ブログトップ

小坂正則の個人ブログ

固定価格買取制度をより発展させて、日本を再エネ世界一の国にするために

d0174710_194153.jpg

香港の学生たちによる雨傘革命といわれる道路占拠の模様


固定価格買取制度をより発展させて、日本を再エネ世界一の国にするために
小坂正則

私は今回の固定価格買い取り制度についていろいろな意見を述べてきました。前回書いたブログの「九州電力が「太陽光発電の電気買い取り」に待ったをかけた本当の理由とは」という文章へのアクセスが10月8日から昨日までの5日間で約8千件になりました。今日も見てくれている方がいますので、まだまだ増えると思います。重複して見てくれた方もいるでしょうから、それだけの人が目を通してくれたとはいいいませんが、FBの「いいね」が1800件です。それだけ多くの方が今回の買い取り中断の裏でなにが行われようとしているのかということに疑問を感じており、電力会社や安倍政権の意図に対して何らかの不信の現れだと思うのです。
しかし、太陽光発電設置業者やオーナーに取っては「大混乱と死活問題」なのでしょうが、これだけ大きな問題に発展したことで、国民の大きな関心を生んだとこは高く評価できると思うのです。
これまでに固定買い取り制度により太陽光発電が95%でその他は5%という太陽光発電ばかりのいびつな系統連携には問題があるにしても2年間で1000万kwの再エネが生み出されて、それへの国民負担が毎月225円で出来たのだということは事実として大きな成果だといえるでしょう。年間2700円で原発1~2機分の電力を供給してくれるのです。また3月までに申し込みの量が7000万kwということですから、その全てが設置されたら10機分の原発に相当するのです。ただ、それに伴う国民負担が毎月2000円となるという試算がありますので、要は買い取り価格をいかにして下げるかという問題だけなのです。この件については以前のブログを読んでください。
ドイツではすでに2012年の末にはメガソーラーの買い取り価格は1kwあたり15円です。日本も15円にするべきですが、来年から15円にすれば7000万kwにはならないにしても国民負担もわずかで、再エネが利用できる可能性があるのです。
このような大きな可能性を秘めた事実をもっと前向きに考えて、再エネを本気で取り組めば日本の再生に大きく貢献できる可能性があるのです。

地方再生は再エネによる農業と林業と観光との連携にかかっている

私は再エネの活動をこれまで10年以上にわたって取り組んできました。その大きな特徴は「木質バイオマスなどの再エネ活用で林業と農業と観光をリンクした地域再生が必要」と訴えてきました。日本には化石エネルギーはほとんど有りません。しかし、森林資源は世界3番目の率で、熱帯雨林地帯なので、水資源が豊富です。この水は稲作の元であり、小水力の資源でもあります。地震国ですから地熱が豊富です。温泉熱利用による再エネも豊富です。考えてみれば日本は再エネ世界有数の資源国なのです。おまけに四季のある日本列島は観光資源にも恵まれた自然の豊かな国でもあるのです。このような国土の豊かな資源を利用して地域再生に取り組めば、決して「この国も捨てたものではない」と私は思うのです。
政府も電力会社も今回の買い取り制度ではせいぜい今の1/10程度の応募だと考えていた節があります。しかし、不況下での投資先を見失ったマネーが、太陽光発電へ一気に集まった結果が示すように、いい意味にも悪い意味にも「お金が社会の方向を決める」のです。決して私たちの善意や意思だけでは社会を変えることは出来ないのです。田中優さんがいつも言ってるように「再エネを広めるには我慢と努力と忍耐など不要」なのです。
つまり、しっかりとした目標や展望を描いて、それへの到達のための制度を作ってしまえば、後はお金の流れが、私たちの社会を、いい方向に向かわせることができるのです。
そのための仕組みを少しだけ改良すれば、少ない費用で大きな効果を生み出すことも可能なのです。

