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小坂正則の個人ブログ

「東芝の粉飾1518億円」こんなもんじゃない、原発粉飾が隠されている

「東芝の粉飾1518億円」こんなもんじゃない、原発粉飾が隠されている
小坂正則

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東芝がこの間最高の収益を上げたと毎年のように好決算を発表していたことに、私は大変な違和感を覚えていました。だって、この会社原発メーカーですよね。福島事故以前から米国のウエスティングハウス社という、沸騰水型の東芝とは違う加圧式軽水炉という方式の原発メーカーを買収して子会社としたのです。2006年に54億ドルで買収したもので、現在も株式の87%の株式を東芝が保有している会社なのです。2005年から06年といえば、当時のブッシュ政権の頃で、原発導入に対して政府が債務保証をするとか、原発減税など各種の優遇策を打ち出してた頃でした。だから原発の建設計画が全米で持ち上がって計画だけは数十基が持ち上がったのです。ですから当時は「原発ルネッサンス」と言われていた時期なのです。しかし、ブッシュからオバマに政権が変わって、原発優遇政策は霧と消えてしまい、おまけにシェールガスやシェールオイルの開発が進んで、米国はまた原発冬の時代に戻ってしまったのです。
そのような時代が襲って来る少し前に、東芝は「斜陽産業と化した」世界一のGEに片を並べるWH社という原発メーカーを54億ドル(当時のレート6600億円)で買収したのです。「WH売却の入札に参加した三菱重工業など日本の業界関係者は「価格は2000億円から、どんなに高くても3000億円」と見ており、「相場の2倍超」という東芝の大盤振る舞いが当時話題になった」と、日経新聞(2011年9月13日)は書いています。
2011年311事故以後、東芝の株価は一気に下がって行きました。粉飾決算は、その頃から作られてきたようなのです。しかし、どこの新聞も「原発粉飾疑惑」は一行も書いていません。なぜなのでしょうか。私の想像ですが、311以後、急激に下がった株価を何とか上向かせるために、粉飾決算を始めたものだと思われます。新聞によると資材を高く会社に売ったことにして利益を水増ししたなどと言ってますが、本質的な問題は「原発の買収価値」が下がってしまったことから、株価全体が下がることを警戒して、東芝本体の決算を大幅な黒字で見せかけることによって、「ウエスティングハウス社」の評価額が下がる風評被害を防ごうとしたものだと思われます。


なぜ東芝に捜査の手が入らないのか?


下記の記事は「現代ビジネス」7月21日号の記事です。まだ疑惑の解明までは進んでいませんが、企業評価額を高めに見せかけて、本当はWH社は不良資産だったのを隠すために、小細工をして決算を水増ししたのでしょう。ところで、ライブドアという会社も東芝のような「粉飾決算50億円」をやって、ホリエモンは逮捕され、懲役刑を食らいました。ところが、片や東芝は現在分かっているだけでも1518億円という膨大な粉飾決算を行っているのに、しかもライブドアのように単独犯ではなく、組織ぐるみの犯罪なのに、東京地検は捜査に乗り出す気配がありません。なぜなのでしょうか。政府が待ったをかけているからでしょう。ライブドアのホリエモンは東京地検の高官が「『遊んで金儲けをするのが私の人生哲学だ』などというふざけたやつは懲らしめてやらなければ社会秩序が崩壊する」と発言したことからも分かるようにきわめて政治的な見せしめ逮捕だったのです。ところが今回の「東芝粉飾事件」は真逆で、「安倍政権を支えている重要な仲間を何とかしてかばわなければ、この会社を潰したら連鎖反応で安倍政権もつぶれてしまう」と、日本の検察官僚は考えてるのではないかと思います。

