衆院選公約でも原発の新増設や建て替えの可否について明言を避けてきた。総選挙直後に突然、原発建て替えの検討を始めることで「選挙での争点隠し」との批判を浴びる可能性がある。
中間整理をまとめるのは経産省の総合資源エネルギー調査会原子力小委員会。中間整理案では、安倍政権が掲げる「原発依存度を可能な限り低減する」方針を達成するためには、「廃炉に見合う供給能力の取り扱いを含めた原子力の将来像が明らかでなければ、電力会社や立地自治体が廃炉を判断しにくい」と建て替え了承の必要性を指摘。今後の原子力政策で「留意する必要がある」とした。
建て替えは、老朽原発の廃炉と同時に新たな原発を建設する手法で、中間整理案は「廃炉に見合う供給能力」と直接的な表現を避けつつ、原発の建て替えに触れた。再稼働手続きで先頭を走る九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)では原子力規制委員会による工事計画の審査が続いており、「原発が1基も再稼働していない中、原子力規制委の頭越しに直接的な表現では建て替えの話を持ち出しにくい」(関係者)との判断があったとみられる。
政権は原発依存度の低減に向け、2016年7月に運転開始40年超となる関西電力美浜原発1、2号機(福井県)など7基の廃炉の早期判断を促している。しかし廃炉になると立地自治体に支払われる「電源3法交付金」が打ち切られ、立地自治体などから廃炉後の経済支援や原発建て替えを求める声が上がっていた。
原発建て替えを巡っては、中部電力が08年に浜岡原発1、2号機の廃炉とともに決定した6号機の新設計画が中断。また、福島第1原発事故以前は、関電美浜1号機の建て替えや、日本原電敦賀原発3、4号機(福井県)の新増設が検討されていた。政府が建て替えを認めれば、こうした原発の建設計画が動き出すとみられる。【中井正裕
by nonukes | 2014-12-20 20:58 | 電力自由化 | Comments(0)

九電による電力買取一時中断発表の大騒動は一体何だったのか

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記者会見する九州電力の平田宗充常務執行役員=21日午後、福岡


九電による電力買取一時中断発表の大騒動は一体何だったのか
小坂正則

九州電力が9月24日に記者会見で「再エネ電力の受付と回答保留」を発表して、九州管内で10月1日以降に行った説明会には、どこの会場にも溢れんばかりの人が押し掛けて、マスコミや世論の大きな関心を集めた事件となった「固定価格買い取り制度」だったが、昨日、九電は9月24日までに申し込んだ、小規模の太陽光発電施設である低圧連携分は窓口を再開すると発表したものです。
それなら9月24日の発表時点で、初めからそのように分けて発表しておれば何の混乱も起きることはなかったのです。このような混乱を起こして、あとで火消しに躍起になる九電の失態と無能ぶりは今に始まったことではないのですが、悲しくなってくるほどに中身のない対応でしかありませんでした。
私はこの件について10月10日に九電本社のお客様本部に電話で問い合わせました。「50キロ未満の低圧連携の申し込み件数と全体量はどれくらいなのか」と。すると、「それぞれの施設の規模と件数は把握していませんが、低圧と高圧の件数と規模は分かります」と、クリモトと名乗る社員は説明しました。「7万件の応募の内、68000件が低圧連携で、その規模は約300万kw。高圧は3000件で850万kwだ」と。
しかし、昨日の九電の説明では「50kw未満の太陽光発電が再開したのは1万1129件の計32.1万キロワット。再生エネの種類別では大半が太陽光で、風力や地熱、小水力が計5件ある。残る50キロワット以上の大口案件など約56000件、約1154万kw分は、今月16日に始まった経済産業省の有識者会合の結論を待って、年内にも受け入れ方針を示す」というものです。クリモト氏の説明と大きく異なる理由は大規模施設を50kwごとに分割して申し込んでいる方が53000件で270万kw(1件当たり50kw)ということなのでしょうか。大規模施設を作って、高圧変圧器を設置しなくて低圧で売電するなど邪道な方法です。そんな法律の網の目をくぐり抜けるような不当な売電を認めた経産省が悪いのです。一般的な小規模事業者の慎ましい太陽光発電施設は1件あたり、わずかの28.8kwと小さな施設だったのです。

小規模太陽光発電は最初から系統連携には何の問題もなかった

つまり、九電や経産省は9月24日の時点で「50kw未満を除く、メガソーラーと大規模施設を分割して小規模施設のようにカモフラージュして申し込んでいる者の買い取りは一時中断する」と発表すればよかったのです。
九州管内のでは新築の家を作った方で、10kwを越える太陽光発電を設置したオーナーが1200件あったそうです。彼らは新築の家が出来たが、電力を売れないままローンを払い続けていると新聞記事にありました。そのような50kw未満の小規模施設の方11129件の申し込みは問題なく再開することが出来るようになったのですから、これで大企業の太陽光発電メーカーは別として中小零細企業が倒産するようなことは回避されると思います。
そして、わずか32.1万kwの系統連携で、全体量が330万kwに達しても何の問題を起こることはないでしょう。

メガソーラーなど大規模太陽光の買い取価格は大幅に下げるべきだ

小規模施設の問題は解決したというよりも始めから何の問題もなかったわけですから、問題は大規模太陽光だけです。この高圧3000件850万kwと分割低圧53000件で270万kwの申し込み分だけが問題として残るのです。分割低圧は認めないという方針を国は出していますが、それは当然の変更要件でしょう。そして残りの56000件、1154万kwの買い取り価格は大幅に下げて、30円以下でもいいのではないかと私は考えます。そして、これは国も決めているそうですが、申し込んだ年の価格が保障されるのではなく、運転時の年の買い取り価格が20年間継続するというふうにすべきです。
また、3月に申し込んだ申請分も実際には動きだすのは今年度か来年度になるわけですから、その価格も動き出した時点の買い取り価格にすべきです。要はドイツのような国民負担が大きくなることは出来るだ避けて、国民負担を出来るだけ少なくて、その上で再エネを普及させる方法を模索して行かなければならないと思います。ドイツでは2011年に標準的な1家庭の負担が1000円で2012年には1500円。今年は1980円の国民負担へと高騰しているのです。
そして、負荷変動に対するバッテリーの設置や負荷調整運転の義務化など、設置者の責任とすることは当然のことでしょう。再エネの買い取り費用を国民が払うのか大企業が払うのかという問いへの回答は自ずとハッキリしています。それは大企業が払うべきなのです。そして、価格競争を作り出すことによって、コスト削減が実現して、ドイツのように13円から20円でも利益が出るようにコスト削減競争が起こり世界中に太陽光発電が普及するのです。そうなれば原発など自然に淘汰されてしまいます。



九電、再生エネ小口買い取り再開 出力50キロワット未満 
【共同通信】2014/10/21

九州電力は21日、再生可能エネルギーの買い取り手続きを中断している問題で、出力50キロワット未満の小口について買い取り手続きを再開すると発表した。再開対象は、中断を発表した9月24日までの申し込み分に限定。中断に事業者の不満が大きかったことを受け、発電規模の小さい一部の申し込みは電力の安定供給への影響が比較的少ないと判断し一部再開を決めた。
今後手続きが進められる件数は1万1129件、発電容量は32万1千キロワット。50キロワット未満の太陽光の場合、一般住宅やマンションなどの屋上のほか、遊休地に取り付けられる例が多い。
by nonukes | 2014-10-22 12:13 | 電力自由化 | Comments(0)

天然ガスパイプライン敷設はエネルギー革命を引き起こす

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天然ガスパイプライン敷設はエネルギー革命を引き起こす
小坂正則

