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小坂正則の個人ブログ

福島原発事故の忘却とウソで塗り固められた安倍政権の「エネルギー基本計画」

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この発電単価は311以前の単価です。資源エネ庁は新し単価は公表していないようです
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2月5日に開かれたエネルギー温暖化対策会議の模様。真ん中の人が資源エネ庁の係長
福島原発事故の忘却とウソで塗り固められた安倍政権の「エネルギー基本計画」
小坂正則

安倍政権になって初めての「エネルギー基本計画」(案)を経産省・資源エネ庁は2月25日に発表しました。この基本計画は昨年の暮れにパブリックコメントを国民に募集して、わずか2週間の間に、確か1万9千件のパブリックコメントが集まったのですが、その意見がどう反映されたのか中身の公表もしないまま、正月早々には閣議決定する予定だったそうです。しかし、都知事選で細川候補の脱原発の批判を交わすために今まで延ばしたといういわくつきの代物です。
さて、中身は一言で言えば「福島原発事故などなかったのような原発依存のエネルギー政策」と言えるでしょう。
昨年の原案を少し修正したそうです。「原発は基盤となる重要なベースロード電源」を「基盤となる」を取ったというのですが、「基盤となる」を取ってどう内容が変わるか私にはちっとも分かりません。そんな言葉遊びをするために2ヶ月もかかったのでしょうか。資源エネ庁とは実に呑気なお役所です。

原発事故があっても一向に懲りない厚顔の経産省・資源エネ庁

私はほとんど国や自治体から相手にされていない(私も相手にしている暇がありません)のですが、数年前までは自然エネルギー普及の旗手として随分もてはやされたこともありました。そのなごりなのかは知りませんが、九州の経産局や農水、国土、環境などの出先の役人と各県の環境部局と九電や西部ガスや新日鐵など主だった企業と民間のNPOが2つ入った「九州地域エネルギー・温暖化対策推進会議」の委員に10年くらい前から任命されています。
そこで今年も2月5日に開催されました。その中で資源エネ庁の係長が「エネルギー基本計画」の説明を長々としていました。内容は今回の計画の中身の裏付けやなにかなのですが、ここで「原発は一番低廉だ」とか、再生可能エネルギーが育つまでは原発は必要だなどなどと説明していました。
そこで私は以下の3つの質問をしました。

①2012年の夏に民主党政権が「革新的エネルギー戦略」の策定ということでパブリックコメントの募集や各地での参加者による議論がおこなわれました。新しい討論型の公聴会を開催して意見をまとめるなどの作業を行った結果、「原発ゼロ」と「原発即時ゼロ」が圧倒的な国民の意見だったはずです。この意見はどのように今回の基本計画に反映されてるのですか。
②原子力のコストが安いとあなたは今日も話していますが、そんなウソはもう通用しませんよ。ところで311以後、政府は原発のコストをいくらとしているのですか。
③原発も再エネも進めるとあなたは言いますが、原発はベースロード電源ですから止めることは出来ません。深夜の電気が余って電力需要のないときにも動かしますよね。それなら風力発電や地熱など夜中でも電気を作る再エネは原発とバッティングするではないですか。そうすると、またまた風力は解列枠の設定(系統連携を切って発電を止めるかバッテリーに蓄電して電気の供給を止めてしまうこと)などを電力会社は要求して来るのではないですか。昔のことわざに「2頭を追う者は1頭も得られず」といわれるように中途半端は結局は壮大な無駄になるのではないですか。小泉さんが言っているではありませんか。「やめるなら早いほうがいい。どうせ原発のゴミを捨てる場所もないのに動かせばゴミが増えるばかりだ」と。

回答はここに書くほどのこともありませんね。ただ、コストだけは書いときます。8.9円だそうです。約9円ですよ。風力は5円です。何が一番安いですか。もうそれこそウソではないですか。ただ、会議の終わった後に名刺交換をして握手しました。私は「互いに考えは違いますが議論の場を持つことは必要ですから、これからも話し合いをしましょう」と言って別れました。

これだけのウソをつき続ける自民党と公明党

自民党は一昨年の衆院選で大勝しましたが、その当時の自民党は「原発への依存はできる限り少なくしていく」と国民に約束していました。公明党はどうでもいいのですが、ここはハッキリと「原発ゼロをめざす」と言ってました。しかし、今回のエネルギー基本計画案は「原発依存を引き下げる」という文言もありませんし、規制委員会が認めた原発は再稼働を進めるといい原発を「発電コストが低廉で、昼夜を問わず安定的に稼働できる電源」としているのです。
原発の電気が安い?1キロワット9円が安いのでしょうか。2011年の福島事故のまえで、LNGと石炭火力は7円ですから、原発よりも遙かに安ではないですか。彼らが原発を動かしたいのは発電コストが安いか高いかではなく、「せっかく作ってしまった原発なんだからせめて動かせるまで動かして、少しでも投資資金を回収させてほしい」という話でしかないのです。原発は「電力会社の債務の問題」だけなのです。債務保証をしてやれば原発を廃炉にしても電力会社は文句は言いません。

高レベル放射性廃棄物の地下処分のウソ

次に高レベル放射性廃棄物の地下処分場は全国どこの地域も受け入れるところはまりませんね。そこで政府はこんなウソを言い始めました。「地下処分場で10万年の間になにか不都合が生じた場合は掘り返して移設する」というウソです。地上から300メートルの地下へはエレベーターで核のゴミは運ばれます。人が運ぶことは出来ませんから遠隔操作で運ぶのです。核のゴミに1メートルも人が近づけば10分もしない内に死んでしまいます。そんな強い放射線を出す核のゴミなのです。みなさんのマンションやビルのエレベーターは1年に2回の定期点検があります。20年もすればエレベーター本体を取り替えます。それじゃあ核のゴミを地下に埋めて、その作業を毎年毎年繰り返すのですか?そんなバカなことは出来ません。それこそ莫大な費用がかかります。100年後に地下水が溢れて掘り起こそうと思ってもエレベーターはすでに腐って使い物になりません。日本の炭坑も水浸しで二度と使うことはできないのです。だから国は高レベル廃棄物は「埋め捨てる」と今まで説明してきたのです。

高速増殖炉「もんじゅ」は核のゴミの寿命を短くするために使う?

高速増殖炉「もんじゅ」も廃炉にはしないで、活用するそです。増殖炉としては使えないから、「核のゴミを無害にするための実験炉として使う」というのです。確かに中性子などを照射して核分裂を繰り返せば核廃棄物を無毒化することは出来ると京大の小出さんから聞いたことがあります。しかし、これには大きなウソが隠されているのです。つまり出来ないことはないけど、「無毒化するためには、膨大なエネルギーが必要なため、原発で作り出したエネルギー以上のエネルギーを使わなくてはならないのです」ということです。
そんなバカなことするくらいなら最初から原発など動かさなければ良かったのです。ですから一刻も早く原発は廃炉を決めて原発に変わる代替エネルギーの天然ガスで不足部分をいまのように賄って、省エネと再エネで代替していけばいいのです。太陽光発電は昨年日本が世界一位になったそうです。風力も潜在能力は決して世界に劣ってはいません。小泉さんの言うように「再エネの推進で日本は世界の範になれる」のです。
by nonukes | 2014-02-27 19:11 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

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