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小坂正則の個人ブログ

なぜ北海道電力は昨年8月に比べて26%(家庭)と39%(企業)の値上げが必要なのか?

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なぜ北海道電力は昨年8月に比べて26%(家庭)と39%(企業)の値上げが必要なのか?その理由は石油火力で天然ガスを使わないからだ
小坂正則

北海道電力は泊原発3機がとまっているので、その代替え火力発電用に重油などの燃料費が嵩んで、2年連続して1000億円の大幅な赤字になったため1年前に上げた電気料金を、またまた今年の11月から値上げすると発表しました。現行の標準家庭の電気料金7700円が何と9000円にも値上げされるのです。企業は月当たり100万円の現行料金だったら、それが122万6千円です。
昨年の9月1日から値上げ率は一般家庭が7.73%で自由化部門が13.46%でした。そして1年で今度は17.03%と22.61%という大幅な値上げ案です。そうすると一般家庭の電気料金は昨年の8月に比べて26%の値上げになるのです。そして産業部門では39%の大幅な値上げを要求してきたのです。
円安不況でガソリンや重油などの燃料費の高騰で苦しむ産業界の経営に、今回の北海道電力の40%近くの値上げは大きな影響を与えることでしょう。しかし、なぜ北海道だけがこれほどの大幅な電気料金の値上げをしなければ経営がなり立たないのでしょうか。確かに原発に依存度の高い関西電力(51%)の次に原発への依存度が高かった北海道電力(44%)や九州電力(39%)は再度の値上げを検討しているようですが、それにしても北海道電力の値上げ幅の大きさには隠された何か北電特有の原因があるのではないでしょうか。
北海道は石炭の豊富な地域でしたので石炭火力発電が豊富でした。また水力発電も15%と豊富です。しかし、この電力会社の他社との大きな違いは天然ガス発電所が1機もないことです。北陸電力と北海道電力は天然ガス発電が1機もないのです。世界の主力は石炭と天然ガス発電の時代に博物館行きのような石油火力発電所を中心に運転して来た結果、石油価格の値上がりと円安で他社に比べて大幅な赤字を生み出す構造を自ら作ってしまったのです。グラフにあるように天然ガスは原子力よりも割安です。石炭火力の次に割安なのです。それに比べて石油火力は20円から16円と一番割高なのです。だから北電は大幅な値上げが必要なのです。それ以外にも役員報酬が2千万円ももらっているなどという問題もあります。

「泊原発再稼働か料金値上げか」と天秤にかける北電は押し入り強盗の脅迫行為


泊原発の周辺には活断層が走っていて大地震がいつ起こるかもしれない大変危険な原発です。また、北海道は火山が多くて泊周辺にも川内原発に次ぐ火山の影響を受ける可能性のある危険な原発なのです。現在止まっている泊原発の維持費に年間523億円の維持費がかかっています。そして泊原発の再稼働のために昨年度は1600億円を投下していますが、それだけでは運転再開は出来ません。フィルター付きベント施設や重要免震棟などの建設や津波対策などまだまだ数千億円もの安全対策費を投入しなければ再稼働は出来ないのです。そんな危険な原発を無理をして動かすよりも、いっそのことこの原発を廃炉にして石炭火力と天然ガス発電で全ての電力を賄えば、今度のような大幅な値上げは必要ないのです。北海道は水力が北陸電力(24%)の次で2番目(15%)に多く、風力や地熱の立地も可能な再生可能エネルギーの有力な地域なのです。
今回の電気料金値上げ要求は「道民への脅し」以外のなにものでもないでしょう。しかし、この脅しは実際には2016年からは全く通用しなくなる空脅しでしかないのです。実際にサニックスエネルギーというビニールゴミを燃料にして発電している新電力会社などは北海道の20の自治体へ電力を供給しているのです。ある自治体では北電に比べて7%安いそうです。これからどんどん新電力会社が北海道にも設立されて、原発の高額な電気料金に比べたら安い電気料金で供給できることでしょう。

ロシアの天然ガスのパイプランが北海道に来れば北電の原発は天然ガスに負けてしまう

日本とロシアの共同事業で企業ガスプロムの天然ガスをサハリンから海底パイプランで北海道まで天然ガスを引く計画があります。これは北方四島の返還運動の一環などの政治的な背景に左右されて現在は計画段階で止まっていますが、この計画は動き出せば一気に進むでしょう。ロシアはEUとの緊張関係で天然ガスが売れずに困っていて、日本は原発がこれから動いても半分も動くことはあり得ないので、当分の間大幅な化石エネルギーの供給が必要になるからです。しかし、今日タンカーによる天然ガスの輸送には天然ガスを液化する経費とタンカーによる輸送コストで、100万BTUあたり18ドルから20ドルの価格がパイプラインで輸送すれば10ドル以下になるのです。米国では3ドルです。米国のシェールガスを日本に運べば液化で6~7ドルかかるのですが、それでも12ドルくらいで日本に入る予定です。しかし、それ以上にロシアからガスのままパイプラインで輸送すればパイプラインの経費が3~4円としても10円以下で入ってくることになり、現在の天然ガス発電のコスト6円から7円が4円とか5円へ下がる可能性があるのです。
そうなれば高い原発は競争に負けてしまって北電は倒産してしまうでしょう。
北海道の消費者の皆さんはもうしばらく我慢してください。今後10年もしたら北海道に天然ガス発電の新電力会社が次々にできて割安の発電を行って皆さんへ供給してくれることでしょう。そのほかにも生協が電力供給会社を立ち上げて再生可能エネルギーの電力の販売も始める予定だそうです。
by nonukes | 2014-09-16 13:54 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

  小坂正則