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小坂正則の個人ブログ

電力自由化後も「原発の電気価格を国が保証する」それでも原発は安くて経済的というのか?

電力自由化後も「原発の電気価格を国が保証する」それでも原発は安くて経済的というのか?
小坂正則
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原発を動かすなら電力自由化など出来ないのです

「原発の電気は一番安い」と、これまで国も電力会社も言ってきました。しかし、そんなことが真っ赤なウソだということは安倍首相以外の国民は誰もが知っています。日本でも「電力自由化を進める」と、民主党政権時に国は決めました。そして安倍政権になった昨年には2016年から随時自由化する計画です。
しかし、実際に自由化すれば、一気に競争が進んで、高い電力は誰も買わなくなります。すると、原発を抱えて虫の息状態の既存の9電力会社は、新規参入してくるガス会社の天然ガス発電に価格面で負けてしまうことが目に見えているのです。
それでなくても原発の再稼働への強い風当たりの中で、九電では3千数百億円もかけて、再稼働のための津波対策や耐震補強工事をやって、何とか再稼働の認可をもらって、原発を動かそうとしているのに、動かしたはいいが、原発で出来た高い電気が売れなかったら、それに投資しいた数千億円の設備投資分も回収できないで電力市場から放り出されてしまいかねないという事態が予測されてきたのです。関電の八木会長は311事故の後「原発は計画から運転まで長い時間と莫大な設備投資が必要なので国が面倒を見てくれなければ電力自由化では動かすことが出来なくなる」と嘆いていました。事実そうなのです。だって、これまで電源三法交付金(年間約3500億円余り)という税金をジャブジャブつぎ込んで、「総括原価方式」というどんなに高い買い物をしても損をしないマジックで、原発は国策として動かしてきたのです。それを一気に自由化したら、こんな「出来損ないのぐうたら坊主」は一気に市場からはじき飛ばされてしまうでしょう。

電力自由化をすればイギリスのように原発はお荷物になるのは明白だった

イギリスは1990年に世界に先駆けてサッチャー政権の大鉈によって電力市場での取引と、国営電力会社の民営化を実施しました。そのために各電力発電所は売りに出されて、様々な企業が発電所を購入しいて電力市場競争が始まったのです。鉄のサッチャーと言われた彼女が電力会社を民営化した理由は日本のような適正な競争をさせるためと言うよりも、「国営企業労働組合」の解体が主な目的だったのですが。何はともあれ、世界に先駆けた発送電分離という画期的な「電力自由化」を行ったのです。しかし、困ったことが起こりました。原発だけはどの企業も買ってくれなかったのです。そこでイギリス政府は原発が二酸化炭素を余り出さないことに目を付けて、原発だけは特別扱いにして、各電力会社へ購入を割り振ったり、あの手この手の優遇策でしのいできたのです。だから原発が安いなんでいうウソは1990年には世界の経済界では当たり前だったのです。その事実を知らなかったのは日本政府と、日本の電力会社と、日本の御用学者と日本のマスコミだけだったのです。
東京新聞の記事にあるように、日本政府は電力自由化の中でも「原発だけは特別扱いにして守っていきたい」と言いだしたのです。そんなことするなら電力自由化自体がウソとペテンの自由化でしかなくなってくるのです。なぜって、日本の電力市場では97%が既存の電力会社が牛耳っているのですから、3%の新規企業が自由化の安い電力を供給しようにも、原発などの電力を優先した市場を形成するのなら自由化による競争など生まれないからです。だから、自民党安倍政権のいう「電力自由化」など国民だましのアベノミクスと同じでいい加減な「オレオレ詐欺」みたいなものだったのです。

原発を特別扱いにするのなら動かさないで、このまま安らかに眠ってもらおう

国は「原発の電気は高くて自由化したら競争に負けてしまう」ということ認めたのです。それなら、このお荷物を国民がいつまでも我慢して持ち続けるよりも、どうせお荷物なのだから、そのお荷物をみんなでお金を払って、「安らかに眠ってもらう」方が結果として国民負担が少なくて済むのではないでしょうか。原発を持ってしまった電力会社はこのまま原発を廃炉にしたら、会社が債務超過に陥ってしまうから原発から撤退できないだけだということが明白になったのではないでしょうか。
それなら、電力会社も国も、その事実を国民に伝えて、原発を国民に買ってもらうという方法を検討したらどうでしょうか。それも、再稼働のための無駄な工事をこれまですでに行っていますので、1日も早く結論を出さなければなりません。中部電力は津波が来たらひとたまりもない、屏風のような薄っぺらな「防潮堤」を確か2000億円とか3000億円とかかかって作ったりしています。
ここは「原発モラトリウム」(一時休戦)期間を設けて、国民負担を議論するべきなのです。私たちは原発の減価償却期間を適正な価格で購入することに反対ではありません。作ったばかりでほとんど動かしていない原発はそれ相当価格で買い取ってやらなければならないと思っています。その額はわずか4兆円そこそこです。「そんなわずか4兆円の金額だったら、1家庭が毎月たばこ1箱分を10年間支払えば済む問題だ」と、広瀬隆さんは鹿児島の集会で話していました。私はたばこは吸わないけど、いいでしょう。
その費用を計算してみましょう。
国内の1年間の電力使用量が2012年度には9236.1億キロワット時だったそうですから、10年で国民全員で負担する場合は1kwhあたり0.5円で年間4500億円が集まります。その金は1家庭あたりの電力使用量が300から400kwhとして150円から200円でいいのです。広瀬さんではありませんが、たばこ1箱以下なのです。もちろん企業はもっと多くの負担をしなければなりませんがね。でもそれは企業が犯した罰ですから仕方ないでしょう。
この詳しい説明は私の以前のブログに書いていますので、興味のある方は読んでください。


原発の電気価格、国が保証? 自由化後も優遇策

2014年8月22日 東京新聞

 経済産業省は二十一日、電力の完全自由化後も、原発を持つ電力会社に損失が出ないよう支援する制度を検討していることを明らかにした。電力会社をつぶさないための現在の総括原価方式は自由化で撤廃されるが、新制度案は原発を特別扱いした「第二の総括原価」となりかねない。 (岸本拓也、吉田通夫)
 家庭用の電気料金は現状では、国の認可制度の下、電力会社が原発などの発電費用をすべて回収できるように設定できる総括原価方式で決まっている。だが、二〇一六年四月に始まる電力の完全自由化策の一環として、総括原価方式は一八~二〇年をめどに廃止され、料金は電力会社が自由に決められるようになり、競争による企業努力で消費者にとっては安くなることが期待されている。
 しかし、経産省がこの日の有識者会議で示した案では、原発で発電した電気の基準価格については、完全自由化後も国と電力会社が決定し、市場価格が基準価格を下回った場合は、差額を電気料金などで穴埋めする。基準価格は総括原価方式と同様に、原発の建設費や使用済み核燃料の処分費用などの投資額を基に決めるため、大手電力は損をしない。
 原発にはこれまでも手厚い優遇策が取られており、会議では九州大の吉岡斉教授が「原発は極端な優遇策を講ずるに値しない」とする意見書を提出。原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「国や電力会社が繰り返してきた『原発は安い電源』との主張に矛盾する」と批判した。
Commented by テツヤ at 2014-08-26 14:58 x
建設コストは?
by nonukes | 2014-08-26 01:13 | 原発再稼働は許さない | Comments(1)

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