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小坂正則の個人ブログ

逆三段論法で国民を騙す官僚と電力会社

逆三段論法で国民を騙す官僚と電力会社
小坂正則
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みなさん三段論法または演繹法という言葉をご存じでしょうか。ある「大前提」の事実や「小前提」をもとにして、推論を重ねて結論を導くものの考え方です。
「野菜を食べると体にいい。にんじんは野菜だ。だからにんじんを食べると体にいい」
という結論を導くことが出来るのです。
このような方法を経産官僚や電力会社も利用して「原発」がなぜ必要かを説明してきました。例えばこうです。

電力は安全で安くて安定供給できるものを進めるべきである。

原発は発電コストが一番安くて、安定している発電方法である。

だから原発を積極的に進めるべきである。


しかし、この事実はとっくの昔に崩れてしまいました。福島事故で原発の危険性は世界中に知れ渡りましたし、ひとたび事故が起これば天文学的な復旧経費がかかり、放射能被害をまき散らすことや、発電コストの中に隠れたコストがいっぱいあって実際には再エネをのぞけば火力や水力などに比べて一番割高だということが分かったのです。しかも、風力はすでに原発よりもコストは下がっていますし、太陽光発電も原発のコストを抜くことでしょう。

ですから事実はこうです。


電力は安全で低廉で、しかも安定供給できる方法のものを進めるべきである。

福島事故で原発の危険性や事故による莫大な事故修復費などがかかり、原発は様々な補助金などによって安く見せているだけで、本当は危険で発電コストは一番高い。

だから原発はただちにやめるべきで、天然ガスや再エネなどに変えるべきである。

そこで、官僚や電力会社は目的を前提にして言葉のレトリック(こじつけや詭弁)でこうしたのです。

原発は積極的に進めなければならない。(結論)

そのためには原発の発電コストが一番安くて、安定的で安全であるように見せる必要がある。(小前提)

不安定な再エネやCO2の出す天然ガスは利用できない。(大前提)

この間の新聞報道はこのレトリックを見事に証明しています。


レトリックのための前提 その1「2030年の原発の割合20~22%」

まず、最初に経産省が決めた2030年の発電割合の目標値です。電源比率の中で原発と石炭火力と地熱をベースロード電源として先に決めています。なぜベースロード電源にこの3つをいれたかというと、出力が安定していて、安いことを上げています。しかし、原発が安いとは言ってません。なぜか原発をベースロードの中に潜り込ませているのです。地熱は建設費が安くはないのですが安定していることやCO2がゼロということから、入れているのでしょう。そして再エネを原発よりも少しだけ多くして、国民の目をごまかそうとしています。でも、原発の寿命を40年と厳密に決めて、40年を過ぎたものは廃炉にするのなら、3030年には14~16%にしかならないのです。ですから、この20~22%というのは新規原発の建設と60年までの延長と立替など全ての可能性を残しておこうという虫のいい考えです。また、そこには「原発のコスト」はどこかにコッソリと隠されているのです。だから、いつの間にか「原発はなくてはならない発電施設」ということ、つまり、いつの間にか三段論法の結果が前提に入れ替わっているのです。


レトリックのための前提 その2「原発を維持するには国による支援が必要」


レトリックの1つが「原発はなくてはならない」が作られたことにより、次はだから、原発を維持するためには「原発を国が支えなければならない」というレトリックの2が作り上げられたのです。こんな低次元のレトリックしかこの国の官僚には考えつかないのです。
以下は6月8日の電事連会長・関電社長の八木誠の会見です。もう、ばかばかしくて私はコメントする気にもなれません。下記の朝日の記事を読んでください。「私たち国民をバカにするな」が私の感想です。


「原発継続へ、核燃サイクルに国が関与を」電事連会長

朝日新聞2015年6月8日
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インタビューに応じる電事連の八木誠会長


大手電力10社でつくる電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)が朝日新聞のインタビューに応じた。電力自由化後も原発を続けられるよう、民間が担う「核燃料サイクル事業」の費用を国が一部負担したり、費用負担の新たな制度をつくったりして、国の関与を強めるよう求めた。
·八木会長の一問一答
 八木氏は、2030年度の原発の割合を20~22%とした政府の電源構成(エネルギーミックス)案を「原子力の確保すべき一定の規模が明示されたことに意義がある」と評価したうえで、原子力発電を続けられる環境を国が整えるよう要望した。
 具体的には、使用済み核燃料を処理して再び燃料として使う核燃料サイクル事業を挙げ、「国と役割分担するという考え方もある」と語った。電力自由化で競争が進めば、発電のコストを電気料金に上乗せできる「総括原価方式」がなくなるうえに、福島第一原発事故の影響で原発の安全規制が強化されると、原発運営のコストが膨大になる懸念があるという。
 八木氏は、核燃料サイクル事業を民間に任せ続けると「費用の回収ができなかったら『私は抜けます』と言うこともあり得る」と述べ、サイクル事業から撤退する社が出る可能性も示唆。「サイクル事業も原子力事業もつぶれてはいけない」などと強調した。
 また、原発事故が起きた際、過失の有無にかかわらず事業者に「無限責任」を定めた原子力損害賠償法について「無過失・無限責任は世界に例がない」と見直しを求めた。
 一方で、原発で発電した電力を、電気を売り買いする取引所で電力を自由に売り買いできる「公益電源」と位置づける考え方には否定的で、これまで通り「国の原子力政策のもとで、民間が原子力を推進する方がいい」と述べた。(平林大輔)
by nonukes | 2015-06-08 21:17 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

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