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小坂正則の個人ブログ

「つゆくさ通信」121号9月20日号を発行しました

「つゆくさ通信」121号9月20日号を発行しました
脱原発大分ネットワーク 小坂正則
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昨日、121号「つゆくさ通信」を発行しました。今号は8月24日に開催した、脱原発大分ネットワークの総会報告と、8月26日に開催した大分県「原子力災害防災計画」説明会の報告などです。
今回の総会で代表が私から藤崎さんにバトンタッチしました。私は代表から事務局長に変わりました。そのほか、今回の通信の目玉は、何と言っても表紙です。プロのイラストレーターの清重さんに描いてもらったのです。清重さんは日消連のイラストなどを描いている方です。なんで、我が通信にそんなプロが描いてくれたのか。それは内緒です。表紙の絵はヨーロッパの中世を思わせるようなとてもメルヘンチックな世界です。清重さんありがとうございました。
原稿の一部を以下に掲載します。この通信がほしい方はメールでお申し込みください。年間2000円で年間6回発行です。

通信の目次

①代表を引き受けました。よろしくお願いします。
②総会報告
③「規制庁は再稼動の前に事故の真相究明を行え」泉田新潟県知事
④日本の原発発祥の地として、すべきこと
⑤「祝島に行ってきました」近況報告
⑥情報交差点「西へ東へ」
⑦さよなら原発11.10九州沖縄集会に集まろう!
⑧原発再稼動の前に原子力事故「避難マニュアル」を自治体に作らせよう
⑨大分県地域防災計画「原子力災害対策」報告記録
⑩誰のためのTPP参加なのか!
⑪再稼動より汚染水対策に集中せよ!
⑫おくら入り百人一首
⑬編集後記

連絡先 nonukes@able.ocn.ne.jp

「規制庁は再稼動の前に事故の真相究明を行え」泉田新潟県知事
「原発をやめたら電気代は安くなる」大島立命館大学教授
小坂正則


今年の夏は猛暑でも電力は十分足りた

福島原発事故から2年半が過ぎて、9月16日には日本中の原発が1年2ヶ月ぶりに全て止まりました。そして今年の夏は毎日のように猛暑でしたが、1日として電気が足りないというニュースはありませんでした。昨年の「電力不足キャンペーン」はいったい何だったのでしょうか。1年2ヶ月前に大飯原発を動かすかどうかという時に、橋下大阪市長も野田首相も「電気が足りないから大飯原発を動かす」と言ったのですが、今では電力が足りないのではなく、「原発を動かさないと電気料金が上がる」というお金の問題を持ち出しているのです。 1年間に天然ガスなどの燃料代が4兆円と国は言っているのですが、原発を廃炉にして4兆円分のコスト削減が出来たら原発を動かす必要などなくなります。

原発を廃炉に出来ない理由は
廃炉にしたら債務超過に陥るからだ

「関西電力は大飯原発など全ての原発を廃炉にしたら原発の固定資産がゼロになり、会社は債務超過に陥ってしまう」と言われています。だから原発から手を引けないのです。それだったら、会計制度を変えて、廃炉にしても40年までの期間は残った期間に応じて資産価値を認めてやれば済む話です。ただ、その間、「動いていない原発のコストを電気料金に上乗せする」という動きがありますが、それは認められません。債務超過になったら銀行融資を受けられないことが一番大きな問題なのです。
現在の電力会社が大幅な赤字になる理由は、原発をいつでも動かせるように全社員を配置しているからです。原発を廃炉にすれば、清掃業者やガードマンや運転員も配置転換できるのです。動いていない原発の維持コストに年間1兆4千億円もかかっているのです。立命館大学の大島教授は原発が一番コスト高であると説いています。

