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小坂正則の個人ブログ

チェルノブイリ原発事故を教訓にして福島が選択すべきこと

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●NNNドキュメント「チェルノブイリから福島へ 未来への答案」     2013年10月27日(日) 24時50分~25時45分 
制作 : 日本テレビ

~番組内容~
爆発した原発の廃炉は、通常の廃炉より格段に難しい。今も福島第一では溶けた核燃料がどうなっているか全く分からない。しかも廃炉にあたるのは3次、4次、5次下請けなどの原発関連の作業経験が少ない人が多い。被曝線量がオーバーすると働けなくなり、また新たな人が補填される。これでは想定の30~40年で廃炉を完了できるとは思えない。核大国・旧ソ連がチェルノブイリ収束の為に取った対応と比較して、今の日本はどうなのか?一番の違いは姿勢だ。チェルノブイリには廃炉・除染の作業員を養成する訓練センターが作られた。廃炉に手練れを、という戦略だ。日本は今の形のままでいいのか?福島とチェルノブイリの大きな違いをつまびらかにし、日本が取るべき正しい道筋を探りたい。


チェルノブイリから福島へ 未来への答案 投稿者 tvpickup

チェルノブイリ原発事故を教訓にして福島が選択すべきこと
小坂正則

私はこの番組があったことを知らなかった。でも、誰かがユーストで録画していてくれたので見ることができた。チェルノブイリ原発の27年目の現地をこれだけ詳しく報道した番組を見るのは初めてだ。
チェルノブイリでは福島よりも遙かに労働者から被曝を防ぐための教育も技術的な対策も何から何まで厳密に管理されている。日本が世界一の技術立国だとか言って自慢している一部の政治家や学者の言葉がどれだけインチキかということが、このテレビを見れば誰でもわかるだろう。
チェルノブイリ事故以後、速やかに30キロ圏内の数十万人をソ連政府は強制避難させた。そして、そこは未だに市の町として住居できない。いまチェルノブイリで廃炉作業に携わる3000人だったかの人々は50キロ離れた森に作られた新しい町から電車で通っているという。そこで、新たな石棺を作るために労働者は働いているという。給料も高いし、住居も与えられて、年金も早くもらえるという。それに比べて日本はやくざの下請けの元で働かされて、被曝限度を超えたら使い捨てにされる労働者がほとんどだという。

福島原発周辺の住民は帰還できないことを早く政府は伝えるべきだ

11月2日に自民党の石破幹事長が「原発周辺の住民は帰還できない」という発言を行ったことが新聞に載っていた。これまで民主党政権でも、このことは誰も言えなかった。その意味では石破幹事長は政治家としての責任感はある。「帰れるかもしれない」という期待だけを持たせて、2年半以上もの長い間、宙ぶらりんの状態に放置しておくよりも、早く新しい生活設計を立てる方が、被災者一人一人に取っての生活再建ができやすいからだ。町ぐるみの復興やそれぞれの希望を最大限かなえる方が復興費用も安くつくからだ。意味のない除染を繰り返しても放射能の線量は下がらないことはみんな知っているからだ。
これまで5兆円かかると言っていた除染費用が実はこのままでは10兆円以上かかるというのだ。しかし、10兆円かかっても、除染効果は期待できないなら、新しい町を別の地域に作るしかないではないか。そして、その死の町になった場所には除染されて出た放射性廃棄物や原発事故で出た廃棄物や汚染水を保管する場所として100年から300年は使うしかないのだ。逃げては通れないそれだけの事実を住民に説明して彼らが納得いくまで説明と議論をして、最善の解決策を導き出す責任が政府にはある。それだけのことを阿倍政権はやってから初めてオリンピックを誘致したり、原発を海外に売り込んだり、原発再稼働の議論を始めるべきではないか。
福島の避難者を置き去りにして、原発事故などなかったかのような無責任な行動を311原発事故を引き起こした張本人の政治家が取ってはならない。
by nonukes | 2013-11-04 12:06 | 福島原発事故 | Comments(0)

  小坂正則

by nonukes