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小坂正則の個人ブログ

原発のウソを暴く第2弾! 政府の言う「原発20%が温暖化防止の切り札」などでは決してない!

原発のウソを暴く第2弾!
政府の言う「原発20%が温暖化防止の切り札」などでは決してない!

小坂正則
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プロローグ
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私は2012年の暮れの総選挙が終わった後から今日まで、なぜか、もんもんとした息苦しさが続いています。それはちょうどジトジトと降る雨の薄暗い夕闇の中、空が鬱状態のような重たい空気に包まれて、私が知らず知らずの内に漏らしている溜め息のような感じでしょうか。
なぜなら、一国の首相がウソを平気でついて、国民を騙してもマスコミは正面切って批判も出来ない。一国の主の言ってることとやってることが真逆なのに、それを批判さえ出来ないような重たい空気が日本中に蔓延しているのです。
国会審議で社民党の福島瑞穂議員が「戦争法案」と言って、安保法制関連法案を批判したら、一国の首相が「そんなレッテル張りは許されない」と激高して議員を非難して、議事録から削除させようと権力を使って脅したりしても、それは国権の最高権力者の言論の自由らしいのです。米国に行って「先の大戦の痛切な反省を胸に刻み…これらの思いは歴代の首相とまったく変わらない」とは言っても、元従軍慰安婦の方々への具体的な謝罪も何もありません。安倍首相は言葉で痛切な反省とは言いつつ、本音ではそんな思いは微塵もないことが顔には書いていました。この国には国民の自由はなく、あるのは首相の言論の自由だけです。
そんなよどんだ空気が蔓延している社会の中で、人々は自信を無くしたり諦めてしまったりして、日本社会全体が何か活気を失ってしまっているようでならないのです。

1つ1つ真面目な議論をしなければ取り返しのつかない社会に落ちて行く

前回のブログで、私は「原発の発電コストが最も安い」と説明する経産省のウソを暴きました。安倍政権は口先では「できる限り原発依存を下げる」と子ども騙しのウソを言って、実際には原発輸出を進め、「安全な原発は全て動かす」と言い、本音では新規原発の建設を企んでいます。また、首相のお抱え御用学者たちを集めて「原発は最も安価で、安定しているベースロード電源だから2030年の原発比率を20~22%」と決めました。
それは資源エネ庁の「長期エネルギー需給見通し小委員会」の小松製作所社長の座長以下14名のメンバーの内、原発15%を唱える中間派の橘川武郎( 一橋大学大学院研究科教授)と反対派の高村ゆかり(名古屋大学大学院環境学研究科教授)以外の12名は原発積極推進派なのですから、元々お話にならないお飾り委員会なのです。
ですから、こんなインチキ委員会の決定がどうあろうとも、本当のことを私たち国民が白日も下に晒して、徹底的に反論しなければなりません。マスコミのペンの力が弱っている中では、なおさらです。
安倍政権は矢継ぎ早に原発推進政策をどんどん出してきています。集団的自衛権や安全保障関連のいわゆる「戦争法案」の議論に隠れてしまって、エネルギー問題は影を潜めてしまいかねません。だから次に出てくる「温暖化ガス削減目標」の数値にたいする批判も必要なのです。