10月15日の日経新聞に「 ロシアが日ロ間にガス管建設提案」という下記の記事が載っていました。ロシアから北海道を通って日本へ天然ガスパイプラインを引こうという提案です。これまで何度となく「サハリン北海道パイプライン計画」の話は出ては消えてきた話です。なぜ幻のパイプライン構想なのかというと、どうもこの話には米国の影がちらついてくるからです。鈴木宗男氏が政治家のころ、彼が訴えていた構想なのですが、外務省の中に北方領土2島先行返還論を潰したのも米国だったという説もあるからです。北方領土2島返還論を米国と親米派の外務省官僚が潰したと言う話は孫崎亨さんの「戦後史の正体」を読んでもらえればよく分かることです。戦後日本の政治家と官僚にはCIAによってコントロールされてきた歴史があるのですが、2島返還によりソ連と日本の関係が改善されることは、米国にとって非常に迷惑な話だったからです。日ソがいがみ合うことが米国にとっては、日本を従属国にしておくためには必要条件だったのです。それは今でも続けられています。韓国・中国と日本がいがみ合うことは米国にとっては好都合なことなのです。米国は双方の国にいい顔が出来るからです。これらの話は元外務相の官僚の孫崎さんの説ですから、それが全て正しいかどうかは分かりません。このような説があるということと、非常に論理的で「米国による日本統治」の理にかなっていると私は思います。
しかし、ロシアはウクライナ問題により西側諸国から孤立状態で、EUに送っている天然ガスの売り上げが減っています。そこで、世界一の需要国の日本に天然ガスを売り込んめば、EUを牽制出来るし、アメリカのシュールガスにより、天然ガス価格が大きく値崩れを起こしている現状に対して、世界のシェアを多く持つことで天然ガスの価格決定力を有利にしたいという思惑もあるのです。

ロシアの天然ガスパイプラインを引くことの意味は大きい

これまで日本は中東やロシアから天然ガスを現地で液化してタンカーで運んできていました。しかし、そのためEUや米国の天然ガス価格の2倍ほどのコストがかかっていたのです。その費用は年間7兆円(2013年度)です。価格も100万BTUあたりEUが約10ドルに比べて日本は17ドルと7割もコストがかかっているのです。もし、UEの価格で天然ガスを購入できたら年間3兆円も燃料コストが安くなるのです。それどころかEUに比べて天然ガスパイプラインの敷設距離は半分以下で済みますのでEUよりも安く購入できるでしょう。ただ、問題はロシアに極端に依存した場合、この国は足下を見て、値上げしてくることが考えられますので、全てをロシアに依存することは危険ですが半分を購入することなどは大いに考えられるでしょう。
そして、ロシアから天然ガスを輸入する大きな意味は、天然ガス発電コストが現在、9円から10円ですが、これが6円から7円に下がるのです。原子力が8.9円という国のいう価格に比べても大幅な低減価格で発電できるようになるのです。また、今日ガスコンバインドサイクル発電は62%という発電効率を達成していますので、この発電所ではもっと発電コストは下がるでしょう。また、コージェネを利用して需要のある場所で発電と熱を両方利用すれば発電コストはもっと下がり、1kwあたり5円なども決して夢ではありません。そうなればますます既存の電力会社は原発を動かす根拠がなくなってしまうでしょうし、電力販売競争に負けてしまうからです。なぜなら、これまでガス単体を売っていたガス会社がコージョネ発電を始めて、コストの安いガスを使って電力と熱を一緒に売ることが出来て電力会社への大きな驚異となるのです。

食糧・エネルギー安保は国防に勝るとも劣らない重要な安全保障


安倍首相は米軍払い下げのP3Cを数千億円も出して購入したり、欠陥ヘリのオスプレイを買ったりして集団的自衛権の行使が出来ると憲法の解釈改憲で自衛隊の武装強化に積極的ですが、国を守るということは武力だけでは守れません。国民の安全はまず第一に食糧の確保とエネルギーの確保です。その次に防衛力の確保でしょう。しかし、日本政府や経済界はTPPで日本の農業を米国に売り渡そうとしたり、米国のシェールガスに大いに依存しようとしています。フランスやドイツが農業を重視するのは食糧の安全保障を考えているからです。国家間の緊張が起こったら、まず最初に農産物とエネルギーの輸出がストップするからです。戦争はその後です。日本の農業受給率39%と言われていますが、農業を支える肥料の大半が輸入に頼っているという問題などもあるのです。
そしてエネルギー安全保障についてですが、ロシアから天然ガスのパイプラインで輸入するという案は米国依存のエネルギー政策から抜け出す意味でも重要です。ただ、ロシアをどこまで信用するかとい問題も含めて、出来るだけ多くの国から輸入できる体制を残しておくことも重要なことです。
そして国内での再エネの使用率を高めていけば化石エネルギーの削減につながり、海外に逃げ出していたエネルギー支出の円が国内で回るようになり、それによって地域に新たな雇用が生まれ、最終的にはエネルギー安全保障にもつながるのです。





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ロシア、日ロ間にガス管建設提案 宗谷海峡経由で
2014/10/15 日本経済新聞 

 【モスクワ=田中孝幸】ロシア政府がサハリンと北海道をつなぐ天然ガスパイプラインの建設を日本側に提案していることが明らかになった。欧米の対ロ制裁が強まる中、日本との経済関係の拡大を目指すプーチン政権のアジア戦略の一環だ。実現すれば日本と他国を結ぶ初のパイプラインとなる。日本政府は外交面の影響も見極めて対応を決める方針だ。
 複数の日ロ外交筋によるとロシア政府は9月、ガス資源が豊富なサハリンと北海道との間の宗谷海峡を経由する海底パイプラインの建設を日本側に提案した。11月10~11日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に予定される日ロ首脳会談の議題となる可能性があるという。
ロシアがパイプライン建設を提案した背景には日本に安価なガス供給をちらつかせ、ウクライナ問題を巡る先進7カ国(G7)の対ロ包囲網を切り崩す狙いがある。
ただ日本側にはウクライナ問題で米国とロシアの関係が悪化する中、新規のエネルギー協力に乗り出すことに慎重論もある。外務省幹部は「実施の可否はウクライナ問題や北方領土交渉の進展に左右される」と語る。
by nonukes | 2014-10-16 01:57 | 電力自由化 | Comments(0)

固定価格買取制度をより発展させて、日本を再エネ世界一の国にするために

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香港の学生たちによる雨傘革命といわれる道路占拠の模様


固定価格買取制度をより発展させて、日本を再エネ世界一の国にするために
小坂正則

私は今回の固定価格買い取り制度についていろいろな意見を述べてきました。前回書いたブログの「九州電力が「太陽光発電の電気買い取り」に待ったをかけた本当の理由とは」という文章へのアクセスが10月8日から昨日までの5日間で約8千件になりました。今日も見てくれている方がいますので、まだまだ増えると思います。重複して見てくれた方もいるでしょうから、それだけの人が目を通してくれたとはいいいませんが、FBの「いいね」が1800件です。それだけ多くの方が今回の買い取り中断の裏でなにが行われようとしているのかということに疑問を感じており、電力会社や安倍政権の意図に対して何らかの不信の現れだと思うのです。
しかし、太陽光発電設置業者やオーナーに取っては「大混乱と死活問題」なのでしょうが、これだけ大きな問題に発展したことで、国民の大きな関心を生んだとこは高く評価できると思うのです。
これまでに固定買い取り制度により太陽光発電が95%でその他は5%という太陽光発電ばかりのいびつな系統連携には問題があるにしても2年間で1000万kwの再エネが生み出されて、それへの国民負担が毎月225円で出来たのだということは事実として大きな成果だといえるでしょう。年間2700円で原発1~2機分の電力を供給してくれるのです。また3月までに申し込みの量が7000万kwということですから、その全てが設置されたら10機分の原発に相当するのです。ただ、それに伴う国民負担が毎月2000円となるという試算がありますので、要は買い取り価格をいかにして下げるかという問題だけなのです。この件については以前のブログを読んでください。
ドイツではすでに2012年の末にはメガソーラーの買い取り価格は1kwあたり15円です。日本も15円にするべきですが、来年から15円にすれば7000万kwにはならないにしても国民負担もわずかで、再エネが利用できる可能性があるのです。
このような大きな可能性を秘めた事実をもっと前向きに考えて、再エネを本気で取り組めば日本の再生に大きく貢献できる可能性があるのです。

