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小坂正則の個人ブログ

JR北海道の赤字路線の廃止は自己責任で仕方ないのか

この夏、私が見たJR北海道の鉄路は明日の九州や四国の姿
小坂正則
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2年以上前から運休中という名の実質廃止路線の赤さびた鉄路の日高本線「ひだかほろべつ駅」
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JR日高線は2年以上前から運休中?だそうです

今年の夏に北海道の襟裳岬まで旅をしました。千歳空港から襟裳岬まではレンタカーで移動したのですが、JR日高本線が走っているように地図上には書いていました。そこで、空港で「JR日高本線は走っているのですか」と聞いたら、案内の女性は「確か所々で切れていると思いますよ。レンタカーかバスが便利ですよ」と教えてくれたのです。札幌近郊はJRも走っているそうですが、北海道の地方はバスかレンタカーが便利なのだそうです。そこで、私はレンタカーを利用したのですが、平行して走っているはずのJR日高本線(苫小牧駅 - 様似駅間 146.5 km)の列車には一度も出くわすことはありませんでした。それどころか、所々で線路が海岸線の波に洗い流されてるような場面に出くわしたのです。なぜ海岸線の線路が破壊されたまま放っているのか、私には理解できませんでした。日高本線は本線と名前が付いているだけに主要幹線と私は思っていたのです。九州で言えば、鹿児島本線や日豊本線と同じです。大分を走る久大線や豊肥線なら廃線もやむを得ないかもしれないけど、JR北海道の主要本線を壊れたままにしているなんて、私には想像できなかったのです。しかし、襟裳岬へ向かって車を走れらせれば走るほど、その理由が理解できました。1つは襟裳岬のあるちょっと先の様似駅というところは小さな町で、それから先には線路は終わっているのです。2つ目に、そこから日高まで線路がつながっているならまだしも、切れ切れなら利用者は襟裳に近づけば近づくほど少なくなってしまうでしょう。3つ目が、森進一の歌「襟裳岬」の歌詞にあるように「襟裳の春はああ、何もない春です~」と、あるように、襟裳までの国道235号沿線は「何もない」といえば失礼ですが、「活気のないような感じ」これも失礼ないい方ですね。「静かな街並み」が延々と続いているのです。
ここ数年、JR北海道は車輌事故や職員の怠慢などが全国紙で賑わっていました。でも、JR北海道の赤字体質は、彼らがいくら自助努力をしても根本的に解決できない問題が横たわっているのではないかと私は感じました。それは人口減少と少子高齢化が同時に襲ってきている北海道では産業も乏しく、そこに住んでいる人々の自助努力で解決できるようなレベルの問題ではないのだろうと思いました。夕張市が赤字再建自治体として血を吐くような自助努力をしていますが、「過疎と人口減少が同時に襲いかかっている現在日本の過疎地の状況は全国どこにでも生じているか、これから生じるであろう課題なんだ」と私は思いました。このような北海道の現状は私の住んでいる大分の明日を見ているようでした。

