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小坂正則の個人ブログ

「九州電力が川内原発1基分84万kwの顧客失う」だったら再稼働の必要はない!?

「九州電力が川内原発1基分84万kwの顧客失う」だったら再稼働の必要はない!?
小坂正則

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これだけ減った九電の電力販売先
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5月10日の朝日新聞より(西部本社版)
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4年連続赤字、7千億円近くの累積赤字で積債務超過も目前

九州管内の企業が続々と九電から新電力へ契約を切り替えている

5月10日の朝日新聞西部版の「西発見」というシリーズ版に「電力小売り競争時代 九電→親電力切り替え読出」という記事が載っていました。
簡単に説明すると、「電力自由化で九州電力管内の企業などが九電から次々と新電力会社へと契約を変更している」という内容です。その例として「北九州市の老人ホームが新電力へ契約を変更した結果、13%月々の電気料金が安くなった」とか、「電力の購入先を入札で決めている自治体も増えていて、大分県は警察署や県立学校など111施設の電力を入札で決めた。九電も入札には参加したが、落札したのは丸紅など4社の新電力会社だ。電気代は2割削減されて、年間1億1千万円の削減効果があった」と伝えています。また、「既に福岡、宮崎、鹿児島、熊本の各県庁や九州大学なども入札で新電力から電力を購入している。4月1日現在、九州管内の電力自由化対象(コンビニ規模以上の50KV契約事業所)の8%(5761事業所)が既に新電力の電力を使っている。その規模は84万1千kwで川内原発1基分に相当する」と伝えています。

最終損失が1146億円で来年から小売自由化では九州電力は生き残れない

また、九州電力は4月30日に2014年度の決算を報告しています。その中身は「最終損失が1146億円(前期は960億円の赤字)となり、4期連続の赤字決算となった。また、利益剰余金の減少により、純資産(単体)が3222億円で、資本金と法定準備金の合計(3277億円)を下回り、資本欠損となった。」というものです。つまり、4年連続の赤字で、このままでは債務超過に陥ってしまうでしょう。その理由を「川内原発の再稼働が出来ないので、その分を天然ガスなどで賄っているから、燃料コストが嵩んで赤字が続いている」とは言っていますが、はたしてそれだけでしょうか。
確かに既存の電力会社10社の中で、原発の依存度が少ない中部電力と北陸電力は黒字決算を出しています。原発依存度の高い北海道電力や関西電力に九州電力は軒並み赤字です。ですから原発再稼働を行えば確かに燃料費は幾分下がって赤字は免れるかもしれませんが、それで健全経営に戻るというほど簡単な問題ではありません。
背景にはこれまで地域独占で守られてきた既得権が崩壊しつつある現状が電力会社を襲っているのです。

電力自由化は既に既存の電力会社間の棲み分けを壊してしまった

これまでも大口電量の自由化は実施されていました。しかし、電気事業連合会の指揮下で、「互いの縄張りを犯さない」という各電力会社間の暗黙の了解が311以降完全に壊れてしまいました。その理由として、東電が国の管理下になって、電事連の会議では東電抜きに残りの8電力及び沖縄電力などで話し合いが進められているそうです。「東電を入れると政府に筒抜けになるから」という理由だそうです。政府は東電の再建のためになりふり構わず黒字を出すための方策を練っているそうなのです。関電と中部電力が東電管内で電力販売を進めれば、東電は全国で電力販売を進めているという状況なのです。東電抜きの8電力間では相変わらず談合が繰り広げられているようですが、そんなことは言ってられない既存電力会社間の激烈な競争が2016年から始まる電力完全自由化後は必ず起こるでしょう。その予兆として今回の九電管内での84万kwの減少が起こったのです。

川内原発を動かしても九電は電気が余って仕方なくなる

九電がシャニムニ川内原発を動かしたい理由は、電気が足りないからではなく、原発を動かさなければ債務超過に陥って会社が倒産してしまうからです。確かに「川内原発の補修費に3500億円も注ぎ込んだのですから、今さら後戻りなど出来ない」という思いが九電幹部の本音でしょう。それなら、そんな高額を注ぎ込まずに、原発から撤退していたら、今頃は再建が出来ていたかもしれないのです。ただ、1つだけ言えることがあります。電力自由化が実施されたら、電気はどこからでも自由に買えるようになります。そうなったら、新電力が凄まじい勢いで販売攻勢をかけてくることでしょう。これまでの大口電力自由化では全電力の60%の自由化が実施されていたにも関わらず、全体のわずか3%しか新電力の割合はありませんでした。しかし、これからは大幅に変わるでしょう。なぜなら、西部ガスは100万kwの石炭火力発電所を北九州に建設予定です。すると、確実に九電の電力が100万kw減ることは間違いありません。川内原発1基分以上です。つまりガス会社がガスと電気をセットで安くするという販売方法で、電力販売を行うのです。
政府が2030年原発を22%保つと豪語しても、どこから電気を買うかを決めるのは消費者です。はたして割だかな原発を動かし続けようとしている硬直した親方日の丸経営の既存電力会社が厳しい自由化競争を生き抜くことが出来るでしょうか。
そうなったら、次に出てくると予測されるのが、国が電力会社を税金で支えて、原発の電気を強制的に消費者に買わせるという方法や、「電力価格保障制度」などが浮上してくるかもしれません。
私たちが今できることは、九電の電力を買わないように大企業や自治体へ働きかけることです。特に地方自治体など、地方公共団体は競争入札が義務づけられているはずです。電力も九電から買うか新電力から買うかの入札を行えば、必ず九電は負けるでしょう。競争入札で九電にどんどん負けさせて、九電の電力販売量を半分にまで落とさせましょう。
そしたら、川内原発を動かそうにも売り先がなくなって止めざるを得なくなるのです。
by nonukes | 2015-05-15 22:38 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

  小坂正則