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小坂正則の個人ブログ

踏切での救助で亡くなった女性を英雄視すべきではない

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踏切での救助で亡くなった女性を英雄視すべきではない
小坂正則

10月1日、JR横浜線の踏切の線路内にうずくまっていた74歳の男性を助けるために、遮断機の下りた踏むきりに入って助けようとして亡くなった女性40歳を安倍首相は「勇気を称える」として、紅綬褒章の授与を決めたといいます。また、昨夜行われた通夜の席に菅官房長官が安倍総理大臣の感謝状を持って訪れたそうです。
私はこの事故を非常に痛まし事故だと思うし、やりきれない事故だと思うのですが、マスコミは、寄ってたかって彼女の取った行動を美談や英雄視して称えていますが、それはおかしいのではないかと思うのです。遮断機の下りた踏切に人は絶対入ってはいけないのです。入っていいのは関係者だけです。しかも遮断機の下りた踏切に入った場合は道路交通法やJR運行規則などに対して違反行為です。
彼女が取るべき行動は非常ベルを押して、列車に緊急事態を伝えることだけです。そして、列車が来ていないならば初めて周りの人に呼びかけて、救出作業が可能ならそれに協力することもあり得るだけなのです。
消防士やレスキュー隊の方々が火事場や事故現場で救出作業を行っていますが、彼らはまず、自らの安全を確認してから救出に向かうのです。自らの生命が保障されない場合は救出には向かいません。救出に向かう人が死んだのでは何のための救助か分からないからです。それに今回の場合の事故について、マスコミは一切伝えないことがあります。それは74歳の男性がなぜ、踏切の中で、それも線路の真ん中にうずくまっていたのかという理由です。私はこの男性は自殺をしようと思って遮断機の降りた踏むきりの中に自らの意志で入ったのではないかと思うのです。もし、そうだったら、彼女の行動は「美談」になるのでしょうか。自殺希望者が助かって、何の関係もない女性が命を落とすということが美談にはなりません。私は彼女には申し訳ないのですが、自殺希望者の巻き添えになった無駄死ではなかったのだろうかと思うのです。また、生き残った74歳の男性は自責の念で押しつぶされてしまうことでしょう。

彼女の死を利用する安倍首相

精神科医・香山リカさんのコメントに次のようなことが書いていました。
『...非常に違和感を覚えている。自己犠牲を推奨し、誰かのために命を省みないことを全面肯定しているかのようだ...「こうあるべきだ」という規範を押し付けようとする空気が怖い。ご両親にしたって、悲しくてやりきれないだろうに、英雄視されることで、きちんと悲しめなくなるのではないか。それは戦争でわが子を失った親と同じ社会を覆う不安感が政権運営に利用されてしまっている』
私も同感です。死をもって他人のために行動することを英雄視して、自己犠牲を厭わない国民を作り出すためにちょうどいい利用価値があると考えたから、彼女を表彰しようとしたのです。戦争の出来る国防軍を作りたい安倍首相の薄っぺらい魂胆が鎧の下から覗いています。爆弾三有志や神風特攻隊は、このような無謀な犠牲を無理強いして、この国を滅亡に向かわせようとしたのですから、私たちは同じ過ちは繰り返してはなりません。彼女の犠牲を美談に利用するのではなく、私たちは彼女のまねはしてはならないということをしっかりと自覚して、その上で、私はお亡くなりになった40歳の女性のご冥福をお祈りいたします。
by nonukes | 2013-10-07 11:23 | その他 | Comments(0)

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