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小坂正則の個人ブログ

米国の指示で人質解放交渉ができない安倍政権の苦悩

米国の指示で人質解放交渉ができない安倍政権の苦悩
小坂正則
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第二次安倍政権は誕生したから一貫している政治姿勢がある。それは米国の軍事的な利益のために日本政府及び自衛隊は行動するということだ。だから沖縄の辺野古など米軍基地問題にもオスプレーの配備にも、一切自国民の利益を考えたような発言も行動も取らない。それが安倍政権の明確なポリシーなのだ。
集団的自衛権の行使も米軍の要請であり、極東の米国の利権を守るために自衛隊を使いたいという米国の意図だろうし、願わくば中東紛争への介入にも自衛隊を参加させたいという米軍の意図を安倍政権は実現させようとしているのだろう。
つまり、21世紀の日本外交は米国及び米軍の傘下で生き延びようとしているのだろう。中曽根や完全に狂っている石原元都知事などは、その上で日本の自衛隊を軍隊に昇格させて核武装まで行えば完全に独立国として成り立つことができると考えていた。
自民党は党綱領で、自主憲法の制定をうたっているのだから、元々自民党はネトウヨとそんなに考えが違うわけではない。だから安倍晋三なる人物は正真正銘の自民党綱領を実践しようとする単純総理だ。
実際には現実派の田中角栄や宮沢に、福田などは現実路線を実践してきた。ところが、ひょんなことからゾンビのように生き返った死体政権は、一度死んだだけに怖い者知らずのように無謀な極右政治を行おうとしている。これまでの対米外交は、米国や米軍の要求を何とか値切ったり、「憲法9条が足かせでそれはできません」と、言い訳をして、米軍の要求を跳ね返してきた。ところがこの御仁は本気で何でも米軍の要求を素直に聞いているから、米軍の要求がどんどんエスカレートして来たのだ。 それどころか、米国も心配するような辺野古基地建設を強行して、「このまま辺野古基地の建設を強行すれば米軍が沖縄に駐留すること自体が困難になるのではないか」と、米国政府さえ心配している状況だとも伝えられている。そんなウルトラ極右安倍政権がここにきて直面した人質事件で八方ふさがりとなってしまった。

米国と米軍こそ世界最大のテロリストだ

これまで米英は一貫して「テロリストとの交渉には応じない」という姿勢を貫いてきた。だから、彼らが行うのは人質解放作戦で特殊部隊を急襲させて、相手を武力攻撃して人質を奪還する作戦を行うだけだ。だから大半は失敗する。それが悪いとは言えない。確かにその方法もあろう。イスラム国とは戦争状態なのだから、武力で奪還することだってあり得る。しかし、その方法は人質の大半が殺されてしまうとう大変大きななリスクを伴うことだ。
日本政府にはそんなことはできない。米国は元々彼らがイスラム国と同じようなテロリストなんだから、テロに対してテロで応酬するという考えなのだろう。だって、パキスタンでは政府の許可も取らずに無人殺人機が上空からテロリストを狙うという名目で何の罪もない市民を殺戮しているのだから、それをテロリストと言わずに誰をテロリストと言うのだ。アルカイダを作ったのも米国CIAだし、アフガニスタンを泥沼の戦場にしたのもソ連と米国だし、イラクを一方的攻撃して多くの市民を無差別に殺したのも米軍だ。
そして、これまでイスラム国が支配している地域を2000回も米軍が組織した勇士連合軍は空爆を行った。確かにイスラム国の軍事施設も攻撃しただろうが、誤爆で民間人も多数殺されているだろう。もちろん、だからといってイスラム国の兵士の他宗派の人々を殺したり残虐な行為が認められるわけでも決してないが、米国の利権のために繰り返される米軍の残虐なテロが新たなテロを生み出しているということはだけは事実だろう。
歴史を遡れば、国際連盟の戦争法に違反するように東京空襲を行ったのも広島長崎に核爆弾を投下して人類史上最悪のテロを行ったのも米国だ。もちろん日本軍に罪がないとは決して言えない。日本軍も米軍と同じかそれ以上に卑劣な戦争犯罪を行ったが、同じように米軍も戦争犯罪を行った。でも、日本は戦犯として一定の戦争責任を取ってはいるが、米軍は、核爆弾の投下が正義だったといまだにうそぶいている。広島長崎は歴史上最大の戦争犯罪だ。米国の責任をなぜか日本人は追及しない。その理由は、自分たちがアジアで繰り返した犯罪に対してちゃんと謝罪し、保障をしていないからではないかと私は思う。私たちはちゃんとアジアの人々に謝罪して、その罪を償って、二度と同じ過ちは繰り返しませんと世界に約束する必要がある。しかし、安倍政権は、侵略戦争を侵略ではないとごまかし、従軍慰安婦などなかったと歴史を改竄しようしている。そんな人間に米軍を批判などできるはずはない。私たちが侵略戦争を心から反省すれば、米国の戦争責任も追求できるはずだ。これこそが私たち日本人の本当の意味での戦後レジームからの脱却だと私は思う。

