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小坂正則の個人ブログ

公安警察、電力会社、国がこれまでやって来た「原発反対派」潰しの秘密工作

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公安警察、電力会社、国がこれまでやって来た「原発反対派」潰しの秘密工作
小坂正則

発売前に予約していた8月20日発売の著書が私の元に送られてきた。題名は「原子力ムラの陰謀サブ「秘密ファイルが暴く闇」週刊朝日の連載記事の単行本化だ。
私は来週行われる「原子力災害対策」の説明会のための記者クラブへの投げ込みチラシを入れるために県庁に行ったり、郵便局の雑用を済ませて帰ってきたら、この本が郵便受けに入っていた。私は夕食もそこそこに、この本を一気に読んでしまった。生々しい秘密工作の実態や動燃や科技庁が何を考えて、何をしてきたのか。いわゆる「原発ムラ」の赤裸々な実態のほんの氷山の一角があらわになっただけなのだろうが、こんな実態を目の当たりにして思うのだが「この国は戦前の特高警察と一向に変わっていない」という、「民主主義など私たちの幻想なんだ」という恐ろしい現実に背筋が寒くなった。

原子力ムラの陰謀とはどんな本か

元々は「もんじゅ」を動かしていた動燃の元幹部社員が1995年の12月8日の「ナトリウム漏れ火災事故」をきっかけにして現場の状態を撮ったビデオを動燃が隠したことが、ばれてしまって、その事故隠しの調査団の副団長の指名された西村成生さんが翌年の1月13日にホテルから飛び降り自殺をしたことから、西村氏が残した膨大な資料が遺族の了解のもと週刊朝日が、その膨大な資料を調べて、今年の3月から6回シリーズで特集したものが今回の著書の全てなのだ。
西村さんは動燃の総務部次長という役職の49歳で1996年1月13日の早朝に自殺したことになっている。しかし、奥さんは「ホテルの非常階段から飛び降りて死んだにしては身体はぐちゃぐちゃになってなくて、殴られたようなアザが体中にあった」と証言している。
そして西村さんは、総務畑で労務担当だったことから、職員の思想調査や人形峠のウラン残土撤去運動などの住民運動潰しの秘密工作員の役を任されて来た。几帳面な西村さんは、その仕事上の資料を全てファイルして保管してあった。そして、不審死に対して納得のいかない家族が週刊朝日にそれらの膨大なファイルを提供したことから、30年来の動燃や科技庁が行って裏工作や陰謀がこの世に明るみになったのだ。

動燃の秘密工作の中身とは

この中で最初に彼が行った秘密工作とは人形峠のウラン残土の撤去を求める村の住民の全員の思想調査を行ったファイルから話しは始まる。A氏は職場はどこで、思想的にはどうだとか、反対派の誰と付き合っているとか、職場の上司に頼めば寝返らせることが出来るだとか。全員の思想調査を行って、反対運動の切り崩しを狙った。しかし、動燃は裁判に敗れて、ウラン残土の撤去を余儀なくされる。
動燃の職場でも全ての職員の思想調査を行って、特に共産党の勢力拡大を防ぐための徹底した切り崩し策をやったことが克明に記されている。B氏は共産党シンパだとか、C氏は良識派(この良識派とは実は共産党を切り崩すための秘密結社だったという)などというスパイ映画顔負けのことが動燃という特殊法人の中で行われていたのだ。かわいそうなことに動燃の職員にはプライバシーはもとより基本的人権など小指の先までなかったのだ。
また、国家権力たる、科技庁の動向も凄まじいものだったことがこの「西村ファイル」は物語っている。チェルノブイリ原発事故以来、日本でも反原発運動が盛んになったことに対して危機意識を持った科技庁は88年5月26日作成「最近の反原発の動きとその対応について」とうマル秘文章の中で、反原発運動とどう対峙するか、露骨なまでに直接的な言葉で表現されている。(以下原文のママ)