地方再生は再エネによる農業と林業と観光との連携にかかっている

私は再エネの活動をこれまで10年以上にわたって取り組んできました。その大きな特徴は「木質バイオマスなどの再エネ活用で林業と農業と観光をリンクした地域再生が必要」と訴えてきました。日本には化石エネルギーはほとんど有りません。しかし、森林資源は世界3番目の率で、熱帯雨林地帯なので、水資源が豊富です。この水は稲作の元であり、小水力の資源でもあります。地震国ですから地熱が豊富です。温泉熱利用による再エネも豊富です。考えてみれば日本は再エネ世界有数の資源国なのです。おまけに四季のある日本列島は観光資源にも恵まれた自然の豊かな国でもあるのです。このような国土の豊かな資源を利用して地域再生に取り組めば、決して「この国も捨てたものではない」と私は思うのです。
政府も電力会社も今回の買い取り制度ではせいぜい今の1/10程度の応募だと考えていた節があります。しかし、不況下での投資先を見失ったマネーが、太陽光発電へ一気に集まった結果が示すように、いい意味にも悪い意味にも「お金が社会の方向を決める」のです。決して私たちの善意や意思だけでは社会を変えることは出来ないのです。田中優さんがいつも言ってるように「再エネを広めるには我慢と努力と忍耐など不要」なのです。
つまり、しっかりとした目標や展望を描いて、それへの到達のための制度を作ってしまえば、後はお金の流れが、私たちの社会を、いい方向に向かわせることができるのです。
そのための仕組みを少しだけ改良すれば、少ない費用で大きな効果を生み出すことも可能なのです。

どんな社会を私たちはめざすのかを国民的な議論を進めよう

安倍政権は原発輸出で経済発展を進めようと言ってます。それが原発海外輸出と武器の輸出などが安倍政権の第三の矢であるかのようです。そんな戦争経済に依存した日本をめざすのか、平和憲法を活かした「戦争をしない国」と再エネによる国土の建設で「世界の規範となる」のか、ここは大きな分かれ目だと私は思います。大飯原発差し止め訴訟で福井地裁の裁判長は「豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である」と言ったのです。
このようなすばらしい近代まれにみる判決文はめったにないと思います。私たちの生活が安全で安心出来ることこそが、全ての産業の基礎であり暮らしの元だからです。そしてそれこそが家族の幸せの最も大切な原点でもあるのです。戦争になれば三菱重工などの武器産業は一時的には潤うかもしれませんが中国の観光客は来ませんし、戦争で幸せになった市民などいないのです。
朝日新聞批判が蔓延して、NHKの国家支配が進んだことで、多くのマスコミは萎縮しています。だから、政府批判はほとんど聞こえてきません。私に言わせれば戦後最悪の「閉塞状況」だと思います。そんな逆境の中だからこそ、周りの自粛ムードや諦めの風潮に流されることなく、私たち一人ひとりが「しっかりした覚悟を持って」生きていかなければならないのだと思うのです。

諦めないで夢を持って進もう

自民党安倍政権になってこの間、私たちは特定秘密保護法案の強行採決や武器輸出の拡大や集団的自衛権の拡大解釈など、きな臭い話ばかりで、おまけに消費税の増税や社会保障費の増額に、年金の不安や少子高齢化などに、その上不況で非正規労働者は、「この国に生まれて何の夢も希望も持てない」と嘆き悲しんでいる若者や市民が多いと思います。でも、諦めないで、頑張って夢を持てるような社会を一緒に作っていこうではありませんか。私たちの想像力は私たちを自由にすることが可能なのです。
香港の学生や市民は自分たちの自由を守るために道路を占拠してたたかっています。皆さん彼らの社会変革を求めて行動するエネルギーはどこから来ていると思いますか。それはきっと「未来への夢と希望」だと私は思います。彼らは自分たちの住んでいる愛する香港という故郷を自分たちで作り育てるのだという「強い意思」を持っているから諦めないでたたかい続けることが出来るのだと思います。私たちも、311福島原発事故という歴史上最悪の原発事故を経験して、日本は大きく変わることができるんだという夢を持ち続けて、明るい夢のある未来を国民全体で描こうではありませんか。

福山哲郎(民主)参院予算委で再稼働の矛盾点と再エネの提案をしています


福山哲郎(民主)参院予算委「第5層をチェックする仕組みがないのに... 投稿者 suisinjya


週のはじめに考える “大転換”の風が吹く
東京新聞2014年10月12日

ドイツでは、再生可能エネルギーが急速に普及しています。かといって、電力が足りなくなることはなく、ものづくりも好調です。風は誰が吹かすのか。
今年ドイツでは、電力消費量に占める再生可能エネルギーの割合が、28・5%になりました。
二〇〇〇年には3%しかなかった風力や太陽光の電力が、25・1%の褐炭火力を抜いて電源別第一位の座に就いたのです=写真。
日本では、せいぜい2%程度しか、太陽や風の力を活用していません。ドイツでは、なぜ増えていくのでしょうか。
「そもそも、なぜエネルギーベンデ(大転換)が必要か」
ドイツ環境・建設・原子力安全省気候変動対策・エネルギー転換局長のトーステン・ビショッフさんは問い掛ける。
ドイツで公表された最新の予測では、二一〇〇年までに世界で二億人を超える人々が、地球温暖化による海面上昇に暮らしや命を脅かされる。中国だけでも五千万人、日本では千三百万人が影響を受けるという。
温暖化を食い止めるため、世界は行動を起こさなければなりません-。私たちの想像以上に欧州は、温暖化に対する危機感を強く共有しています。
「エネルギーベンデは、温室効果ガス削減の特別な道具です」とビショッフさん。
連邦政府が描く二〇五〇年までの温室効果ガス削減のシナリオには「再エネ電源を八割にする」と明記されています。
福島原発事故による連邦政府の脱原発政策が、再エネの普及を加速させました。
国として確かな目標を持つ-。このことがエネルギーベンデの大前提になっている。目標を実現するために、連邦政府は厳格なルールを掲げています。

◆再エネが奏でる主旋律

ビショッフさんはその原則を「再エネが主なリズムを奏で、他の電源がそれを補う」と表現します。送電線の中では再エネの電力が最優先、火力や原子力は常に、道を譲らなければなりません。
発電事業と送電事業は完全に分離され、送電事業者は再エネの電力を、決められた値段で無制限に買い取らなければなりません。
風力や太陽光は天候に左右されやすく、電源として不安定な面があるのは否めない。それを承知で再エネを電力の主役に据えたことにより、ドイツでは、ベースロード電源という考え方が、時代遅れになりました。
日本のエネルギー基本計画では、原発を維持する理由にされた、二十四時間、安定的に使える高出力の電源が、不要になるということです。その代わり、送電網の拡充と近代化が必要です。
再エネ電力の売り手の多くは、個人や小規模事業者です。
小規模で多様な電力をまとめ上げ、よりスムーズに家庭や事業所へ送り込むマネジメントが、送電事業者の役割です。高圧超電導ケーブルの開発など毎時、毎分、毎秒単位の需給調整が可能になるような、柔軟な送電網の確立にドイツは挑んでいるのです。
エネルギーベンデとは、電源の転換だけではありません。送電網も含めたエネルギーシステム全体の大転換を意味しています。
日本では、再エネの買い取り申請が増えすぎて、大手電力会社が受け入れを中断し始めた。
不安定な再エネ電力が送電線に殺到すると、周波数が乱れ、停電を引き起こす恐れがある…。ドイツではできない言い訳です。
もう一つ、エネルギーベンデに欠かせないのが、電力消費者の理解でしょう。
再エネの買い取り料金が賦課されて、家庭の電気料金が値上がりしたのは確か。ところが世論調査では、ドイツ市民の九割以上が惑うことなくエネルギーベンデを支持しています。石油やガスを輸入しなくていい社会、原発事故や温暖化の心配がない未来への投資だと、割り切っているからです。