米国は人質交換を許さない

安倍晋三の政治姿勢はコンプレックスからきた自虐的米国追従思想だと思われるが、イスラム国へ身代金は出せない。しかし、人質交換ならうまくいくかもしれないと思っていたら、横やりが入ったのだ。「マクドノー大統領補佐官は25日、FOXニュースのインタビューで人質と囚人の交換は行わないと述べた」と。米国にも1人の女性が人質になっているというが、米国は一切交渉には応じないという。だから「日本にも決して人質交渉には応じてはならない」と米国からお達しがきたというのだ。しかし、ほとんどのマスコミはそのことを伝えていないし、何かヨルダンの顔を立てるとか、立てないとかの問題だと、わざと問題をすり替えている。要は米国が人質交換も身代金交換も許してはくれないのだ。福田悦夫もと首相はそれでもお金を出したが、安倍晋三はそんなことはできない。米国が怖くて、そんな米国の指示を裏切ることなどできない。そんな勇気はないのだろう。
だからこのままでは後藤健二さんは見殺しにされてしまう。
米国にたまには「NO」を突きつけろ。私たち日本国及び日本人はアメリカの奴隷ではない。日本国及び日本人は日本のルールで人質を解放させるのだと。




人質交換に反対しているのは米国である動かぬ証拠
天木直人 2015年1月27日

日本のメディアはヨルダンが、日本の人質解放と捕虜になったヨルダン人パイロット人質の釈放のどちらを優先するか板挟みで苦しんでいるなどと馬鹿な事を報じている。
ヨルダン人を犠牲にした死刑囚を釈放することはヨルダン国民が許さない、ヨルダン国民の反発を恐れるアブドラ国王は苦境に追い込まれているなどと、馬鹿な事を報じている。
親日国のヨルダンや親日家のアブドラ国王を苦しめることは、安倍政権にとっても辛い事だなどと馬鹿な事を報じている。
それらはみなウソだ。
ウソでなくても、二次的なことだ。
イスラム国が要求する死刑囚釈放は、米国が決して許さない。
そんなことをすれば、ただでさえ勝てないテロとの戦いに、屈服する事になるからだ。
後藤氏釈放の実現の本当の困難さはここにある。
そう私は何度も繰り返してきた。
その証拠を、きょうの1月27日の読売新聞が、「米『囚人釈放』応じず」という見出しで要旨次のように報じていた。
すなわちマクドノー大統領補佐官は25日、FOXニュースのインタビューで人質と囚人の交換は行わないと述べたと。
人質になっている米国人女性について「生還のためにやるべきことはなんでもやる用意がある」が、イスラム国の人質交換要求には応じないと述べたというのだ。
この読売新聞の記事で我々が知ったのは、イスラム国は現在、米国人女性一人も人質にしているということだ。
そして米国に対し、その女性人質解放の為に、身代金の要求や人質交換を要求しているということだ。
そして米国はその要求には絶対に応じない。
同時に米国は、やれることは何でもやるといっているということだ。
これは、いざという時には特殊部隊による強硬措置を取るということである。
人質の命が二の次であるという事である。
米国が、属国のごときヨルダンや日本に、イスラム国の要求に従うなと命令していることは容易に想像がつく。
たとえそうでなくとも、米国の庇護なしにはやっていけないアブドラ国王や安倍首相が、米国の意志に反する事をやれるはずがない。
ヨルダンと日本の苦しみはここにある。
ヨルダンと日本が自国民と相手国のどちらを優先するかで駆け引きをし、悩んでいるなどということではなく、米国と自国民救済の板挟みという共通の苦しみを前に、どうしたらよいものかと困り果て、慰め合っている、というのが本当の姿である(了)