最近の反原発運動の特徴として5つのポイントを挙げる。
①感情的・情緒的反対。②素人に分かりやすく、かつ単純明快な論旨。③大衆紙などのマスメディアを通じ、一般大衆を対象。④反対運動の横のつながり。⑤運動の担い手は都市部などの若年層、主婦層などが中心。こうした傾向に対する「有機的な対策の展開」として、次のような方針が書かれていた。〈今回の反原発運動は幅広い論点に立って行われており、一般層へ深く浸透していると考えられるので、国、電力、メーカー、関係法人で分担して、緊密な連携を取りつつ対処する〉
「原子力ムラ」と呼ばれる組織に総力を結集して対処せよ、という号令を科技庁が掲げているのだ。すなわち、それは国の意志である。(以下略)
資料ではさらに具体的に、反原発派への対抗策が語られている。〈反原発運動の情報を統一的に収集し、それを分析する機能を抜本的に強化する。またこれらの反論については現在、関係者で行われている作業を支援するとともに、必要に応じて強化拡充する〉また〈上記施策に必要な人員、予算の確保〉

私たちは市民は秘密警察に常に監視されている

電事連による広瀬隆への徹底監視というファイルには広瀬隆氏への電事連や電力会社による徹底的な監視などが克明に記録されている。広瀬隆氏の講演会に何人が参加したという詳しい内容が記録されている。「西村ファイル」には反原発活動家という図には広瀬隆氏に高木仁三郞氏に松下竜一氏の3人の名前が載っている。
そういえば、私が86年か翌年かに広瀬隆氏を呼んで講演会を行った後に九電大分支店へ何かのついでに話しに行ったら、九電の広報担当者が「広瀬さんの話はいろいろ間違った内容があった」とぽろっと喋ったことがあった。私は「なんだあなたは来ていたの。それなら質問すればよかったのに」といと、顔色が真っ赤になったことを覚えている。彼らは仕事として会場に潜入していたのだろう。
私は公安に嫌がらせを受けていたことは以前書いたが、彼ら公安がよく使う言葉で「あぶり出す」という言葉がある。それは、普通の市民のような顔をして潜入している過激派を一般市民から孤立させることを「あぶり出す」と言うらしい。過激派という噂を周辺に流して支持者や友人・知人を失わせて活動資金源を絶つことや会社を首にさせることなどの悪質ないやがらせをするのだ。
確かに松下竜一氏は連合赤軍の支援者として家宅捜査を受けたことがある。1988年といったら、チェルノブイリ原発事故以後、伊方原発の出力調整実験反対運動という日本で最初の反原発運動が大きな盛り上がりを見せたときだった。そのちょうど真っ直中で松下竜一氏を「赤軍派」というレッテルを張って国家警察は家宅捜査を強行したのだ。結果は裁判で完全勝訴したが、新聞にでかでかと書かれた「赤軍派の容疑で家宅捜査」という松下竜一氏への濡れ衣の容疑は名誉回復されることはなかった。これは最初からありえない容疑で家宅捜査をでっち上げるという、国家犯罪以外の何物でもない。
私への様々ないやがらせや、密かに流されたニセの噂などによる名誉回復を訴えようにも訴える相手を特定できないから訴えようがない。私はこれまで「共産党員」というでっち上げの噂をばらまかれていた。職場ではもっぱら共産党員だった。(こんなウソは共産党にも悪い。私のようないい加減な者が共産党委員のわけがない。共産党員はもっと皆さん真面目な方々だ)また、あるときは中核派とも言われたし、「夜な夜な人殺しをしている」などというでっち上げは人権侵害も程がある。これが今私たちが「自由な国」と言ってよろこんでいる。そして北朝鮮を自由がない国だとバカにしている日本という国の現実なのだ。もちろん北朝鮮では生命の保証はないのに比べて、日本では生命までは簡単には奪われることはないので北朝鮮よりは日本の方が少しはましかもししれないが。
ぜひ、この著書「原子力ムラの陰謀」を読んでほしい。
by nonukes | 2013-08-22 00:18 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

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