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小坂正則の個人ブログ

日本の原発も廃炉の時代を迎えた

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         玄海1号炉です。建設から39年目の老朽化した原発
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           瓜生九電社長


日本の原発も廃炉の時代を迎えた
小坂正則

今朝の朝日新聞に『「廃炉検討」言及相次ぐ』という記事が掲載されていました。35年以上の老朽化した原発は全国で14基あります。それに福島第二原発の4基を入れたら、18基が廃炉に直面しています。これまで日本の原発は原則が40年間の運転でしたが、延長申請をすれば、ほとんど自動的に10年ごとに申請をして、20年間は書類申請だけで運転できていたようです。何らの新たな工事などは必要なかったのです。しかし、菅元首相の思いつきで行われた「ストレステスト」から、規制庁の設置へとつながり、規制委員会の「再稼働」のための手続きが必要となり、ベント施設の設置や耐震強化策や免震重要棟の設置などに莫大な費用がかかることになったため、ここに来て、40年に近い原発の「廃炉」が現実的な選択肢として浮かび上がってきたようです。
40年を経過する原発は厳しい延長のための保守と新たな検査を受けなければならず、現在行われている「再稼働」のための工事以上の費用がかかることが分かってきたからです。現に、いま再稼働申請が出されている原発の付帯工事だけでも1000億円から2000億円などの費用がかかっているのですが、それを遙かに上回る補強工事が必要なようです。それに5年以内に免震重要棟を設置しなければならないことから、そこまでコストをかけて、建設から40年近い原発は残りわずかな寿命の原発の再稼働申請をして、また、すぐに40年延長検査と付帯工事を行ったのでは、投資額を回収できないという現実的な問題が浮かび上がってきたのです。
アメリカの原発が次々に廃炉にされているのはNRC(米国規制委員会)による厳しい新たな工事が必要になるからです。これまで日本の原発は「原子力ムラ」のなれ合いで、アリバイ審査で60年間は黙っていても運転できたのです。現行の規制庁も国際的な基準から見たら、ザルのような審査しかしていないようですが、それでもこれまでの日本の原子力安全委員会に比べたら、格段の厳しい審査と安全対策を求めていることは事実です。

廃炉にしたくても廃炉に出来ない電力会社の厳しい現実

ところが問題は、それだけのお金をかけても、投資額を回収できないので、廃炉にするというような単純な決定は出来ない、大きな理由が、実はあるのです。それは廃炉費用という問題です。まず、日本の原発は全て、60年間の運転を想定して、廃炉積立金を貯金してきました。ところが、その廃炉積立金もまともに積み立てられていないのです。というのも、廃炉積み立て金は順調に運転していての話です。ところが、故障などで運転できていない期間は廃炉積み立て金を電気料金からうまく徴収できていないのです。ですから、玄海1号も廃炉にしたら数十億円もの廃炉費用が足りなくなる予定です。また、1機500億円の廃炉費用を積み立てる予定なのですが、実は廃炉費用は実際には建設費用と同じくらいに必要だといわれています。つまり、1機4000億円くらいは必要なのではないかといわれているのです。ここは廃炉のやり方に大きく予算が変わってくるのです。つまり、全てを撤去して、再度そこに新たな原発を設置するというのが日本の電力会社の計画なのですが、米国などでは、そのまま残して、廃炉費用を軽減させる方法も考えられています。日本も、その方法が一番現実的な廃炉処理方法だと私は思います。どうせ更地にしても新たな原発など日本ではできっこないからです。

廃炉の時代は日本政府と電力会社が先延ばしにしてきた原発の矛盾が表面化する

まず、廃炉を迎えた原発の一番の問題は使用済み核燃料をどこに持って行くかという問題が一気に表面化してしまいます。立地自治体は廃炉にしたら全ての使用済み核燃料は六ヶ所村へ持っていってくれというでしょう。しかし、六ヶ所村はすでに使用済み燃料プールは後、50トンでいっぱいです。すると、玄海原発にある、830トンの使用済み核燃料の内、1号、2号の分は半分以上あるはずなので、500トン以上は持ち出す必要があるのです。
しかし、これまで使用済み核燃料は再処理して新たな燃料になるという前提で、この使用済み核燃料も資産として計上出来ていたのですが、廃炉にして廃棄物とすれば、まず置き場所をどこにするかという緊急の問題と、資産がゴミとなって、その分が不良債権となってしまうという新たな問題が浮上するのです。もちろん持って行き場のない方がもっと大きな問題だとは思います。六ヶ所村は受け入れないでしょう。もう、使用済み核燃料は資産などではないことがハッキリしてしいるからです。これまで、再処理をするとして、日本は原発の不良資産の問題を先送りして来たのです。
廃炉が現実になって初めて、核のゴミの置き場と、不良資産が一気に表面化して、六ヶ所村が核のゴミ捨て場になってしまうという問題など、これまで日本政府や電力会社が先送りしたことが一気に国民の前に現れてしまいます。

推進派・反対派双方が核のゴミ処理問題の解決をどうするのかが問われる

これまで私たちは「原発はトイレのないマンションだ」と、言って批判してきました。しかし、原発の廃炉が現実の問題となってきた今日、使用済み核燃料の処理をどうするのかという問題が原発に賛成・反対を問わず、問われることになります。私は原発立地自治体へ、このまま置き続けるということは立地自治体への新たな差別になるので出来ないと思います。ですから私は電力会社の本社に乾式の冷却方法で地上保管を行うべきだと思います。
どちらにしても、これまでタブーとして先延ばししてきた「原発の核のゴミ」問題が私たちの逃げられない課題として突きつけられるのです。ただ、私たち原発反対派の言い分は、核のゴミ問題を話し合うなら、まず核のゴミをこれ以上増やさないという、水道の蛇口を止めてから議論しなければ、国民みんなの責任だと言って、どんどん核のゴミを作り続けるなら、私たちはこの議論のテーブルにはつけないでしょう。
ですから、「原発をやめる」という決定がいま一番求められていることだと思います。「核のゴミをこれ以上増やさない」ということに国民的な合意がなければ、私たちは、核のゴミの問題をどうするのかということに対して、責任は持てないし、持つ必要はないと思っています。
by nonukes | 2014-05-01 23:53 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

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