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小坂正則の個人ブログ

幻の「原発ルネサンス」の終焉


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原発新設計画を凍結 米電力大手「コスト面でリスク」    共同通信2010.10.11

 米電力大手コンステレーション・エナジー・グループ社は10日までに、米国では1979年のスリーマイルアイランド原発事故以来初めてとなる原子力発電所の新設計画を凍結することをエネルギー省に通知したと発表した。
 同社が建設を計画していたのは、首都ワシントンに近い東部メリーランド州にあるカルバートクリフス原発第3号機。連邦政府による債務保証の条件が厳しすぎ、コスト面で重大なリスクが生じることが凍結の理由と説明している。
 米国ではブッシュ前政権が原発建設推進へと政策転換、オバマ政権も地球温暖化防止などの観点から推進政策を引き継いでいる。(ここまで共同通信記事)

原発に社運をかける東芝

 ブッシュ政権末期にスリーマイル島原発事故以来30年間も凍結していた原発増設が復活したと思われていた。それを裏付けるように、 産経新聞2008年5月22日に「米国エネルギー省のデニス・スパージョン次官補(原子力担当)は2008年5月22日、都内で記者会見し、2050年に米国の温室効果ガス排出量を削減するには、電力需要全体における原子力発電の割合を現状の約20%から30%まで引き上げる必要があるとの認識を示した。米ブッシュ政権は25年までに温室効果ガス排出量の伸びをゼロにする目標を掲げており、原発の新規建設が進みそうだ。
 スパージョン次官補は排出量削減には、「原発の発電量を大幅に引き上げなければならない」と指摘。現在、米政府に申請されている35基前後の原発新設計画を進めるため「環境整備に努める」と強調した。(ここまで産経新聞記事)
このような米国の動きに呼応して東芝は2006年にウエスティングハウス社を6370億円で買収。三菱重工はフランスのアルバ社と業務提携、日立は米国GEと提携して、世界の原発メーカーは3つのグループに統合された。特に原発建設に社運をかけて6370億円もウエスティングハウス社買収に使った東芝。原発ルネサンスの終焉は経営基盤を揺るがしかねない。東芝の西田社長は経営方針説明会で「原子力事業を中核事業と位置づけており、今後15年間で33基の受注を目指す」と豪語していたが、米国の受注がキャンセルされれば、東芝の屋台骨を揺るがしかねない事態だ。そうなれば西田社長の経営責任が株主から追及されるだろう。


現代は原発終焉の時代

フランスなど一部の国では確かに原発の建設は続いているが、世界中の稼働中の原発450基の内、チェルノブイリ原発事故以前に建設された大半の原発が5年から10年で廃炉を迎える。70年からチェルノブイリ事故の86年までに建設された原発は330基あまり。これらの原発が廃炉になれば残りの原発は僅か120基しか残らない。07年では年間に2基しか新規建設は行われていない。まさに現状は原発ルネサンスどころか原発終焉の時代が到来しているのだ。

原発は未来の子どもたちにツケを残すだけ

原発は運転中は確かにCO2はほとんど出さない。しかし、どこにも捨てることのできない半減期が24000年という放射能のゴミだけは大量にはき出し続ける。また、ウランの採掘から濃縮、核のゴミの処分や管理に膨大なエネルギーが投入される。また、原子炉の建設から廃炉までも膨大なエネルギーとお金がかかる。特に廃炉には建設費を上回るコストがかかること言われている。これらの費用は全て未来の子どもたちへのツケとなる。その上、六カ所村核燃料サイクル基地の建設費が2兆円を既に上回っているが、未だに稼働していない。今後、核燃料サイクルが稼働したとしても、その処理費用は10兆円以上かかるといわれている。
原発は計画から稼働まで20年以上かかっている現状では、今から計画しても実際に稼働し始めるのは20年後で、おまけにウランの可採年数が60年なら、彼らの時代には既にウランは使い果たしてしまっている。未来の子どもたちは、何百年、何千年と私たちのツケを、ただただ支払い続けなければならないのだ。
by nonukes | 2010-10-13 00:45 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

  小坂正則