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小坂正則の個人ブログ

講演会のお知らせ「電力自由化で原発ゼロへ」

電力自由化で原発ゼロへ
小坂正則
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新電力の日本ロジテックは小売自由化の前になぜ撤退するか

新電力の中でも5番目の大手の日本ロジテック協同組合が3月一杯で電力事業から撤退すると2月24日の新聞各社が伝えています。一般には聞き覚えのない会社ですが、防衛庁や地方自治体などに販売実績があるちゃんとした企業なのです。うさん臭いブラック企業と言うわけではないのです。この会社は自家発電などの電気を購入して、大口電力へ販売していた企業です。ただこの会社は自分で発電所は持っていませんでしたので、販売価格に対して電力購入コストが見合わなかったことが大きな原因だと言われています。その理由の一つに、既存の電力会社や新規の発電会社間の販売競争が過熱していて、価格を下げなければ入札に勝てないので、どんどん値下げして、採算ラインを割り込んで販売していたことがあるのだでしょう。

新電力への嫌がらせに満ちあふれた系統ルールでは自由化などありえない

日本ロジテック協同組合が倒産する大きな原因が加熱する価格競争にあることは事実ですが、もう一つ大きな原因があります。それはどうにもならないコストから新電力は逃れられないという呪縛があるからなのです。これまでの電力自由化は大口電力のみでしたが、それでも既存の電力会社の高圧送電線を使って電気を送るわけですから、託送料という高圧送電線使用料を東電など電力各社に取られていたのです。その料金が1キロワット当たり3.5円から4円と言われています。つまり、1kwhを13円で販売する場合、託送料が4円とするとすでに9円の売り上げの中から原価の電力購入費を引けば利益など出るわけはないのです。仮に8円で購入していた場合は1kwhで1円の利益が出ますが、9円で買えば利益は出ません。ロジテックが販売用電力の購入先、つまりはロジテックに電力を売っている工場などにとっても、8円という捨て値の価格で電気をロジテックに売るくらいなら、もっと電気を有効利用して製品コストを下げようと工夫するでしょうし、需要が増えればもっと高い価格でかうという新電力も出てくるかもしれないのです。ロジテックの需要に対して、供給が追いついていかなかったのかもしれません。ロジテックにとっては、入札で販売先を確保すればするほど電力が必要になるわけですから、足りなくなれば東京電力などから買うしかないのです。競争相手の東京電力は自分のところの電力が余って困っていても、競争相手の企業に電力を売るなどしないでしょうし、売る場合も価格を引き上げてくるでしょう。だって、競争相手から買わなければならないほど電力が足りないのだったら、価格を引き上げてやろうと思うからです。この会社の倒産の大きな理由の1つに電力取引市場が育っていなかったこともあるでしょう。
そして、一番の理由は託送料が不明確だということです。つまり託送料の価格設定の根拠が曖昧なのです。東電がこれだけですと言えば、その価格を支払わなければ使わせてはもらえないという制度なのです。ですから、託送料が高すぎることなどが大きな原因だと思われます。
まだ倒産の大きな理由が考えられます。それは「30分同時同量ルール」と言う制度です。
それは「新電力が系統(高圧送電線)に電気を流す場合、30分で区切って、そこで消費された電力の上下3%以内で電力消費に合わせて電力を供給しなければインバランス料金というペナルティーを電力会社に支払わなければならない」というルールなのです。そしてペナルティー料金がどれだけになるかというと最高3倍の料金が電力会社から請求されるというのです。15円で販売している電力だったら45円もの高額のペナルティーを支払う必要があるのです。このインバランスのペナルティーが大幅に増えたことが1番の原因ではないかと私は考えています。