◆市民が何を選ぶのか

ビショッフさんに「政府の意思と国民の選択が、成功の秘訣(ひけつ)でしょうか」と聞いてみました
ビショッフさんは、にっこり笑って言いました。
「ドイツでも四年に一度、連邦議会の選挙があるからね」
風車へ風を送るのも、太陽光に光を当てるのも、結局は私たちだということです。


大規模太陽光:参入凍結 経産省検討、電力量を制限
毎日新聞 2014年10月11日 

 ◇買い取り停止相次ぎ

 電力会社が太陽光など再生可能エネルギーを一定価格で買い取る「固定価格買い取り制度」を巡って、九州電力など電力5社が新規受け入れを停止した問題で、経済産業省は11日、大規模な太陽光発電の新規認定を一時停止する検討に入った。既存の太陽光発電事業者の新増設も凍結するなどして、太陽光発電に集中している再生エネの供給量を制限する。15日の同省審議会で固定価格買い取り制度見直しの具体化に入り、年内に方向性をまとめる。
 福島第1原発事故を踏まえて、政府は再生エネの導入推進を掲げてきた。固定価格買い取り制度は再生エネ発電への新規参入を促す柱と位置付けられてきたが、抜本的な見直しを迫られ、制度設計の甘さを露呈した格好だ。
 経産省は、固定価格買い取り制度を2016年度から見直す方向で検討を進め、改正法案を15年度に国会に提出する方針。政府による再生エネの認定量や買い取り額に上限を設ける総量規制や、太陽光発電の買い取り価格を引き下げるなどの見直しも検討している。認定済みの再生エネ設備の稼働を優先し、小規模な住宅用の太陽光発電の認定も継続する方向だ。風力や地熱など再生エネ全体のバランスを図る狙いもある。
 「固定価格買い取り制度」が導入された12年7月から今年6月までに政府の認定を受けた再生エネ設備の出力は計7178万キロワット。うち大型の太陽光発電(出力10キロワット未満の住宅用以外)は6604万キロワットと約9割を占める。風力や地熱よりも事業開始手続きに時間がかからないため、再生エネの新規参入事業者は太陽光に集中してきた。
 新規事業者には送電網がなく、大手電力各社が買い取りを義務付けられてきた。だが、電力各社は認定された電力をすべて受け入れると、管内の全需要を上回り、需給バランスが崩れて周波数や電圧が乱れ、大規模停電や発送電設備の故障などにつながりかねないと主張。九州のほか、北海道、東北、四国、沖縄の各電力会社が再生エネの新規受け入れを停止し、再生エネの事業者に混乱が広がっている。【中井正裕】

 【ことば】固定価格買い取り制度(FIT)

 電力大手に再生エネ発電電力の買い取りを義務づける制度。東日本大震災後、再生エネの拡大を図るため、2012年7月に導入された。政府が認定した太陽光や風力などに1キロワット時当たりの買い取り単価が設定され、電力会社が最長20年間一定価格で買い取る。単価は年度ごとに見直される。買い取り費用は電気料金に上乗せされている。
by nonukes | 2014-10-13 19:08 | 電力自由化 | Comments(0)

九州電力が「太陽光発電の電気買い取り」に待ったをかけた本当の理由とは

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ドイツの再エネ電力買取価格の推移(メガソーラーは安く買い取る)

九州電力が「太陽光発電の電気買い取り」に待ったをかけた本当の理由とは
小坂正則

今日はちょっと視点を変えて、この問題を別の角度(事業者と電力会社と政府)から見てみたいと思います。というのもサニックスという会社が太陽光発電の販売をやってます。以前はシロアリ駆除の会社だったのですが、いまはシロアリなどほったらかにして、太陽光発電の生産から販売までの一貫企業として九州では最大の太陽光発電企業にのし上がってきました。わずかこの2年間のことです。そしてその営業戦術は至ってシンプルです。新聞全面広告を定期的に打つだけなのです。営業マンによる無差別の個別訪問などしないのです。この会社以前は戸別訪問もしていました。シロアリの駆除のついでに太陽光発電を売っていたのです。でも、そんなことで売れる量などたかがしれていたのです。それが全面広告出したら、興味のある顧客から問い合わせの電話が殺到して、対応に応じられないという悲鳴が聞こえてきたものです。私も1年半前に電話して「説明してほしい」と問い合わせたのですが、「いつ行けるか約束はできません」という回答でした。それほどの人気が出ているのです。
それもそのはず、業界の常識を覆す価格破壊の料金を提示したからです。その結果、中国製のパネルに日本製のインバータというのが50kw未満の太陽光発電設置の常識になりました。その理由は「低圧連携が可能で費用が安い」というメリットがあるからです。工事価格が1kwあたり25~28万円ですから、2年前の半額です。だから、そんな価格で設置したら42円の売電は「儲かってしょうがない」と、小銭を稼ぎたい中小企業のおやじや小銭を持った人たちが太陽光発電に群がったのです。
こんな業界関係者も予想できないほど急激に設置価格が下がったことから、電力会社や政府はここに来て慌てだしたのです。「このままでは本当に太陽光発電の発電コストが原発のコストより下がりかねない」と。

ドイツの太陽光発電買い取り価格は15円
米国は太陽光発電も原発も発電コストは15円


ドイツは2000年から固定価格買取を行っていますが、上の図のように買い取り価格は毎年改定されています。その改定を年間4回ほど行われていましたが、現在では毎月行っているそうです。それほど設置コストが下がっているのです。そして2012年末には1000kwのメガソーラーは1kwあたり15円という価格です。現在の価格がいくらなのか探したのですが見つかりませでした。もちろんもっと下がっているはずですが、誰か知っていたら教えてください。
また、ドイツでは小規模太陽光発電と大規模太陽光発電の買い取り価格には価格差を付けています。日本もそうすべきでしょう。なぜなら、日本の大企業はグリーン減税により経費で落とせます。つまり、大企業で黒字決算になったら、法人税を取られてしまうので、その金でメガソーラーを設置すれば、法人税を払わなくて済むわけです。ですから全国の太陽光発電の82%がメガソーラーなのです。そんな法人税の節税のために設置される太陽光発電を小規模の個人や中小企業の設置と同じ価格で買い取るのは間違っています。ドイツのように価格差を作るべきです。しかも法人税を払っている大企業はわずか30%しかないのです。そんな大企業に私たちの電気料金で20年間も私たち市民がその大企業のために「固定価格買取」を支えなければならないのです。それは不合理ではないですか。ちなみに宮岡幸雄氏の著書「税金を払わない巨大企業」(文春新書)によると、昨年のソフトバンクの純利益が788億8500万円あり、納税額は500万円だったそうです。利益の0.006%なのです。太陽光発電投資で節税しているのです。おまけに固定資産税や地代の減額を設置自治体が行ってくれて初めてメガソーラーを設置しているのです。これはほんの氷山の一角です。
もうひとつの例として、ワタミというブラック企業がありますね。この会社、社員に「死ぬ気で働け」といって不当労働行為をやるのが当たり前のような社長。こんな男が自民党の参議院議員です。この会社も「環境貢献事業」とか言って、太陽光発電事業に乗り出しています。環境貢献する前に社員の労働基本権を守るのが先だぞ。こんなブラック企業などに私の電気料金から20年間もお金を取られるなんて私には納得がいきません。国民からの二重搾取です。ワタミの社員にしたら、三重搾取です。①労働者として搾取される。②法人税の節税対策で企業の義務を果たさない。③電気料金から善良な国民のお金を奪い取る。
しかも、現在の日本の買い取り価格は32円(消費税別)です。初年度は40円(税別)だったのです。その価格も20年間続くのですから、早急にドイツ並みの価格に下げるべきです。ドイツが15円なのですから。

新規の太陽光はバッテリーを設置して全量充電して、日が落ちてから売電ならOKです?

