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小坂正則の個人ブログ

東京電力の電気料金の大幅値上げは決して悪くはない

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東京電力の電気料金の大幅値上げは発送電分離への大きな一歩だ

1月17日、東京電力は国の規制のない大口電力の平均17%余りの値上げを発表した。また、国の許認可を受ける、一般家庭への電気料金も10%の値上げを申請するという。これに対してマスコミでは一斉に反発をしている。しかし、この値上げは実際に火力発電の燃料調達コストをカバーするために必要だということだし、大口電力は自由化されているのだから値上げは誰からも批判されることではない。また、この値上げで、自家発電の気運が高まるだろうし、独立系の発電会社が新規参入する契機が高まるかもしれない。そのためには自由に電気を売り買いできる体制が必要だ。だからこの値上げは電力自由化と発送電分離のためにも重要なきっかけになるのではないだろうか。今後の電力事業を巡る動きが注目される。



東電の電力料金値上げで注目される企業 
                   2012年1月25日 読売新聞



東京電力は1月17日、4月から実施する企業向け電気料金の引き上げ幅を平均で17%とする方針を発表した。企業は今後、自家発電の増設や独立系電力事業者(IPP)の活用をこれまで以上に推し進めるであろう。

1.東電管内の企業に対する電気料金値上げを発表
 東京電力は1月17日、4月から実施する企業向け電気料金の引き上げ幅を平均で17%とする方針を発表した。福島第一原子力発電所の事故に伴う費用増や、火力発電所の燃料コスト増で悪化した収益構造を改善させることが主な目的とみられる。
 値上げ対象は、契約電力が50キロワット以上の工場やオフィスなど約24万件。現行の電力量料金単価に対し、大規模工場や百貨店などでは1キロワット時あたり2.58円、中規模工場やスーパーなどは同2.61円の値上げとなる模様だ。

2.企業は自家発電やIPPへの乗換え、節電等で対応か
 同料金値上げは、対象となる企業全体で約4000億円の負担増になる見通しだ。グローバル競争が激化する中で、海外よりも割高な電気料金がさらに値上がりするのだから日本企業にとっては頭が痛い問題である。

 すでに、こうした流れを見越して自家発電設備の導入を進めている企業もある。例えば、本田技研工業は埼玉県に建設中の工場に大規模な太陽光発電設備を設置するほか、富士重工業も群馬県太田市の工場に今夏を目処に自家発電設備を導入する予定だ。同様に、化粧品のコーセーも7月を目処に数百億円を投じて群馬県の工場に自家発電装置を導入する予定である。

 一方、独立系発電業者(IPP)や電力小売の新規参入組である特定規模電気事業者(PPS)と取引を増やす企業も増えるとみられる。
 また節電対策という点では、商業施設やオフィスの照明を、省電力のLED照明に切り替える動きも加速するであろう。

【参考】
※IPPとは、一般事業者でありながら自前の発電所を持ち、電力会社へ電力の卸供給を行うことが認められた企業のことであり、具体的には新日本製鉄、神戸製鋼所、JFE、住友金属工業、太平洋セメント、住友大阪セメント、出光興産など主に鉄鋼・石油・化学といった業界各社が参入している。

※PPSは、1999年5月成立の改正電気事業法で新たに規定された電力会社以外の電力供給事業者のことであり、50kW以上の高圧需要家を市場としている。具体的にはダイヤモンドパワー、丸紅、新日鉄エンジニアリング、大王製紙、サニックス、JX日鉱日石エネルギー、エネサーブ、パナソニック、王子製紙、昭和シェル石油、日本風力開発、オリックス、日産自動車、コスモ石油などが参入している。

3.東電管内の家庭向け電気料金にも値上げの可能性
 東京電力は企業向けだけでなく、家庭向けの電気料金の値上げも視野に入れている模様だ。これは、原子力損害賠償支援機構が東京電力の実質国有化を柱とする総合特別事業計画のたたき台の中で、家庭向け電気料金を今年半ばまでに最大10%引上げる方針を打ち出したことからもうかがわれる。

 平成24年7月からは太陽光発電だけでなく、風力発電、中小水力発電、地熱発電、バイオマス発電も対象にした「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」がスタートする。今後は一般家庭においても、再生可能ネルギーを利用した自家発電が一段と普及することになろう。



東電、家庭向け料金も値上げ 政府、合理化条件に容認へ
               朝日新聞2012年1月19日


政府と東京電力は、家庭向け電気料金の値上げについて調整に入った。原発に代わる火力発電の燃料費が収益を圧迫するなか、企業向けの値上げだけでは東電存続の青写真を描けず、政府も家庭向けの値上げが避けられないとの判断に傾いた。上げ幅は5~15%の間で調整が進むとみられる。

 東電の今年3月期の連結業績は、純損益が6千億円の赤字になる見通し。原発が再稼働しないと、毎年8千億~9千億円規模の赤字が続き、電気事業が成り立たなくなる。

 値上げには経済産業相の認可が必要になる。枝野幸男経産相は昨年暮れ、「値上げは電力事業者の権利という考えを改めてもらいたい」と述べ、値上げに厳しい姿勢を示していた。

 しかし、東電が経営破綻(はたん)すると、被害者への賠償や廃炉作業が難しくなるおそれがある。そうした事態を避けるため、政府は徹底したリストラと経営責任の明確化を条件に、値上げを認める方針を固めた。

 値上げの幅は、原発の再稼働時期に大きく左右されるが、東電は10%台を求めている。政府は5~10%程度を想定している。東電は、認可がいらない企業向け料金は4月に平均17%値上げする。

 電気料金をめぐっては、経産省の有識者会議が2月に報告をまとめる。東電はこの報告をふまえ、値上げ幅を固める。そのうえで、東電は将来像を描いた「総合特別事業計画」を3月にまとめ、政府に提出したあと、値上げの認可を申請する。

 家庭向けの料金を値上げ改定する場合、公聴会などの手続きをへる必要があるため、実施は秋以降になる見込み。10%の値上げの場合、標準的な家庭は月600円の負担増となる。
by nonukes | 2012-01-26 00:23 | 電力自由化 | Comments(0)

  小坂正則