託送料が透明化しなければ電力自由化などまやかし

4月から始まる「電力小売り自由化」によって、昨年の9月からは「電力取引監視等委員会」というところが託送料を審査するようになるのです。経産省のホームページによると「電力取引監視等委員会は、①小売全面自由化等を踏まえた電力の取引の監視、②ネットワーク部門の中立性確保のための行為規制の実施等を行うために、新たに設立する経済産業大臣直属の8条委員会です。委員会には、総務課、取引監視課、ネットワーク事業監視課の3課からなる専任の事務局が置かれるほか、地方組織の経済産業局等においても総務企画部門に取引監視室を設置し、その事務の処理に当たります。」とあります。昨年の9月1日に発足したようです。
ここでは託送料の議論も行われるのですが、どうも高額な託送料を答申しているようです。東電の託送料は1kwhあたり8.57円だそうです。
そして電力自由化の本命である「発送電分離」の方法が自民党の案では電力会社の子会社案で決まるようですが、これでは本当の電力自由化など出来ません。それこそ電力会社がここに乗り移って、これまでと同じように独占で生きながらえるだけなのです。だって、一番儲かるのは送電会社だからです。発送電分離は電力会社の分割ではなく、電力会社が送電線会社に母屋を移して、原発などの発電事業を子会社化するというのが本当の電力会社の描く将来像なのです。これまでさんざん悪さをしてきた電力会社を生きながらえさせてなるものでしょうか。
発送電分離は完全資本分離の別会社にさせて、送電会社は公共インフラとして非営利事業または国有化して既存の電力会社は発電会社にさせなければなりません。そこで、自由競争させて原発の電気がほしい方に電力を高く売ればいいのです。

私の講演会があります。お近くの方で、よかったら皆さん聞きに来てください。

演題:電力自由化で原発ゼロへ
日時:3月5日14時~16時30分
場所:え~るピア久留米(久留米駅前)
料金:500円
主催:さよなら玄海原発の会・久留米



日本ロジテック電力事業撤退へ「新電力」揺らぐ信頼性
毎日新聞2月24日

大手電力会社以外で電力を販売する「新電力」大手の日本ロジテック協同組合(東京)が24日、3月末にも電力事業から撤退する見通しとなった。資金繰りが悪化したためで、同日には電力小売りに必要な事業登録の取り下げを経済産業省に申請した。4月に電力小売りが全面自由化されるが、今回の撤退で新電力に対する利用者の信頼が揺らぎ、他の事業者の戦略に影響を及ぼす可能性もある。
「価格が安いため日本ロジテックと契約した。今後、契約の仕方を検討し直さないといけない」。川崎市の担当者は肩を落とした。同市は市立小・中学校など170校に対する2015、16年度の電力供給について、ロジテックと契約済み。ロジテックが事業をやめても、大手電力会社が電力供給するため停電にはならないが、料金が割高になる恐れがある。
ロジテックの撤退は、家庭向けなどで新規顧客獲得を目指す新電力各社にとって逆風になる可能性がある。東京ガスは24日、家庭向けの電力申し込み件数が5万件を突破したと発表。今後、新電力に対する利用者の警戒感が広がる可能性もあるが、「安定的に電力供給していくことをしっかり説明していきたい」(担当者)としている。 電力自由化

日本は戦後の電力事業再編で、大手電力会社が地域ごとに電力販売を独占し、安定的に稼げる仕組みを築いた。このために電気料金が割高になっているとの指摘が強まり、政府は電力事業に競争原理を導入しようと、1990年代から段階的な自由化に着手。新規事業者の参入や、工場など大口需要家向けの小売り自由化を進め、今年4月からは家庭や中小商店も含む電力小売りの全面自由化に踏み切る。政府は自由化後も安定供給に支障が生じないよう、電力会社間の電力融通を指示したり、送電網の整備計画を策定したりする「電力広域的運営推進機関」を設立。2020年には総仕上げとして、大手電力から送配電部門を切り離す発送電分離を行う計画だ。
Commented by 菊の助 at 2016-03-06 08:50 x
是非、大分市近辺でもやってください!
Commented by nonukes at 2016-03-06 17:13
菊の助様書き込みありがとうございます。
そうですね。電力自由化の問題点などや原発と電力自由化の関係など、昨日は大変活発な意見交換ができました。
今度は大分でも開催したいと思います。
ただ、参加者がいるかどうかが一番の問題ですが?
by nonukes | 2016-03-02 15:56 | 電力自由化 | Comments(2)

  小坂正則