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小坂正則の個人ブログ

故障続きで止まっていた核燃料再処理工場が3年半ぶりに運転再開を強行

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使用済み核燃料再処理試運転再開 見切り発車、前途険しく河北新報 2012年06月19日

日本原燃が、使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の試運転を3年半ぶりに再開した。
福島第1原発事故で原子力を取り巻く情勢が一変した中で、既定路線への強い執着が際立った。
国の核燃料サイクル政策は見直しの公算が大きい。
再処理で取り出したプルトニウムの使い道は不透明なままで、見切り発車の印象を拭えない。
 
再処理の目的は、全国各地の原発で出た使用済み核燃料から、燃え残りのウランと新たに生成されるプルトニウムを取り出し、燃料として再利用することにある。
 だが再利用の本命とされた高速増殖炉は、原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で1995年に起きたナトリウム漏れ事故で開発が頓挫したまま。実用化の目標は2050年に遠のき、廃炉も検討課題に浮上している。
 原発の燃料としてプルトニウムとウランの混合燃料を使うプルサーマルも、福島の事故後は先行きが判然としない。

核燃サイクル計画自体の実現性を疑問視する声も強まっている。
国策として使用済み核燃料の「全量再処理」を掲げてきたが、
原子力委員会の見直し論を踏まえ、変更の可能性が大きい。
再処理と直接処分の「併存」案が有力視されている。
 
再処理を続けてプルトニウムを抽出しても、使い道が限られれば、たまるだけだ。
再処理工場が着工して19年。根深くなる一方の矛盾を抱えながらの試験再開となった。

ガラス固化試験 技術的課題多い中で再開
(2012年6月19日 読売新聞)

日本原燃は18日、使用済み核燃料再処理工場(六ヶ所村)の完成に向け、約3年半ぶりに最終準備段階となる「ガラス固化試験」を再開した。技術的課題が多く、成否は専門家でも意見が分かれるが、試験結果は政府が検討している核燃サイクル政策の今後のあり方にも影響を及ぼすため、関係者は固唾(かたず)を飲んで見守っている。

ガラス固化試験は、炉で使われるレンガの落下や高レベル放射性廃液に含まれる白金族元素の取り扱いなどの課題を抱えている。ガラス溶融炉で1月に起きたレンガの落下による目詰まりに関して、日本原燃は「炉の構造上、少量のレンガの剥離は免れない」と説明している。既に再処理を実用化しているフランスと日本の炉はレンガの使用の有無で異なる。レンガを使わないフランス型は腐食が激しく炉を頻繁に入れ替える必要がある一方、日本型は長寿命だがレンガを巡るトラブルがつきまとう。

原燃は、炉に急激な温度変化を与えないことや運転停止時にガラスをすべて抜き出すなど、運転方法の改善でレンガの詰まりは避けられると主張している。さらに試験を難しくするのが、ルテニウムなどの白金族元素だ。炉の底にたまると、炉内の温度が不安定になりガラスが金属製容器に流下しにくくなる。白金族元素の沈殿を防ぐため下部の温度を低めにするなど炉内の温度調整に高い技術が求められる。炉は高温で、危険な高レベル放射性廃液を扱うため隔離され、肉眼で内部を観察できない。このため、炉内に設置した温度計の変化で中の様子を推測するしかなく、茨城県東海村の実規模大の試験機などで積み重ねてきた技術で対応する。

ガラス固化技術を研究する東京工業大の竹下健二教授は「現在の炉では一つ一つの問題を対症療法で解決していくしかない。今までの経験で、だましだましだが動かしていける」と話すが、未知のトラブルや設備故障に見舞われる可能性も否定できない。

一方、内閣府原子力委員会小委員会は核燃サイクル政策をめぐって、使用済み燃料を
〈1〉全量再処理
〈2〉再処理と地中に埋める直接処分の併存
〈3〉全量直接処分の三つの選択肢への評価を取りまとめている。
政府のエネルギー・環境会議が8月頃に選択肢を絞る見通しだが、全量再処理と併存はいずれも再処理工場の稼働を前提としている。

ガラス固化試験が失敗に終わり、工場の稼働のめどが立たなくなった場合、全量再処理と併存の選択肢は成り立たなくなる。
全量直接処分も使用済み燃料を最終処分する場所が決まるまでは実現不可能で、核燃サイクルの議論は大きく混乱しそうだ。
by nonukes | 2012-06-19 13:19 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

  小坂正則