原発は一番高い発電方法だった

その理由は①電源開発促進税年間3500億円を私たち消費者が1キロワット当たり0.375円、一般家庭1軒あたり110円を支払っています。これは原発立地自治体への交付金や原発の宣伝や天下りの企業へばらまかれています。また、日本原電(株)という会社は原発だけを動かしている会社ですが、この会社は1キロワットも発電していないのに基本料金という形で年間1400億円も電力会社からお金をもらっています。六カ所村再処理工場にも年間2700億円も電力会社は支払っています。「もんじゅ」という高速増殖炉は電気代だけで年間200億円、機構には3900人いて、年間維持費が1800億円も税金を食いつぶしています。これも原発をやめたらいりません。電力会社の広告費だって年間1000億円も使っていました、これも不要です。また寄付金を各電力会社は原発立地自治体へ毎年数十億円から100億円も支払っています。九電は佐賀県のハイマットというガン研究センターに40億円の寄付の約束をしています。大分県がガン研究センターを作っても九電は鼻もひっかけてはくれませんよ。そのほか、六カ所村再処理工場の建設費2.2兆円、「もんじゅ」建設費1.8兆円。六カ所村再処理工場が運転を始めたら、これから12兆円もの処理費がかかるのです。これなども全て原発のコストです。東電福島原発の事故対策費用はいくらかかるのでしょうか。10兆円とも20兆円とも言われています。だから原発をやめて、天然ガスにした方がはるかに発電コストは安いのです。

人の生命はお金ではかえられない

かし、発電コストが安いか高いかよりも、一番大切なことは「いのちはお金にはかえられない」ということです。福島原発事故で放出された放射能によって被曝した福島県内の18歳以下の子どもたち36万人の甲状腺検査をしていますが、一昨年と昨年に検査した17万人のうち、18人が甲状腺ガンだと分かり、疑いのある子どもを含めると40人以上だと言われています。しかし、甲状腺ガンは放射性ヨウ素を浴びてから4年後から大幅にガン患者が発生すると言われているのです。甲状腺ガンの罹患率は100万人あたり1人ですから、いかに福島の子どもたちに甲状腺ガンが多発しているかがわかるでしょう。また、これから白血病やさまざまなガン患者が増える可能性がありますし、実際に福島では心筋梗塞などで亡くなる方が多いそうです。これからチェルノブイリ周辺の国の子どもたちのように免疫不全の子どもたちや障害のある子どもたちが増える可能性があるのです。福島原発が火力発電だったら、このようなことにはならなかったのです。

福島原発事故は
地震によって起きた冷却剤喪失事故

これまで福島原発事故については東電事故調、民間事故調、政府事故調、国会事故調の4つの事故調査委員会が調査を行ってきたが、事故の原因は解明されないまま事故調は解散しました。その中でも一番権威の高い国会事故調は、1年余りという限られた時間という制約の中での調査結果から、事故原因として地震の可能性が大きいので引き続き調査する必要があるという結論を出しています。そして国会事故調は終了するが、引き続き国会議員による調査を行う必要があるという答申を出しています。また、今回の事故の原因として「規制するべき側の保安院が電力会社の虜になってしまって、規制する機能を失ったことが大きな理由」であるという結論を出しています。このままでは福島原発事故の真相はうやむやなまま闇に葬られてしまうでしょう。
航空機事故でも列車事故でも必ず運輸安全調査委員会が事故原因を突き止め、事故原因の究明によって航空機などの安全性は向上してきたのです。
ところが原子力規制庁は事故原因を追究することなく、対症療法的な防潮堤のかさ上げや電源車の配置や防水対策などで安全性は確保できるとしています。原因究明を行わずに、そのような対症療法的な対応で大丈夫なはずはありません。仮に「事故原因が津波による全電源喪失事故」である場合ならそれでもいいかもしれませんが、地震による配管破断が原因でメルトダウンを引き起こしたのであれば、そのような「付け焼き刃の対策」では何の意味もないのです。

地震による事故でなかったら、なぜ東電はデータを隠し現場検証を妨害するのか

東電は肝心なデータを出さない。切り貼りだらけのデータを、それも小出しに出す。国有化されたというのに東電は徹底的に情報隠しを行っています。国の管理下にあるのだから、全ての情報は国民にさらけ出さなければならないはずです。そして現地調査を妨害したという事例は国会事故調査委員の田中三彦氏が職権で1号炉の現地調査を求めたら、東電の担当部長は「中は真っ暗で照明もないし、中に入ったら帰って来れない」とか、「私たちは同伴できないから行きたかったら1人で行って下さい」と脅したといいます。しかし、中は明るいし、照明も既に備え付けられていたことを彼らは隠していたのです。