今回の九電や他の電力会社の「買い取りを一時中断する」とい決定についての反論です。
太陽光発電などは負荷変動が大きくて、原発は安定して発電が出来るという違いはあるけど、発電コストが太陽光発電と原発が同じなら、誰でも太陽光発電の方がいいと思いますよね。「ここは何としても太陽光発電の発電コストを上げなければならない」と思った電力会社と政府は「そうだ妙案が浮かんだ」と膝を打ったことでしょう。そうです。「太陽光発電には全てバッテリーをつけさせれば、これで原発が太陽光発電にまけることはない」と。
説明会で九電の社員はこのように話していました。「バッテリーや系列を一時遮断することを了解してもらえれば個別に話し合いには応じます」と。バッテリーを設置して一部を系列に繋がないというのは確かにありかなと、私も考えました。いわゆる系統へのピークカットです。つまり、50kwの太陽光なら最大で48kwhくらいの発電をします。そのとき、その10%から20%をカットしてバッテリーに退避させたら、その分の負荷変動が押さえられるので、その分を後から流せば負荷標準に少しは貢献するのかなと思ったのです。しかし、九電に問い合わせたら、「全量バッテリーに充電して、日が落ちてから系統に流してもらいます」という回答でした。
「あなた方何をふざけたことを言ってるの。それに何の意味があるの。全量充電するバッテリーがいくらすると思ってるの3000万くらいするよ。そんなのが何の意味があるの」と私が反論したら相手は無言でした。
つまり、1300万円で太陽光50kwを設置しても、それにバッテリーを2000万円以上(家庭用でも300万円ですから、その10倍なら3000万円です)の経費をかけて付帯施設を設置させるという何とも不当な要求を考えたのです。総額3300万円以上の投資が必要なら採算は絶対に合いません。ですからこのような仕組みが標準となれば日本の再エネブームは一気に沈静化する事でしょう。
しかも、そんなばかげたことを仮にやったとしたら、何が起こるか考えてみてください。昼間の一番電力消費の多い時間帯には発電ピークがなくなって、日が落ちてから夕方の電力消費の少なくなった時間帯に発電ピークが来るだけです。つまり、発電ピークを数時間遅らせるだけです。それ以外に何の意味もないのです。それよりもやるなら一部をバッテリーに入れて、それを段階的に売電させるかなど、要するにこれから導入する事業者をとりまとめて負荷変動を段階的にコントロールするネットワーク型の仕組みを考えればいいのです。それこそが国がやるべき今後の課題と責任です。も1つは関西や関東へ繋ぐ送電線を太くして流せばいいだけです。
これは太陽光発電への安倍政権によるなりふり構わない「徹底破壊攻撃」です。こんな非科学的な要求を考え出した電力会社と経産官僚のバカさかげんには失笑しか出てきませんね。

日本の電力会社が「太陽光など2.2%以上は無理」というなら20%のドイツの電力会社に来てもらおう

ドイツでは風力も太陽光発電も日本の十倍くらい設置が進んでいます。日本の再エネ電力の割合が2.2%に対してドイツは20%です。そして目標も日本が2020年に25%(この目標は民主党政権時の数値です。安倍政権は目標自体の掲げてません)に対してドイツは35%です。さらに2050年にが50%を再エネで賄うと目標を掲げているのです。そして昨年の2013年6月16日がドイツの記念すべき日となったのです。それはドイツの電力需要の61%を風力や太陽光が賄ったのです。この61%は米国やフランス・イギリス・中国や日本など経済大国の中では世界最高の再生エネの電力割合だとドイツ政府は発表していました。もちろん条件は違います。ヨーロッパは大陸ですから各国に送電線は繋がっています。しかし、ドイツでは天気予報を見ながら30分先の太陽光発電や風力の発電量を予測するそうです。そして30分先の負荷追従運転を計画するそうです。これは長年の経験や実績が20%の再エネ導入実績へと繋がったのだと思います。

太陽光の発電コストが原発よりも安くなるのを遅らせるのが目的

日本の再エネの95%が太陽光発電です。ドイツでは太陽光発電と風力が半々くらいですし、木質バイオマスは発電が一定で安定しているので負荷変動がなく、しかも電力と熱が一緒に利用できるため、エネルギー効率が80%もの再エネが順調に伸びているのです。そしてドイツを中心に世界中で再エネの発電コストは確実に下がっています。米国でも太陽光発電の発電コストは15円だそうです。また、米国では原発の発電コストも同じく15円です。つまり太陽光発電が原発の発電コストよりも安くなるのは日本でも目前なのです。日本も政府による原発への様々な優遇政策などのへのえこひいきをやめて、米国のように完全に自由競争にすれば、原発は真っ先に退場させられることは間違いないのです。だから安倍政権は何とかして電力自由化の規制改革を骨抜しようと必死なのです。しかし、原発は危険で不経済で割に合わないものだということを大半の国民には分かってきたのです。ですから安倍政権と電力会社の最後の悪あがきとして、今回の「太陽光発電は割高で役立たずだ」というキャンペーンを行ったのです。そして太陽光発電への嫌がらせで1日でも、その逆転する日を遅らせるのが目的なのです。


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「アジアスーパーグリッド」で日本の再エネも大きく変わる

多くの皆さんはこう思っているでしょう。「太陽光発電や風力は確かにクリーンでいいけど再エネだけで全ての全力を賄うのは無理だよね」と。そんなことはありません。決して再エネ100%は夢ではありません。しかも、「再エネ100%は50年先の話」でもありません。だって、再エネを30年で20%とう目標が、わずか2年で7000万kwも持ち込まれたのですから、10年もすれば100%なんか決して夢ではないのです。その解決策が「アジアスーパーグリッド構想」なのです。超高圧直流送電線を日本列島に横断させます。それで日本中の再エネ電力を相方向に自由に行き来をさせます。日本は東西に長いので太陽が照ってる時間が1時間以上の時間差があります。ですから、その時間差は負荷調整の役目をします。また全国の風力のばらつきも全てを系統につなげたら平準化するのです。そして、その高圧直流送電線は福岡と釜山を海底ケーブルで繋ぐのです。その費用はわずか600億円だそうです。孫正義さんは「わずか600億ならソフトバンクが敷設してもいい」と話してます。だって送電線利用料を取れば儲かるからです。そしてその高圧直流送電線は中国からモンゴルにも繋ぐのです。孫正義さんはモンゴルで太陽光発電と風力発電事業を計画しているのです。そして北海道からは樺太経由でロシアにも繋ぎます。ヨーロッパのようにアジアを1つの電力ネットワークで繋ぐのです。そうすればインドが昼間なら日本は夕方ですから太陽光発電の電力は世界の半分くらいを行き来できるのです。おまけに超伝導の直流送電線は送電ロスがわずかなのです。日本・韓国・中国・ロシアなどを結ぶ東アジアスーパーグリッドの費用は20兆円だそうです。劇的にコストが下がっていく再エネルを超伝導高圧直流送電線が繋がる日はそう遠くはない話でしょう。
こんな夢のある社会を私たちは1日も早く実現しなければなりません。負の歴史遺産の原発など、さっさとさよならしましょう。そのためにはお隣の国の韓国とも中国ともロシアとも仲良くしなければなりません。しかし、それは安倍政権には絶対に出来ない国際協力事業であることだけは間違いありませんが。
by nonukes | 2014-10-08 00:15 | 電力自由化 | Comments(2)