どんな社会を私たちはめざすのかを国民的な議論を進めよう

安倍政権は原発輸出で経済発展を進めようと言ってます。それが原発海外輸出と武器の輸出などが安倍政権の第三の矢であるかのようです。そんな戦争経済に依存した日本をめざすのか、平和憲法を活かした「戦争をしない国」と再エネによる国土の建設で「世界の規範となる」のか、ここは大きな分かれ目だと私は思います。大飯原発差し止め訴訟で福井地裁の裁判長は「豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である」と言ったのです。
このようなすばらしい近代まれにみる判決文はめったにないと思います。私たちの生活が安全で安心出来ることこそが、全ての産業の基礎であり暮らしの元だからです。そしてそれこそが家族の幸せの最も大切な原点でもあるのです。戦争になれば三菱重工などの武器産業は一時的には潤うかもしれませんが中国の観光客は来ませんし、戦争で幸せになった市民などいないのです。
朝日新聞批判が蔓延して、NHKの国家支配が進んだことで、多くのマスコミは萎縮しています。だから、政府批判はほとんど聞こえてきません。私に言わせれば戦後最悪の「閉塞状況」だと思います。そんな逆境の中だからこそ、周りの自粛ムードや諦めの風潮に流されることなく、私たち一人ひとりが「しっかりした覚悟を持って」生きていかなければならないのだと思うのです。

諦めないで夢を持って進もう

自民党安倍政権になってこの間、私たちは特定秘密保護法案の強行採決や武器輸出の拡大や集団的自衛権の拡大解釈など、きな臭い話ばかりで、おまけに消費税の増税や社会保障費の増額に、年金の不安や少子高齢化などに、その上不況で非正規労働者は、「この国に生まれて何の夢も希望も持てない」と嘆き悲しんでいる若者や市民が多いと思います。でも、諦めないで、頑張って夢を持てるような社会を一緒に作っていこうではありませんか。私たちの想像力は私たちを自由にすることが可能なのです。
香港の学生や市民は自分たちの自由を守るために道路を占拠してたたかっています。皆さん彼らの社会変革を求めて行動するエネルギーはどこから来ていると思いますか。それはきっと「未来への夢と希望」だと私は思います。彼らは自分たちの住んでいる愛する香港という故郷を自分たちで作り育てるのだという「強い意思」を持っているから諦めないでたたかい続けることが出来るのだと思います。私たちも、311福島原発事故という歴史上最悪の原発事故を経験して、日本は大きく変わることができるんだという夢を持ち続けて、明るい夢のある未来を国民全体で描こうではありませんか。

福山哲郎(民主)参院予算委で再稼働の矛盾点と再エネの提案をしています


福山哲郎(民主)参院予算委「第5層をチェックする仕組みがないのに... 投稿者 suisinjya


週のはじめに考える “大転換”の風が吹く
東京新聞2014年10月12日

ドイツでは、再生可能エネルギーが急速に普及しています。かといって、電力が足りなくなることはなく、ものづくりも好調です。風は誰が吹かすのか。
今年ドイツでは、電力消費量に占める再生可能エネルギーの割合が、28・5%になりました。
二〇〇〇年には3%しかなかった風力や太陽光の電力が、25・1%の褐炭火力を抜いて電源別第一位の座に就いたのです=写真。
日本では、せいぜい2%程度しか、太陽や風の力を活用していません。ドイツでは、なぜ増えていくのでしょうか。
「そもそも、なぜエネルギーベンデ(大転換)が必要か」
ドイツ環境・建設・原子力安全省気候変動対策・エネルギー転換局長のトーステン・ビショッフさんは問い掛ける。
ドイツで公表された最新の予測では、二一〇〇年までに世界で二億人を超える人々が、地球温暖化による海面上昇に暮らしや命を脅かされる。中国だけでも五千万人、日本では千三百万人が影響を受けるという。
温暖化を食い止めるため、世界は行動を起こさなければなりません-。私たちの想像以上に欧州は、温暖化に対する危機感を強く共有しています。
「エネルギーベンデは、温室効果ガス削減の特別な道具です」とビショッフさん。
連邦政府が描く二〇五〇年までの温室効果ガス削減のシナリオには「再エネ電源を八割にする」と明記されています。
福島原発事故による連邦政府の脱原発政策が、再エネの普及を加速させました。
国として確かな目標を持つ-。このことがエネルギーベンデの大前提になっている。目標を実現するために、連邦政府は厳格なルールを掲げています。