東海・南海地震は待ってはくれない

なぜウソをついてまで事故現場を見せたくなかったのか。それは破断したパイプなどにより、地震によってメルトダウンを引き起こしたということがバレてしまうからでしょう。そして日本中の原発が耐震設計基準を強化しなければ動かすことはが出来なくなるからです。規制庁は少なくとも「再稼動」の前に科学的な見地に立って一切の予断を捨てて真の事故原因を究明すべきです。
しかし、そんなことになったら日本中の原発が廃炉になる危険性があるので、「原発ムラ」関係者は寄ってたかって、この事実を隠そうとしているのです。
小手先の応急措置と机上の「防災マニュアル」で再稼動を許すのではなく、真の事故原因が究明されるまで再稼動の議論などあり得ないのです。泉田新潟県知事が「再稼動よりも事故原因の真相解明が先だ」というように、私たちもあらゆる方法で真相究明を求める行動を行わなければならないのです。真相究明を求めるたたかいは日本のエネルギー政策を転換させる鍵となるでしょう。東海・南海トラフ地震までには一刻の猶予もないのです。


編集後記

▼毎日新聞8月26日の朝刊に『小泉純一郎の「脱原発」』という記事がありました。小泉元首相が「今すぐ原発ゼロを打ち出さないと将来ゼロにするのは難しんだよ。野党はみんな原発ゼロに賛成だ。総理が決断すりゃできる。後は知恵者が知恵を出す」と言って、経済界の幹部連中を連れて脱原発のドイツとフィンランドの放射性廃棄物処分場の視察に行ったそうだ。そしてある社の幹部が小泉にささやいた「あなたは影響力がある。考えを変えて我々の味方になってくれませんか」と。小泉は意に介さず「いま、オレが現役に戻って、態度未定の国会議員を説得するとして、『原発は必要』という線でまとめる自信はない。今回いろいろ見て、『原発ゼロ』という方向なら説得できると思ったな。ますますその自信が深まったよ」と。私は小泉はあまり好きではなかったが、過半数以上の国民の支持を得なければ原発を止めることが出来ないのだから、小泉元首相に「原発を止めるために頑張れ」とエールを送りたい。▲シリアの内戦で、罪もない子どもたちや女性など一般市民の犠牲者が11万人以上といい、「犠牲者の正確な把握すら困難」とマスコミは伝えています。ユニセフが支援する難民は400万人以上。中東の内戦は米ロや中東各国の利害が複雑に入り乱れた中で市民は翻弄されています。福島原発事故で放射能被曝の犠牲になった子どもたちと中東の内戦で逃げ惑う子どもたちが、私にはダブって見えます。どうかあなたの百分の1の幸せで結構ですから薬や食糧を贈ってあげませんか。戦場となったシリアの街で医療活動を行っている「国境なき医師団」は中立・公平を保つために国連や国の支援は一切受けずに民間人の寄付金だけで賄っているそうです。怪我をした子どもたちの治療予算が大変不足しているそうです。詳しくはネットで検索をして見てください。ネット募金も可能です。募金など偽善行為のような気がして本来好きではない私ですが急を要します。(小坂)
▲代表挨拶で大事なことを落としていました。小坂正則さんへのねぎらいと感謝です。長年の代表・事務局長の歴任、ありがとうございました。もちろんこれからも事務局長として、その手腕を遺憾なく発揮していただくことが狙い目の感謝であることは、見透かされているでしょうが。  (藤崎)
▲8月に祝島・田ノ浦を訪れたアーサー・ビナードさんの動画(スナメリチャンネル)が注目されている。「○○ピックは必ず東京に決まり、2020年に実現するかどうかよりも、2013年9月時点で決まることで目的達成。安全安全と何度も言うより、世界もOKしたという効果が重要なのだ」と。のこ映像は、他にも祝島の棚田の平さんとの会話や、スラップ訴訟で訴えられている青年の訴えもある充実ぶり。ぜひ見てほしい。  (大原)
by nonukes | 2013-09-24 23:54 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

  小坂正則