安倍政権のめざす「原発の価格保証制度」は電力自由化に値しない

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安倍政権のめざす「原発の価格保証制度」は電力自由化に値しない
小坂正則

今年の2月28日に安倍政権は「2016年から電力小売り事業参入の全面自由化を行う」という年閣議決定を行いました。これで「日本もドイツのように自由に電力会社を選ぶことができる」と多くの方が思っているかもしれません。しかし、私たちが携帯電話を自由に選べるような自由などが望めるわけでは決してないのです。
まず、基本方針として「小売りの自由化」や「電力事業への参入の自由化」は決定しましたが、それは自由化のための入り口に過ぎないのです。自由化のための最大の問題は発電と送電と配電の3事業を完全に分離して、公平で透明性のある適正な競争が行われることが保証されることが一番重要なのです。
2月に閣議決定された中身は経産省の中に設置してた「電力システム改革専門委員会」が3段階の行程で「電力自由化」を行うと決めたのです。まず、2015年に①広域系統運用の拡大はかる。そして2016年に②小売及び発電の全面自由化を行う。そして最後に2018年から20年までに③発送電分離によって送配電部門の中立性を確保する。という計画なのですが、安倍政権になってから激しい電力会社の巻き返しによって3番目の発送電分離が怪しくなって来ているのです。この発送電分離が完全に別会社にするのではなく、電力会社の子会社や系列会社として残す方向に向かっているのです。なぜなら、電力事業で一番儲かるのは発電部門ではなく、送電部門だからです。送電線を確保していれば送電線は競争がないので、安定して利益が確保できるからです。発電部門はこれから生きるか死ぬかの激しい競争に晒されるからです。ですから、送電部門は一企業が行うのではなく公共インフラとして公的に運営されるべきなのです。さて、本来は3番目に行うという発送電分離の内容が決まってから1番目の広域系統運用や2番目の電力市場化などに取りかかるべきなのですが、発送電分離を最後にしてどうして電力市場の開設などが出来るのでしょうか大変疑問です。

太陽光発電の電力を邪魔するために電力会社や国は広域運用の拡大工事をやらない

電力自由化の工程表によれば2015年には「広域系統運用の拡大をはかる」ということは電力会社間の連携送電線を太くして、自由に電力を売り買いできるようなインフラ整備を行う予定なのですが、それもまだ計画は出来ていません。特に太陽光発電などの電力固定価格買取制度をスムーズに進めるためにも連携線を太くすることを早急にやる必要があるのですが、国は全くやる気はないようなのです。というのも、9月24日に九電が「太陽光発電などの電力事業の申し込みを一時中断する」と発表しましたが、その理由に挙げたのが、「太陽光発電など変動の激しい電力が多くなると負荷変動が大きくて停電になる」というのですが、九州の電気を中国や関西の送れば、その募集の中止は必要はなくなるのです。なぜなら九州は確かに申し込みが多いのですが、中国や関西では申し込みの量が少ないから、そっちに送れば解決する問題なのです。ですから、再生可能エネルギーの電力を増やすためにも系統連携線を太くする作業は早急にやらなければならないのですが、太陽光発電の電力を拒否するために、あえてその作業を行わないのではないかと疑われるのです。

「原発は安くない」から何とかしてくれと関電社長が言いだした

「競争環境下で原子力発電をこれまで通り民間が担っていくには、予見性を持って事業に取り組める環境整備が大事。費用が確実に回収されることが大事だ。そのための官の支援を是非ともお願いしたい」。9月19日の定例記者会見で、電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は訴えた。国に求める支援策として八木会長は、「廃炉に絡む財務・会計リスク緩和措置」、「原子力燃料サイクル事業における新たな官民の役割分担」、「規制や政策の変更、電力システム改革による競争の進展といった環境変化を踏まえた措置」を挙げた。(東洋経済 2014年10月02日)
つまり、八木電事連会長は原発は高くて電力自由化の競争にはとうてい参加できないと白状したのです。
その八木会長の声にあうんの呼吸で応えるように、資源エネ庁のエネルギー部会で経産省は「原発の電力価格保証」案を出してきたのです。この案というのは電力市場で売り買いする場合、原発の最低価格を保証して、その価格よりも実際の価格が下がって売り買いされたら、その差額を補償するという考えです。これはまるで再エネの電力固定価格買取制度と同じような原発価格補償制度です。そしてその差額は誰が払うかというと、消費者から均等に徴収するというのですから、そんな制度は自由化でも電力市場取引でも何でもありません。第二の総括原価方式です。
この制度は英国ですでに行われている制度で、原発の最低価格補償が15.7円で、しかも35年間価格を補償するというのです。英国では原発100万kw1基作るのに1兆円以上かかるということからこのような方式を採用したそうです。フィンランドのオルキト原発は1基2兆円以上ということです。日本でも新規の原発を建てるためには40年間の価格補償がなければ投資出来ないということで、安倍政権は新規原発の原発建設を目論んでいるのでしょう。

既得権益を守ってきたのは自民党の族議員と官僚と経済界のトライアングル

国の規制には大きく分けて2つがあります。1つは経済的規制です。これは「地域独占」などいま最も大きな問題とされているものです。そしてもうひとつが社会的規制です。これは環境保護や健康被害への規制や労働者の権利を守るための規制などです。再エネ固定価格買取制度などは一見すると経済規制のように見えますが、これはれっきとした社会的規制です。化石エネルギーによる二酸化炭素の排出によって生じる地球温暖化防止のための制度なのです。
日本のこれまでの経済政策は各省庁の官僚が取ってきた護送船団方式といって、各産産業界の既得権益を守るための利益を調整して来たのです。そのために各省庁内ににガス村や電力村や道路族村など各産業分野と官僚と政治家のトライアングルが出来上がって、それらが時には対立したり談合たりして日本社会に様々な経済規制を作って彼らの既得権益を守ってきたのです。そのための財源としてガソリン税や電源開発特別税などの特定財源を原資に自民党の族議員が全国に高速道路や原発を作り続けてきたのです。
その政策は70年代の高度経済成長までは大きな問題も出ることなく進めることが出来ました。なぜなら日本社会全体のパイが大きくなれたからです。しかし、80年代後半からバブルがはじけて経済成長が止まった後は、これまで経済規制分野が日本社会の経済成長や新たな産業の誕生を阻害する要因として大きな社会問題となって来たのです。
その経済規制を壊したいい例が通信事業の自由化でした。そしていま、電力自由化が20年前からヨーロッパを中心に世界中で進められてきたのです。電力自由化は日本の経済成長やエネルギーの効率化を阻害する最も大きな規制改革です。ただ、TPPなどの貿易自由化は改革の側面はあるのかもしれませんが、それによって国民皆保険や医療格差や食の安全などが脅かされるという社会的な問題が生じる可能性があるのです。それに比べて電力自由化には「再エネ導入」など以外には社会的規制の必要性がない「電力会社の既得権益」なのです。ただし、自民党タカ派の連中や外務省の中には「原発や核燃料サイクルから撤退することは核武装の可能性を捨て去ることになり、防衛上の外交カードを失うことになる」という人にとっては大きな問題なのでしょうが。

