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小坂正則の個人ブログ

「原発とめよう!九電本店前ひろば」はこうしてはじまった4

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路上生活ほど楽しいものはない!

4月20日から座り込んで30日。もちろん私は初日からずーっと座っているわけではありません。途中で座り込みから離れて仕事をしたり、風邪で知人のアパートで寝込んだりもしました。それでも半分くらいは座り込んだと思います。昨日の雨もやっとあがり、空は朝からどんよりと曇っていましたが、昼からやっと太陽が顔をのぞかせました。今日は連休2目の日曜日なので気のせいかテントの前を通る人々も少なく、足音もいつもよりゆっくりとしているように聞こえます。
今回の座り込み。こんなことして何になるという人もいるかもしれません。福岡での座り込みの前々日の会議で「この座り込みの目的と獲得目標は」とみんなから聞かれました。私は密かに「結構大きな効果はあるのではないか」と、思ってはいたのですが、真正面から獲得目標を聞かれても、そんなに大きな効果や獲得されるものがあるとは言えませんでした。だから私は会議の場でしどろもどろの答えしか出せませんでした。「獲得目標なあ…。私が座り込んだからといって原発を止めてくれることはないだろうし、そりゃあ100人も200人も毎日座り込みの人が増え続けて道路が人であふれかえるほどにでもなったら何かが少しは変わるかもしれないけど」でも、1カ月座り込んでみたらいろんな成果が見えてきました。それは都会の中で常識では考えられないような渡辺道の雑踏のなかに「テント村」という非日常的な空間がぽっかりと大きな口を開けて居座っているのです。そこではまた、常識では考えられないような九州一大きな会社の玄関の真向かいに「原発とめよう!九電本店前ひろば」という看板と、うさん臭いオッサンが昼間からウロウロしているのです。日が落ちたらごそごそとなにやらスクリーンを取り出してきて、路上上映会を行うのです。最初の上映日は、九電のシャッターをスクリーン代わりに上映したのですが、さすがにガードマンが飛んできて「迷惑だからやめてくれ」といわれて、今度は警察官が来て「やめるように」と、警告を受けました。それでも私の仲間は「あと10分で終わるから最後まで上映させてよ」と言って最後まで上映したそうです。
このような私たちの常識を越えた創造的な行動はもう、アートです。それは日本人の常識を越えた創造的な異空間です。こんなことをいつまでも許していたらサラリーマンが会社に行くのがばからしくなって、「おれも奴らのように好きかってな生活を送ろう!」と、日本中で路上生活者や路上アートが増殖するのではないかと、私の方が心配でした。だって、こんな楽しい生活はないのですから。昼間は寝ていてもいいし、食べ物はみんなが持ち寄ってくれるし、皆さんからは「ご苦労様、頑張ってね」と褒められるんですから。私は別に何てことはしてないのに。映画の上映会は前日から「明日の上映内容」という予告看板も誰かが作って告知をするようになりました。すると、その映画を目当てに立ち寄る人まで出てきました。路上上映なんて、ここはパリ以上に芸術的な空間になっていたのです。
このような「常識人」の秩序を越えた空間を私たちは作ってしまったのです。こんなすばらしい創造的な空間を許した福岡市は屋台のある日本では数少ない自由都市にふさわしい都市だと思います。「都市空間コンテスト」などというものがあるなら私は福岡市を推薦します。
ただ、九電にとってはたまらないほど迷惑行為だったに違いありません。
九電にとってはボディーブローのように静かに効いているという人もいますが、私には分かりません。ただし、少しは困っているんだろうなあという事件がありました。座り込んで1カ月になろうとする5月17日の朝、私と相棒の深江さんと2人で泊まっていたのですが、早朝、深江さんが一人でオープンテントに座って署名用紙や販売している書籍などを整理していたら玄関の中からこちらを見ているご老人がいたそうです。彼はほかに誰もいないことを確認にして九電の玄関から出てきたそうです。そして、深江さんに「あなたたちはいつまで座り込むの」と聞いてきたそうです。深江さんが「そうだねえ…」と曖昧な返事をしたら、ご老人は「株主総会までやるの?」と聞いたそうです。深江さん「よく分かってるじゃないの。でも私だってそんなに長いこと座り込みなんてやりたくはないよ。九電が株主総会の市民株主の議案書の「原発を廃炉に」ということのコメントに「検討の余地がある」とだけ書いてくれたら、すぐにでも引き上げるよ」と。ご老人は「そんなことしたら我々の仕事がなくなるじゃないの」と。深江さんは「そんなことはないよ。自然エネルギーによる発電で十分九電はこれから仕事を作り出せるよ」「こんどゆっくり差しで話し合おうよ」と。ご老人はそれには黙って会釈をして立ち去ったそうです。