原発ゼロでも2030年温暖化ガス削減30%は可能

政府は2030年の温暖化ガス削減目標を2005年比26%削減の目標を決めると言われています。各国の削減目標を見るときに騙されてはならないことが1つあります。それは基準年をどの年にするかということです。ドイツなどEU諸国は1990年を基準年としていますが、なぜか日本は2013年や2005年を基準年として目標数値の嵩上げを行っているのです。しかも、その削減の手段がいつものように原発に頼るというのです。
そこで、日本の26%の削減目標は基準年を90年にしたら約16%です。しかも、そのうち森林吸収分、約2.6%、代替えフロン1.5%を引けば、実質11.9%しかないのです。どうという数値では決してはないのです。こんな低い目標値で2050年に80%削減などできっこありません。
それに比べて、ドイツなどEUは90年比で40%削減目標です。スイスは50%です。このような意欲的な目標に比べて日本の削減目標の低さが、口先だけの安倍首相のやる気のなさと、行き当たりバッタリのいい加減さが如実に表れているではないですか。
それでは実際に原発を動かさないで温暖化ガスを減らす方法はあるのでしょうか。
あります。その第一は、再エネの発電コストが大幅に下がることで、火力や原発の発電コストよりも割安になるからです。NEDOの試算では1kwhあたり7円としています。私はその予測よりも安くなると思っています。なぜなら、2012年から始まった固定買い取り制度(FIT)によって、2012年に1kwあたり、40万円だった建設コストが、翌年には30万円になり、2014年には25万円にまで下がっているのです。毎年25%ほど下がったのです。つまり、太陽光が核発電施設の中で一番安い発電になるのです。そしてバッテリーの性能向上と価格低下がダブルで進行しています。つまり、これからは大型のバッテリーによる負荷変動調整機能も進むでしょうし、各家庭で電線を必要としないオフグリットも進でしょう。それは再エネが火力や原子力を経済的に駆逐して行く構造が進行するのです。
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世界最速の人口減少がエネルギー消費を大幅に削減する

2013年に日本全体で24万人の人口が減りました。しかし、問題は出産可能女性の人口減少と特殊出生率が1.2人から1.3人と毎年低下している点が大きな問題です。つまり、毎年人口減少が増加するということです。これは単に女性の個別の問題だけではありません。社会経済的要因が大きいと言われています。結婚出来るだけの仕事や賃金がもらえないから、結婚適齢期の若者が結婚できないことや、結婚しても子どもを持つ余裕がないなどの社会的子育て支援がないからです。この状態はまだまだ続くでしょう。どこかで減少率は収まり、平準化することを私も願っていますが、まだまだ根本的な解決策をこの国が提案できるとはとても思えません。
特に、少子高齢化は若者の数が減り生産労働人口減少から経済成長がマイナスになり、それに伴い購買力も減ってエネルギー消費も減少するでしょう。
図のように国立社会保障・人口問題研究所の予想では2050年には30%減の9500万人、2100年には低位で70%減の3700万人まで人口が減ると予測しています。つまり、2030年には20%減で約1億人くらいでしょう。すると、購買力大きく減って、エネルギー効率の発展と同時にGDPも減って、少なくともエネルギー消費は現在の2割減は確実でしょう。つまり、日本は温暖化対策をほとんどやらなくても温暖化ガスの排出は随分減るわけです。

マイナス経済成長社会へソフトランディングの準備を

少子高齢化と人口減少は先進国の国家や都市の共通の課題だそうです。米国の自動車産業を支えてきたデトロイトでは60年以上前から、右肩下がりの人口減少から抜け出せずに、1950年代には180万人の人口が、現在では約80万人です。ここでは都市機能そのものが廃墟と化して来たそうです。そのために廃墟となった街並みやビルを解体して森に返したり、不要になった橋を取り壊したりして、都市縮小化を進めて、小さくて機能的な街に作り替えてきたそうです。しかし、そこで進められている取り組みが見事です。都市再生の主役が市民なのです。スモールビジネスや新規起業家同士が助け合って、共生社会を作っているそうなのです。都市型農業などの新規起業化など、今では世界中から見学者が後を絶たないそうです。
これからの日本の地方都市や過疎地域ではデトロイトを上回る勢いで人口減少が進むでしょう。そんなマイナス経済成長社会で、今進めるべきことは、人口減少に対応したライフラインの再構築とスクラップアンドビルドの計画的な地域再生計画を作ることです。
原発をどんどん作って大量生産・大量消費社会は20世紀で終わったのです。21世紀後半は人口減少社会に合った生き方や暮らし方のマスタープランを早く作ることです。
そのためには何が必要なのか。それはひとり一人の暮らしが決して贅沢ではなくても豊かで楽しいことでしょう。具体的にはGDPが下がっても一人当たりの所得が減らなければ何の問題もないのです。全体の購買力は落ちて、大きなデパートやショッピングモールは撤退しても、小さな商店がそれぞれの街にあり、自動車の数は減っても、公共交通が整備されて、時間に追われて、食うために働かなければならない暮らしから、自分の自由な時間を大切に使える暮らしが、真の豊かな暮らしなのでしょう。
21世紀は再生可能な社会へとシフトしなければなりません。それはエネルギーでも言えます。風力や太陽光が電気を作ってくれるので、エネルギーを稼ぐために働く必要はなくなります。山や田畑は安全な食料を作るために農民は働き、山は整備されて、田畑や山のバイオマスは全てエネルギーとして利用されます。そして、そこから出る残滓は田畑に戻されて肥料として循環されます。そんなものを大切にする社会は人も使い捨てにしないで大切にする社会になるでしょう。
そんな21世紀後半の社会や暮らしのためのエネルギー政策と環境政策を私たち市民自らでデザインしましょう。