◆再エネが奏でる主旋律

ビショッフさんはその原則を「再エネが主なリズムを奏で、他の電源がそれを補う」と表現します。送電線の中では再エネの電力が最優先、火力や原子力は常に、道を譲らなければなりません。
発電事業と送電事業は完全に分離され、送電事業者は再エネの電力を、決められた値段で無制限に買い取らなければなりません。
風力や太陽光は天候に左右されやすく、電源として不安定な面があるのは否めない。それを承知で再エネを電力の主役に据えたことにより、ドイツでは、ベースロード電源という考え方が、時代遅れになりました。
日本のエネルギー基本計画では、原発を維持する理由にされた、二十四時間、安定的に使える高出力の電源が、不要になるということです。その代わり、送電網の拡充と近代化が必要です。
再エネ電力の売り手の多くは、個人や小規模事業者です。
小規模で多様な電力をまとめ上げ、よりスムーズに家庭や事業所へ送り込むマネジメントが、送電事業者の役割です。高圧超電導ケーブルの開発など毎時、毎分、毎秒単位の需給調整が可能になるような、柔軟な送電網の確立にドイツは挑んでいるのです。
エネルギーベンデとは、電源の転換だけではありません。送電網も含めたエネルギーシステム全体の大転換を意味しています。
日本では、再エネの買い取り申請が増えすぎて、大手電力会社が受け入れを中断し始めた。
不安定な再エネ電力が送電線に殺到すると、周波数が乱れ、停電を引き起こす恐れがある…。ドイツではできない言い訳です。
もう一つ、エネルギーベンデに欠かせないのが、電力消費者の理解でしょう。
再エネの買い取り料金が賦課されて、家庭の電気料金が値上がりしたのは確か。ところが世論調査では、ドイツ市民の九割以上が惑うことなくエネルギーベンデを支持しています。石油やガスを輸入しなくていい社会、原発事故や温暖化の心配がない未来への投資だと、割り切っているからです。

◆市民が何を選ぶのか

ビショッフさんに「政府の意思と国民の選択が、成功の秘訣(ひけつ)でしょうか」と聞いてみました
ビショッフさんは、にっこり笑って言いました。
「ドイツでも四年に一度、連邦議会の選挙があるからね」
風車へ風を送るのも、太陽光に光を当てるのも、結局は私たちだということです。


大規模太陽光:参入凍結 経産省検討、電力量を制限
毎日新聞 2014年10月11日 

 ◇買い取り停止相次ぎ

 電力会社が太陽光など再生可能エネルギーを一定価格で買い取る「固定価格買い取り制度」を巡って、九州電力など電力5社が新規受け入れを停止した問題で、経済産業省は11日、大規模な太陽光発電の新規認定を一時停止する検討に入った。既存の太陽光発電事業者の新増設も凍結するなどして、太陽光発電に集中している再生エネの供給量を制限する。15日の同省審議会で固定価格買い取り制度見直しの具体化に入り、年内に方向性をまとめる。
 福島第1原発事故を踏まえて、政府は再生エネの導入推進を掲げてきた。固定価格買い取り制度は再生エネ発電への新規参入を促す柱と位置付けられてきたが、抜本的な見直しを迫られ、制度設計の甘さを露呈した格好だ。
 経産省は、固定価格買い取り制度を2016年度から見直す方向で検討を進め、改正法案を15年度に国会に提出する方針。政府による再生エネの認定量や買い取り額に上限を設ける総量規制や、太陽光発電の買い取り価格を引き下げるなどの見直しも検討している。認定済みの再生エネ設備の稼働を優先し、小規模な住宅用の太陽光発電の認定も継続する方向だ。風力や地熱など再生エネ全体のバランスを図る狙いもある。
 「固定価格買い取り制度」が導入された12年7月から今年6月までに政府の認定を受けた再生エネ設備の出力は計7178万キロワット。うち大型の太陽光発電(出力10キロワット未満の住宅用以外)は6604万キロワットと約9割を占める。風力や地熱よりも事業開始手続きに時間がかからないため、再生エネの新規参入事業者は太陽光に集中してきた。
 新規事業者には送電網がなく、大手電力各社が買い取りを義務付けられてきた。だが、電力各社は認定された電力をすべて受け入れると、管内の全需要を上回り、需給バランスが崩れて周波数や電圧が乱れ、大規模停電や発送電設備の故障などにつながりかねないと主張。九州のほか、北海道、東北、四国、沖縄の各電力会社が再生エネの新規受け入れを停止し、再生エネの事業者に混乱が広がっている。【中井正裕】

 【ことば】固定価格買い取り制度(FIT)

 電力大手に再生エネ発電電力の買い取りを義務づける制度。東日本大震災後、再生エネの拡大を図るため、2012年7月に導入された。政府が認定した太陽光や風力などに1キロワット時当たりの買い取り単価が設定され、電力会社が最長20年間一定価格で買い取る。単価は年度ごとに見直される。買い取り費用は電気料金に上乗せされている。
by nonukes | 2014-10-13 19:08 | 電力自由化 | Comments(0)

  小坂正則