そうです。このご老人こそ九電の真部社長その人だったのです。

深江さんは毎年の株主総会で社長に質問しているので相手も深江さんの顔はご存じなのだそうです。私はドームテントの中でごろごろと朝寝をしていました。だから二人でゆっくりと話ができたのでしょう。私がもし居たら、真部社長も分が悪くなってそそくさと逃げ出したかもしれません。二人のトップ会談はそんな朝のちょっとした一時に行われたのです。私は深江さんに助言しました。「差しで二人だけで会うのはまずいよ。誰かもう一人必ず付けなければ。だってあなたが社長が出した札束に買収されたら困るからね」と。深江さんも「小坂さんが一緒にいても効果はないと思うよ」と反論しましたが、私も「そうだね。二人でもダメだから木村京子さんに立ち会ってもらったらいいよ」と、すると周りの人も「それがいい」と、なぜかみんなも同意していました。「私はそんなに金に弱そうにみえるのだろうかなあ?」
このような出来事があった翌日には九電前に250人を越える人たちが集まり、交渉を持ったのですが、19日には1月の道路使用願いの延長申し込みに中央警察署に行ったのですが、さすがに九電社長の表敬訪問の効果は抜群でした。中央署はこれまでになく強硬です。「延長はあり得ない」の一転張りです。その理由として「反復継続的道路を使用していることは走路使用許可だけではなく、テントなどの設置許可を出さなければ認められない」「あなた方は路上で生活している形跡がある。それは座り込みの範疇を超えている。座り込みなら寝てはならないし、シュラフに入ってはならない」と言われました。座り込むのに、寝てはなぜ悪いのか私には未だに分かりません。高校時代の授業中、私の担任は「寝るなら静かに寝てろよ」と優しく寝かせてくれたのに、警察は私たちの座り込みに「ちゃんと真面目に座り込め」だって。福岡中央警察署は私の高校より厳しいぞ。
そして警察署は「福岡市役所が認めればその限りではない」というので、今度は道路管理課に行って交渉したが、ここのガードも急にかたくなになっていた。これも九電社長の表敬訪問のせいかもしれない。そこで最終的には泊まり込みは諦めて、2ヶ月目からは日帰り座り込みへと変更になったのです。それでも「月に何日かの徹夜の座り込みはいい」ということでしたので、そのと時には徹夜の座り込みの復活もあるかもしれません。
ここまで強固に座り込みをやめさせようとするということは相当に九電は困っているんだなあと逆に知らされたようなことでした。やっぱりやってよかった。 (つづく)
Commented by yoneyan at 2011-06-10 12:39 x
毎日の活動お疲れ様です。九電本店前ひろばにはまだ行けませんが毎日欠かさずこのページは見ています。最近気になっているのは、玄海町長が原発の再稼動を九電に要請しようとしていることです。佐賀県は国の安全基準がまだ明確ではないと態度を保留しているようですが、なんと言っても地元の声が大きなカギだと思います。我家でも玄海町役場に直接電話して「やめてください」と言ったりしましたが、何かいい方法はなでしょうか。みんなで玄海町町長や町議会議員さんたちを思いとどめさせたいです。
Commented by nonukes at 2011-06-10 21:53
yoneyan 様 コメントありがとうございます。多くの方が玄海町長の気の狂ったような言動(このような放送禁止用語は使うべきではないとお叱りを受けるかもしれませんがほかに表現のしようがありません)に気をもんでいます。しかし、そんな異常な人にまともな対応をしても時間の無駄です。玄海町長は無視していいと思います。問題はまともな自民党の県会議員や限玄海町民などに周辺の市民です。私たちは戸別訪問を計画しています。気の狂った町長は玄海町民がリコールでもしなければ解職はできません。でも、佐賀県民や佐賀県議会議員などはまだ良識が残っています。彼らに働きかけましょう。(小坂)
by nonukes | 2011-06-05 18:30 | 原発とめよう!九電前ひろば | Comments(2)

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