天木直人のブログより転載
http://www.amakiblog.com/archives/2015/01/27/




最優先すべきは命だ
森達也 映画監督・作家
ハフィントンポスト 2015年01月26日

イスラム国による二人への殺害予告がなされてから二日が過ぎた22日未明(日本時間)、岡村善文国連次席大使は国連総会で、イスラム国を批判しながら「日本はテロや暴力に屈しない」と演説した。
とても当たり前のこと。「テロに屈する」という選択肢など存在しない。ならばなぜ二人の安否がわからないあの時点で、敢えてイスラム国を挑発するようなフレーズを、次席大使は世界に向けて言わなくてはならなかったのか。そこに官邸の意向はどのように働いていたのか。
世界ではアメリカ同時多発テロ以降、そして日本では地下鉄サリン事件以降、テロは社会に挑戦する絶対悪となった。その帰結として言葉のインフレが加速した(特にこの国では)。
つまり濫用だ。その結果として解釈が拡大される。要するに何でもかんでもテロ。2013年にボストンで爆破事件が起きたとき、日本の主要メディアはテロとしてこれを伝えたけれど、アメリカのメディアはテロを使わなかった。今もこの事件の呼称は、アメリカではBoston Marathon bombingsと素気ないが、日本ではボストンマラソン爆弾テロ事件だ。
アメリカのメディアがテロという言葉を使わない理由は明確だ。実行犯の兄弟二人は、何の政治的声明も発信していない。ならばこれはテロではない。単なる爆破事件なのだ。
テロの定義は、何らかの政治的目的を達成するために、暴力による脅威で標的を不安や恐怖に陥れること。暴力行為だけではテロの要件を満たさない。政治的な目的が必要なのだ。だからこそノーム・チョムスキーは、アメリカをテロの常習国家と呼ぶ。
ところが動機すら解明されていないオウムによる地下鉄サリン事件がテロと躊躇いなく呼ばれるように、日本のメディアは、「テロ」をとても安易に使う。その結果として数々の弊害が生じる。その一つが「テロに屈するな」の濫用だ。

ここまでを読みながら気づいた人もいるかもしれない。身代金要求は政治目的とは違う。いわば営利誘拐そのものだ。つまりこれを「支払う」ことは「テロに屈する」と同義ではない。でもこれを混同している人が多い。何よりも官邸がそうだ。そうなると交渉することそのものも、テロに屈したということに拡大解釈されてしまう。
もちろん支払うことが国際社会に与える政治的影響は看過できない。何よりも一度支払えば、反復されるリスクがある。だからこそ現時点での最善策を考えること、交渉し続けることが重要だ。
屈しないために考えるべき方法はたくさんある。実際に今は、違う選択肢がイスラム国から提示されている。ただしこの選択肢はきわめて政治的だ。この要求に従うことが、むしろ「テロに屈する」ことなのだとの意識くらいは保持すべきだ。
そのうえで最優先は命を救うこと。そのための策を練ること。実行すること。当たり前だ。
報道によれば、11月の段階で後藤健二さんの家族に、イスラム国から身代金の要求があり、12月には政府にこれを伝えたという。つまり官邸は二人への身代金要求を知っていた。
その後は極秘裏に人質解放のための交渉を続けていたと思いたいが、ならばよりによってなぜフランスのテロ直後に、二人が拘束されていることを知りながら、安倍首相はイスラム国と敵対する国ばかりを訪問して、連携の強化や対テロのための高額の支援を表明しなければならなかったのか。さらにアラブにとってはパレスチナ問題で長年の宿敵であるイスラエルを訪れて、日章旗とイスラエルの国旗の前で『テロとの戦い』を宣言しなければならなかったのか。殺害予告の期限が近づいている22日に国連の場で次席大使に、あんなパフォーマンスをさせなければならなかったのか。

テロと戦う。このフレーズを掲げながら集団化を進めたアメリカはイラク戦に突入し、結果としてイスラム国が誕生した。すべてが連鎖している。それも最悪の方向に。なぜイスラムの一部はこれほど西側世界を憎悪するのか。その構造を理解すれば、二人の国民が拘束されているこの時期に、イスラエルなどに行けるはずがない。挑発と解釈されて当然だ。
もしも12月の段階で政府が本気で交渉していたのなら、身代金の金額は桁違いに低かったのだから、今ごろは二人が帰国できていた可能性はとても高い。なぜそれをしなかったのか。「テロに屈する」とか「テロと戦う」などのフレーズが交渉のブレーキになったのだとしたら、あまりに意識が低い。優先順位を決定的に間違えている。
およそ10年前、イラクで一人の日本人若者が殺害されたとき、この国は何もできなかった。悔しかった。何もできない自分が腹ただしかった。もうあんな思いはしたくない。
結果的に官邸は二人を救出できる芽を摘んだ。さらに火に油を注いだ。それも何度も。しかも二人が拘束されて身代金の請求があったその時期に、安倍首相は(大義なき)選挙に踏み切った。使われた税金は600億円。致命的なミスを何度もくりかえしている。命を軽視し続けてきた。
その帰結としてハードルはどんどん上がっている。ついには一人が殺害された。犠牲になった。「言語道断」とか「許し難い」などと常套句を口にしている場合ではない。許し難いとは許すのが難しいということ。ならば一人を殺されても許せる余地があるのか。あなたの怒りはそのレベルなのかと、メディアは突っ込むべきだ。

国益が大好きな日本のメディア関係者やジャーナリストや識者たちに言いたい。国益とは国の利益。でも確認するけれど国益の最優先は、国民の生命のはずだよね。
ならばその国益が明らかに犯されようとしている今、なぜこれを放置し続けた政権を批判しないのだろう。なぜ見過ごしているのだろう。なぜ本気にさせないのだろう。
これ以上は過ちを重ねないでほしい。もう一度書く。最優先すべきは命だ。


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by nonukes | 2015-01-27 14:54 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

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