JR北海道が赤字なのは無理もない

襟裳岬の民宿に泊まって、翌日の地元紙に「日高本線は廃止の予定」と、いう記事が載っていました。でも、本当は2015年の爆弾低気圧によって海岸線の線路が高潮に流されたまま、手付かずのまま2年以上、運休状態なのだそうです。実質廃線路線を「運休中」と言って誤魔化しているのです。とっくに廃止しているのに、地図上は「運休中」なのだそうです。だから沿線の住民は知っているのです。「もうこの路線が復活することはないべ」と民宿の主人が話してくれました。
日本最北端の宗谷岬の稚内駅へと続く宗谷本線の夏場に乗っている乗客は観光客ばかりだそうです。地元の方は本数が少なくて不便なのでみなさん自動車通勤なのだそうです。最北の稚内駅から最南の鹿児島県枕崎駅まで3099キロメートルの線路は日本の鉄路の最大路線です。先日安倍プーチン会談で、シベリア鉄道を稚内までつなげて、東京からモスクワまで鉄路をつなげようという話が出たとか出ないとか言われていましたが、そんな夢のような話が実現する前に、宗谷本線も風前の灯火です。
「稚内~名寄間(183キロメートル)は15年度の営業赤字が25億円にのぼる。帯広~釧路の根室線(128キロメートル)は32億円、函館~長万部の函館線(147キロメートル)も49億円の営業赤字だ。JR北海道は16年度の連結営業赤字が398億円と過去最大になり、現在の営業路線の半分にあたる10路線(1237キロメートル)が「単独では維持困難」との見解を示した。」(日経新聞2017/9/3より)
つまり、もうJR北海道は脳死状態なのです。JR民営化の時に6800億円の基金をもらって、年利7.3%の運用で年間500億円の利益で赤字を埋め合わせる予定だったのが、今日の低金利で、10年前から年額200億円を下回っているというのですから、JR北海道の赤字は低金利のせいでもあるのです。
JR北海道や四国が赤字の理由は国家予算のいびつさにもあるのです。道路の建設予算は
「国土交通省幹部は「北海道問題は2つある。1つは経営環境が崩れたこと。もう1つは高速道路の整備が進んだことだ」と語る。日本では鉄道は利用者負担の原則があり、料金収入を基本にする。一方で道路は国土のインフラ整備という観点から、いまも年1兆5000億円を超える巨額の予算を投じる。鉄道関連予算は1000億円規模にすぎない。」(日経新聞2017/9/3より)
つまり、ガソリン税という特別会計で潤っている道路に比べて、鉄路には血税が廻ってこないことに一番大きな問題があるのです。

特別会計にメスを入れないでこの国の再建はできない

「母屋ではおかゆ食って、辛抱しようとけちけち節約しておるのに、離れ座敷で子供がすき焼き食っておる、そういう状況が実際行われておるんです」2003年衆院財務委員会 (塩川正十郎財務相の発言)にあるように、日本の国家予算は今年度約100兆円で赤字国債が半分の50兆円。しかし、特別会計が400兆円ですが、その半分は赤字国債の償還などに回されて、半分の200兆円が国会議員の目の届かない特別会計へと回されてしまうのです。そのお金は道路公団などの官僚の天下り先の特殊法人へお金が流れていき、その先は闇に消えていくのです。
闇から闇に消えていく特別会計予算にメスを入れなければ、この国のいびつなお税金の流れを正常化することはできないのです。2014年12月21 日に右翼に刺殺された民主党の 石井紘基衆議院議員は、この特別会計の闇を解明しようとして何ものかに殺されたのです。
消費税増税の前にやることがあります。これまで政府は揮発油税(ガソリン税)などで国道やトンネルや高速道路などを造ってきました。(現在は揮発油税は一般会計に入れられて他の予算にも使われています)しかし、これから日本はマインス経済成長だと言われていますし、人口減少が急速に進んでいるこの国で、これ以上日本列島に道路を作ってもしょうがありあせん。作れば作っただけ膨大な維持がかかるのです。これからは、この橋は壊すとかして、どんどん道路など削減する方向に進むべきでしょう。その余った税金で保育園や非正規の若者支援などに使うべきです。苦学生の奨学金にでもいいでしょう。電源三方交付金約3千億円も原発に回すよりも再エネや省エネに回すべきです。環境税を導入して、その金を省エネや再エネに、ドイツのように正規労働者の社会保険費用対策として企業に回してもいいでしょう。要はこの国の税金の使われ方を総点検する必要があるのです。

国民全体で社会保障費を負担するベーシックインカム導入を

でもいずれにしても国民全体で消費税の応分の負担も必要だと私は思います。「消費税をやめても大企業の留保金をはき出させて法人税増税で社会補諸費は全額まかなえる」という革新政党の発言には私は賛成しません。この国の財政破綻はそんな単純な問題ではないと思います。国民全体で血を流すしかないのです。
つまりは国鉄時代の首都圏の黒字を赤字路線に回すという方法にも一定の道理はあったのです。これからは地方自治と税の透明性の確保と、老人と若者の世代間の公平性をどう担保するかなど、公平・公正な納税と法人税の応分の負担に、それでも足りない分は消費税増税で賄うしかないと思います。そしてその先にはベーシックインカムの導入なども議論する必要があると思います。
by nonukes | 2017-09-06 02:30 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

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