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小坂正則の個人ブログ

安倍の「愛国心」と私たちの「愛国心」

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安倍の「愛国心」と私たちの「愛国心」
小坂正則

私にはいつも疑問に思う言葉がある。「愛国心」という言葉だ。よく右翼や保守的な政治家がこの言葉を使いたがる。近頃は私の大好きな安倍首相が盛んにこの言葉を使う。もっと以前から石原慎太郎なども盛んにこの言葉を使っていた。そういえば民主党の前原や自民党の石破に、橋下大阪市長なども好きな言葉のようだ。彼らに共通していることとして、一番愛国心とは縁もゆかりもなさそうな方がこの言葉を好むような気がする。金と女にしか興味がないような脂ぎったうさん臭そうな小太りの社長や政治家が、自分には微塵も愛国心などない、そんな人間に限って「愛国心教育がこの国には足りない」などというのだろうか。そういえば小学校の校長や教育長や市長など、どうも長と付く人たちは「愛国心」が好きらしい。なんだか「愛国心」を押し売りする人たちを私は気持ち悪く感じてしまうのだが、それは私の気のせいだろうか。

ずる賢い人ほど「愛国心」の押し売りをしたがる

北朝鮮おかっぱ頭のお兄ちゃんの親父が亡くなって1年が経ったらしい。だから北は国家総動員で「おかっぱ頭の兄ちゃんを我ら国民は愛している」とか「偉大な指導者おかっぱ頭の兄ちゃん」とテレビで流している。でも、そんなに北の人民はバカじゃない。彼らはテレビを見ながら反吐が出ているだろう。そんなに偉大な指導者なら我々に満足な飯を食わせろ」とかいって醒めているのではないだろうか。「愛国心」の押し売りをする権力者ほど自らが弱体だということを証明しているようなものだから。強固な国民の支持と民主主義国家を作っている国ほど国民に自由と権利を与えるものだ。だから、有権者の15%の得票数で出来た我が政府も「いつこの自民党政権が崩壊するかもしれないから今のうちに北のような国家独裁体制を打ち立てておこう」と考えているとしか私には思えない。
日本で「愛国心」の押し売りをしている人たちは北の国家権力が行っているようなことを自分たちもやろうとしていて、それはハレンチで国民に見透かされていることを理解できていないのだろう。「愛国心」の押し売りをしたい人たちは、あまり頭がよくないのではないだろいうか。だって、「愛国心」を子どもたちに押しつけるよりも、自然に「愛国心」が芽生えるような雰囲気を醸し出す方が効果が大きいことを理解していないのだろう。
ヒットラーはオリンピックが愛国心を国民に植え付けるのに一番だということをよく知っていた。サッカーワールドカップなどが愛国心を植え付けるには一番効果があって、学校で強制するのは逆効果だってことを安倍さんは分かっていないようだ。

「国益」を強調する人たちが一番国益を損ねている

「愛国心」が好きな人は「国益」という言葉も好きなようだ。だからこれも実にうさん臭い。日本の国益を守るために「積極的平和主義」を掲げて「自衛隊を国防軍に名前を変えて憲法9条をなくさなければならない」と安倍首相はいう。「国益のためめに原発は必要だ」ともいう。
どうも「国益」を強調するひとは自分の懐にお金が入ることが「国益」だと思っているようだ。だって、日本の平和を守るためには中国とも韓国とも仲良くしなければ「国益」は守れないのに、米軍の中古兵器やお下がりの兵器を高い値段で買ってきて戦争の準備をしたがる人が本当に「国益」を考えているのだろうか。福島原発が事故を起こして世界中に放射能をばらまいて迷惑をかけたのに「日本の原発は世界最高水準の安全な原発」といって世界中に売り込んでいる。そんな詐欺まがいの総理大臣は本当に「国益」を考えているのだろうか。ひとたびベトナムで原発事故が起きたら日本はとてつもない損害賠償を求められるというのに。目先のことばかり考えている人たちに「国益」をいう資格はない。TPPは日本の権利を米国に安く売り渡すことだし、この国の政府は「国益」も「愛国心」も微塵もないのではないかと私は思う。

子どもたちに伝えたいことは教えるものではなく、自然に伝わっていくもの

ベトナム戦争時にベトナム解放戦線のホーチミンさん、後のベトナム大統領は「自由ほど尊いものはない」と言って、祖国ベトナムをアメリカの侵略者から奪い返すためにいのちをかけて戦った。そしてベトコンのゲリラたちは、あるときは農民で、あるときはゲリラで、いのちを惜しまず米軍へ死を覚悟して突撃して死んでいった。米兵たちは誰が農民で誰がゲリラか分からず恐怖の余りソンミ村など多くの村を焼き払い殺し尽くして恐怖におののいた。だから米兵の多くは麻薬を打って、死ぬか、生きながらえたとしても精神疾患や廃人となって祖国へ帰って行った。彼らには何の正義も戦争を行う理念もなかった。ただ、自分がゲリラに殺されないために農民を殺し尽くした。何の正義もない戦争にかり出された米兵は、ある意味では最大の犠牲者だったのかもしれない。私は子どもや孫に米兵の若者が味わったような卑劣な人殺しは絶対にさせたくない。
祖国を守るために戦ったベトナム解放戦線兵士は「愛国心」という言葉を子どもたちに教えなくても彼らの行動が子どもたちに「この国を守ることの重要性や勇敢に米兵と戦った大人たちの勇気や偉大さ」は教えられただろうと私は思う。
「5000万円を無利子・無担保・無催促で貸してもらった」と言って、責任を逃れようとする猪瀬東京都知事に子どもたちへ道徳や「愛国心」が教えられるだろうか。橋下大阪市長が教師に処分を乱発して、そんな学校現場で創造的でのびのびした子どもたちを作る教育ができるだろうか。彼らは子どもたちの創造性を奪って、命令で動くロボットのような人間を作りたいだけなのではないかと疑ってしまう。そんな教育をしていたら、創造的な発明も奇抜なアイデアも生まれては来ない。
だから私はどう考えても彼らこそ一番の「反愛国心」主義者だと思うのだ。わざと日本に住む子どもたちの創造性を奪い取って、この国を最貧国にしてやろうと思っているに違いない。創造的な人間がたくさんいて自由で豊かな国と国民を作りたいのなら、学校など行きたいときに行けばいいという自由を子どもたちに与えて、子どもたちの目を研ぎ澄ませることが一番大事なことなのだから。
だから私は「愛国心」や「国益」を強調する人間を信用しない。黙々と働く農民や労働者や街を歩いていて私とすれ違う道行く普通の人びと、1人ひとりに大切な人生があり、その人のやさしさや良心がある。だから、そんな1人ひとりが「愛国心」や「国益」を担っている。
大きな声を上げてデモをする私たち「テロリストのよなもの」や、「子どもたちを二度と戦場に送るな」という日教組の組合員や、「労働者の基本的人権を守ろう」というレッドデータブックに載るような希少な労働組合員や「辺野古に米軍基地はいらない」と言って海岸に座り込んでいるオジイやオバアたちの方がおもちゃの兵器をもてあそんで喜んでいる石破さんや安倍坊ちゃんや橋下よりもよっぽど「愛国心」があって「国益」を考えているのではないだろうか。
by nonukes | 2013-12-18 18:41 | 反原発オヤジの子育て記 | Comments(0)

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