電力自由化のためには「発送電分離」と再生可能エネルギーを進めよう

OECD加盟国内で発送電分離が行われていない国はメキシコと日本だけです。そんな北朝鮮のような独裁的な電力供給体制を維持している既存の電力会社を優先した「地域独占」と「総括原価方式」は一刻も早くやめなければなりません。そのために一番重要な改革は「発送電完全分離」した上での電力自由化です。そして政府が電力会社の経営に口出ししない経営の自由化が必要なのです。発送電分離の自民党案はすでに「電力会社の送電子会社化」が取りざたされています。送電会社が発電会社の子会社であれば利益の付け替えなどが行われて、送電線使用料を高めに設定して新規事業者に高い送電線使用料を科せられる可能性が高いからなのです。資本関係のない送電会社が必要な理由はここにあるのです。
そして送電会社は公共インフラとして発電会社が平等に競争して利用すればいいのです。その時点で既存の電力会社が原発を持っていたとしても、国からの一切の保護をなくして競争するのであれば原発を動かせばいいでしょう。もちろん社会的規制を通った原発でなければなりませんので、文字通り「世界一厳しくて安全な原発」でなければなりません。当然のこととして「コアキャッチャー」や「二重の格納容器」など世界中で最先端の最も厳しい安全基準をクリアーしてもらってのことです。

既存の電力会社には電力自由化競争に参入する資格などない

そして「電力自由化」後に新たに国民へのツケを押しつけられる問題が浮上するでしょう。それは核のゴミの維持管理費用負担です。六ヶ所村再処理工場の建設費が12兆円以上で、これから全ての核のゴミを再処理したら19兆円も必要になると言われています。もちろん再処理は早晩中止されるでしょうし、核のゴミの処分場である「もんじゅ」も電力自由化とともに消えるでしょう。しかし、既存の電力会社はそれら核のゴミの費用は電気料金に1kwhあたり1円の上乗せをして消費者から取っていたのです。それらの費用は新規の発電会社から取ることが出来なくなりますから、既存の電力会社は自分の電気料金からそれらの費用を出さなければならないので、売り上げが半分になれば1kwあたり2円の電気料金の負担金になります。つまり、自由化して電気の売り上げが減れば減るだけ、コストは大幅に増すのです。自由化すればいよいよ既存の電力会社はやっていけなくなるのです。もっと端的に言えば、既存の電力会社が全て倒産してしまったら、いま残っている核廃棄物の管理費用は結局は国民が負担するしかないのです。つまり、国民が後で電力会社の尻拭いをさせられるのであれば、早く原発をやめて出来るだけ核のゴミをこれ以上増やさないことが最善の策なのです。その分だけ国民の負担は減るのですから。だから、彼らには自由化の前にこれらのマイナスの資産をきちんと精算してもらわなければ本当は自由化競争に参入する資格はないのです。原発の廃炉費用だって積み立てが足りないのですから、これらの費用も積み上げたら1社で数兆円以上の核のゴミという負債を抱えていて、これからそのゴミを永遠に管理し続けるという義務を果たさなければならないのです。そんな電力会社が自由競争の中で本当に生き残れると思いますか。
実際には完全自由化して地域独占と総括原価方式をやめたら既存の電力会社は原発のない沖縄電力以外はバタバタと倒産してしまうでしょう。つまり、今の電力会社というのは国の保護の元で国民の税金を当てにして生きてきたし、これからも生きていこうとしている「寄生虫」のような国営企業以外の何ものでもないのです。(続く)



by nonukes | 2014-10-05 15:37 | 電力自由化 | Comments(0)

「固定買取制度一時中断」問題を考える第Ⅲ 「買い取り中断は国の陰謀だ」

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上の図が資源エネ庁が出してきた脅しの資料です

「固定買取制度一時中断」問題を考える第Ⅲ 「買い取り中断は国の陰謀だ」
小坂正則

九州電力が太陽光発電などの買い取りを中断するという発表をした9月24日以後、太陽光発電のメーカーや事業者の間で大混乱を引き起こしてます。私のところにもいろんな業者や設置者から、今後の見通しについての問い合わせや相談が相次いできました。
私は昨日のブログに書いたように「なぜ3月の時点でこの事態は予想できたはずなのに今頃発表するのか」という質問に対して、九電は「これまで検討してきた結果、今日まで時間がかかった」という回答や「申し込みの件数や量は日々集計していない」という回答でした。私にはそんなバカなことはないだろうと発言を疑ったのですが、どうもその真意が初めて分かったのです。

いま買い取り中断を発表する理由は「川内原発再稼働」のため

固定買取が決まってわずか2年間の今年6月時点で新たに運転を開始した設備は約1,109.3万キロワットです。しかも全体の申し込み量は約7000万キロワットという規模になってきたのですが、国はこの間、太陽光発電を導入した場合に対策を全く取ってきませんでした。つまりこの事態は電気屋なら誰でも予想できた事態なのになぜ今まで対策を取らなかったのかをまず考えたのです。それは安倍政権は端から再生可能エネルギーなど早く打ちきりたかったのです。そのためにパニックになる事態を待っていたのでしょう。
九電の説明では7月までに系統連携した太陽光発電が340万kwで、これから申し込みがあった分は840万kwだと言っていました。その内訳は言ってませんが、新聞報道などによると全国の申し込みの82%が大型メガソーラーだとうことです。つまり、142万kwしか個人や中小零細業者の分はないのです。これらの小型の太陽光発電は優先して接続しても系統への負荷はほとんどないのです。また、そもそも大型メガソーラーは売電のためには負荷変動が大きいので、そのための施設の設置は義務づけられていたはずです。だからこの発表はありもしない事実を大げさに言っているだけなのではないでしょうか。連携に支障があれば系統しなくてもいいという付帯条文があるのですから、何の問題もないのです。大型メガソーラーにバッテリーやバックアップ発電を義務づければ済む問題なのです。
しかも九電はきっと3月に時点で国へ相談していたはずです。「このままならパンクします」と。しかし、資源エネ庁は「まだ待つように」と指示していたのだと思います。こんな失態を九電が自ら招いたとは考えられないからです。そして「川内原発再稼働」のベストタイミングで「買い取り一時中断」というビッグニュースと一緒に「再生可能エネルギーは皆さんの高負担を招きます。今皆さんが負担している225円がやがて935円まで跳ね上がるのですよ。そんな負担皆さん出来ますか」という脅しです。まあ、脅しといってもこれは事実なのですが、そして「そんな高負担よりも原発を動かした方が安くていいです」よね。というキャンペーンに使いたかったのです。
もうひとつの理由は、太陽光発電がどんどん増えていって、設置価格がどんどん下がっていけば当然買い取り価格も下がりますが、どんどん普及して設置価格が下がってしまって15円などになってしまったら、いよいよ原発の生き残りが不可能になってしまうことを恐れたのです。ですから、九州本州連携線の増強などの議論は一切せずに、とにかく「太陽光発電は高すぎる」と「負荷変動が大きすぎて系統にはもうこれ以上入れられない」というキャンペーンをやって来たのです。これは「川内原発再稼働」キャンペーン以外の何ものでもありません。ドイツでは14%も系統連携出来ていて、日本はわずか2.2%が現状です。もちろんヨーロッパは地つながりで他国へ電力を売ることが出来るので全く同じではないにしてもせめて5%まではこれまでも導入できると言ってきたはずです。今止める根拠はありません。