東芝はとっくに債務超過で第二の東電だ

私は企業会計など詳しくはありませんが、「現代ビジネス」によると、「のれん代」という形で買収企業価値を高めに評価することで、ごまかしているとありますが、そんなことができるのでしょうかね。私にはそこのところの仕組みはまったく分かりません。
ただ、言えることは「実評価額は2000億円」とライバル会社の三菱が言っているのですから、企業評価額は下がっているはずです。それに福島事故で原発部門の利益は出していないはずですから、どんなからくりでごまかしているかは分かりませんが、いつまでもごまかすことは無理でしょう。だって国内で新規原発建設は1機もできなくて海外でもほとんど実績がないのに黒字を出し続けるなどおかしいじゃないですか。
それにもう一つの疑惑があります。「第三次アミテージレポート」の中にもあるのですが、原発メーカーを日本が支えることは「米国の国家意志」なのです。だから安倍政権は再稼働を強引に押し通そうとしてるのです。それに米国のWH社を守るためなら米国と日本政府が一緒になって東芝の粉飾を影で支えていることさえ考えられるんじゃないでしょうか。これは国際粉飾事件へと発展する可能性もあるでしょう。
東芝という「第二の東電」にも企業責任を取らせましょう。もちろん東電が企業責任を一番に取るべきですが。
少なくとも日本の株取引の国際的な信用失墜を行った責任はライブドアの比ではありません。これで日本企業の株価も下がって行くことでしょう。安倍さん、このようなことを日本国の信用を失墜させた犯罪企業というのです。朝日新聞の従軍慰安婦記事などは国際的には東芝事件と比べたら「鼻くそ」ほどの影響もありませんよ。その割には安倍さんは東芝には怒りを発しませんね。なぜなんでしょか不思議です。



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膨らんだ「のれん代」1兆円超
東芝がひた隠す「原発事業の不都合な真実」
現代ビジネス 7月21日

封印される「2つの問題」

発覚からすでに半年近くが経過した東芝の粉飾決算疑惑が今週、節目を迎えそうだ。報道によると、東芝が事態の究明のために設置した「第三者委員会」が本稿掲載の前日(7月20日)夜、調査報告の概要を公表。本稿掲載日(21日)の夕方、田中久雄社長が記者会見して、佐々木則夫副会長と共に引責辞任を表明するという。
注目の決算の修正額は、過去5年間のコストの先送り(約1600億円)と事業そのものの収益力低下を反映した工場の減損処理(約700億円)の合計額、つまり2300億円前後の巨額に達する模様だ。だが、これまでの報道をみている限り、より本質的で構造的な2つの問題の解明は進まず、封印される懸念がありそうだ。
事件の発端は今年2月。関係者が証券取引等監視委員会に行ったとされる内部通報がきっかけだ。不可解な発端だけに、東芝内部でなんらかの内紛があった証拠だとささやかれている。事態を受けて、東芝は当初、4月3日付で室町正志会長を委員長とする「特別調査委員会」を設置。2013年度のインフラ関連の工事の会計処理について「自ら事実関係の調査を行う」と発表した。

さらに、5月8日には、「更なる調査が必要」で「ステークホルダーの皆様からの信頼性を更に高めるため」、第三者委員会を設置するとした。
その後は泥沼の展開だ。決算発表もできないまま、6月25日に定時株主総会を開く事態になり、田中社長は「創業以来最大の危機」と繰り返した。当初「500億円程度の下方修正」と報じられていた修正額も、膨らむ一方。修正額の膨張を第三者委員会の調査が徹底している表れと見ているのだろうか、リークらしき情報をマスメディアは競うように大きく扱っている。

急膨張する「のれん代」

しかし、こうした報道姿勢は危うい。というのは、第三者委員会が粉飾決算疑惑の調査の対象期間を5年に限定し、調査対象の不正をコスト(損失)の翌期以降への先送りだけに絞り込んでいると報じているにもかかわらず、それ自体を問題として追及する姿勢を欠いているからだ。
第三者委員会も、調査が不徹底に終わるリスクに気付かないまま、より大きな構造問題を見逃すことになりかねない。日本航空(JAL)が破綻に至った粉飾決算や旧日興コーディアル証券(現SMBC)の身売りの引き金になった粉飾決算をスクープした経験から言えば、始めから問題点を絞り込むようでは全容の解明は覚束ない。
ほとんど報じられていないが、今回のケースで怠ってはならないのは、同社の重要部門だった原子力事業の精査だろう。
中でも、鳴り物入りで2006年10月に4800億円あまりを投じて77%の株式を取得した米原発プラントメーカーのウェスチングハウス(WH)の子会社化は重要だ。当時の西田厚聡社長は、わざわざ説明会を開き、原発の建設や保全サービスなどで2015年には最大7000億円のビジネスが見込めると胸を張っていた。
この買収に伴って、東芝のバランスシート上ののれん代は急膨張した。2006年度(2007年3月末)の計上額は7467億円と1年前の6.5倍に急増した。

問題は、こののれん代の処理にある。

ちなみに、のれん代とは、買収金額と、買収対象になった会社の正味価値の差額を指す。買い手候補が2社以上で競合すれば、のれん代は膨らみがち。経営の実態を決算に反映しようとすれば、膨らみ過ぎたのれん代の償却は不可欠だ。
償却のやり方は、国際会計基準(IFRS)や米国基準と、日本基準で異なっている。IFRSや米国基準では、買収した企業(事業)の価値が下がったら償却するのに対し、日本基準は20年程度をかけて費用として計上し償却することになっている。