意欲のない温室効果ガス削減目標は受け入れられない
原発ゼロで温暖化対策の深掘りをすべき

2015年4月24日
認定NPO法人 気候ネットワーク
代表 浅岡 美恵

 本日の各種報道によれば、政府は23日に、2030年の温室効果ガスの削減目標を25%にすることと、電源構成(エネルギーミックス)について最終調整に入ったということです。

 温室効果ガスの2030年削減目標は、基準年も明確にされないまま「25%削減」という数字だけが新聞紙面に踊っていますが、IPCCで示された「2℃目標」を達成するために必要な大幅削減にはほど遠く、決して受入れられる数字ではありません。少なくとも、日本国内において2050年に80%削減という長期目標に向けて直線的な道筋を描くためには、2030年に1990年比40~50%削減が不可欠であり、25%でも不十分です。さらにこの基準年は2005年あるいは2013年と伝えられており、1990年から約10%程度増加していますので、実質的には1990年比で15%程度しか削減しないというものです。これでは、世界から大きな顰蹙を買うことになるでしょう。
 一方、温室効果ガス削減と表裏一体であるエネルギーミックスの議論では、政府は2030年に原子力発電20~22%、再生可能エネルギー22~24%、天然ガス火力27%、石油火力3%で調整していると報道されています。この数字は非常に問題です。まず大前提となる2030年の電力需要の見通しでは、政府の長期エネルギー需給見通し小委員会の、2013年の9670億kWhから2030年9810億kWhに増加することを前提としています。再生可能エネルギーは22~24%としていますが、ここには大規模水力も含まれ、約9%を占めていますので、風力、太陽光、地熱、バイオマス、小水力などの本来の自然エネルギーは13~15%程度にしかなりません。これでは、大幅に増やすことになりません。少なくとも、本来の自然エネルギーを30%以上に増やす目標を掲げて、それを前提に電力システムを改革していくべきです。
 さらに、2030年の原子力発電を20~22%も見込むことは、現時点で一基も稼働しておらず、40年を経過した、あるいは経過が近い原発が多数存在することからも、非現実的な想定です。稼働期間を60年に延長し、新増設も予定した案であり、福島原発事故の被害を直視せず、原発依存からの脱却を求める国民の声に背を向けた案といわざるを得ません。
 また、火力発電については、石油と天然ガスを現状から大幅に減らす一方で、CO2排出量の最も多い石炭火力発電を温存させる案であり、石炭火力発電所の割合を大きく減らそうという世界の潮流からは大きく逸脱するものです。

 現在、エネルギーミックスの議論は原発依存から脱却を求めて声をあげてきた国民の意思を反映させるプロセスがとられず、国民的議論のないまま、今回の「25%削減」という数字も突然報道ベースで出てきました。
 2030年の日本と国民生活の将来像にかかる問題であり、国民的議論のプロセスを十分に踏まえて、決定していくべきです。

http://www.kikonet.org/info/press-release/2015-04-24/2030-energy-mix
by nonukes | 2015-05-01 10:18 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

  小坂正則