太陽光発電を入れるための闘いをこれから事業者自らがやっていくことが出来る

昨日の九電の説明会の中で「負荷変動を調整するために一定量を上回ったら系統から切り離す装置やバッテリーを設置する計画のある事業者様には別途連携の話し合いを進めます」という説明がありました。その話を逆手にとって、九電を攻める戦略を立てたのです。確かにある系統線の中で需要がない場所では系統連携してもらえません。そのためには発電が終わった後に一定量を流すことは安定供給の意味からは蓄電池があればないよりもあった方がいいでしょう。それなら、それを付ければ九電の太陽光発電排除は防げるのです。今後はバッテリー業界のめざましい発展が考えられます。特に小規模事業者はそんなに高負担にならずにバッテリーを設置できるからです。そのための事業化を私は私の関連する事業者と組んでさっそく進める予定です。もちろんすぐには出来ませんが、これから九電と話し合いをしてどれくらいの規模のバッテリーを設置すればいいのかを聞いて、そこから針の穴を広げて行きたいと思っていいるのです。
もちろん本来は、九電は小規模の事業者や地元の業者を優先して入れれば、まだまだ相当量は受け入れられるのです。その証拠に、設置規模に対して発電量はだいたい半分からよくて2/3です。現在の申し込み全てを入れても1260万kwの半分なら600万kwだし、多くても800万kwでしかありません。その一部は連携線を通して関電などに送ることが出来ますので、全部入れても問題はほとんどないのです。問題は「原発再稼働」だけなのです。私たちは国(資源エネ庁)の企みにだまされないようにしましょう。1日も早く九電は系統連携を開始して、事業者の倒産や失業者が出ないように早急に対策と、いつから開始するなどという見通しを出すべきです。このままでは本当に九州の設置業者は倒産してしまします。多くのパネルを在庫として抱えている企業は、その支払いから従業員の給料も支払えなくなってしまうからです。

再度提案します

①九州電力は超大型メガソーラーなどを除いて、小規模事業者で地元の業者の申請順に系統連携を1日も早く再開するべきだ。
②国は地元優先のルールを作って、早く窓口を再開するために電力会社への指導を行え。早期対応しなければ九州の中小零細事業者の倒産が相次ぐ可能性がある。
③太陽光発電の買い取り価格が高すぎるので国民負担の軽減のために価格の早急な引き下げを行え。そして太陽光発電以外の風力やバイオマス発電や地熱の窓口を閉じる何の根拠もないのだから、早急にこれらの窓口を再開しろ
④北本線(北海道と本州を繋ぐ系統線)や九本線(九州と本州線)の増強工事を早急に行えば、何の問題もなく全ての系統へ連携できる。ただし、超大型メガソーラーは負荷平準の義務化を明文化しろ。それでなければ、一般消費者が大企業の利益を保証するような仕組みは国民は納得できない。



「太陽光バブル」崩壊 九電・再生エネ契約中断

2014年10月01日 佐賀新聞


九州電力が25日から再生可能エネルギーの新規買い取り契約を突然中断し、佐賀県内で太陽光発電設備を設置する事業者に混乱が広がっている。顧客からの契約取り消しが相次ぎ、接続契約前に着工している物件は資金回収のめどが立たない。業界では「このままでは倒産する会社も出る」と悲観的な見方も出始めた。
九電の発表後、九州一円で太陽光発電の販売・施工を手掛けるSUNシステム(小城市三日月町)には、契約取り消しの申し出が数十件寄せられた。買い取り中断の対象になるのは、顧客との直接契約分だけで数十件。設備販売や住宅メーカーなどからの施工依頼分も含めると、数百件に達する恐れがある。
パネル数千枚分の大型発電設備の設置計画もあり、「仮にすべての商談が白紙になれば、億単位の売り上げが泡と消える」と同社。中断期間がいつまで続くか分からず、「新規の契約は見込めない。マーケット自体が止まる」と先行きに不安を募らせる。

太陽光発電設備は、九電に接続契約を申し込んだ後、融資のめどが立った時点で着工するケースが多いという。九電との契約が済んだ物件の工事で数カ月は食いつなげるが、その後はつぎ込んだ資金が回収できなくなる恐れがある。県内には数百件の関係事業所があり、ある事業者は「年末にかけて倒産が続出する」と予測する。
影響は、住宅メーカーにも広がっている。固定価格買い取り制度(FIT)導入後、各社は九電への売電収入による住宅購入費の負担低減をアピール。全量買い取りの対象となる出力10キロワット以上の太陽光パネル付き住宅を精力的に手掛け、消費税増税後も需要を開拓してきた。
県内や筑後地域で太陽光発電住宅を販売するクローバーホーム(福岡県筑後市)は、買い取りが中断される住宅、分譲地を50件程度抱え、「新規ならまだしも、既に契約を申し込んだ分まで保留にするのはあり得ない。顧客にどう説明すればいいのか」と憤る。
九電への批判が高まる中、10月1日には事業者向けの説明会が佐賀市で開かれる。先の事業者は「送変電施設の容量に余裕がある地域が県内にもある。一斉に買い取りを中断するのは無謀」と指摘しながらも、「太陽光のバブルがはじけた」と諦めにも似た思いを口にした。

=識者談話= 「ベストミックス」構築急げ

国の「電力システム改革に関する制度設計ワーキンググループ」委員の松村敏弘・東京大社会科学研究所教授
接続申し込みが急増したのは、国が定めた買い取り価格が高すぎたからだ。買い取り費用は賦課金として電気料金に上乗せされる。価格の値下げ圧力が強まるのは当然で、今回の駆け込み申請につながった。
ただ、事業者の中には、とりあえず枠だけでも確保しようと申請したところもあるはずだ。九電はこうした歩留まりを早急に検証して受け入れ可能量を見極め、対応を考えるべきだ。
「原発再稼働を見据えた買い取り拒否」との声もあるが、申し込み分は再稼働しなくても受け入れられる量をはるかに超えており、そうした指摘は当てはまらない。直近の解決策としては買い取り可能な上限を設けることなどが考えられるが、発電が安定している地熱やバイオマスなど再生エネルギーにおけるベストミックス(最適な組み合わせ)の早期構築が欠かせない。
出力だけで需給調整している現状にも課題がある。現行の電力システムは逼迫(ひっぱく)時に価格を上げたり、余った場合に下げる発想がない。価格で需給調整ができれば、蓄電池の必要量も減る。電力自由化は、こうした大手独占の硬直したシステムに風穴を開け、柔軟な対応を後押しするはずだ。


再生可能エネ"固定価格買取制度"は曲がり角? 家計負担は月935円に増加の試算
御木本千春  [2014/10/01]

経済産業省は30日、総資源エネルギー調査会第4回新エネルギー小委員会を開催し、「電力会社の再生可能エネルギー導入に向けた対応と課題」に関する会議を行った。
現在の再生可能エネルギーの導入状況を見ると、2012年7月の固定価格買取制度開始後、2014年6月時点で新たに運転を開始した設備は約1,109.3万キロワットとなり、同制度開始前と比べて約5割増加した。制度開始後に認定された容量のうち、運転開始済量の割合は約15%。制度開始後の導入量、認定量ともに太陽光が9割以上を占めていた。
2014年6月末までの認定量が全て運転開始した場合の発電電力量(電源構成比の約2割)について、賦課金負担の試算を行ったところ、賦課金単価は3.12円/キロワット時、単年度総額は2兆7,018億円となった。現在の賦課金は0.75円/キロワット時、単年度総額は6,500億円であるため、この4倍以上に増加することになる。また、一般家庭の1カ月当たりの負担額は現在の225円から935円に上昇すると見込んでいる。
併せて、同会議では北海道電力、東北電力、四国電力、九州電力の4社が、買い取りの申し込みが急増し、発電電力が需要を超える計算となるほか、送電線の容量を上回るおそれがあるなどとして、10月1日から新規契約を一時中断することを発表。また、沖縄電力も新規契約を制限していることを明らかにした。
by nonukes | 2014-10-02 13:17 | 電力自由化 | Comments(0)

  小坂正則