原発事業の誤算

そこで東芝だが、同社は米国基準を採っている。WH買収前のことだが、2005年度第3四半期決算発表の席で、担当副社長がWHののれん代について「弊社は米国会計基準を採用しているので、毎年、(下がっていないか)公正価値の再評価を実施します」としながら、有望な事業なので「直近2、3年の間に減損をすることは想定しておりません」と言明した。
そもそも、この償却をしないという方針に無理があった疑いがある。WHの本国である米国では、1979年のスリーマイル島の原発事故以降、新たな原発の建設がストップしており、原発は有望なビジネスではなくなっていたからだ。
さらに、福島第一原発事故から約1カ月が経った2011年4月14日の佐々木則夫社長(当時)の言葉は不可解だ。日本経済新聞やロイター通信のインタビューで語ったもので、「会計監査人に見てもらって今の経営の中から減損のリスクはほとんどないと評価されている。実際の収益の源は(既存の)運転プラントと燃料から来ているので、新規プラントが少し遅延しても減損に至らないと思う」と述べたのだ。
福島第一原発事故で東京電力の企業としての存続が危ぶまれ、米国に続いて日本でも原発の新設が難しくなろうとしていた時期に、減損を不要と言い張る佐々木社長の態度は、リスクの過小見積りとみなされてもやむを得ない。ちなみに、東芝が2010年12月末に計上していたのれん代は約5489億円。このうち半分強がWH分だったとされる。
2012年10月、佐々木社長はさらに約1250億円を投じて20%分のWH株を追加取得した。米エンジニアリング大手のショー・グループから契約に基づく買い取りを迫られて、拒否できなかったのだ。この価格が妥当だったかどうかも精査が必要だ。
WH買収以来、すっかり安易なM&Aが定着した東芝の2014年末のバランスシートには、実に1兆1538億円ののれん代が計上された。仮に、全額を一括償却すれば、巨大に見える東芝の株主資本(1兆4264億円)があっさり吹き飛ぶ規模だ。そもそもWHののれん代の先送りは、必要なコストの計上や損失の処理を先送りするという点で、今回、問題になっているインフラ工事の経費先送りなどと同根の問題でもある。繰り返すが、精緻な調査を避けては通れない。

荒療治が必要

もうひとつの大きな問題は、監査法人である。新聞は「(日本公認会計士協会が)東芝の決算を監査した新日本監査法人について、手続きが適正だったかを調査する」(7月15日付日本経済新聞朝刊)と報じているが、同じ記事の中で「(東芝が)会計処理を巡って監査法人に実態と異なる説明をしていた」として「第三者委員会は監査法人に大きな問題があったとは考えていないもようだ」と疑惑を否定するスタンスを採っている。騙されたのだから仕方ないといわんばかりなのだ。
しかし、会計士は、会計監査のプロである。原子力事業に加えて、もう一つの大黒柱の半導体事業が死に体になっていた東芝の経営を監査して、疑わしい会計処理がいくつも存在したことを見抜けないようではプロの資格がない。
問題は、世界的な粉飾事件として注目された2001年の米エンロン事件以降、グローバル監査法人の間で「マニュアル監査」と呼ばれる安易な監査がすっかり定着してしまった点である。
マニュアル監査というのは、それまでの監査法人の会計士たちが経営の深淵にまで踏み込み、経営コンサルティングを兼業することによって、粉飾に手を貸す結果になった反省から生まれた。
監査項目を記したマニュアルに従って会社をヒアリングし、表面的な回答を得ただけであってもマニュアルの要件を満たせば善しとするものだ。「実態を追及しない監査になってしまった」とベテラン会計士たちの間では批判が絶えない。
こうした状況を打開するには、詐欺罪の刑事罰(10年以下の懲役)と同程度に過ぎない、金融商品取引法の有価証券報告書の虚偽記載を厳罰化し、経営者たちが真摯に粉飾決算の看破を会計士に懇請する環境に変えるぐらいの荒療治が必要かもしれない。
金融当局は水面下で、取材記者たちに、「財界団体のトップを輩出した大企業がこの程度の粉飾決算で経営危機に陥るわけがないでしょう」と吹き込み、問題の矮小化を図っていると聞く。こんなことでは、傷付いた証券市場や企業のガバナンスに対する信頼回復は容易に実現しないだろう。
by nonukes | 2015-07-22 12:59 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

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